2015/07/03 のログ
エリカ > 「問題といたりは別に嫌いじゃないけれどさぁ」

それでもやはり、試験、等という仰々しい?
話になると気疲れするのも当然というもの。
ましてやこの学園の試験、特性上仕方はないが
やたらと実技も多かったりする。
だからまだまだ試験期間は残ってはいるけれども。

「こういう気晴らしも必要だよね、っと」

エリカ > ひんやりとした練乳の味のアイスは美味しい。
中のフルーツの酸味や小豆の甘味も少女の好み。

「こっちの世界にもちゃんと有って良かった良かった」

世界は違っても変わらないものはある。
言語にしたって地理にしたって、
そして今彼女が口にしているアイスの味
一つにしたってそうだろう。

「意外と、こういうのは興味深いハナシかもしれないねえ」

そういえば、星の巡りも変わらないや、と。

エリカ > 「さて、と……」

さて、と少女は立ち上がる。
そろそろ街中に向かう最終の電車が近くの駅に来るはずだ。
朝までここに居るのも良いけれど、生憎と今は試験期間。
アイスの棒を包装のビニールで丁寧に包んでもったまま立ち上がる。

「このまま帰れなくなってもですし、
 そろそろ駅に向かいましょう、かっと」

ご案内:「浜辺」からエリカさんが去りました。
ご案内:「浜辺」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > 時間はお昼。
お日様は天辺まで昇って、さんさんと輝いている。

元気な太陽とは打って変わって、竜の少女は何だか元気がなく、しょんぼりとしているような。
いつもの様にクッションを抱き、浜辺に座っている。
…なにか考え事をしているようだ。

テリメーラ > (この間見たカレンダーは七月になったって書いてあったから…そろそろ海開きかぁ。やだなぁ。)
真っ当な学生生活を送る人々にとっては海開きは夏本番を知らせる合図、そして学業から解放され、思い思いに遊ぶ日々が始まるのだ。

…が、彼女にとっては、普段人の少なく過ごしやすいこの浜辺が、人でごった返す海開きは、遊び場が減る鬱イベントに他ならないのだ。

(ここから見る海も、しばらくは我慢かなぁ…)
はぁ、と小さくため息をついて、クッションに顔を埋める。

ご案内:「浜辺」にクオンさんが現れました。
テリメーラ > (こんなことばっかり考えて、いやいやいってちゃダメだなぁ…)
と思いながら、尻尾をゆっくりと横に振る。

クオン > 『オォォ――ン……』
 遠方から、聞き覚えのある鳴き声が響き渡る。
風が吹き空の雲が動いていく。
 その雲の切れ間を、竜が飛んでいた。
 巨大な威容。赤い鱗を持った巨大な翼竜。
その金の瞳が、見知った顔を認めた。

テリメーラ > 空に響く聞き覚えのある声。
俯くのを止めて、ふと空を見上げる。

彼女よりずぅっと大きなその身体、赤い鱗…間違いは無いだろう。
「クオン先生…?」
聞こえるはずも無いが座ったまま、ぽつりと呟いて首を傾げる。

遠くて見づらいがこっちを見てたような。
見えるように大きく手を振ってみる。

クオン >  手を振っている。それに気づくと、ゆっくりと空中を旋回して地上へと降りてくる。
 砂浜に着地するのは危険だと判断し、近くの岩礁に降り立った。
「君か、テリメーラくん」
 昼の日差し。その中に、竜の口から漏れる赤い燐光が煌めいた。
そちらに顔を近づけるように翼ごと身体を丸め、首を寄せる。

テリメーラ > 岩礁に降り立ったその竜を見るやいなや、すっくと立ち上がり、ぱたぱたと駆け寄っていく。

「クオン先生、お久しぶりです」
久しぶりに知り合いに合うことができた。
その喜びが顔から溢れて、笑顔になる。

クオン > 「ああ、久しぶりだ」
 竜の声が空気を震わせた。
極力穏やかに努める竜の声が、わずかに砂浜を揺らす。
 近寄る少女の姿を見つめながら、ゆっくりとその目を細めていく。
「調子はどうかな」

テリメーラ > 久しぶりに見ると本当に大きいし、周りの空気が震える程声も大きい。
そのどちらも怖くないといえば嘘になるけど、怖がらせまいと穏やかにしゃべる先生の姿は、優しさに満ち溢れていて好きなのだ。
何だか心が癒される。

