2016/12/31 のログ
ご案内:「職員寮/括流の部屋」に雪城 括流さんが現れました。
ご案内:「職員寮/括流の部屋」に雪城氷架さんが現れました。
雪城 括流 > ぱたぱた。
括流自身は普段氷架とともに過ごしているので、この部屋はあまり括流自身で使用されることは少ない。
それでも一応住みかとしては必要なので借りているし、今回のように知人を一時的に住まわせたりすることはある。

シンプルで清潔な部屋の中を大掃除らしくはたきをかけながら。(あまり意味はない。)
そのもう一人の住人に向けて声をかけた。

「ひょーか、そっちはどう?」

二人は年明けの準備をしているようだった。

雪城氷架 >  
声をかけられた方向では部屋着姿の氷架が蛇口に注連飾りをつけていた

クリスマスは何もできなかった、
せめて年越しくらいはと色々やりたかったのかもしれない

「よし曲がってない。
 いつも思うけどこの飾りってなんで蛇口につけるんだろうな」

なんとなし、なにげない疑問を口にしつつ、括流のほうへと振り返る

雪城 括流 > 「神社とかにもあるように注連縄は神域を決めるものだからね。
くくるの部屋にこっちのものいろいろつけられちゃうのはちょっと複雑だけど…
”蛇”口ならあまりきにはならないかな。」

くくるもつけてもらわなくちゃいけないかな、などとつぶやきつつ――
そっとつけ具合を確かめるように近くに寄って行って、しめ飾りの付いた蛇口を指先でそっと確かめるように撫でた。
マーキングとも見えるような。

「もちろんこういうのがダメってわけでもないし、
ひょーかは正月もここで過ごすんだろうから好きにしちゃっていいよ。
出歩いて駄目ってわけでもないけどね。」

蛇口から離した指でぽふっとそっと氷架の頭をかすめるようになでて、再びはたきをはたく作業に戻っていく。

雪城氷架 >  
「へー…」

氷架はもう括流が普通の蛇でないことは知っているし(人に成ったりする時点でだけど)
"複雑"という意味や、とった動作の意味もなんとなくで理解る
向こうよりも日本暮らしのほうが長くて、つい慣習でこうしてしまっているのだけど

「……うん、まだちょっと、寮には戻りたくないかな…。
 芙蓉にどんな顔して会えばいいかわからないし」

異能の不調のピークだったあの日に辛く当たってしまってから、ちょっと気不味いのだった
今の自分の状況を聞かれるのもなんだか怖くて、携帯も電源を落としたまんまにしている

雪城 括流 > 普段いままでの年越しでは括流もさほど気にすることでもなく。
だからお互いにこうするのが慣習だったはずだ。この場所が括流のテリトリーでなければ、ちっとも気にならなかったに違いない。

これは文字通りの縄張りみたいなものだからだろう。
いまだにあんまり、よその神社とかは一人ではいきたがらない括流だったりもした。

「そう、じゃあほら門松とか、鏡餅とかも飾らないとね。
ほかにやっておかないといけないことはなかった?」


あえていままでどおりなのか。笑ってそう問いかける。
委員会街から氷架を連れて帰ってから、括流はただ甘かった。
事情を聴くこともなく、この年越しのようにあえていつもどおりの日常を演出しようとしている。

雪城氷架 >  
「そうだなぁ、鏡餅は大事だよな。
 一番上はみかんを乗せてさ、三ヶ日が終わったら叩き割ってお雑煮にするんだ。
 それで───」

いつも通りの、例年通りの……

「えっと…」

とはいっても心中は穏やかじゃないし、
"そうしてくれている"のがなんとなくわかってしまって

「(なんで何も聞かないんだろう)」

風紀委員から聞かされたであろうことで納得しているのか
それとも木をつかて聞こうとしないでいるのか
たぶん、どっちも違う

「…たぶん、私の方から話すのを待ってるんだよな、括流」

小さくそう呟いて、手にしていたお餅をテーブルの上に重ねる

雪城 括流 > 「乗せておくのは本来橙だけど、ひょーかはいつも食べようとするよね。」

微笑しながら。

橙はちょっとそのままは食べられないので結局みかんをのせてたり、
鏡餅もいつもは三が日が終わったら割って氷架がぺろりと食べてしまう。
そう、それがいつもどおり。

「…?」

氷架の呟きにそちらを向き。
不思議そうな顔をしてみせて、そのままぼんやりと氷架のほうを見る。

「…どうかな。
言いたくなければ、すぐに言わなくてもいいよ。
だってさんざんあそこでいろいろ言われただろうし、起こったことを考えると…
氷架が平常に戻れることが第一だと思うからね。
ちゃんと、何が起きても平常でいられるようにエネルギーを貯めておくこと。たぶんこれから、それがすごく大事になるんじゃないかな。」

