2015/10/07 のログ
ご案内:「ロビー」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > ぐったりと、ソファーに座りながら、
じーっと恋愛小説を読んでいる。

「――」

ひょんなことから些細な事件に巻き込まれた少女が、
実はその事件が大きな陰謀の渦中にあり、
その陰謀に巻き込まれ、
その中で愛を育んでいく――

といった内容の。

買ったばかりなのか、真新しく、
ピンク色のカバーがかかっている。

四十万 静歌 > 「……」

パラ、パラと読んでいく。
話の内容としては、そこそこといった具合だろうか。

ストーリーとしては無難だし。
それにしても――

「読む分にはいいんですけどねー……」

実際こういう風な恋愛がしたいかといわれると、
ちょっと、怖い。

四十万 静歌 > 「……」

ふぅ、と息を吐いて本を閉じて、
じっと天井をみてぼんやりする。

「恋、かぁ……」

なんて、思わず呟いたりして――

ご案内:「ロビー」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > ちょうど視線を上げた時。
出入り口からヒュウ、と冷たい風が吹き抜ける。

目を向ければ、眠たげに眼を擦りながら檻葉が外から帰ってきていた。

「ふわぁ……あ、静歌……。」

ゆるゆるとソファーに近づくと、
ばふっと音を立てて倒れこむようにして、四十万のすぐ隣に腰を下ろした。

「何読んでるの?」

疲れているのか、目を閉じてリラックスしたまま尋ねる。

四十万 静歌 > 「――おかえりなさい、檻葉さん。」

姿勢をただし、檻葉の方をむいて頭を下げ――

「いえ、つまらない本ですよ。
 最近発売された恋愛小説ですよ。
 ……お疲れみたいですけど、何かありましたか?」

なんてリラックスしてるようすにちょっと心配そうな視線を向けていうだろう

谷蜂 檻葉 > 「ん、ただいま……ぁあぁふぅ……。」

彼女がくしくしと時折眼を擦りながら、欠伸混じりに挨拶を返すというのは、
変な時間に起きているような時以外は無かったように思える。

「あー、えっとー、なんだっけ……ごめん、本気で、眠い……。
 あたま……まわんない……。」

思考にずっと靄がかかっているような感覚。
浮かんだ言葉もその白い靄に包まれて消えて、それを探そうという気力も包まれて。

「なんか昨日……一昨日?から夜眠れてないみたいで……。
 あ、えっと。寝てるはずなんだけど、起きても全然寝た気がしなくて……。」

一言一言の間に溜めるような間が空き、細く開いた眼も焦点がどこか定まっていない。

「それで、ええと。 ……タイトル、なんだっけ?言われれば思い出すと思うんだけど。」

誰かと話してると眠気が消える気がするんだ、と。
ヘラっとした笑顔を見せて読んでいた恋愛小説の題名を尋ねる。

四十万 静歌 > 「――本当に眠そうですね。」

じっと、そんな様子を見て――

「膝枕でもいたしましょうか?」

なんて、クスリと笑って――

「まぁ、タイトルは――
 『真実の果てにあるもの』
 ですね。」

うん、と一つ頷いて、

「図書館のほうにも最近きた本だから、
 確かに知ってるかもしれませんね。」

谷蜂 檻葉 > 「あはは―――そのまま寝そう、だから……今はいいかな。」

手を額に当てて、眉根を揉む。

「『真実の果てにあるもの』……真実の……あー、アレ……?
 ヒロインが、2人いるやつ…だっけ? そっちは『桜の彼方にいる人』だっけ。

 四角関係、とか…なんか重かった、よね?確か。」

モゴモゴと、回らない舌で呟くように確かめる。

四十万 静歌 > 「そうですか?
 えっと、それじゃあ。」

ふァさっとテーブルにハンカチを置いて
パチンと指を鳴らして
さっとハンカチを退けるとコーヒー缶が現れるだろうか。

「ヒロインは一人、
 ヒーローが三人、
 確かに重めですね。
 偶然から関わる事になった些細な事件から、
 大きな陰謀に繋がって――
 ハッピーエンドな辺りが流石というか、ベタですけど?」

なんてクスリと笑う。

「『桜の彼方にいる人』はちょっと切なかったですよね。」

谷蜂 檻葉 > 「……………。」

コーヒーが、四十万お得意の手品で出てくると

「……………。(カチンカチン」

ぼんやりとした表情のまま手にとって

「………あかない。」

プルタブに即敗北して、幼児のようなしかめっ面で四十万に差し出した。
いつもなら手を打って感想を言うだろうに、思った以上に彼女の眠気は重いらしい。

「ん、んん……あーそっちか……。
 ご都合っていうよりは、綺麗に、”風が吹いたら桶屋が儲かる”だった……よね?