「んー、調子…乗ってます!たぶん?」
ニコニコと元気よく答える。
使い方間違ってるが。

クオン >  元気の良い少女の態度に、笑いと共に炎が漏れた。
「そうか。それならいいのだが…………友人は出来たかな?」
 海底遺跡に居た頃は、外に出ることを恐れていた少女。
しかし、そんな彼女の周りを取り巻く"ロマン"は良い方向に働いているように見えた。
 彼女の瞳を見つめるように首を巡らせて、殊更顔を近づける。

テリメーラ > 「ちょっとだけ、ですけど、僕と仲良くしてくれる人も増えました」
と照れくさそうにぎゅっとクッションを抱きしめる。

顔が近づくと尚更モジモジしてしまうだろう。

が、何かを思い出したように、動きを止め、少し申し訳なさそうにクオンさんの目を見つめる。
「そう、先生…少し相談があって…」

クオン > 「それは良かった。……外へ踏み出す価値も出る」
 嬉しそうに声を揺らし、そのまま沈めるように身体を横たえた。
視線は低く、彼女になるべく合わせようとしているのだろう。
 続く言葉には、ほう、と瞼を開いた。
「相談? いいとも。幸い今は空いていてね。なんでも話すといい」

テリメーラ > 「よかった…」
と胸を撫で下ろし小さく一息。

「あの、携帯電話…?
お友達に持っておいた方が良いよって言われたのに見つけられなくって困ってたんです。電気屋さんに売ってるって聞いたのに…」
手に持っていた雲をちょこちょこいじって、彼女の知っている電話の形に。

「電話だっていうから、多分こんな形だと思うんですけど…」
色は違えど、それはダイアル式の黒電話。
こんな骨董品見つかるはずも無いのだが、彼女は本気で探していたようで、困った顔を見せている。

クオン > 「携帯電話。確かに、若者にとって必携といってもいいものだね」
 電気屋さんに売っている。確かにその通りだ。
しかし、見せられたものはだいぶ竜の想像とは違うものだった。
 もちろん、この大きさで携帯電話を扱うことなどない。
だがそれでも生徒が使っているのは度々見たことがある。
 少女の間違い。それを笑うことはなく、ふむ、ともう一度声を漏らした。
「なるほど。それはダイヤル式固定電話と言われるものだね」
 丁寧な解説。相手の言い分は否定せず、ゆっくりとした口調で説明を続ける。
「電話とは既に、長い歴史をもった機器だ。
今は様々な形のものが出てきている。携帯電話もまた然り。
君の知る電話とはまた、違う進化を遂げているものなのだ」

テリメーラ > 「ダイアル…こていしき…?」
そんな言葉が、彼女の勉強道具であった絵本に出てくるはずも無く首を傾げる。

…が、先生の説明を聞くにおそらく自分の考えていたものと携帯電話は何かしらが違うようだ。それは間違いない気がする。
「えと、例えば、どんな形なんですか?先生。」
電話の形に整えた雲を再びクッションに戻しながら尋ねる。

クオン > 「そうだね。携帯電話、というのだから持ち運びしやすくなければならない。
今の一般的な携帯電話というのは、大体手のひらに乗る程度の大きさの長い長方体だと思っていいだろう」
 一つずつ丁寧に説明していく。直方体。0~9までの数字の書かれたボタンが配置されていること。
 一般的に"携帯電話"と聞いて思い浮かべるような形のものを告げて。
「勿論、様々な進化を遂げているから、これだけではないがね」
 と、ひとまず締めてみる

テリメーラ > 「持ち運べる大きさで、9までボタンがあって、折り畳み…?」
クッションの雲をちぎってもぎもぎ弄る。
形だけは一般的なガラケーの形になっただろうか。
大体は理解したみたいだ。

「こんなかたち?ですか?」
とそっとクオンさんにそれを差出し見せてみる。

クオン > 「ああ。問題なさそうだ」
 鷹揚に頷いて瞼を下ろす。
「そういった形のものを見かけたら、そこが携帯電話売り場だと思えばいい。
 購入する時は、店員といくつか話さなければいけないことがあるから……」
 学生証などを提示する必要があるだろうことなどの、購入の時の注意点も含めて説明しておく。
 他者と会話慣れしていない少女にとって、少しむずかしいだろうか?
 そう思うところはあるが、彼女もまた前進しようとしていることは間違いない。
「どうかな?」
 改めて瞼を上げると、少女の様子を伺った。

