2016/08/22 のログ
ご案内:「浜辺」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「そろそろ飽きてきたな……」

今日も今日とて海水浴。
幾ら体力と好奇心の塊のような七生でも、丸々ひと月分海で泳げば若干飽きも来る。
持参したレジャーシートを砂浜に敷いて、その上でごろごろ過ごしながら、ぽつりと心境を口にする。

「結局ほら、ほぼほぼ一人で俺ってば泳いでたわけじゃん。
 ………そりゃ飽きるよな、うん。」

せめて誰か誘えばよかった、と今更後悔しても後の祭り。
そもそもクラスメイトを誘うと、その場に居る女性の水着姿品評会が始まるのだ。
夏休み前の教室でそうだったんだから、現場に来てそうならない道理は無い。

東雲七生 > 七生だってそういう事に興味が無い訳でもないのだが、せっかくなら思いっきり遊びたい訳で。
だったらもう何も考えずに一人で遊びに来た方が目一杯遊べるのではないかと思ったのが夏休み初日。

それからほぼずーっと一人で海水浴である。
流石に夏休み中ずっと一人で遊ぶつもりは無かったのだが、気が付けば夏休みも残り一週間とちょっと。

「……完全に見通しが甘かったよなあ……。」

こんな事なら一方的な水着審査も風物詩として耐えれば良かったのだろうか。
それでも名前も知らない異性の水着姿をとやかく言うのは気が咎める。ていうか単純に恥ずかしい。そもそも直視が出来ない。

「……せめて知り合いならさあ……無理だけどさぁ……」

何やかんやで異性の水着姿を意識の外に出して遊びたい七生だった。

ご案内:「浜辺」に三谷 彰さんが現れました。
三谷 彰 >  黒いトランクスタイプの水着に黄色いシャツを羽織った男が海の家の前でのんびりと座っていた。
 アルバイトが一旦落ち着き一息ついていたといった所だったのだが。少し離れた所になにやら一人でブツブツと話している人物がいた、自分より少し幼いか否かといったところだ。
 どうせ時間もあるしと思い立ち上がるとそっちに歩み寄る。

「一人で暇ならあの店来ないか。今丁度空いてるぜ」

 親指で海の家を指し示す。
 気難しそうな親父が一人料理をしているが丁度ラッシュが終わったのか確かに客はあまりいないといった感じだ。 

東雲七生 > 「ほぇ?……あ、えっと、そのっ!」

レジャーシートの上でごろごろごろごろ、海まできて何をしてるのか自分でも疑問に思う様な行動と独り言。
落ち着いて省みてみればあまりにも人が寄りつかなさそうな状態で居た事に、声を掛けられて気付く。

「折角だけど昼飯はもう済ませたし、後で寄ろうかなーって……」

声の主を見ればどうやら海の家のアルバイトの様で。
夏休み前の連休に怒涛の連勤をした事を思い出してふと懐かしくなる。
が、それと食欲とはまた別問題なのだ。……あ、でも喉は乾いたかもしれない。

「……あ、そんじゃ瓶コーラ頂戴。」

よっこいせ、とシートの上で起き上がり、
枕代わりにしていた袖なしのパーカーを肩に羽織って立ち上がった。

三谷 彰 > 「ったくしゃあねぇな」

 と少し苦笑を返しちょっと待ってなと声をかけると再び店へと戻っていく。
 親父と2,3会話をしサイフからお金を取り出すとビンを2本持って帰ってくる。

「ほれ、150円。とりあえず俺の方で出しといたから」

 一本のビンを差し出す。
 自分はというと流石に初対面の相手の領域に入るわけにもいかず、相手のレジャーシートに座らずそのまま砂浜に座ってビンを開ける。
 プシュッという炭酸の特有の音を立て開かれたコーラを口元に持っていき飲む。

「やっぱり暑い時はこういうの旨いもんだな」

 とだけいってから。ああと言い。

「悪い悪い勝手に近く座って。俺も今知り合いいなくて暇なんだよ店長はほら……見ての通りだし」

 などと言うと店長は聞こえているのかいないのか渋い顔をさらに渋くしながら他の料理に取り掛かっていた。
 

東雲七生 > 「あれ。」

一応海の家まで出向こうと思ったのに、とレジャーシートの上で去っていく背を見送る。
まあ今のうちに代金だけでも準備しとこか、とパーカーのポケットを漁って小銭を取り出して待機。

