2015/06/12 のログ
ご案内:「常世神社」に乙訓 真織さんが現れました。
乙訓 真織 > 「ほわ~、凄いなぁ~」
常世神社の境内に、一人の黒髪の少女が現れる。
その身長は高く、並の男であれば、会話の際に少し見上げることになってしまうだろう。
その実、彼女の身長は185cmである。
かと言って、その少女には威圧感のいの字も無かった。
彼女を見れば誰もが最初にこう思うことだろう。
『ゆるいなこいつ、と』

乙訓 真織 > 「ここに来たの初めてやけど、こんなとこがあるとは知らんかったわ~……」
実際、口調ものんびりと、どこか間延びした印象を受ける。
時刻は昼。それも昼休みだ。
のどかな時が流れるこの境内を前にして、少女はにこにこと笑みを浮かべている。

乙訓 真織 > 「書類の山を片付けるのもええけど、たまにはこうやって、のんびりせんとな~」
そう言って、少女は、んっ、と声をあげて伸びをして、大きな欠伸をした。
彼女は生徒会事務局の副局長である。
偉そうな肩書きに見えるが、その実やっていることは主に、書類の山を片付けること
である。

「最近この学園は、大変なことばっかり起こってるけど……たまにはみんな、のんびりしたらええのに」
そう言って、境内を歩き回る真織。
昼休み中はここを散歩することに決めたらしい。

乙訓 真織 > 散歩をしている彼女の目の前に、さささっと、白猫が現れる。

「あ、猫さんや~。かわええなぁ~……お近づきになりたいわ~」
白猫は少女を見ると、途端にびくっと震えた後に物陰へと隠れて、顔だけをちらりと出してその様子を窺う素振りを見せる。

「あ~……猫さんって、確か目を見るといけないんやったかな~……?」
確か昔、そんなことを友達から聞いたことがあった。
猫に近づきたいなら、目を合わせてはいけない、と。

「大丈夫やで、別に取って食べたりとか、そういうのは無いからな~」
そうして、視線を逸らして、じりり、じりりと一歩ずつ近づいていく真織。

乙訓 真織 > 初めこそ警戒していた猫だったが、近づいていくる真織を前に逃げることなく、その場でにゃー、と鳴いた。

「お~、ええこやな~」
目と鼻の先まで近づいても、逃げることはない。
猫も、彼女の発するオーラから危害が加えられないことを察したのか、それとも
神社の猫故ある程度人に慣れていたのか、定かではないが、真織の手にその頭を撫でられても嫌な顔一つせず、寧ろ心地よさそうににゃあ、と鳴くのだった。

まったりとした時間が過ぎていく――。

乙訓 真織 > 「……さて。今日はこのへんにしとこか」
そう言って、猫を離してやると、猫はにゃあ、と鳴いて走り去っていった。

「最近はほんま、色々なことが起こってごたごたしてたけど……こういう場所も、学園にはあるんやな~……」
ほうっ、と一息ついて、少女は立ち上がる。

「さて、もう少し色々散歩でもするとしよかね~」
そう呟いて、少女はてくてくと歩いて神社から去って行った――。

ご案内:「常世神社」から乙訓 真織さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に烏丸 九郎さんが現れました。
烏丸 九郎 > (今日は、何かおかしい。ツイてないというかツイてるというか…。
たまに乗ってみた電車が満員電車。まぁこれは時間が悪かった、許そう。)

烏丸 九郎 > (満員電車で、下着をつけてない女子と密着することになった。
なんだこれは。
明らかにおかしい。あり得ないといえよう。
鈴成静佳、彼女に出会えたことは良かったのだがまさかああなってるとは思うまい。
寮に帰って風呂に入ってたら少女が乱入。これもなんなんだ。
普通ならあり得ない。幸い自分がロリコンじゃなかったからいいものの。いや、よくはないが。
とにかく、今日は変な運勢だったのでちょっと神様に文句を言いに来た次第である。)

烏丸 九郎 > (賽銭箱にチャリーンと5円を投げる。ガランガランと鈴を鳴らし
2礼、2拍手、どうか、女難の運気を払えますようにますように。
そして、一礼。頼んだぜ、神様。)

