2015/06/03 のログ
■五代 基一郎 > 『本日早朝。PDAからBBS形式の風紀委員専用デジタルデータを覗けば。
その一件の報告が能見さゆりの手で行われており、かつ纏められていた。
最も何が起きていたか見た者からすればそれは事実でありまた足らぬところのある嘘とも言えないものである。
あのような実態であるものの、うまく処理したものだと感嘆した。
無論彼女を制作したものにだが。
それに対し当事者であるレイチェル・ラムレイが何かしら報告しないのは彼女が単に見ていないか
それともこの件について風紀委員内部であろうと公に口を出さないほうがよいとしたのか。
後者であるならそれなりに頭が回るのであろうと、評価を改めねばならない。
最も佐伯 貴子からの書き込みや報告から一件もレイチェル・ラムレイが報告していないことから前者であることは想像するに難くない
誰かしら上役を付けてやればいいものを、と思うが管轄外なので誰ともなく口には出さないことを決めた』
■五代 基一郎 > タマゴ……あといくつか包んでくれ
『〆の卵の握りを頼みつつゴシップ雑誌を閉じて脇にどける。
ある程度何が起きているか……というよりも、既に始まっているのは大なり小なり誰だってわかっているだろう
ただそれがどのようなところに至るか。どこに誰が関係してくるか。
誰が収拾を付けるのか。後手後手に回り、全て後の祭りでしたとはならないだろうことを
今の風紀委員のメンバーに期待するより他はない』
■五代 基一郎 > 『そうして代金を支払うと、脇にゴシップ雑誌挟んで
土産の寿司を手に屋台を後にした。この寿司は現在隊長室にある第二小隊長のデスクを守る我が部下黒猫の分である。
無事送り届けなければまた機嫌悪くするだろうなぁと雑に思いつつ歩いて行った』
ご案内:「歓楽街メインストリート」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にリョウさんが現れました。
■リョウ > (ワイシャツにジーパン、帽子にグラサンというラフな格好で道を行く。最近の学園の物騒さというモノについてリョウは何も知らず、脳天気に歓楽街を歩いていた。――しかしその表情はやや暗い。
何処かの路地裏では酔っぱらいが小競り合いを起こしているが、その喧騒を背にして我関せずといった風にリョウは店を探す。
そして直ぐに、中年サラリーマンが行くような串焼きの飲み屋に目を付けると一人でふらりと入って行く。)
■リョウ > (店に入り席に案内される。人混みの中身知った教師などが居ないかをとりあえずチェックして席に付く。メニューに目を通しながらお絞りを受け取ると、まずはソフトドリンクの類から注文した。一応は、知っている者に見つけられても言い訳が付くようにアルコールの類は避けたらしい。)
「……」
(メニューに目を通したまま、ポケットから煙草とライターを取り出す。手慣れた様子で1本咥えて火を付けた。)
■リョウ > (一つ煙を吹くと間もなくドリンクが届けられる。リョウがまず注文したものはサイダーだった。
店員を呼び止めてそのまま食事の注文に移る。オーソドックスな串盛り合わせではなく、食べたい物を適当に1本ずつ。
どうやらこの店には何度か通っているらしい。淀みなく数本の串を注文する。)
■リョウ > (店の奥では炎の異能使いが大漁の串を炙っているのが見えた。
ぼんやりとそれを眺めてから、思い出したように瓶のサイダーをコップに移す。泡が溢れそうになれば少し手を止めて落ち着くのを待った。
その間、「ああ、自分の異能ももう少し金にしやすければな」などと、取り留めのない事を思う。
また少しぼーっと思いふけり、サイダーの泡がすっかり落ち着いていたのに気づくと、はっとして瓶の残りを注ぎ切った。)
■リョウ > (背もたれの無い唯の丸椅子に座ったままぐっと脚を伸ばす。
歩きまわった疲れをこういう店で休ませるのはなんというか、高校2年生としては不健全な心地がした――
まあ、それも今更か。と、息を吸う。煙草の先端の火が、赤く光り灰を伸ばす。)
■リョウ > (煙草は学校に入ってから何となく吸ってみて、なんとなくそのまま継続してしまった悪癖である。
別段ヘビースモーカーという訳ではないが、「しかしまあ、やめないとな」……心の中でそう思いながら、吸い終わった1本目を灰皿に押し付けて鎮火した。
そしてタイミング良く焼き物が届けられる。炙られた赤身が3本と、野菜が2本。)
■リョウ > (色良く焼かれた赤身には胡椒が振られ、塩は滲み出した肉汁に溶かされその味を際立たせていた。野菜はナスとかぼちゃ。小ぶりな規格外品を流用しているらしく、味は良くとも値段は非常に安い。
