2015/06/17 のログ
ご案内:「常世神社」に五代 基一郎さんが現れました。
■五代 基一郎 > 「何してるのよこんなところで」
麻美子が待ち望む人物ではない。
しかし全く知らないというわけでもない男が。
片手にコンビニ袋抱えて石段から不可解なものを見るように見上げていた。
足元には黒猫がいる。
■麻美子 > ふと声をかけられれば、
その男を見上げて、ふぅ、と息をついた。
「いやー、何してるんスかねー。」
苦笑気味に答える。
実際、自分が何をしているのかはよく分かってない。
■五代 基一郎 > 「場所は悪くないけど、こんな時間に待ち合わせするわけはないなぁ」
麻美子の隣にコンビニ袋を置いてそれを挟むように石段に座る。
袋に手を入れれば取り出されたのが氷菓子のみぞれイチゴ味。
蓋を開けて食い始める。
「ガラスの靴でも落としてきたかね」
■麻美子 > 「そうッスねー、待ち合わせしてるわけじゃないッスよ。
ま、ある意味人は待ってたッスけどね」
頬を掻きつつ、へらへらとした笑みを浮かべる。
『おいしそうッスね』と氷菓子を見つつ、脚を伸ばした。
「ガラスの靴は落としてきわすれたみたいッスね。」
そう言って苦笑する、追ってきたのは王子様ではなく、
魔法使いでもなく、当然大臣でもなく、
かといって赤の他人というわけでもなく、微妙な相手だ。
■五代 基一郎 > 「落としたヤツが階段上がって待ってるというのも変な話だよな」
その白い方の食っていいよと特に見ず呟き合間に買ってきた茶のペットボトルを開ける。
継母でも姉でもなく、カボチャの場所でもネズミでもない男が適当に食っている。
「変と言えばあの話さ。服も何もかも魔法が解けて消えたわけだけど。
どうしてかガラスの靴は残ったじゃない。なんでだろうね」
ガリガリとイチゴ味のみぞれを砕きながら咀嚼し
偶に茶を口にいれて流しながらそんな適当なことを呟く。
■麻美子 > 「そうッスねー、シンデレラならちゃんと家で待たないとダメッス。」
へらへらと笑いながらそう返すと、『マジッスか?』と
イチゴ無しのみぞれ練乳の氷菓子を開け、
口の中で溶かすように食べ始める。
舞踏会に出たものの、結局王子様とは結ばれなかった
モブの女の子の1人が食べている
「ガラスの靴だけは魔法で作ったものじゃなくて、
魔法使いが自分で持ってたんじゃないッスかね。
サイズがあわなくなって履けなくなった昔の思い出ッス」
大分太ってたッスからね、魔法使いサン、
と、へらへらと笑って同じく適当にそう返す。
■五代 基一郎 > 「別にいいだろ、シンデレラじゃないんだから」
誰かに魔法をかけてもらったわけでもない。
だが魔法が掛かっているだろう少女を見もせずに食い続ければ
空になったパッケージに蓋をして茶で流し食うのを終えた。
舞踏会で踊っていた女の子の話を聞きながら、へぇと相槌を打ちながら
「なら君のガラス靴も魔法で作ったものじゃなくて、自前のなんだから
日付変わろうが置いてきた所に残ってるでしょ。
シンデレラじゃないし、まだ履きたいなら自分から取りに行けばいいんじゃないかね。」
■麻美子 > 「そうかもしれないッスね。……確かに麻美子はシンデレラじゃないッス。」
そっと目を伏せ、自分も練乳みぞれのカキ氷を食べ終える。
飲み物をあけようと思うも、そういえば随分揺らしたなと
思い直して開けずに傍らに置いた。
「ま、確かにそうなんスけどね、でも、憧れの王子様は、
もうシンデレラと結ばれちゃったッスよ。
ガラスの靴も、可愛いドレスも、
見せる相手が居ないと着る意味ないッス。」
そう言って何処か寂しそうにへらっと笑う。