「ありがとー……えっと、はい。代金。」

コーラを受け取って、代わりに小銭を手渡す。
座って良いと言われれば、再びレジャーシートに腰を下ろしてから瓶を開けて。

「まあ、今の時期はピークも過ぎたし……時間帯的にも暇だろうししゃあないよね。」

アルバイトお疲れ様、と微笑みかけるとコーラを呷った。

三谷 彰 > 「ありがとさん」

 ねぎらいの言葉に少しだけ笑い共に返す。
 コーラのビンを傾けながら横目で少年の方を見遣る。
 
「んで結局あんたはこんな時期に一人で何やってたんだ? ナンパ……って感じじゃ無さそうだし」

 仕事の都合上そういうタイプは大勢見てきたがそのどれとも似ていない。
 むしろ興味が無いというか黄昏ているというか……そんな感じに彼には映っていた。

東雲七生 > 「ナンパ?
 ……違う違う、こんなとこ来てそんな事しないって!」

普通に海水浴、と若干むせながら返す。
ここの所毎日の様に海水浴に来てて、流石に若干飽きている事を正直に告白した。

「──てなわけで、一人で来なきゃ良かったなあって反省してたとこ。」

半分ほど残ったコーラを眺めながら、溜息混じり。

三谷 彰 > 「そりゃバイトでもねぇのに一人で海に来たって飽きるわな。俺なら1日で飽きるぞ」

 ハハハと笑うとでもそれは違うぜと言い。指を立てる。

「こんなとこ来てそんなことって言うが。むしろここほど適してる場所は無いってくらいのナンパスポットだぞ海は」

 今までの経験を思い返したのか少し遠いところを眺める。

「俺も何回悪質なのを摘み出してきたか……ああ、一応風紀委員だから場所の所為で格好こんなのだが」

 ポロリと出てしまった発言をそのままにすると色々と暴力的な人となってしまうので自分の身分をあかす。
 飲み終わったのかコーラのビンを自分の脇に置く。

東雲七生 > 「最初のうちは泳ぐつもりで来てたし、実際泳いでたから良かったんだけど……
 こないだとうとう島の外周を一周出来たら、途端にモチベがなくなっちゃってさあ」

飽きちゃった、とさらりととんでもない事を言いながら頬杖をつく。
それから横目で海におけるナンパにまつわる色々と話す姿を眺めてから、やっぱりそういう輩が多いのかなあ、と溜息を溢した。

「風紀委員かあ。
 重ね重ねお疲れ様だ、それは。」

一杯居るなあ風紀委員、と野良ネコか何かに対する様な感想をそっと胸に秘めつつ、
ふんふん、と頷きながら辺りを見回して先の言葉を思い返す。

「悪質なナンパねえ……折角海に来てるんだから泳げばいいのに。」

三谷 彰 > 「島一周って……ホントこの島って規格外な奴ら多いな。1年この島にいて今更って話だが」

 相手のほうを向き賞賛するような呆れるようなそんな声音を出す。
 1年いるとこの島にいる人たちの規格外さに驚かせる。あくまで目が良いというだけの自分がなぜ特務部などにつけたのだろうかとたまに本気で思うことがあったりする。
 まぁその分の努力はしているつもりだが。

「俺も思うよホント海に来てんなことするんじゃなくて彼女と海にこりゃいいのにってつくづく思うぜ。おかげでこっちの仕事も増えやがる」

 相当の数があるのか眉を潜め顔をしかめる。
 まぁと前置きして少し遠くを見つめる。

「まだ可愛いものだけどなそんなもん。たまにある洒落にならねぇ事件に比べれば」

東雲七生 > 「そうかな?
 変に障害物とか無い分、体力の消耗は激しいけどランニングより短時間で済むよ?」

既に感覚が若干おかしくなっているのかもしれない。
事も無げに言いながら、コーラの残りを一気に飲み干して。

「まあ、皆がみんな彼女が居るって訳でもないだろうし。」

くぁ、と欠伸を一つしてからレジャーシートに寝そべる。
正直、するにもされるにもナンパなんて縁の無い事、と完全に他人事だ。
基本的にこの少年、人が好い方だが特別正義感があるわけではない。

「そういや、海に何か魔物が出るって聞いたけど、知ってる?」

三谷 彰 > 「少なくとも俺にはできねぇよんなもん。途中で海に沈むのがオチだ」

 口元だけ笑みを浮かべながら手を少しヒラヒラと振るう。
 別に体力に自身が無いとかそういう事はないしむしろ体力には自信はある。
 だがあくまで人間の範疇だ、島一周など途中で沈む事くらい容易に想像がつく。

「そらそうだ。俺もいねぇし、まぁ作る暇も無いってのが正解かな」

 少しだけ笑いながら両手地面に着け深く座る。
 魔物の話を聞くと少しだけ考えてから。

「……ああ、あれか。なんか出てるらしいな。たしかルインワーム……だっけか」

 顎を軽く捻りながら記憶を搾り出す。たしかアルバイトか何かでその周辺の依頼があったはずだ。
 違う事に手一杯で頭の中から完全に零れ落ちていた。

東雲七生 > 「そうかなあ……」

割と誰でも、やろうと思えば多少の特訓の後に出来る様になる事だとは思うけど、と腑に落ちない表情で生返事をする。
もっとも、またやりたいかと問われれば、七生自身も一度きりで十分だとは思う事ではあるのだが。

「ふーん、そんなに忙しいんだ?風紀委員って。」

その割には浮いた話もよく聞く様な気がしたが、まあ人それぞれなのだろう。
今後もどこか委員会にに所属するつもりの無い七生にとってはナンパ同様縁遠いものである。

「それは、えっと……遺跡でのアルバイトだっけ。
 そっちじゃなくて、なんか霧みたいな魔物が出るんだってさ。海上に。」

でもまあ、見たところそんな事件が起きた様な雰囲気でもないので、
あくまで見間違いとかではないだろうかと寝そべったまま見当をつける。
実際、何日も海に来ていてそんな魔物の影を見掛けた事も無かったし。

三谷 彰 > 「バイトに練習に学業に風紀委員の仕事ってやってるとどうしてもな」

 苦笑を浮かべながら相手を見る。
 魔物の話を聞いた途端ピクっと眉が動き少しだけ目を細める。

「海上に霧の魔物?」

 頭に疑問符を浮かべながら聞き返す。
 風紀委員それもそういった魔物に真っ先にぶつかるマルトクがそんな情報を掴んでいないわけがないと思い思考を全てひっくり返すがやはり思い当たらない。

「知ってること聞いても良いか? もし興味本位で見に行く奴がいるとヤバイし」

 地面から手を離し表情を真面目な顔に変え七生に向き直る。
 最近そういった事件で悲痛な状態を経験したばかりなのだ。止められるなら次は事件が起きる前にとめておきたい。