貧乏学生一歩手前のリョウには有難い、手軽かつ安い野菜だった。
かぼちゃの串から一つ口に運びながら店員を呼ぶ。メニューをそっと指差して――)
「これ一つ。」
(店員は了承の返事を元気良く返すと足早に店の奥へと下がりながら、「ウーロンハイ一丁!」と厨房へ伝える。
その背を見ながら、「こういうところの接客業はしたくねえなあ……」と心の中で呟く。泥酔者の相手というのは、キツい。)
■リョウ > (駿河 怜はアルバイトを探していた。といっても学問は大事にしたいため、時間をズルズル取られる接客業は避けつつ、短時間の高収入という都合のいいアルバイトを――
当然の如く、そういったモノにマトモなものはほとんどない。殆ど無いだけで稀に、稀にはあるのだ。そういう美味しいバイトを彼は探していた。
……贅沢を言ってられないのも重々承知している。故に、こういった歓楽街の方面でもアルバイトを探し初めている。少々のリスクなら飲もうというわけだ。
牛の赤身を咀嚼して、広がる味わいに安らぎを覚える。育ち盛りの高校生としては、こういう物も食べないとダメだ……などと、今回の散財に関して自分に言い訳をする。)
■リョウ > (できるだけ、異能の内容を問われない物が好ましい。彼は自分の異能を晒す事を酷く忌避していた。忌避というより、最早恐怖である。
……そしてこの異能は、『闘争心の発露』などをキーにして発動する。故に、万が一のために接客などは避けたかった。
となると、やはり肉体労働か……工事現場等とかそういうものは、学校ではやはり少なく、他には怪しい仕事ばかりだった。
肉の残り香を届いたウーロンハイで流しつつ、携帯端末のスケジュール表をぼんやりと眺める――)
■リョウ > 「あー……楽して稼いで遊びてー。」
(若者らしい。しかし彼にとっては案外切迫した願望を呟きながら網目の焼き色がついたナスの串に醤油を掛ける。生姜を少し乗せて口に運ぶ――焼いてあるのに水々しいとは、不思議なもんだよなぁ。取り留めのない思考の中、学内メールに回ってくる短期バイト募集広告に目を通す。)
■リョウ > (またぼんやりと炎の異能使いに目を向けた。やはり、この学園にいる以上異能を使ったほうが稼ぎになるよなぁ、などと思う。
となると、この異能――『戦乙女』の身体強化部分だけを引き出して使えるような仕事だ。とりあえず金だ。まとまった金を作らないと、下手すりゃ学校に居られなくなる。
……家の事が頭を過り、誤魔化すようにまたアルコールを流し込んだ。)
■リョウ > (脂の乗った肉の串を持ち上げると、店内の光を吸って煌めく脂の雫が皿にぽたりと落ちた。
塩と胡椒のシンプルな味付けが、牛肉の力を誤魔化さずに引き出していく。噛む毎に広がる肉の味わいを、一人だが満足気に楽しんでいた。
楽しみながら、短期アルバイト募集のメールに返信する。見つけたのは荷物運び系の重労働だ。講義とも被らない丁度良いアルバイト。少しばかり安心したような一息と共に、またコップに口をつける。)
■リョウ > (とりあえず一時凌ぎとは言え収入にありつける。その喜びを胸に席を立った。
お持ち帰り用の串を何本か頼みつつ、代金を支払い店を出る――)
ご案内:「歓楽街」からリョウさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > 赤ジャージにヘッドフォン、それから小柄な体躯。
夜の街にそぐわぬ健康的な服装。
華々しい島の"不夜城"の路地裏に立ち並ぶは青色の大きなポリバケツ。
少女は、棒付きキャンディを舐めながらポリバケツに腰を下ろす。
端末をぼんやり眺めながら、指をスワイプさせていく。
騒がしい喧噪も、一歩奥に入れば随分と静かになる。
「あっふ…落第街も歓楽街も。何処の街も一歩入れば同じような景色ねぇ…」
ご案内:「歓楽街」にさいこさんが現れました。
■さいこ > 教員証用の顔写真をインスタントの証明写真機で取った帰り。マイナス700円。
見覚えのある赤ジャージとヘッドホンが見えたので、少し近寄ってみることにした。
「うふふ、こんばんわぁ?」
ご案内:「歓楽街」に矛海遼さんが現れました。
ご案内:「歓楽街」にウィリーさんが現れました。
■矛海遼 > 「これで今晩の食事は問題無いな………む、薄野?」
袋を籠に入れたママチャリに乗りながら、その場を通りかかる
■薄野ツヅラ > 声の主をちらと見遣る。
見慣れた───と云うにはまだ早い。
黒い髪と、大きなダイスの髪飾り。そして左右の色が違う双眸。
「やァ、さいこさん。今日は蒸しますね」
ふわり、と軽く笑みを浮かべる。
自転車に乗る男性も見慣れたと呼ぶにはまだ早い見たことのある顔。
「こんな路地に集まるのも莫迦、かしらぁ?