そうこたえて、顔を棚に戻してぱたぱたとはたきをかける。

雪城氷架 >  
「食い意地が張ってるみたいに言うなよ」

苦笑しつつも、事実なので言われてもしょうがない

「括流は、聞きたくないの? ……っていうのも意地悪だな、ごめん…。
 ───でも」

手は止まって、俯く
長い髪の毛が一緒に項垂れるように床を撫でて

「何が起きても、なんて無理だよ。だって」

一瞬、そこで言葉が止まる
しばらくしてからゆっくりと…

「人を殺しちゃったかもしれない」

雪城 括流 > 「聞きたくないかは、うーん。
ひょーかのことは気になるよ。でもね、ひょーかのためにくくるから聞けることはないんだ。
それが、しゃべってひょーかのためになることなら、聞きたい。」

あまり意味のなかった掃除の手を止めて、氷架のほうを向いて床に座る。
氷架がこちらを向けば視線が交わるように、でもそのままでは正面にならないように。

「そう。
氷架にとってその相手はよく知っている人?」

雪城氷架 >  
「…わかんない、誰かに聞いて欲しいのかもしれないし。
 括流だから聞いて欲しいのかもしれないし……、
 聞かれないのが寂しいような感じもするし、今括流が言ったことも、わかる」

視線を落として、何気なく手にとったみかんをころころと手の中で転がす

「…?
 ううん、そうじゃないけど…。焼け跡から制服の一部とかが出てきて…混乱しちゃって。
 風紀委員の人は冷静じゃなかった、怖かったから化物に見えたんじゃないかとか、
 あんな能力の使い方をしたんだからそもそも正気じゃなかったんじゃないかとか、
 もちろんそう言わない風紀委員の人もいたけど、わかんなくなっちゃったんだよ」

視線を戻して、括流の顔を見る
聞いて欲しい知って欲しいよりも、安心させて欲しい、不安なんだという表情で、視線を合わせる

雪城 括流 > 「寂しくなってきたのなら、聞き時かもしれないね。
クリスマスにお説教もないとおもったし。ちょうどいい、来年に持ち越さない大掃除といったところかな。」

くるん、とはたきを回して見せて。

「わかんないことをわかんないまま放っておくのは、ひょーかの悪い癖だよ。
もうちょっと勉強も頑張らないと。」

かりかり、とはたきの逆で文字を書くような仕草。
補修の予感。

そして―

「じゃあまずはよく知るところから。整理しようか。
ひょーかが殺したかもしれないひとは、化け物に見えた。
焼け跡から制服の一部がでてきた。その人の持ち物とは限らないし、偽造品もある。
落第街にいるひとが普通の一般生徒であることはまずない。行方不明の犠牲者もはっきりしていない。
そしてこの島では、常識が通用することはあまりない。精神攻撃とかもね。」

あとね、と続けて

「ひょーかの背に人を殺した気配はないよ。」

縦長の瞳孔を細めて、金の瞳でそう言い切った。安心させるためだけか実際に何か見えるのかはわからないが。

雪城氷架 >  
お説教、という単語にちょっとだけどきっとしたけど、大丈夫

「い、色々考えたりなんだり、ちゃんとしたんだ。
 でもこんなこと、はじめてだし……勉強もちゃんと」

冬季休業中の課題?やらないとは言っていない

「そういうのも、考えたんだよ。
 でも私、そんなこと誰かにされるような覚えもなくって…」

偽造品だとしたら罠だとしか思えない
精神への攻撃を仕掛けるような相手にもまるで心当たりがなかった

とまぁ終始不安そうな表情のまま言葉を交わしていたのだが

「………良かった…」

続いた括流の言葉に、確かな安堵の表情を見せる
言い切るだけの説得力の有無は関係なく、括流がそう言うなら大丈夫、安心して良い
そんな風に、無条件で括流の言うことを信頼する
…‥他人が見ると、ちょっと危ういようにみえるのだろうけど

安心して、ちょっとずずっと姿勢が崩れる
ずっと心の何処かに突っかかっていて気が休まらなかったところもあったのかもしれない

雪城 括流 > 「覚えさえなければ何もされないなら、落第街は安全な場所のはずだよ。
だれが何のために、というのはいろいろと考えられるけど。
あの場所で一番ありそうな動機はお金のため、生きるため、そして…楽しみのため、とかが在り得るかな。」