ご案内:「常世神社」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > どうも興奮して、寝付けず、雲に乗って散歩していた少女は、烏丸の姿を見かけ、ふよふよと鳥居の傍に降りてきた。
手水などを済ませた後にそちらへ向かおうとするだろう。

テリメーラ > 一難さってまたまた一難、新たな女難である
烏丸 九郎 > (参拝が終わると、そのまま賽銭箱には背を向けて
大きくのびをする。んーっと、小さな声も漏れる。
すると、こちらに向かってくる少女の影を見る。
さすがに、ここで、まさか、また、変な事にはならないだろう。)

テリメーラ > 「こんばんはー烏丸さーん」
と少女にしては大きめの声で挨拶しながら、とてとてと歩いて近づいてくる。
夜目は利かない方だが、それでも見覚えのある赤メッシュはある程度目立ったようだ。

烏丸 九郎 > よう、テリメーラか。

(見覚えのある少女であった。前あった時よりも多少元気に見えるか?
ぺたぺたと歩き、こちらからも少女との距離を詰めにいく。)

テリメーラ > 普通の会話をするくらいの距離まで近づくと
「何だかお久しぶりな気がしますー」
とにこにこと話し始める。

前と変わったところといえば
右手に怪我をした様なハンカチが巻かれていること
尻尾に服と同じ素材のリボンがついたこと
そして心なしか表情が活き活きしていることだろうか
(単にいいことがあっただけかもしれないが)

烏丸 九郎 > そうだな、久しぶりだ。
元気そうで何より、だぜ。

(にこにこ笑うテリメーラにつられて笑顔で答える。)

なんか、見ないうちにだいぶ変わったな?
右手、どうかしたのか?

(怪我に見えるが、ファッションか何かかも知れない。一応聞いてみる。
だが、一番大きな変化といえば、その表情だろう。笑顔が眩しい)

ヘヘ、何かいいことあったみてぇだな。

テリメーラ > 「烏丸さんも、元気そうで何よりですー」
えへへーと笑いつつ。

「まず、昨日右手を怪我しちゃってー、いろいろあってー・・で、公園に居たら先生にあってー、治してもらってー、相談にも乗ってもらえました!」
子供によくある、淡々とあった出来事を並べる話し方である。
それでも、彼女はとっても嬉しそうなのが伝わるだろう。
幸せそうな笑顔が途切れることは無かった。
また、尻尾もはしゃぐ犬のようにゆっくりと振られている。

烏丸 九郎 > 怪我しちまったのか…まあ、いろいろはいいとして…
へぇ、公園まで行ったのか…いい先生に出会えたんだな。

(少女の言うことを噛み締めながら、あった出来事に対して言葉を述べる。
怪我のことを差し引いても、先生に出会えたことが楽しかったのだろう。
そして、実際喋るのに、この子はけっこう勇気を振り絞ったのではないか?)

えらいな。

(そういうと、少女の頭に右手を伸ばし、そっと撫でようと)

烏丸 九郎 > (今なでたのは、ちょっと軽率だったか?ここで泣かれでもしたら…
どう考えても事案発生である。言い逃れはできない。
今日の運勢からいって、それくらい起こりそうだったので
油断はできなかった。こんな時間に他の参拝者がいるわけはないのだが)

テリメーラ > そのまま、素直に撫でられている。
異性に撫でられるのは初めてなのでやや頬を赤らめながら。

「烏丸さんと話してから、お友達がたくさんできたんですよーえへへー。」
その先生は、先生から話かけてきてくれたんですけどね、と付け足しつつ。
なんだかんだ、少女は少女なりに、登校を目指して頑張っているみたいだ。

烏丸 九郎 > へっへっへ、そうか。友達たくさんか…。
良かったじゃねぇか。
これなら、きっと学校もすぐ行けるようになるぜ。

(ほっとした。この少女は気弱なところがあったから、人と接するのが苦手なんじゃないかとおもったが
それ以上にこの学園にはお人好しが多いらしい。今はそれに感謝する。
少女の頭を撫で続けなら、安堵の息を漏らすのであった。)