今朝ぶりですね、ドーモ」
■矛海遼 > 「さて、どうだかな。だとしたら総ての生物が莫迦でも問題無かろう」
赤いジャージにヘッドフォン少女に、ママチャリに不格好なスーツを着た眼鏡男は応える。相変わらず無表情で
■ウィリー > 行き交う人に紛れつつ、トラブルのありやなしやを見て巡る。
普段どおりの警邏にも随分となれて、歩く学生たちの姿に目をやる余裕もあった。
そして、人の屯に注意を払う程度の警戒感もある。
「これから遊びにいこうってかな、羨ましいねえ」
少しはなれたところで独りごちた
■さいこ > 「そうだねぇ。蒸し暑いかも。うふふ、そっちのおにーさんはお知り合いさん?」
軽い笑みをと、訪ねを返す。
■薄野ツヅラ > 「あっは。世の中莫迦ばっか、ってやつですかぁ?」
妙に間延びしたやる気のない口調。
そして遠巻きに歩く男性をちら、と見遣る。
風紀委員か何かだろうか。注意されれば面倒だなあ、と思案しながら自然とポシェットを強く抱く。
ふわり、と頬を撫でる風は、どこか不快な熱を孕んでいた。
■薄野ツヅラ > 「ええ、知り合い…と云うか。
其処まで知った仲じゃないですけどね。」
さいこにそう問われれば自分でもうまく形容の出来ない関係にくすりと笑み。
■さいこ > 「知り合ったばかりなのかなぁ? うふふ。
……そこのメガネのお兄さんも、こんばんわだよぉ?」
ゆっくりツヅラから矛海へ視線を移し、軽い笑みのまま声を掛けるか。
■矛海遼 > 黒い髪と、大きなダイスの髪飾りの女性をちらりと見る
「あぁ、こんばんは。知り合いと言うには、まだ短い付き合いだな………強いて言うならば、唯の莫迦と莫迦になるだろうか。あとちくわ」
凍ったように表情の無い青年は淡々と呟く。
何処かから流れる風を受けつつ、少女へ向けて眼鏡の下の瞳を向ける
「ふむ、騒がしく、そして暑くなってきたな」
■さいこ > 「うふふ。莫迦、ねぇ。
とてもそうには見えないけどぉ……」
ひっくり返った青バケツに腰を預け、一息。
■ウィリー > (問題がなけりゃあそれでいいんだが)
頭をかく。常識的に考えれば、いかに歓楽街とはいえにこやかに悪事をたくらむ連中などいない。それこそ風紀だのなんだのにしょっぴかれて終いだろう。つまり…
「どーも兄ィさんに姉さんたち。こんなとこでなにしてんの?」とりあえず、職務は後回しに声をかける。自警団の腕章はしているが、毒気のない笑顔だ。
■薄野ツヅラ > 「まァ」
騒がしいのは何時ものことですけどねぇ、と笑う。
手頃で刺激的な話題はないものか、と少女は暫し瞑目して思案する。
先刻の違法薬物の話なんか教師2人と話すならば楽しいか、と徐に口を開く。
「先生方お二人は、最近学生の間で話題の違法薬物とかって知ってます?
なんだか風紀の人たちも、楽しそうに嗅ぎまわってるみたいですけど」
■薄野ツヅラ > 先刻見遣っていた学生に声を掛けられれば、にこやかに笑みを浮かべる。
「やァ、どうもこんばんは。文字通り井戸端会議、ってやつですよ。」
混じります?と笑いながら問う。近場の手頃なポリバケツを指さす。
自警団の腕章を見るや、しまったかなぁなどと薄く笑う。
■矛海遼 > 「まぁ、定義を決めて名乗っているわけでもないがな」
ふぅ、と息を付き、背を壁に付けつつ少女の言葉に耳を傾ける
「話なら聞いたことがある。無能力者、あるいは能力を持たない物を標的に回されている薬物が流行っているとかいないとか」
雑談するようにしながら眼鏡を弄り、声を掛けた少年に視線を向ける
「何をしていると言われれば、唯の世間話に過ぎないな。それ以外に、何に見えた?」
手元に一本のちくわを取り出し、口に咥える
■さいこ > 「ん、証明写真機帰りだよぉ。」
と、証明写真機で取った写真を見せつつ。
「うふふ、先生ってわたしかなぁ?
