2015/06/12 のログ
黒谷 知来 > 「……ぼくも、がんばろ。」

一人になって一人称が変わる。
笑われたくないゆえに隠しているものの果たしてうまくいっているのやら。

ゆっくり歩いて自室へと向かう。

夜中、眠気覚ましに飲んだハバネロミルクに悲鳴を上げたのはまた別の話。

ご案内:「ロビー」から黒谷 知来さんが去りました。
ご案内:「その他」に月陰ミツキさんが現れました。
月陰ミツキ > 「さて……今日は簡単に食パンでも作ってみようかしら」

 食堂の営業時間は既に終わり、多人数で使用可能になっているフリーの調理場に一人の影があった。
 一応自室にも調理場はあるのだが、多人数で食べ物を作る為の予行演習なので広い多人数共同用の調理場にきたミツキである。

月陰ミツキ > 「んー発酵機能はきちんとあるかしら……無いなら無いで作れはするけど、あった方が楽だし美味しいわよね……。」
 ごそごそ ごそごそ 備え付けの電子レンジ(非魔法式の普通の科学の産物)を弄り各種機能や操作方法をチェックしていく……。 
 複合式の電子レンジの機能としてオーブンやグリルだけでなく、蒸気で庫内の汚れを浮かし落とす機能や、湿度や温度を調節してパン生地などの発酵を促す発酵機の機能などがあるモノがある……人によってはガスより電子レンジの方が便利だというモノも居る位だ。(勿論火力ではガスに劣る場合が多いので電子レンジだけで製菓やパン作りを済ませるモノは趣味人に限られるだろうが)。

月陰ミツキ > 「ん♪ じゃあ作ろう」

 どうやらお目当ての機能があったらしい。満足げな顔で作業に入る。 小麦粉をはじめ各種材料をボールに居れひたすらコネ出す。

月陰ミツキ >  暫くして生地をコネ終ったのか、ボールに生地を入れるとで庫内に生地を入れてスイッチを入れている。

 「ふー これで第一段階は終了ね♪」

月陰ミツキ >  一通り材料を片付けて必要な道具だけを残すと、食卓の方に移動してのんびり彼女は踊りだした……。
 レンジの表示には58分と出ている。

月陰ミツキ > 「 ~~♪  ~~♪」
 女子寮の夜の食卓で一人踊る少女……一応ダイエット用のダンスか何かなのだ……たぶん。
 傍から見ると恥かしい光景な気がするが、彼女は恥ずかしくないのだ……恐らく。
※食卓と言っても食卓が並んでいるペースで踊っているだけで、食卓に乗るなどの行動をしている訳ではありません。

月陰ミツキ > ピー そう電子音が鳴り響くと彼女はキッチンに戻り、再び作業を開始した。暫くゴソゴソしていると、再度暇になったのか今度は本を読み始める……どうやら内容はダイエットに関するモノのようだ……彼女の種族はカロリーの消費が大きいためほぼ太らない筈なのだが……年頃の女子(?)ゆえ気になるのだろう。
月陰ミツキ >  「今のところスタイルは悪くないと想うのだけど……起伏が無いから太ったら露骨に目立ちそうな気もするのよね……。」
 
 彼女はそんな事を本を読みながら呟き、その後暫く調理工程と読書を挟み最終的にパンが完成した。

月陰ミツキ > 「もぐもぐもぐ……一応ちゃんとしたパンにはなったかな……ここの設備も私の想定より良かったし……。」

 のんびりパンを食べながら、何時か誰かと一緒に食べ物作ってお茶会とかしてみたいナァ……と考えるミツキである。
 この学園に入って間もない上に人見知りで……なおかつこの人外魔境な学園に多少の怯えを感じていた彼女にはまだ知り合いらしい知り合いはほぼいない……名前を知っている相手なんてふーか嬢位のものだ。 
 ふーか嬢の身長で料理なんて出来るだろうか?
 そもそも彼女を誘って誘いにのってくれるだろうか?
 怪しいおねーさんだと想われないだろうか?
 生来のネガティブ気質がやや顔を出しつつ、なんとなくあの表情ならイケる……女子寮の一部を使う以上警戒する必要も無いのだし……と自分自身以外を理由に脳内で可能性を押し広げていくミツキであった。