■五代 基一郎 > 内心その王子様とやらが誰やらなのかは察しがつく。
それなりに目立つ場所で堂々とやってるもんだから、噂ぐらいは耳にしていたし
何してるんだかとも思っていたが、自分こそ全くここで何してるんだかと言いたくなる。
王子様というガラでもないだろうになと、この少女が本当に魔法にかかってるんじゃないか心配になる。
夢物語のような語りの中、そんな現実的な考えが底にあった。
「さぁどうだろうね。
案外魔法にかかってるのは王子様なのかもな。
シンデレラの話だってそうだろう。あの王子様が魔法にかかっていないという保証はない。
長靴を履いた猫もそうだったじゃないか。
いつか覚める自分が求める世界。魔法の中で踊り続ける……そんな人間なのかもしれない。」
めんどくさそうにペットボトルをどけて外を見やる。
今更何をしているんだアイツは、と。
■麻美子 > 「ま、確かに魔法はどっちにもかかってると思うッスよ。
何しろ、好きな人相手には恥ずかしい台詞もポンポン言えちゃうッスからねー。
魔法使いがかける魔法なんかより、ずっと現実的で、ずっと強力な魔法ッス。」
五代が言うように、自分に、あるいは相手に酔ってた所もあるのかもしれない。
随分と揺すられて爆弾と化しているであろうペットボトルを眺めると
―――ふぅ、と息をつく。
「五代サン、ちょっと抱きついてもいいッスか?」
■五代 基一郎 > 「言葉しか汲み取れない不便な生き物だよ人間は。
だから言葉には力がある。だが言葉だけが全てでもないだろうさ
言葉に変える中で本来の意味が変わってしまうこともある。
言った本人ですらそうなんだ。聞く人間もまた然り。」
ゴミを纏めながら特に開封されていないペットボトルを指差し
飲まないならもらっていい?と挟み
「センチメンタリズムに浸るのは夢みる乙女らしいが、そういうのは感心しないな」
言外に駄目。早く目を覚ませ。と伝えつつ立ち上がりコンビニ袋をゴミ袋として結ぶ。
「家族ごっこの夢も直に覚めるさ。魔法が解けて現実が待っている。
その魔法が解けた時にどうするか、でも遅くないだろ。
夢の中にいる盲目の住人より、現実の中にいる女の方が強いぞこういうのは」
目の前の少女だけではなく、あいつのフォローまでしているのだから面白くはないが
まぁそうしない間柄でもないのが小憎たらしい。
こっちは色々やることに追われてるのにな、と。
■麻美子 > 「確かにそうかもしれないッスね。
言葉でのやり取りなんて、2人だけでも伝言ゲームッス。」
ペットボトルを指差されて問われれば
『ま、別にいいッスけど。』と、彼にペットボトルを投げ渡す。
「センチメンタリズム?なんスか、抱きついてわんわん泣くとでも思ったッスか?」
『違うッスよー』笑いながらひらひらと手を振り、否定する。
「向こうが女の子と仲良く寝てるのに、
麻美子のほうは何も無しじゃ不公平じゃないッスか。
慰めに来た男の人とちょっといい感じになるくらい役得ッスよ。」
冗談っぽく笑いながら彼を見上げる。
……ようするにからかっていたのだろう。
人に恥ずかしい台詞を言わせてくれちゃった些細な仕返しだ。
「麻美子の魔法はもう溶けたッス、あとは、
向こうの魔法が解けるまでゆっくり待つッスよ、まだ学生ッスからね。」
『時間はいくらでもあるッス』と、にっこりと笑った。
■五代 基一郎 > 「こうしてるだけでも、意図を汲みとるのは難しいだろうことがよく分かるだろ。
男と女でも大層違うんだ。まったく強かな女だよ」
投げ渡されたペットボトルを掴むとそのまま開封し
破裂音が鳴ったのは言うまでもない。
さておき話を続ける。
「そうか、だが残念だ。ここは安くなくてね。今炭酸かかってるが」
