2015/08/20 のログ
枢木 柩 > 「ん!そうそう!枢木だよー。」

嬉しそうに耳を揺らし、隣いいか?と伺って

「そっちはえっと、谷蜂…だったっけ?久しぶりな気がする」

ごめんな、あんまり覚えてなくて…。苦笑いで頬を掻く

谷蜂 檻葉 > 「……はぁ。全くの他人に聞かれなくてよかったです。」

小声でそうつぶやき、少しホッとしたように胸を撫で下ろす。

第一印象というのは大事だ。 恥ずかしいことには変わらないけれど、「それ」を印象に残されるのは恥ずかしさが長く続く。 知り合いなら、言い触らされなければ四十五日もせずにわすれるだろうから。

「ええ、檻葉です。 寮内で何度かすれ違いはしても、お話したのは随分前でしたね。」

ダークブラウンから、随分と鮮やかになったオレンジ色の髪を湯に付けて
手でつくろうようにしながら身体をゆったりと温める。


「夏休みはどうでしたか? 私は、ふと気づいたら過ぎてたようなものでしたけど……海とかいきました?」


少しだけの嘘。 酷く螺曲がった記憶は思い出そうとしてもそれが一体『いつ』だったのか。去年か、一昨年か。 それすら思い出せないから、こう言うしかないのだ。 

枢木 柩 > 「夏休み。んー、宿題早くに終わっちゃって、
海にも何回か入ったし、水着も買ったんだけど、
めちゃくちゃ暇だった。」

水着は可愛いやつを四十万と選びにいったんだ、と尻尾を揺らす。胸からは目をそらす。

谷蜂 檻葉 > 「休"暇"になったなら、まぁ良いんじゃないですか?」

クスクスと笑って揺れる尻尾を見つめる。

「暇だった分、学校での活動に身が入るというものでしょう。 ……そういえば枢木さんはなにか部活とか?」

暇、ということは。まぁ部活はないだろうが。
委員会とか、そういったものぐらいは入っていてもおかしくはない。

枢木 柩 > 「いやいや、あんまり人が多いところいくと、目立っちゃうからそういうの
なかなか入れなくて…興味はあるんだけど。」

耳を両手で隠すように抑えて、やれやれといったような顔

「あ…そういや、髪染めたんだな?」

気づくのが遅い

谷蜂 檻葉 > 「そうですか? まぁ、「普通の人間」の人が多いですから多少は目立つかもしれませんけれど……。この学校なら、そう過敏に取らなくてもいいと思いますよ?」

とはいえ、当事者じゃないのだから無責任にしかならず、それ以上は言わなかった。


「――――― あー、えっと……ちょっとしたイメチェン、みたいなものなんですけれど。 似合いません、かね?」


これも、少しばかりの嘘。
時計塔で目を覚まして、しばらくしてから「ソレ」に気づいた。
ツギハギだらけのような記憶の中でも、『気づけば』そうなっていたせいで、自分でもこの色にした理由がわからない。 ―――ただ、なにか意味があることだけは虫食いの穴が主張し続けているから、上から染めることもないのだけれど。

枢木 柩 > 「いやぁ…撫でられまくったりする…。
人間は耳が好きだな?」

ううむ、と唸る。

「…ふぅん、似合ってると思うぞ?うん、可愛い。」

何か事情がアリそうということは察したが、それ以上の追求はよした。

谷蜂 檻葉 > 「耳、というか……こう、ふわふわした、もふもふしたものは好きな人が多いですよね。」

毛布とか、お布団とか落ち着くものを想起するからですかねー?と首を傾げつつ。
尻尾に目線をやり

「まぁ、尻尾はお尻に近いですからみなさん触りやすそうな耳に行くんじゃない…ですかね?」

頭を撫でるような感覚じゃないだろうかと推測する。
……尻を撫でたら痴漢だ。

「なら、良かった。」

有難うございます、 と。
それ以上突っ込まなかったことに、そして褒めてもらった言葉そのものに笑みを見せてゆっくりと立ち上がる。
長く話すのも楽しいが、楽しいままにのぼせてしまってはよくないだろう。


「……と、私そろそろ上がります。 また、お話しましょうね。」

枢木 柩 > 「耳もくすぐったいんだがなぁ…。」

苦笑。そして

「ん、そだな、私も上がるとするよ、またな、谷蜂」

ご案内:「大浴場」から枢木 柩さんが去りました。
谷蜂 檻葉 > 「檻葉って呼んでくださいってばー。」

苦笑気味に、そう言いながら浴場を後にする。

ご案内:「大浴場」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に薬師寺 瀬織さんが現れました。
薬師寺 瀬織 > それは昨日のこと。薬師寺瀬織は、初めて人を撃った。
相手は落第街・大通り側の路地にて、良からぬ薬品が入っていたであろう注射器を手に襲ってきた金髪男。
まずは注射器を銃撃により破壊、その後鳩尾に弾丸を数発撃ち込み、そのまま逃走。生死は不明。
銃の基本的な扱い方こそ理解していれど、購入したばかりで実戦は不慣れであった上、
鳩尾への銃撃の際には左手のみで射撃を行ったため、手首や肘の関節に負担がかかり、若干痛んでいる。
「(なんて無力なの。私は。なんて……)」
今は弾の込められていない、スライドに『IX』の印が刻み込まれたオートマチック拳銃。
ロビーのソファに座った瀬織は、その銀色の右手に持ったそれを見つめ、ただひたすら、無力感に打ちひしがれていた。