テリメーラ > 「はい!」
本人もそろそろ学校に行けるのではないか、と薄々思っていたころだった。
烏丸の言葉に元気良く返事をする。

(えへへーほめられちゃったー)なんてうきうきしているが・・
その、なんていうか・・

「あの・・そろそろ・・ちょっと恥ずかしいです・・」
罰が悪そうだ。
好意で撫でてもらってはいるものの、そういうのがちょっと気になるお年ごろらしい。
尻尾の振りが心なしかゆっくりと大きく、恥らっているような動きに変わる。

烏丸 九郎 > お、わりぃわりぃ。
女の子だもんな。

(さすがにずっと触ってては嫌がられてしまうか。
少女に謝りながら手を引く。)

でも、ほんとに良かったぜ、学校でもいっぱい友達作るんだぜ?
テリメーラなら、いろんな奴と友達になれるからよ。

(少し恥じらいを見せる少女にヘラリと笑ってみせる。)

テリメーラ > 何だか名残惜しいような気もするが、手を引かれると尻尾は落ち着いた。
顔の赤みもそのうち引くだろう。

「はい、きっと、今のお友達みたいな、優しい人がたくさん居そうです!」
期待に胸を膨らませ、その目は輝いている。
大分、学校へのイメージが改善されたようだ。

烏丸 九郎 > へっへっへ、勉強はちっと辛いかもしれねぇが、耐えろよ?
先生も割といい人多いって聞くしな壁にぶつかったら、迷わず先生に聞くといいぜ。

(この少女が出会ってきた人間は、皆優しかったのだろう。
悪いやつにだまされないかどうかは心配だが、それでも
彼女を包む優しい世界が崩れ去らないようにと願う。)

やっぱそうやって笑ってるのがいいぜ。子供はよ。
いい目もしている。

テリメーラ > 「僕、こう見えて、本を読むのは好きなんですよ?」
ふふん、と胸を張ってみせる。
元居たところには絵本しか無かったはずだが・・。

「先生も二人お友達ができたからダイジョーブです!」
さらに自慢気。

一切の不安がない、というと言い過ぎではあるが、少なくとも自分が学校に行ったとき、自分にとって悪いことをする人なんて居ない、と思っているのだろう。そんな危うさを確かに秘めている目ではある。

烏丸 九郎 > そうかい。なら、俺より勉強家かもな。テリメーラは。

(自分は読書家とはお世辞にも言えない
このままものを知っていけば、学力的にも抜かれるかもしれない。)

ああ、でもよ…中には怖い学生ってやつもいるんだ。
その時はよ、先生でも、友達でも、すぐに助けてもらうんだぜ?

(少女の中に一抹の不安を覚えたのか、そのようなことを口にする。)

テリメーラ > 「まだ勉強したことないからわからないですけどね・・」
と、自分で言っておきながら不安になってきたらしい。
言い訳をする。そういえば持っていた絵本以外読んだことが無いのだ。

「怖い人・・?そういえば、リョーリカイのハシャ(うろ覚え)っていう人も、最近危ないって・・。」
そういえばソレには思い当たる節がある。
が、自分に直接襲い掛かってきたことが無いので、若干楽観的だが

「大丈夫です!今はちゃんと、助けてくれる人も居ますしね」
ふふふ、と烏丸に向かってわらいかけた。

烏丸 九郎 > 友達の先生がいるなら、わからないところは教えてくれるだろうし
不安がることはねぇよ。授業はサボりさえしなきゃついていけるだろうしな。

(ついていけてない落伍者が言うのもなんだが。
それでも不安がるテリメーラを元気づけようとしているのは伝わるだろうか。)

まぁ、そうだな。俺も、呼んでくれればすぐに助けに行くからな?
そういえばスマホかケータイは持ってるのか?