テリメーラ > クッションを指でなぞるとその場所は雨雲に代わり、灰色に。
メモ代わりに使っているようだ。

そして、それを読み上げるようにして確認を取る。
「えっと、お金とがくせーしょと、入学のときのしょるい…(聞いた言葉を繰り返して持ち物を確認する)
それと、あと店員さんとお話しなくちゃいけない…ですね。」
大丈夫かな、とその時のことを想像して少し緊張しつつ、こくこくと頷く。

クオン > 「ああ。もしそれでも駄目だったならば……そうだな。
友人らに付き合ってもらうといい。
彼らと一緒に選ぶというのも、一つの記念だ」
 相手が丁寧に真剣にこちらの話を聞いている。
そのことを喜ばしく思い、またも、口から炎が踊る。
テリメーラの周囲を漂うことになるだろうが、不思議と強い熱は感じない。
 竜の炎とは、彼女の雲と同様にただの現象としての炎とは異なるようであった。

テリメーラ > どんくさい少女は、炎の出現に少し遅れて驚き、2,3歩下がる。

(あれ、熱くない…?)
そこまで魔力の感度は良くないようで、首を傾げながら再び元の距離へと歩いていく。
笑うと炎が出ちゃうなんて、意外と先生にもお茶目なところがあるんだな、とクスリと笑いながら。

「えへへ、何だか今から楽しみになっちゃいます。」
それならまずは一緒に行くお友達を探さなくっちゃ、と意気込んでいる。

クオン > 「驚かせたようで済まないね」
 少しだけ顔を上げて、空に向かって少しだけ炎を吐いた。
赤い燐光が舞うが、少し暖かみを感じる程度だろう。
「これは私の、いわば魔力でね。
普段はそれほど熱を持たないし、燃え移りもしないのだが」
 気をつけていても漏らしてしまうことがあるのだよ。
そんな風に語りながら、もう一度笑った。
 喋る時、常に喉奥に燐光が見えていることからも。
やはりそういったことを抑えながらこの翼竜は生きているのだろう。
 視線を提げると、楽しげに意気込む彼女の姿が瞳に映る。
 その姿は実に尊いものだ。
「ああ。楽しみたまえ。それこそ、君たち生徒の特権だよ」
 だからこそ、謳うように、祝福するように、そう告げた。
それを祝福するように、謳うように、古竜はそう

テリメーラ > 「ちょっぴり驚いちゃっただけです。」
むしろ、わざとではない、危険ではないものに驚いてしまったことに申し訳なさでも感じているかのような言い方だ。

自分も仮にも竜だ、少しくらいは気持ちはわかる。
人間と比べて、大きな体に大きな力。
小さな彼らに合わせるコトがどれだけ難しいかはわかっているつもりだ。

聞こえるかどうかわからない様な、小さな声で呟く。
「ボクは、先生のそういう優しいところ、好きですよ」
と。

なんだか、我ながら恥ずかしいことを口走ってしまったとぷるぷる頭を振り
「ふふ、先生が安心できるくらい、楽しくいられる様にがんばりますね」
と笑って見せる。

クオン > 「さて、そろそろ私も行くとしようか」
 ちょうど、話の区切りも出来た所だ。相談事ももうあるまい。
古竜はゆっくりと身体を起こして立ち上がった。
「それではな、テリメーラ君。
気が向いたら、私のところに顔を出しておいで」
 そういって、丸めた背を伸ばし、大きく翼を広げることだろう。

テリメーラ > そんなことを話しているうち、クオン先生がはばたく姿勢に入ったのに気付く。
「はい、次会うときはちゃんと、“けーたい”を手に入れて見せます!
ありがとうございました先生」

と去りゆくクオン先生を笑顔で見送るだろう。

クオン >  彼女の言葉は聞こえていた。生徒に好かれる。
そのこと自体は決して悪いことではなく好ましいことだ。
 だが、時折不安に駆られることもある。
それが果たして自分に許されることなのか、と。
 かつて己の世界を蹂躙した翼竜は、それを誤魔化すように空へ炎を舞わせた。
「ああ。私は"ケータイ"を持てないから、是非顔をだしておくれ」
 なんて、穏やかに声を向けて。そのまま空の向こうへと消えていく――。

ご案内:「浜辺」からクオンさんが去りました。
テリメーラ > 「ボクも帰って、“がくせいしょう”、探さなくっちゃ。」

身体以上に大きな先生の背中を見送ると、自分も雲に乗って空を飛ぶ。

いつかは自分も、あんなにやさしい竜になることができるだろうか。
大人になる楽しみが増えるというものだ。

ご案内:「浜辺」からテリメーラさんが去りました。