月陰ミツキ >  「あら……」

 気付けばパンを食べ終えていた……せっかく作り立てなのでもう少し味わえばよかった……そう後悔するがもう遅い。

 まぁ、自室ではなくこの場所で調理しこの場所に慣れる、という当初の目的事態は達成しているので良いか……と考え直すミツキであった。

月陰ミツキ >  「誰かと作る時はブラウニーとかもいいかもしれないわね」

 ブラウニーなら日本人のような高カロリーを苦手とする味覚をした人にも受けは良いだろうし、ここの設備なら失敗する可能性はほぼ無いだろう……。
 アメリカ人のような味覚をしている方の為に、揚げバターのレシピも入手しておくべきかしら。
 そう考えては見るが、揚げ物系は危険度が高くこの女子寮では設備も無ければ事前許可を取る必要も有り中々面倒が多い……。
 パウンドケーキ辺りが丁度いいかもしれない。
 そこまで考えた所で後片付けが終わり、彼女は意識を切り替え自室へと向かっていった。

ご案内:「その他」から月陰ミツキさんが去りました。
ご案内:「部屋」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 > 「~♪」

今日は履修している講義がない、つまり休日だ
ふんふん鼻歌混じりに押入れを開きボックスをがたがたと漁る

そこには氷架の秘密の趣味が詰まっている
美少女の絵柄がプリントされたケースの中にディスクが収まっている
所謂男性向けのエロゲというやつだ
それがところせましと三段ボックスに詰まっている

「バイト探しもしなきゃだけど折角の休みだしなー」

積みゲー消化に当てないと、積まれていく一方である

雪城 氷架 > ノートPCを立ち上げて、ディスクを挿入
インストールの間を、コーヒーを飲みながらじっと待つ

やがてインストールが終わると、
嬉々としてそれを立ち上げ、でっかいヘッドフォンを耳に装着
ノートPCの前に寝転がった

丸一日かけて寝転びながらエロゲ
密かにファンクラブもあるかもしれないらしい16歳女生徒の休日の姿である

雪城 氷架 > ボリュームは当然のように最大にする
高級ヘッドフォンなら音漏れも気にする必要はない

もう今日は女子寮のこの部屋に誰が訪ねてきても出もしないぞ

雪城 氷架 > ゲームに集中する
寝転びながら足をパタパタさせて無心に左クリックしていく

「(あっ…この永遠の二番手っぽいお嬢様キャラチョロそう)」

お嬢様はだいたいチョロい、なぜなのか

雪城 氷架 > 「(まだOPムービー終わって30分くらいだってのに…)」

なんというチョロさ。
世間知らず属性はこんなにもチョロいというのか。

なんとなく商店街であった菖蒲を思い出す
変な男に捕まったりしてなければいいが

雪城 氷架 > 結局そのままある意味出会った時からもう堕ちてたんじゃないのかと言わんばかりのキャラのエンディングに到達
EDの歌が良いゲームはいいゲームだ
でもちょっとCGは物足りなかった
ストーリーで魅せるタイプのゲームのようだ