(リョーリカイのハシャ…ちょっとキャラかぶってるな…と薄く笑う。
だが、さすがに念話で呼ばれても助けに行ける自身はない。
何か、連絡先の交換などできればいいのだが。)

テリメーラ > 「ちゃ、ちゃんと行き始めたら僕はサボりませんよぅ」
一緒にしないでください、とでも言いたげか、ちょっとおどけながらふてくされた顔をしている。
今までサボっていたわけだからあまり強くは言えないが。
根は真面目だから、きっと大丈夫だろう。

「スマホ・・?ケータイ・・?えっと・・うーん・・そう!確か、電話のこと?ですよね!?」
別にクイズでもないのに、あってる?あってる?ほめてほめて?と顔で訴えてきている。

あまり機械には詳しくない・・というレベルを超えている。
元はといえばイセカイからきた生物なので仕方がないといえば仕方が無いが。
難にせよその手のモノは聞くまでも無く持って居なさそうだ。

烏丸 九郎 > そうだな、テリメーラは真面目っぽそうだもんな。
俺より成績が良くなったら勉強教えてくれよ?

(おどけるテリメーラの様子にケケケと笑ってこたえる。)

そうだな、電話のことだ。
もってねぇなら、今度買いに行くことをおすすめするぜ?

(えらいえらいと再び撫でながら、ちょっとだけ心配が増えた気がする。)

っと、だいぶ遅くなっちまったな。俺は帰るけど…テリメーラは帰れるか?良かったら、送ってくぜ?

(それは愚問だろうが…まぁ、小さな女の子をこんなところで一人にしておくわけにも行かない。)

テリメーラ > 「じゃーまずは足し算とひらがなからですね」
つられて冗談で返すとくすくすと笑ってみせる。

「でんわー・・お母さんからもらったお金があったら買ってみようかな・・。わかりました!」
嬉しそうに撫でられながら、こくこくとうなずいた。

「そういえば遅くなっちゃいましたね・・。僕は大丈夫ですから、鳥居まで一緒にお願いしますね」
鳥居さへ出てしまえば雲に乗って上空にいってしまうので、
むしろ何で心配されてるんだろう、と首をかしげる勢い。
だが、送ってもらえるのはちょっと嬉しいので鳥居まで。
どさくさに紛れて手を繋ごうとしてみたり。(事案B)

烏丸 九郎 > はっは、お手柔らかに頼むぜ?算数は苦手なんだ。

(ケラケラ笑いながら、ポンポンとゆるやかに頭をなでている手を離し。)

ああ、それがいいぜ。そのほうが、安全だからな。
できれば、友達か先生についていってもらうといいぜ。

(買うときは買うときで一悶着ありそうだなと思いつつ、ちゃんと注釈を入れる。)

ああ、わかった。鳥居までな。

(手をつながれるとちょっと驚いたような顔で。
それでも、少し積極的になったのだな、と微笑ましく思う。
手を握り返し、鳥居までゆっくりと歩いてゆく。
鳥居までの距離はわずか、このあいだに人が来るとは思わないが…
誰かに見られたら事案扱いされてもおかしくはない。)

テリメーラ > 「今度お友達に頼んでみますねー」
と嬉しそうに。

何だか鳥丸が自分のことを気にかけてくれるのが嬉しい。
きっとパパンが居ればこんな感じなんだろうか、とちょっと夢想してみたり。
甘えすぎな気もするが。

いつにましてニコニコと鳥居まで歩いていく。
・・とはいえあっという間だが。

烏丸 九郎 > (嬉しそうなテリメーラを見ればこちらも、自然と笑みが溢れる。
繋いだ手はややひんやりしているものの、心の暖かさが伝わってくるようで。
鳥居までの距離は、短くて、あっという間にたどり着いてしまった。
ゆっくりと手を離すと、最後にもう一回頭を撫でようとして)

それじゃ、またな。気をつけろよ?

(まぁ飛んで行くならその必要もないだろうが…)

テリメーラ > 嬉しそうにぐしぐしと撫でられる。
(ちょっと調子に乗りすぎた)と顔真っ赤でメチャクチャ反省したのはまた後の話である。

「烏丸さんも気をつけてくださいね」
と笑って見せると、左手で雲を作り出し、それに乗っかる。

烏丸 九郎 > おう、それじゃーな。

(雲に乗ったテリメーラに手を振って、少年は鳥居を出て歩き出す。
飛んでゆくテリメーラを目で追いながら。)

ご案内:「常世神社」から烏丸 九郎さんが去りました。
テリメーラ > ・・。
烏丸と別れ、冷たい夜風に吹かれ少し冷静になる。
やりすぎではないか・・・?
ててててて手を握ってしまったあわわわわわわ
何だかものすごく申し訳ない!!