薬師寺 瀬織 > 瀬織の頭をよぎるのは、自らが撃ったあの男の言葉。
『銀腕』<アガートラーム>。呪われた『XIII』のサイン。
男の目的は、今まさに拳銃を握り締めている彼女の右腕――装甲義手ヒュギエイアを奪うことにあった。
さらに、それまで落第街に赴いたことのないはずの瀬織とよく似た特徴を持つ『銀腕』<アガートラーム>なる人物を、彼は知っていた。
そしてあの時の男の言動から察するに、『銀腕』<アガートラーム>の情報は相当数の落第街の住人に行き渡っているのであろう。――それは何故か?
瀬織は相も変わらず銃を見つめながら、しばし思案にふける。

ご案内:「ロビー」に上那賀 千絵さんが現れました。
上那賀 千絵 > 外出から寮へ戻りロビーへと差し掛かる。
静かで誰も居ないだろうと足を踏み入れる。
丁度ソファーを横切ろうとした時、
物音立てずに不思議と銃を一点に見つめる一人が視界に入った。
 
「・・・?」

何をしているのだろうか?
その一人は見かけた事があり名前も知っているが話したことはない。
然しその様子が少しだけ気にかかったのか。

「今晩は。どうかしたのか?」

ソファーに座るその一人の背後、
たったまま足取りをとめて視線を其方に向けた後に声をかけて見る。
旨くは言葉にできないが取り敢えず挨拶は付けて置いた、
行き成りどうかしたのかと聞いては変だから。

薬師寺 瀬織 > しばし体勢を保ち、考えうる事柄について整理を試みていたが、
背後から声をかけられれば、そちらへ振り向く。視線の先には水色の髪の少女。
「……こんばんは。私は少し考え事をしていたのだけれど」
挨拶を返しつつ、この場で自身が行っていたことについても説明を試みた後、
右手に持っていた銃を、水色の髪の少女の視界にはっきりと映るよう、銃口は向けずに示し。
「ねえ。人を撃った事って、あるかしら」
一つの問いを投げかける。

上那賀 千絵 > 紺色の髪、緑の瞳が此方に向けられ視線が合う、

「そうか・・・すまない、邪魔をしたかもしれないな・・・。」

集中を欠いてしまったならばと謝罪の言葉をつけて小さく首を振る、
然し、銃を見つめての考え事、きっと単純なことではないのだろうと少し予想した。
答えを受け取ってから直ぐの事、
彼女が見せた拳銃へと視線を一度向け、
もう一度視線を彼女に向ける。
銃口が向いてないところを見ると敵意はないと理解する。
少し間があいて彼女からの問いの言葉・・・。

「人を撃った事・・か。」

ふむ、と口元に手を沿えてなんと答えようかと思案、
穏やかでない質問、ごまかしてしまうこともできたが
何分嘘は付けないようで・・・

「撃ったことはない、が、切った事はある。」

有りのままに話す。
いいイメージではないが躊躇うことなく率直に伝わるようにはっきりと答えた。

薬師寺 瀬織 > 「そう」
人を斬ったことがある、と言われれば、瀬織は表情も声色も変えぬまま、
少女の透き通った水色の瞳を見つめつつ返答し、続ける。
「私は昨日……初めて人を撃ったわ。この銃だって、落第街の店で買ったばかりのものなの。私には『力』が必要だったから。それで、帰り道で襲われそうになって、その時に」
自身が初めて人を撃った、その状況についても、可能な限り簡潔に話した後。
「怖かったわ。襲われそうになった時も、人を撃った時も……。でも、何より……この程度の『力』では、私にはまだ足りないと実感したの」
抱き続けていた、率直な感情。それを、眼前の少女にはっきりと告げる。

上那賀 千絵 > 「・・・」

彼女の答えに言葉を無くして頷き答える。
視線を合わせたまま続ける言葉を聴くべく、
立ったままでは話づらいだろうと彼女の対面にあるソファーへ向かい腰掛ける。

「初めて人を・・・、無理もない、全てが初めてならば恐怖を感じるのは当然だ・・・。私も同じだったからな。」

彼女の感情は理解できる物がある。
今では感情すら自分は鈍ってしまったが、
最初は恐怖ですらなかった。
人を殺めるとは重く苦しい物だから・・・。
然し、言葉の中に気になるところが浮かび上がる・・・。

「然し、何故力を求める・・?
力を求めれば今以上の恐怖も自分に降りかかる結果になるが・・・。」

水色の双眸を彼女の緑の瞳に真っ直ぐ向ける。
その恐怖を知ってもなお、求める力はなぜか。
自分には気になるところだった・・・。
彼女も自分と同じ道を辿ってほしくなかったから。

薬師寺 瀬織 > 水色の髪の少女が対面のソファへと腰掛ければ、
瀬織もまた、先程まで座っていたソファへと腰を下ろし。
「……決まっているでしょう。私には『力』が必要だからよ。必要のないものをわざわざ求めることはしないと思うのだけれど」
少女の問いに、答える。瀬織の表情は、なおも変わらない。
しかしその声には、やや苛立ちが混じっているようにも聞こえるかもしれない。
「貴女も噂程度には聞いていると思うのだけれど……ここ最近、この島のあちこちで物騒な事件が起きているでしょう。教師が生徒に発砲した事件に、風紀委員への襲撃……それに、表沙汰にならない事件も数え切れないほど起きているでしょうね。そんな話を聞くたびに……私の中にある無力感がどんどん大きくなっていくのを感じるの。私には『力』がない、この程度では足りない……そんな気持ちが」
実際のところ、瀬織が感じている無力感はそれら頻発する事件のみに起因するものではない。
むしろ、元を辿れば友人関係や学業成績からくる劣等感がその大部分を占めているのだが、
そのことについては、水色の髪の少女には直接語ることはない。
瀬織の言葉は、なおも続く。
「だから必要なの。ヒトを超えた『力』に溢れているこの島で、ヒトを超えた暴力に対抗しうる手段が。それが私の求めている『力』」