かぽっとヘッドフォンを外して小休止

「(妹も攻略できんのかな…)」

コーヒーを飲みつつどうでもいいことを考える

雪城 氷架 > そして再開

「(…あ、一周目は出てこなかった子…立ち絵可愛いな…)」

再びヘッドフォンつけてゲームの世界にダイブする

雪城 氷架 > ギリッ
ピキィ

「………」

マウスを持つ手が震える

「(最初のフェ○シーンにCGがないだと…?!)」

そこは重要だろ
二回目三回目としつこくはいらないが、
はじめてのイベントの時は重要だろう

無駄に生々しい擬音テキストなんていらないのだ

雪城 氷架 > 「(むぅ、冷めたけど多分コイツ攻略しないと次のルートが出ない…)」

カチカチ

無音の部屋にクリックの音だけが響く

雪城 氷架 > 「………」

なんとなく手が止まる
場面は男主人公に対する自身の気持ちに素直になれなかったキャラが
葛藤の末に振り切れるというシーン

「(こういうことあるよな、さっきまで全然気にも留めなかったキャラだけど、このイベントあるだけで、滅茶苦茶可愛く見えてくる…)」

カチカチ

雪城 氷架 > でもちょっとこのキャラは喘ぎ声が耳につきすぎる
飛ばしてしまおう
コントロールキーホールドだ

雪城 氷架 > 2キャラ目を攻略し終わる
なかなか素直なゲームだ
選択肢をミスったからと言って速攻でバッドエンドを踏むということもない

「でもCG少ないな…差分が多ければいいってもんじゃないだろ」

コトン、とヘッドホンを置いて起き上がり、コーヒーに勤しむ
そういえばお腹が減った、時計を見ればもうお昼近い

雪城 氷架 > この調子なら徹夜すれば今日中にこの1本は消化できそうだ
一旦小休止、ノートPCの電源を落とし
エロゲのディスクケースは再び押入れに封印する

ルームシェアで同じ部屋に何人か人がいるが、
誰もいない時を見計らっているのでこの趣味は誰にもバレていない…はず

……括流と、あとなぜか麻美子を除いて

雪城 氷架 > 「(今月は兎も角来月がまた豊作なんだよな……消化スピード早めないと)」

ふあぁ、と欠伸しつつ部屋の照明を落として、出て行く

昼食は女子寮の食堂ででも食べるとしよう───

ご案内:「部屋」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「部屋」に生ヶ易案子さんが現れました。
生ヶ易案子 > 小娘はキッチンに立っている。
大食堂の厨房を借りたりはしない。個室、一人部屋、備え付けの小さなキッチンである。

生ヶ易案子 > 彼女の異能――能力開発プロジェクト名『永遠の一瞬』は、主に課題のサボりに使われてはいるものの、料理という行為とも非常に相性がよい。
「一瞬で『作品』を『完成』させる」、という特質。
「『作品』は『破壊』できるが『修正』できない」という制約。

――日常的に必要となる、『破壊』を前提とした『作品』。
それが料理である。
こんなんでも、彼女のCTFRA評価が5、Expertたる由縁でもある。研究者たちはなんか不服そうだった。

生ヶ易案子 > であるからして、当然、今日の料理もそれこそ一瞬で『完成』しているべきなのだが。

キッチンに立つ彼女の前では、土鍋がふつふつりと熱を持っている。
ときおり響く陶器の音に、彼女は黙って聞き耳を立てている。

生ヶ易案子 > 入学当初、ふわふわとした表現ばかりで詳細不明のこの能力は率先して研究に回された。応用可能性が高いだろうと思われたからである。
一時期は、学生街に住んでいるんだか研究区に住んでいるんだかわからなかったくらいだ。
結論としては「『作品』や『完成』の定義が狭すぎて意外と使えない」みたいなものだったが。

しかして、この能力の一番厄介なところは――それこそ、呪いじみたところは。
この能力でいくら『作品』を『完成』させても、学習や上達、それどころか反復による記憶の維持すら得られないことだ。

生ヶ易案子 > 究極、この能力で文章を完成させ続ければ、指は鉛筆の動かし方のプロトコルを忘れ、最終的に識字能力さえ失う。
この能力で歌を完成させ続ければ、声帯が筋収縮を忘れ、最後には呼吸ができなくなる。