案の定、ものすごくてんぱる。気が気ではない。
境内の高い木にぼふ、ぼふと何度かあがるとあっちによろよろこっちによろよろ、どこかへと飛んでいった。

ご案内:「常世神社」からテリメーラさんが去りました。
ご案内:「常世神社」に霜月 芙蓉さんが現れました。
霜月 芙蓉 > 「ふっふふ~ん♪」

ハイテンションにくるくる回ったりしながら神社に顔を出した少女。

弓を持っているが矢は持っておらず、神社と言う場にはふさわしくないハイテンションである。

霜月 芙蓉 > 「さ、て、と~♪」

依然鬱陶しいくらいにテンションが高いが、拝殿の近くに来ると急に歩みが静かになる。

「こっちの神様にも、お祈りしとかないとね」

弓を地面に置き、そのまま拝殿の方に歩いていく。

霜月 芙蓉 > 拝殿前の道に来ると、その歩みは静かに、いっそ厳かなくらいのものになる。

――信じられない事だが、この霜月芙蓉と言う少女、巫女さんの経験があるのだ。

静々と歩み寄り、作法通りの二礼、二拍、一礼をこなす。ちなみに、放り込んだお賽銭は1諭吉。1諭吉である。

霜月 芙蓉 > 「……お兄ちゃんに秘められた才があるというなら、早く開花させてあげてください。
お兄ちゃんの心が本当に折れちゃう前に、お兄ちゃんが自信を持てるようにしてください」

