2016/11/23 のログ
伊都波 凛霞 > 「うー、今日は冷えるなぁ……」

さむさむ、と神社の中に置いてあったジャンパーを羽織って小休憩
お手伝いを承諾したものはいいけれど今年はちょっと冷え込んでいる、
甘酒を進められるが学生ですのでーと軽く回避して、温かいコーヒーを紙コップでいただく

境内に腰掛けて熱いコーヒーを口に運ぶと、煩雑な神社の一角に見知った顔を見つける
きょろきょろと辺りを眺めながらうろつく少女は

「はーるか、こっちーーー」

何しろお祭り、神社は商店街ほど煩くはないものの、多少声を張る

伊都波 悠薇 >  
「ぴゅい!?」

びっくぅんっと、飛び跳ねて、じーんっと振動が上から下までまわり。
ぎぎぎっと、ブリキのように首を回す。

当然声を張れば、注目は多少浴びて。
視線は姉に集まる。

反応すれば当然、それが移る。

「――………………」

ぴきーん。

視線のビームを浴びれば、冷凍されたように、固まる妹。

――今はやりのゲーム。氷属性のビームを浴びたかのようである

伊都波 凛霞 >  
相変わらずといえば相変わらずの妹の姿に小さく苦笑して、よいしょっと立ち上がる

人混みをすいすいと掻き分けながら、
固まった妹の近くまで歩いて行く

「遅かったね、何かあった?」

凍ったままの妹の手を自然にとって、微笑む

伊都波 悠薇 >  
相変わらず、王子様のようなことをさらりとやってのける。
固まった氷を、ただ触れただけで溶かす。
視線なんてなんのその、慣れっこのような姿である。

「――う、あ、あ? と、トクニナンデモナイデス」

視線は少しずつ、散っていくものの。
慣れていない悠薇には、まだ呪縛のように残る。
まぁそれも、王子様のおかげですぐに緩和されるのだけれど。

「――――……ゆ、勇気を出すには時間が必要でして」

なぜか敬語であった

伊都波 凛霞 >  
「そう?ならいいけど、何か事故でもあったのか心配しちゃったよ」

何もないなら良かった、とその手を引いて境内のほうへ
ジャンパーを羽織っているとはいえ巫女装束、妹のほうも袴がちらちらと見えて、
何よりよく似た顔が2つ並んで歩くのだから当然目立つ
片方は、ちょっと隠れているけれど