 ユイが……あ、委員の子ね。
 その、恋愛よりも"冒険活劇"としてお勧めしたいって言ってたと思うんだけど……。

 なんか、こう、恋愛に感じ入ったりした……?」

クルクルと無意味に指を回しながら首を傾げる。

「ん。私はああいうちょっと切ないけど……先が……
 ……未来に?希望が持てるほうが、なんか好き……かな。」

悲劇的なのが、ってわけじゃなくてね。
と、膝枕はいいと言いながらも、人の肩によりかかりながら。

四十万 静歌 > 「はいはい。」

そういって、受け取ると、
さっとプルタブをあけて差し出すだろう。

「ゆっくり飲んでください、
 ちょっと甘いですけど、疲れはぬけますよ。」

と笑って――

「見事に話を纏めていたのが高評価ではありますね。
 ご都合に奔りがちなのに。

 確かに、冒険活劇としてみることも出来そうですし、
 なんていうか演劇とかにも向いてるかもしれませんね。」

演劇部あたりに台本として持ち込めばね
面白いかな?
なんて首をかしげて――

「それにしても、未来に希望ですか。
 確かに――
 未来に希望があれば、
 まだまだ可能性は一杯ある。
 それは物語に収まらぬ希望ですら実現しそうで、
 いいですねぇ。」

なんていいながら、寄りかかられると、
そっとそれを受け入れて――

「――恋ってなんなのでしょうか。」

と、ぽつりとこぼすだろう

谷蜂 檻葉 > 「ありがとぉ」

ふにゃっとした笑みを見せて、両手で危なっかしく受け取ると
忠告通り、ゆっくりと傾けて―――少し口元からこぼした。

「ぷは。……緩急、っていうか。
 幸不幸がしっかりでてるようで、次へ次へ繋がってたよね。

 演劇かぁ……現代モノだし、ふあぁ……ん。確かにありかもね……。
 でも、場面転換多いし少し難しくない……?
 同じ場所ではあるし、回転舞台とかならいけるかな……。」

一幕ごとに、くるくるーって。
子供っぽく、無意味に回していた指を上に向けて笑う。

「そうそう。
 書いた人の世界観がしっかりしてればしてるほど、
 読み手がのめり込んでいればいるほど、ドンドン広がっていくの。

 IFストーリー、って。結構好きなんだぁ……。」

カチン。と、短針が0時のひとつ前を指した。

「恋が、何か……?
 したことないけど……そうだなぁ。

 ―――こう、欲求……みたいな……?」

四十万 静歌 > 「もう、こぼしてますよ?」

と、ハンカチを取り出して、口元を拭おうとするだろうか。

「確かに舞台転換考えると、
 どちらかというと、映研ですかね?」

なんて、首をかしげながらも、
回転舞台の話を聞くと楽しいそうなんて笑いかけるだろう。

「まぁ、もしも、というのは良いですね。
 私の場合は――
 もしも、が起きないほうがいいのかもしれませんが――」

と、少し寂しげに笑った後、

「それにしても、欲求?ですか。
 やはり、相手が欲しい、という感情なのでしょうか――」

谷蜂 檻葉 > 「う」

拭われるままに任せて、空になった缶を傍の机に戻す。

「かな。
 でも、映画にするとそれはそれでまた……でも、うん。映画が一番かなぁ……。」

後はドラマね。
顎に手を当てながら、寝ぼけ眼でうんうんと首をひねる。

「………?」

寂しげに笑うその理由は、考えるのにも至らずに首を逆側にひねるだけで終わる。



「うん、欲求。
 ……ふふ。
 そうそう……愛が欲しい、愛する許しが欲しい、許される理由が欲しい―――

 きっと、そういう、
 『欲しい』って言葉を可愛く言うのが……『恋』なんだと思う……な……。」


言いながら、ゆっくりと声が小さくなっていく。
結局、お喋りでも檻葉の眠気が飛んで行くことはなく、
寄りかかったまま、小さく寝息を立て始めてしまったようだ。

四十万 静歌 > 拭ったハンカチを折りたたんでしまいつつ、

「ドラマや映画なら、場面をカットできますからね。
 まぁ、場所をとるのが難しいかもしれませんけど。」

なんてクスッと笑って、
捻る様子にはなんでもないですよ、と首を振って答え――



「なるほど、一つの真理かもしれませんね。」

と、恋とは欲求だという答えに、
静かに微笑み、頷く。

「……私にも、何に引き換えても欲しくなる思いは――
 出来るのでしょうか。」

なんて呟いた所で、
寝息を立てる檻葉さんにマントをかけて――
そっと頬をなでようとしながら、

「――おやすみなさい。
 お疲れ様。」

と微笑みかけるだろうか

ご案内:「ロビー」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
四十万 静歌 > そのまま、起きるまで優しく見守りつづけるだろうか。
眠り続けるままならば、
やがて静歌もねむるのだろう――

ご案内:「ロビー」から四十万 静歌さんが去りました。