……つまり、
ときどき、こうやって、能力を使わない『復習』が必要になるのだ。

これは、「生まれながらのサボり魔」であることに対して、常人には理解しがたい矜持を持っている彼女にとって――できれば隠しておきたい汚点なのだ。
美醜の感覚は人それぞれなのである。

生ヶ易案子 > 「さあて、炊けたかなー」

ぱかりと開ける。
土鍋メシである。
べつに炊飯器でもいいのだが、どうせ普段は一瞬で省略するのだから、どうせなら手間のかかるメソッドであるほうがなんとなくお得だ。

はじめちょろちょろ中ぱっぱ、つややかな光沢が湯気にかすむ。
冷めても間食に堪えるように、酢飯にならない程度の風味もつけてある。

生ヶ易案子 > 「さて、と」
粗熱が取れたあたりで、やや深いレンジ皿を手に取ってラップを剥がす。
キッチンの作業台には、似たようなものが数種類並んでもいる。
調理の基本、主食を押さえたうえで、なるべく多くの調理法を修練できるもの。

「これっくらーいの、お弁当箱に」
お弁当箱はない。
「おーにぎーりおーにぎーり、なんとやら」
おにぎりである。歌の続きは思い出せない。

生ヶ易案子 > まずは鶏そぼろ。

ささみ肉を甘辛く味付けし、汁けを切ったものを、炒飯と同じ要領で玉子で包むように炒めてある。
ショウガ風味を、チューブ品を混ぜるのではなく、ごく少量の刻みショウガを和えたのがポイントだ。大粒すぎたり量が多すぎると辛すぎてだめだ。

味見。
「よし」

生ヶ易案子 > 油あげ。

おにぎりの具としてはやや珍しいが、鶏そぼろから切った肉汁を吸わせ、かつお節と馴染ませれば、白米のお供にちょうどいい濃さとボリュームが出る。

もちろん、味見。
「よしよし」

生ヶ易案子 > お次は王道、梅おにぎりだ。王道ゆえにあまり凝る必要はない。色が映えるように、配置に気を使って紫蘇を敷く。味見はなし。
サバの煮つけは……、鶏そぼろとの差別化のため、やや塩味を濃くしたが、
「これはちょっとからいかな……」
圧力鍋を買うほどの踏ん切りはないから、小骨取りが命だ。舌で潰してみても違和感はないし、そこが大丈夫なら白米でなんとかなるか。うまい。

生ヶ易案子 > 最後にひとつ変わり種。トマトだ。プチトマトをつぶして加熱したペーストに、薄板状のチーズを敷いてある。
熱でとけるタイプのものは、つまり冷めるとおいしくない。こういった調理用途なら、おつまみコーナーから選ぶのが無難である。
オリーブオイルは風味づけには大量にかけたほうがいいのだが、おにぎりなので染みだしては困る。入れては見たが、隠し味というよりおまじない程度だろう。

白米から具の一部が見える配慮も忘れない。
トマトはやや人を選ぶだろうから、念には念を入れて、海苔の上にプチトマトのヘタを飾っておく。

生ヶ易案子 > もちろん、調理モノだけだと不自然なので、鮭フレークやとろろこんぶなどの既製品モノもいくつか作って――

「さーてと、押しつけてきますか」
さすがに一人で処理できない量だ。
お昼になれば、食堂にいくほどでもない生徒たちがロビーにたむろしている頃だろう。100円のコンビニパンよりは、タダ飯のはずだ。

「うっかり作りすぎちゃった」と言えば、誰も疑うまい。
普通ならそれには無理がある量と手間でも、彼女の「能力」をもってすれば、それほど不自然なことではないのだから。

ご案内:「部屋」から生ヶ易案子さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に霜月 芙蓉さんが現れました。
霜月 芙蓉 > 「つーっかれたーぁ!」