「勇気って、大袈裟だなーはるかは」

くすくす、可愛いものを見るように笑って手を引く
でもこうやって誘ってちゃんと来てくれるのは姉としては嬉しい限りだ

「あんなところでうろうろしてたら寒かったでしょ、飲む?」

飲みかけだけど、と紙コップを渡そうとする

伊都波 悠薇 >  
「――大げさじゃないよぉ」

まったくもって、大げさではない。
どこのだれと、同じ格好でなおかつ同じ枠内におさまると思っているのか。
絶対に見劣りするし、絶対に目立つし、絶対に――

いろいろネガティブなものが思い浮かぶのも当然である。

「……――」

目の前に差し出されたコップを見て――……
それを受け取らず。

「お姉ちゃんのでしょ、それ。私の奴は自分で用意するから」

そそくさと。
最近このようなことはよくあった。
そう、同じものを使ってくれなくなったのだ。
特に、コップとか、箸とか、そういうの

伊都波 凛霞 >  
「………もしかして、その…」

そそくさと回避する妹の様子を見て

「───き、気にしてる? …間接キスとか、そういうの」

ほんのりと頬が朱が差しているのは寒いからか、それとも

さすがの鈍感お姉ちゃんも、
色々とあったりなんだりで妹の内心には気づいている
それでもつい昔通りに接してしまうのはもはや慣れなのだろうけれど

伊都波 悠薇 > ぴきっと、何かが亀裂の入った音がした。
錯覚なのは十分わかっているが、姉には聞こえた。
そう、なにか踏んじゃいけないものを踏んだような
 
「――気にしてないです」

にこっと、笑っている。すごく笑っている。
でも副音声で。そういうのは気づいてもいわないものなんじゃないかな
なんて――聞こえそうな、感じだった。

「――馬鹿なこと言ってないで、お手伝いするよ。休憩、してたんでしょ」

にこにこ。
びくびくは、どこに行ったのやら――
急にきびきびと動き始めた

伊都波 凛霞 >  
「あっ…」

にこにこ笑ってきびきびと、お手伝いを始める妹

やっちゃった、という顔をする姉
ここのところ妹はどうにも過敏というか

「ごめん、デリカシーなさすぎだったね」

馬鹿なことと言われればぺこんっと妹に頭を下げて
寒いけどジャンパーを着たままお仕事するわけにもいかないし、
ぱぱっと脱いで巫女衣装に

伊都波 悠薇 >  
「――知らない」

ふんっと、そっぽを向いた後。
妹も当然、お手伝いに誘われたわけで。ジャンバーを脱ぐ。
白と赤の――衣装。
巫女装束――

珍しく、腰あたりで結っている髪も全部ほどいて――
下した、髪。そして目のあたりにヘヤピンを通して。

「――……」

ぱんぱんっと、しわを伸ばす。
どこか、堂々としたようにも見える一連のしぐさは。
ほんの少しの違和感。
でもそれい以上に――

伊都波 凛霞 >  
「………」

そんな妹の様子を横目に見て、
違和感を少し感じるとともに───

「凛としてるね」

さっきまでの、おろおろしていた様子とはまるで違う様子
なんというか───今の立ち振舞は自分によく似ているなと思った

伊都波 悠薇 >  
「そう? あんまおどおどしてたら、務まらないと思って」

右目だけ覗く。
一応、客商売。だから、そっちの意味でも勇気が必要だったのだ。
なめられたら、負ける接客業。
どこかでそんな本を読んだゆえの。

「あんまお姉ちゃんに、恥をかかせられないし」

ふぅっと息を吐いて。

「たまには、いいところ、見せたいし」

また違った表情。
にっと、はにかんだその表情。

「……まぁ、失敗はすると思うけどね」

でもそれは一瞬で。いつも通りに戻る。

垣間見える、”違い”

それは今日以外にもちらちらと見えていたもの。
成長なのか、それとも……?

伊都波 凛霞 >  
「………」

なんだろう
あれ以来ずっと妹の中に感じるもの
色々と吹っ切れて成長しているのかとも思える
だけど───

「頼もしくなったね」

自分の後ろをずっとついてきていた妹
今はこうやって隣合って立っている
それは、自分が"願っていた妹"の姿でもあるけれど───

伊都波 悠薇 >  
「全然――だって、失敗するのは”決まってる”から」

くすりと、笑う。
でもそこに自嘲も卑下もない。

「――その分、ちゃんと成功してよね。お姉ちゃん?」

分かってるよねというように。
プレッシャーをかけながら。カランっと、足音を鳴らす。

「でも、そうだね。仮にそう見えるとしたら――……頼もしい、誰かさんのおかげでちょっとは”嘘”のつきかたを覚えただけだよ」

くるりと振り返り。

「で、何をすればいいんだっけ?」

伊都波 凛霞 >  
「そんなのわからないよ」

そう言って苦笑する

「二人とも失敗しないのが、お姉ちゃんは一番嬉しいしね」

苦笑を笑みに変えてそう答える、が……
続いた言葉に、言葉と歩みを止める

「……まだ、許してもらないか。それはそうだよね」

小声でそう呟いて、それでも表情を戻して気持ちを切り替える
前向きで居続けようと決めたのだ、妹の前ではずっと

「えっとね……」

お手伝いの内容を、わかりやすく噛み砕いて説明してゆく

祭典準備はあらかた終わっている、
なのでやることは主にお札やお守りなどの販売手伝いである
そしてそれに一番大事なものを最後に伝える

「とびっきりの笑顔で!」

伊都波 悠薇 >  
「――意地っ張り」

決まっていることなのに、そこを認めようとしない。
でも――それが姉なのだと、あきらめる。
そういった面も含めて、”姉”なのだから。

「――ガンバリマス」

笑顔で接客。
片言になったのは、誰からどう見ても明らかでした

伊都波 凛霞 > お手伝いをはじめてしばらく

姉はテキパキと笑顔でこなしてゆく
なんでもそつなくこなすのはいつも通り

二人の可愛い助勤巫女さんに写メをお願いするような人も
いたがそこはやんわりとお断る

さて、妹の様子はどうかな?
と、ちらりと隣を伺ってみる───

伊都波 悠薇 >  
――絡まれてました。
それもナンパ二人に。写メをお願いされつつ――
なおかつ、ちょいとセクハラまがいである。

妹の性格上、断れるわけもなく――

(あわ、あわわわ……)