手を振りその炭酸水を脇に飛ばしつつあぁくそ、とかなんだ呟きつつ神社の手水舎に向かい
手を洗う。本来こういう目的でないのでやってはいけない。
「なら今の時間もわかるよな。もう遅いから送ってくけど」
染みにならねぇといいなぁとスーツの上着に水を掛けつつハンカチで叩く。
終わればバサバサと上着をはたいて脇に挟んだ。
現実の時間が、それなりの時間を示している。
■麻美子 > 「よく言われるッス、前に言われたッスけど、
もう少し頭悪くて可愛げがあったほうが男の子にはモテるんスかねー。」
冗談っぽく笑いながら、やれやれと首を振る。
手洗い場で炭酸水を洗う彼を
『罰当たりッスよー。』と呼び止めつつ、
まぁ他に洗うところがないのなら仕方が無いか、と流す。
「ま、炭酸がかかってるなら仕方ないッスね、
……麻美子、五代サンとベタベタする気はないッスから。」
『文字通りの意味で』とへらへらと笑う。
「そうッスね、送って貰うくらいはして貰うッスよ、
そっちから傷心の乙女に声かけたんス、アフターサービスくらいするッスよ。」
携帯で今の時間を確認しつつ、
のんびりと立ち上がると石段を降りはじめる。
■五代 基一郎 > 「今でも十分バカっぽくて可愛げがあるように見えるから心配することないだろ」
何言ってんだお前みたいな失礼極まりない返しをしつつ向き直る。
笑って許してくれるさ、と誰にいう事もなく鳥居を出て石段を降りはじめる。
ここから見える景色も先ほどとは違い、明るさが減っている。
「ダイエット系にしろダイエット系に。あれはベタベタしないんだ。サラサラだぞサラサラ」
なんであれサラサラするんだろうな……ベタつかないんだよ
と妙な何か実体験からくるようないい方で首をかしげる。
「泥じゃないけど炭酸被ってこれとは全くひどい帰りだ、全くさ」
そんなことをボヤきつつ、未見不麻美子の後ろを歩くように
石段を下りて行った……
ご案内:「常世神社」から麻美子さんが去りました。
ご案内:「常世神社」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > パチリ。
朝の静かな境内に何かを打つ音が響く。
■渡辺慧 > その音は、木の素材を、木の素材にぶつける音。
具体的に言えば、将棋を打つ音だろうか。
よく見れば石段の途中に、片手に本――新書ほどの大きさの――と、将棋の駒――いわゆる歩――を持ち、楽しげに顔を歪ませて悩んでいる少年の姿がある。
■渡辺慧 > よく見れば少年の額には汗。
どうやらランニング――前にも言った通り日課とも言わないが、趣味の一環――をこなしたままここに寄ったようだ。
――ランニング中に寄ったということは、どうやって将棋盤を運んだというのだろうか。
答えは背中に括り付けたまま走った、という事なんだろうが……。……まぁ、どう見ても変だったのだろう。
■渡辺慧 > 一人で将棋盤の前で悩む姿は……詰将棋と言われるものだろう。
……そも、この学園にきてから将棋で誰かと競った覚えがない辺り、友達とかいないのだろうか、と聞きたくなる惨状ではある。
まぁ、将棋をやる年代ではないのは考慮しておこう。
2六へ歩を指す。
――パチリ。軽快な音を立てている。
■渡辺慧 > 「んー…………」
頭を悩ます。楽しげな顔だが。存外に難しいものなのだろう。
「ん……………ググググ」
顔が歪んできた。
■渡辺慧 > 「……………」
ついに唸り声も上げなくなった。時間が時間なのか、頭が働いていないのか……。
「……………」
きっ、と将棋盤をにらみつけると。
■渡辺慧 > 「ダラッシャァァァーーーッ!」
ここで必殺のちゃぶ台返しだ――!