ロビーに帰って来るや否や、そんなことを口にする。

「んー、コーヒーコーヒーっと♪」

そのまま、ロビーの自動販売機でコーヒーを購入。がこん。カシュ。くぴー。

「うーん、カフェを入れるときりっときますなぁ!」

酒を飲んだおっさんのような事を口にする。なお、カフェとはカフェインの略である。カフェテリアではない。

霜月 芙蓉 > 「さーって、のんびり~♪」

弓を横において、ロビーの椅子に座ってコーヒーブレイク。

「今日は特に、変なことはなかったなー」

あることを期待しているわけではないが、これでもやる気だけは十分な風紀委員である。何かあればいの一番に駆け付けたいものなのだ。

……まあ、行動範囲がまだ広くないので、大量に見逃しているだけの可能性も十二分にあるのだが。

霜月 芙蓉 > 「ふんふんふ~ん♪」

そして、コーヒーを飲みながら鼻歌交じりに弓の手入れを始める。

「カフェが効いてると集中力が違いますぜ~?」

こういうふうに言うとなんだかコカとかと同じ部類に聞こえるが、カフェインの略である。

霜月 芙蓉 > つまりは現状……変なテンションの少女が、なぜかロビーで弓の手入れをしているという状態。

今は誰もいないとはいえ、場所にそぐわない風景ではあろうが……

「ん~、張りがちょーっと甘くなってるにゃー」

WKY(割と 空気 読めない)芙蓉ちゃん、の名を欲しいままにしてきた彼女には、そんなことは関係なかった。

霜月 芙蓉 > 張りを確認し、弦の状態も確認し、手際よく弓の手入れをしていく。

びぃん、びぃんと軽く空引き。

「ん、いい感じ~♪」

ご満悦のようだ。

霜月 芙蓉 > 「ふっふ~ん、今日はどーしよっかなー♪」

授業以外で誰とも話していない。

おしゃべり好きな彼女としては誰かとお話タイムを作りたいものでもあるが、いかんせん誰ともかち合わないのだ。

「お兄ちゃんのトコに行くのもな~」

今、兄は男子寮だろう。不法侵入もいざとなれば辞さないが、流石に暇を持て余しているというだけで不法侵入を敢行しない程度のモラルはあったようだ。

霜月 芙蓉 > 「ま、しばらくのんびりして、何もなければお出かけかな~」

そのまま部屋に戻って寝る、と言う選択肢はないらしい。

弓をいじくりながら、のんべんだらりとコーヒーを口にしている。

「誰かー、こーないっかなー♪」

来たとして、話せるかは別ではあるのだが。

霜月 芙蓉 > 「……性に合わないっ!」

突如立ち上がる。

「待ってるだけって私のキャラじゃなーい!!!」

叫ぶ。

「よっしゃー、まだ見ぬ出会いよ、待っててねー!」

そしてそのまま、走り出していった。

ご案内:「ロビー」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「食堂」に月陰ミツキさんが現れました。
月陰ミツキ > 「誰も……使ってないかな?」

 共同調理場を借りに今日も食堂へやってきた様子のミツキである。
 事前許可申請など必要が無いタイプの調理が目的であるため、人が使う気配が無いか慎重にチェックしていくが、今の所人の気配はない。

月陰ミツキ > 「今日はチョコレートタルトを作ろうかな?」
 
 元々は、以前に作り成功したことのあるブラウニーを作る予定だったのだが、学園内に農場があると知り、多様な果実で多様にアレンジ出来るタルトの練習をしようと考えを改めたミツキである。
 とはいえ今日は高い果物系は用意せず、溶かしチョコレートを上に流し込むチョコレート・タルトの予定だ。
 自分個人用なので製菓用のクーベルチュールチョコレートではなく、ガー●チョコで代用する気の抜きようである。