――いーじゃんいーじゃん。ね? 昨日らとかでゆっくりしない?

――ちょっとだけ、ね?

ガラの悪い人を引くのはなんというか。
にしてもずいぶんと肉体的スキンシップが多いようで……

てんぱるいもうと、だいぴんち

であった

伊都波 凛霞 > 「はいはい後ろのお客さんもいるんだからそういうのはだめですよー」

すかさず
文字通りすかさず妹の肩に手をまわして自分との位置をするりとチェンジ

にっこりと笑顔で二人を見上げて

「お札?お守り?どっちかな?」

そっちのお客さんお願いね、と妹にぱちっと目配せ

伊都波 悠薇 >  
――……あん? お嬢ちゃん何……?

――っていうか、かなりの上玉……、てかにてね? 姉妹? うはっ

ざわざわ騒ぐ、ナンパ二人。
当然、少しずつ騒ぎは伝染する。

ちなみに妹はといえば。

「あ、いえ、その。またがるとかそういうのはえっとですね?」

はい、いつもの夢の中でした。目くばせも見えておりません。

伊都波 凛霞 >  
「(困ったなぁどうしよ)」

あんまりしつこいと迷惑である
騒ぎになるのもよろしくないし……

「えいっ」

ぺちっとトリップしている妹にでこぴんして目を覚まさせつつ

「少しだけ一人でよろしくねはるか」

そう言って、ちょっと神社の裏に行こっか、と笑顔でナンパ二人と連れ立っていってしまう姉

伊都波 悠薇 >  
「あいたっ!?」

額を抑えつつ、はっ、えっときょろきょろ。
そうしてるうちに、二人を連れてどこかに。

――どこかに?

「あ、いや、お姉ちゃん!? だめだよっ、そんな、はうううう」

顔を真っ赤にしてまた目がぐるぐる。
何を想像してるのか。
でも器用に、お客さんの相手をしてるあたり――

伊都波 凛霞 > ものの5分かそこそこの時間が経って

ぱたぱたと少し慌てたような様子で姉が戻ってくる、一人で

「やーごめんはるか、一人は大変だったよね、お待たせ!」

少し息を切らせて、吐いている息がほの白い靄としてよく見える

お客さんこちらでもどうぞー、と並んでいるお客さんを移動させる

「大丈夫?何もなかった?」

伊都波 悠薇 >  
「しろ!? ほかほかのしろ!!? そんな、あったかくてしろくてあれなそれな!!?」

わたわたわた。
うろたえているようで、すごく仕事ができていたりする。

”真逆”。そういった性質を持っている妹のよくわからない”つり合い”