飛び散る駒――――!
■渡辺慧 > …………………。
……物凄く虚しそうな顔をしながら、猫背になって駒を拾い集めると。
背中に将棋盤を括り付けてそのまま帰って行った。
本当に何がしたかったのか。
友達がいないのか。
ご案内:「常世神社」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > 「ああー……遅くなっちゃった……」
本来なら明るいうちに到着する予定が、
つい途中で美味しい甘味をみつけて、
ゆったり食べていたら遅くなり、
予定が完全に狂ってしまったのである。
誰が悪いって私が悪い。
「なんというか、
夜の神社って不気味ですよね、
幽霊とか出たりして。
なんて、出ないよね。」
気を取り直して、参拝の順番はと思い返し、
鳥居の前で一礼、
道の真ん中は歩かない、
手水舎で、作法どおり口と手をすすぐ。
冷たくて気持ちいいというか、
思わず冷たい水を飲んでしまおうとしたのは悪くないと思う。
思わず誰も見てないよね、と。
きょろきょろと辺りを見てしまったけど。
■四十万 静歌 > ま、見てる人はいないか、と胸を撫で下ろし、
拝殿。
賽銭箱に5円玉を投入し、
鈴を鳴らす紐を両手でしっかり持ち3回力強く鳴らす。
二拝二拍。
そして、祈る。
祈る無い内容は――
単純なものだ。
“どうか、日常が末永く続きますように。”
シンプルな内容。
だけど、真剣に祈り続ける。
ひょっとしたら、
鬼気迫るような空気をかもしだしているかもしれない。
■四十万 静歌 > そして一礼して、境内の片隅に座る所があったので、
座って缶ジュースを開けて一息。
「まぁ、でも、夜だからって何かあるわけでもなし……
神社の中は静かで心地いいですよね。
夜風も気持ちいいですし――」
のんびりと缶ジュースをのみながらぼんやりと空を眺める。
物凄いまぬけな面になってる気がするが、
気にしない。
■四十万 静歌 > しかし、やがては缶の中身も尽きるのである。
飲み干してしまった缶の中を覗こうとするが、
「暗すぎて見えない。」
まぁ、どうせ中身はないんだし、
見えた所で何があるわけでもないんだけどー
などと呟きながら、
ゴミ箱を探し捨てに行く。
そういえば――と首をかしげて。
「幽霊、出来るんじゃないかな。」
何か妙な事を呟き始めた。
黒いマントで全身を隠し、
隠蔽術で首から下を背景と同化、
すたすた歩きながら首から下に違和感を強く出させる。
「首が浮いてる……!
なーんちゃって。」
■四十万 静歌 > 「……はぁ。」
思わずため息をついて解除する。
「見てる人も居ない中でやっても、
面白くもなんともないですよねー。」
何やってるんだろ、と
空を見上げて乾いた笑い。
いや、暇は潰せたんだけどね?
■四十万 静歌 > 「ま、これ以上いても仕方ないし、
帰りましょうか。」
神社は神聖だけど、
さすがに夜間は怖いのである。
肌寒いのである。
思わず早足になって――
「あっ!」
躓いて、
コントのようにべしゃんっとこけた。
■四十万 静歌 > ――立ち上がってきょろきょろあたりをみて、
誰もみていないなとひそかにガッツポーズをして帰るのであった。
かなり恥ずかしかった。
ご案内:「常世神社」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に日乃杜 梢さんが現れました。
■日乃杜 梢 > 神社の境内、玉石を敷き詰められた庭の上に、巫女の姿がある。
白衣と緋袴に身を包んだ少女は、竹箒を手にして、奥の森から飛ばされてきた落ち葉を払い続けていた。
言葉はない。
玉石を動かすことなく、その上に乗せられただけの葉を払い、一歩前へ。
ただ、その繰り返しだ。