浅い考えにダメ出しをしながら。
よかったとほっとする氷架に安心させるようににっこりと微笑んで見せる。

以前のあの出来事のときも無条件で信頼していたような気がする。
これはもう危うさとしてみるよりは、きちんと前に向けるような利点としてみるべきだ。

「きちんと考えは整理できるようにしておこう。
勉強はスキルを身に着けることだよ。不安に思うくらいいろいろと足りなってわかってるよね。
もちろん、何でも一人でできるようになる必要はないけど。」

ほっとしたような様子を見て、話は解決したかなと立ち上がる素振りを見せる。
掃除の続き、はもう必要ないだろう。元からあまり使っていないし、魔術を併用すれば簡単に綺麗にできるものだ。

氷架の様子を伺って、休ませるか外に出かけるか、考える。

雪城氷架 >  
「……そうだよな。ごめん。
 今まで私の周りにそんなやつ、いなかったしさ」

お金のため、生きるため…楽しみのため
だからって他人にそんなこと、と考えてしまうこと自体が、
きっとあそこの住人とはずれているんだろう

「……うん、今回のことも…いい勉強になったって思うことにする……」

もちろん、人を殺していないと言ってもらえたからそう思えるに過ぎないのだけれど
誰かを殺していたら、いい勉強だなんて言葉死んでも言えない気がする

「大掃除の続き、する?私もそっち手伝うよ」

立ち上がった括流を見て、一つ拍子遅れで立ち上がる
少なくともさっきまでよりは随分と、自然な表情ができていた

雪城 括流 > 「説教、しておきたいけど。
今回はくくるにも落ち度があるね。
何かをしてはいけないというときはそうしてはいけないだけじゃなくて。
もしそういうミスをしたときにどうするかも考えなくちゃいけないんだ。」

人も神も過ちを犯すものだから。

「あそこはそういう場所で。
いい勉強になったというより、対処はこれからも学ばなきゃいけないことだよ。」

過去形で言う氷架に、にっこりと補修だねって言いそうな笑顔でそう言い返す。
これまでではなく、これからが勉強です。


「掃除は大丈夫かな。
そっちの準備はもういい?ほっとして疲れたなら休んでもいいよ。
もし動けるなら、何か足りないものを買いに行こうか。ごはんとか、年越しそばも買わないとね。」

食料の類は普段からおいては置けないので、ストックはあまりない。
おせちなんかも…受け取りに行かないと。

雪城氷架 >  
そういうミスをした時にどうするか
頭のなかで反芻する、それがしっかりできてれば…今回みたいなことにはならなかったはず

「うん、わかった。
 変な動物見つけて追いかけてっちゃったのも、子供臭くて恥ずかしいな……」

はぁ、と恥ずかしいものを吐き出すようなため息
思えばあの動物すら、罠の一つだったのかななんて思いながら

「私は全然、むしろもっと動きたいくらいだよ。
 あ、じゃあ買い物行こう!クリスマスで何もできなかった分色々買いたい!」

雪城 括流 > 「変な動物?
幻覚とかでなければきちんと記録しておくと、後で手掛かりになるかもしれないね。
あとは、また見かけてもついていかないか周りをちゃんと見ることかな。」

もちろん一度きりの手段、ただの偶然など手掛かりにならないこともあるけど
それでも気になることなら、とアドバイスをしておく。
二度、三度と目撃証言があれば意味も重要になってくるのだろう。

氷架の元気が出てきた様子に、括流はすでに片づけを終えて出かける用意を終えて待っていて。

「そう、ならいこっか。
いろいろ商店街はまだにぎわっているはずだから。」

手をつないでいこうとまた、手を差し出して。
こういうところも先ほど言った、子供臭いことを肯定しているような感じがするかもしれない。
でも、二人で人型で手をつないでというのはかなり珍しいはずで。

そして何か、古い記憶を呼び覚ましそうな気もした。

雪城氷架 >  
風紀委員にはちゃんと話したし記録されているはずである
名状しがたい紫色の丸い生物で、ついついていってしまったのだが
周りをちゃんと見ろというのはごもっともである、ぐうのでもでない───



「ん」

差し出された手を当たり前のようにその手にとって
異能を抑えているその手はいつもよりほんの少しだけ低温
それでも括流に体温を感じさせるには十分温かい

氷架は珍しいはずの二人で手を繋いでのお出かけに何も違和感を感じなかった
むしろ昔からずっとそうしてきたように、自然にその手をとって、北風冷え込む常世の冬へと踏み出した

ご案内:「職員寮/括流の部屋」から雪城氷架さんが去りました。
ご案内:「職員寮/括流の部屋」から雪城 括流さんが去りました。