今、姉は仕事を離れた。つまり止まった
なら妹は、仕事を進める。同じように。

つり合いをとるように。

「――ってあれ? 服が乱れてない」

伊都波 凛霞 >  
「……何想像してたの、もう」

少し顔を赤くしてはぁっとため息

「ちょっと裏でそういうのダメですよってお話してきただけだよ」

そう、お話してきただけである
笑顔で説得、ちょっと聞き分けがなくて思わず地面を震脚で割ったりはしたけど

伊都波 悠薇 >  
「―――…………」

ピタッと止まって。

「い、いーえー……トクニナンデモナイデス」

ぴゅーぴゅーっと、口笛ふきつつ。
お客さんに違うお守りを渡す。
当然指摘され、慌てて正しいのを渡す。

また失敗続きである。

「――巫女さんも、大変だね」

なんてごまかすように話題を振りつつ

やはり頼りになるお姉ちゃんだった

伊都波 凛霞 > 「(またえっちなこと考えてたねこれね)」

やれやれ、まぁそういうところも可愛いもので
失敗する妹に落ち着いて落ち着いて、とサポートしつつ

「本職の巫女さんはもっと大変だよ、事務仕事とかもあるみたいだしね」

そんな他愛のない話題を話しつつ、お手伝いは続いてゆく

やがて月が真上に来る頃には客足も少なくなり、お手伝いも撤収となる

伊都波 悠薇 >  
「――向いてなさそうです」

うんっと、頷いて。自分に向いてる仕事って何だろうと考える。

未来。この先、大人になってから――

そんなことを悶々としつつ、仕事をこなしていく。
たまに増やしてしまうこともあったけど、無事終えて。

「……はぁ」

すごく大きなため息をついて。ジャンバーを羽織った

伊都波 凛霞 >  
「ありがと、はるかが手伝ってくれたから助かったよ」

とちったところもあったけれど、
一人ではこなせなかったところは確かにあって、素直な気持ちだ

こちらもジャンパーを羽織った姉が、すっと紙コップを差し出す
二人分もらってきた、あったかいコーヒーである

「はい、今度は飲みかけじゃないよ」

伊都波 悠薇 >  
「……最近お姉ちゃん、余計な一言多くない?」

じとーっと、見る。
おどおどしてるだけでなく、意見も言ってくるようになった。
前みたいに見てるだけ聞いてるだけではない、違いのひとつ。

「――ふーっ、ふー」

暖かいコーヒーを受け取り、息をかけながら。
さました後口につけて、ホッと一息。

そのあと、ヘアピンをとって前髪を整えた

伊都波 凛霞 >  
「気にして可愛い反応見られるかなって期待してたりもするからねー」

別段悪びれた様子もなくそうのたまって、自分もコーヒーに口をつける
結構冷えた身体には心地よい熱が巡る

「顔、もう隠すのやめればいいのに。
 今日の二人も態度は悪かったけど、やっぱり誰が見ても可愛いと思うよ?悠薇」

いつもとおりに前髪を整える妹を見て、そう一言

伊都波 悠薇 >  
「――お姉ちゃんが、段々プレイガールになってる」

衝撃を受けたようにつぶやいて。
ちびちびとコーヒーを飲み進める。
コーヒーよりも、やっぱ緑茶が好きだななんて思いつつ。

「――今日はお客さん商売だったから。ただそれだけだし。かわいいかわいくないの問題じゃないの、これは」

伊都波 凛霞 >  
「ぶっ」

まさかプレイガールとか言われるとは思って無くてちょっと噎せた、けほけほ

「変な言い方しないでよもう…」

口元をハンカチで拭って、ふぅと一息

「そっか。
 私は、可愛い妹がちやほやされてるの見ると嬉しいけどなぁ…」

今日みたいなナンパは置いといて
なんだか鼻が高いのだ
口には出さないけれど、自慢の妹なので

伊都波 悠薇 >  
「なんか女の子を拐すのが、すごくうまそうだったので」

静かに、飲みつつ。
フーンなんて言いながら。

――ちょっと不機嫌になった

それがすぐにわかるくらいにはそっけない返事だった。

「――さ、帰ろ。夜遅くなっちゃうと晩御飯、間に合わなくなっちゃうし」

すくっと立ち上がって、ごみ箱へ歩き始める。

――うれしいんだ、ふーん

なんてもう一度つぶやきつつ

伊都波 凛霞 >  
「???」

なんだか不機嫌そうに歩いて行く妹の背中に向けて首を傾げる
なんかヘンなこと言ったかなぁ、と自問自答

可愛いかわいい妹がみんなにちやほやされていたら、
それは鼻も高く、自慢げで、嬉しいことだ

鈍感な姉は妹が不機嫌になった理由にはいまいち気づけない
二人の距離があくまでも姉妹のままとして自然に接してしまっていることには、まだ

「(───最近よくヘソ曲げるなぁ…)」

ぽりぽり、と頬をかいて、その後を小走りに追うのだった

ご案内:「常世神社【常世祭期間中】」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「常世神社【常世祭期間中】」から伊都波 凛霞さんが去りました。