月陰ミツキ > 『並行して作ったりとかはした事無いけど、クーベルと普通のチョコでどう仕上がりにどう違いがあるんだろう?』
ついついそんな事を考えてしまう。

 正直、クーベルにこだわらなければいけない理由が未だ解らないミツキである。
 そもそも日本の製菓用チョコレートがクーベルチョコレートの基準を満たしているかどうかも彼女にはよく解っていないのだ。

月陰ミツキ > 「そもそもこの学園なら、クーベルチュールより更に凄い魔力のこもったチョコなんて摩訶不思議なモノでさえ手に入りそうで怖いんだけど」
 等と冗談を口にしている間に作業はどんどん進んでいく。
そうこうしているうちに、常温素材の準備は終わり、粉も使用可能な状態になり、型の準備も万端だ。

月陰ミツキ >  バター、砂糖、塩……卵黄、小麦 歌いながらノンビリと混ぜていくとそれまで扱っていた材料を冷蔵庫に入れてほっと一息。

 コーヒーを入れると辺りに豊かな香りが溢れだした。

月陰ミツキ > 「これが飲めるというだけで、この世界に来た甲斐があったというモノよねぇ」
 実はコーヒーが大好きらしく、暫く呆けた顔をして中空を見つめる。
 彼女の脳内では学園に来たばかりでほぼ唯一の知り合いである某毛玉少女とお茶会をする自分が想像されていた。

月陰ミツキ >  そうこうしている間に時間も過ぎ、寝かせた生地を取り出して作業を終わらせた所で彼女の瞳が曇る。
月陰ミツキ >  カスタード・クリームを作ると言う事が彼女に敷居が高いのだった。 以前調子に乗って只でさえ難易度の高いシュークリームの作業を複数同時に進めて、見事大失敗を記録しているのである。
 
 ダマになった失敗カスタードの味を、彼女は忘れてはいない。

月陰ミツキ > 何とかほかの作業を終わらせ、製菓本を何度も見ながら作業を進めていく……。バニラビーンズはうっかり買い忘れたのでそこは見なかった事にするなどのハプニングはあったが……順調に進めていく。
 少しずつ……少しずつ鍋の中から甘い匂いが湧きたち、艶々と輝き始め、彼女はそれをバターを混ぜ合わせそっと冷蔵庫に入れる……。製菓用のバットが常備されていた事がありがたい。

月陰ミツキ >  そしてどれ位時間が経過しただろうか?
気づけば彼女の手元には土台だけのタルトが存在していた。

 後はここに果物を盛り付ければ立派なタルトの完成なのだが、ここは手抜きをしてガー●チョコをレンジで温めた物を流し込んでいく……最後に仕上げを施すと、なんとかタルトのようなモノが完成した。
 匂い 外見 共にきちんとタルトしているが、問題は味である。

月陰ミツキ >  彼女は再度コーヒーを淹れ直し周囲を見渡すと(別に悪い事はしていないのだが、自信が無くて少し恥ずかしい)、人がいないのを確認してタルトを食べ始めた……。
 
 その表情を見るにどうやら今回のタルトは成功なようである。

月陰ミツキ > 「んー……これで、ふーかちゃんを誘って一緒に御菓子作れたら、頼りになるおねーちゃんっぽいかなぁ」

 子供(と認識しているふーか嬢)に好かれたいという純粋なんだか不純なんだかな動機をぼそっと口にするミツキ。

月陰ミツキ >  まだ彼女はこの学園に来て日が浅く、彼女の出身世界から来ているモノが居ない(少なくともミツキは知らない、知らないだけでいる可能性はある)。

 その上どうにもミツキはコミュ障である為、数少ない知り合いの好感度を上げようとついつい画策してしまうのだった。

月陰ミツキ >  そんな乙女の悩みらしからぬ悩みを口にしながら食べ進める事12分。タルトを食べ終えた彼女はまた自室への帰路へとつくのだった。
ご案内:「食堂」から月陰ミツキさんが去りました。
ご案内:「ロビー」に雪城 氷架さんが現れました。