祈る。

ひたすらに、祈る。長い時間、祈り続ける。

兄、霜月零はいつも「俺には才能がない」と曖昧に笑っていた。

ぶっちゃけ事実だと思う。芙蓉はそう考えている。

そりゃあ、全くゼロって感じじゃないけど。どうしても父親などと比較すると、びみょー過ぎるのだ。

飄々と笑いながらも、なんだかんだコンプレックスを抱いているのは知っている。

自分に出来るのは、弓で兄の才能の開花を手助けする事と、こうやって祈る事くらいしかないのだ。

「……どうか、お願いします」

たっぷり10分は念じまくり、こりゃあもう神様もうんざりして放置か叶えるかの二択だろう、と言った頃合いで顔を上げ、静々と下がる。

霜月 芙蓉 > 下がり、そのまま弓を拾う。と、いつも通りの彼女に戻る。

「よーっし、こんだけお祈りして、諭吉サマまで投入したんだからいけるでっしょ!」

なけなしの諭吉である。2諭吉目を投入しなかったのは、流石にそこまでやると自分の生活がマズいからだ。

「~~♪」

それはそれとして、この厳かな空間は好きである。

ハイテンションに楽しめる都会もいいのだが、神社の静謐な空間は気を引き締めてくれる。空引きにもちょうどいい。

霜月 芙蓉 > 「とゆーわけで、練習たーいむ!」

空引き。要するに、弓を引く動作だけを繰り返すイメトレである。

適当にそこらの木を目標に、形を整えながら弓を引く。

そして、射る。勿論矢は無いので、飛ばすのは自分のイメージ。

「梓弓」と言う神事もあることだし、神様も大目に見てくれるだろう。

霜月 芙蓉 > 「…………」

射る。射る。射る。

何故こんなところで練習するかと言うと……あまり、人に練習姿を見せたくない、と言うのがある。

彼女は、弓を射る時、人が変わる。

これは、集中して射るために、ハイテンションさを全て押し込め、心を平坦にするためなのだが……これが、恥ずかしいのだ。

なんだかこう、かっこ悪い気がする。

なので、一人ここで射るのである。

……誰かが来る可能性を華麗に考慮し忘れているのは、ご愛嬌だろう。

霜月 芙蓉 > 「…………」

びぃん、びぃん、と空引きの音だけが周囲に響く。

…………しばらくの間、ずっと集中して弓を引き続けるだろう。

霜月 芙蓉 > 「…………」

静かに射続けながら、心を落ち着ける。

神社がいい、と言うのは、何も静かであんまり人が来ない(偏見)と言うだけではない。

神社は神域であり、自然の息づく場所でもある。

霜月流五行弓術……自然の力を借り受けて矢を生み出し、それを射る彼女の弓術は、自然との感応が必須になる。

なので、射ながらひたすらに心を落ち着け、自然と心を通わせるのだ。

「(……一つ射っては兄のため。二つ射っても兄のため)」

――――通わせれているかは、分からないが。

霜月 芙蓉 > 内心のアレさは、さておき、霜月芙蓉の才は、最低限兄は軽く凌駕している。

近接戦闘では流石に譲るが、巫術及びそれを活かした五行弓術に関しては、相当なものだ。

「…………」

その才能の一つは、この集中力だろう。

自分の普段の性格を完全に塗り替えてまで集中できる。

その切り替えと、それによる瞬間的な集中力。

それは、間違いなく彼女を支える才能の一つだ。

霜月 芙蓉 > びぃん、びぃんと弓を引く。

ただただ集中して空引きを繰り返すその姿は……本人の「かっこ悪い」と言う自己評価とは裏腹に、美しいと言えるものだろう。

じゃあ何故かっこ悪いか、と言うと……子供みたいな理屈で、集中して目がマジになってるのがなんだか恥ずかしい、とのことらしい。

才気はあるが、精神面ではまだまだお子様なのである。

霜月 芙蓉 > だが、今は人目はない。

いや、冷静に考えれば誰か来てもまるでおかしくないのだが……そう慢心しきって、彼女は延々と弓を引いている。

「…………」

その訓練を終える様子は、まだまだ無いようだ。

霜月 芙蓉 > 「…………ふぅ」

一息入れる。どうやらここまでのようだ。

「……さて、ちょーっときゅーけーっと!」

そのまま、木にもたれかかってのんびりし始める。

霜月 芙蓉 > 「……」

うとうと。

「……はっ!いけない!」

目を覚ました。

「うあちゃー、ちょーっとやりすぎたかなあ」

顔を横にブンブン振りながら、無理矢理目を覚ます。

「しっかたないにゃー、どっかでコーヒーでも飲もっかな!」

言いながらすく、と立ち上がり、その場を後にした。

ご案内:「常世神社」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に名取美子さんが現れました。
名取美子 >  (静かな夜の雨上がりの湿った空気を吸い込みながら、少女が一人歩いている。石畳にこつこつとパンプスの足音が響く。)

……やっぱりこの時間は人がいませんね。

 (ぽつり、と独り言。誰に聞かせるわけでもなく、境内に入る。)

……特にお願いすることもなにもないですが。この学園に来たばかりですし、ご挨拶しましょうか。

 (しゃらん、とお賽銭を投げ込む音が。)

名取美子 >  (パン、パン……っと乾いた音が。そのまま作法にならって手を合わせる。)
 (長いこと瞳を閉じながら、悶々と考えている。……人格のこと、勉強のこと、最近おかしい、体調のこと。)

……よし。ご挨拶完了です。

 (くるっと踵を帰すと、鎮守の森へと向かう。こつこつ、という足音から、さくさく、という雨上がりの草を踏む音に変わった。)

名取美子 > 夏の空気はおいしいですね…。

 (さく…さく…とゆっくりと歩く。時々、木々の葉から垂れてきた雨露を払ったり。自然と微笑んでいるその姿は、どこか年齢よりも大人びて見えるだろう。)

ご案内:「常世神社」に名取美子さんが現れました。
名取美子 > ……さて、明日のお弁当つくらないと、ですね。

 (来た道を引き返す。また、さくさく、と軽い音が響くだろう。やがてこつこつ、という音に変わると、どんどん足音は遠ざかり、ついには聞こえなくなった。)

ご案内:「常世神社」から名取美子さんが去りました。