……そうだねぇ。最近だと能力暴走<オーバー・ロード>とってのがあるのは噂に聞いたかなぁ。
もう一つあった気がするけど、忘れちゃった。うふふ。能力が暴走するって、どんな感じなんだろうねぇ。」
そう、ツヅラからすればこれ以上ない程、わざとらしい事を、云うだろう。
■矛海遼 > 「映りの良い写真だな。…………やや騒がしかったが、なるほど能力暴走か。解りやすい事件な事だ。」
黒いスーツと同じように黒い髪を風に靡かせ、さいこの発言に言葉を溢す
■ウィリー > 「…なるほどねえ。ああこんばんは」
失礼、と断りを入れて青バケツに腰をおろした。
些かきな臭い話題の『井戸端会議』のようだが、どんな情報がどう役立つかわからないものだ。
混ざっておくことにした。
「この辺は厄介な『売り買い』が多いからさ
暗がりでひそひそやってると…気になるってわけ」
さいこの見せる写真を眺めた。ああ、確かに写りがいい。
「…しかし妙な薬物に、能力暴走たあ…どうにもトンデモ事案だな?」
■薄野ツヅラ > 「なんてったって普通の好青年が売り買いしてるんですもんねぇ」
驚きました、とわざとらしく笑う。
食べ切ってしまったキャンディの棒を口の中で弄びながらポリバケツの上で足をぱたぱたさせる。
歓楽街の路地と先刻の落第街の路地が重なる。
「あっは、能力暴走とか。いかにも"面白そう"な話ですよねぇ」
■矛海遼 > 「世の中には食べ物に仕込めるほどの細かさの機械を使って生物を操り人形にするような物もある。大方、力を上げる、強化するという名目で摂取して暴走といった事案だろう。」
ぼやくように空を喘ぎながら眼鏡から手を離す
「能力暴走、か………覗き見て損をする物では無かろう」
■さいこ > 「ちなみに七〇〇円だよぉ。安いよねぇ。
……ま、わたしは能力暴走はよく知らないけど。うふふ……」
写真を大事にしまうだろう。
七〇〇円は安いけど、わたしの手持ちからしたら安くないのだ。
「うふふ、確かに"面白そう"だったねぇ。壊すでも作るでもなく、暴走させる、なぁんて。」
■薄野ツヅラ > 「そんな」
曖昧な会話にしびれを切らしたのか、少女はポシェットから風邪薬のような白い粉末を取り出す。
「そんな違法薬物がここにありまーす☆」
つい先刻、優しいニット帽の青年から頂きました───と少女は笑う。
■ウィリー > 言動の端々にある不穏さ。それが対岸の火事を恐れる物言いではなく、
当事者ないし当事者に準ずるものではないか。
訝しむ。訝しむが、それは職務の外のことであり、
ましてや彼自身が今、解決できることではない…
「壊したり作ったりよりも、切掛けがわからないことで
混乱させる方が楽しいd」
ツヅラの取り出した薬が、言いかけた言葉を断ち切った。
■さいこ > 「 」
一瞬ぽかーん。すぐ、気を戻し。
「……うふふ、悪い子だねぇ」
■矛海遼 > 「ふむ。どう見てもヤクだな。それで?」
無表情で軽く拍手しながら、少女の持つ白い粉末に視線を向ける
「騒ぎを起こしたいのならば別にかまわんぞ?火遊びは子供の特権だからな。それ相応の障害が来ることになるだろうが、な」
この中で独り、遠くにいる少年に視線を送る
■薄野ツヅラ > (計画通り、なんて)
少女は笑った。"この場の雰囲気を掴んだ"、と小さな確信。
騒ぎにしたいわけでもなく、何処か掴めない矛海とさいこの心を少しでも揺らしてみたかった。
結果は──まァ悪くはないだろう。
想像以上にウィリーの反応が面白かったのも少女を満足させる要因になった。
「あっは、騒ぎになんてしませんよ。
生憎ボクは余り戦うのが得意じゃないからねぇ。
もしご入り用だったらおひとつ如何ですかぁ、なんて」
■さいこ > 「わたしはいいや。……うふふ、理由はわかるよねぇ?」
一杯食わされたかな。
そんな事を思えば苦笑が漏れる。
■矛海遼 > 「戦う事以外にも十分だろう?港で有名な物だ、どうしようとも話の種にはなるだろうよ」
黙々と端でちくわを食べている
「入用になるほど周囲に不満足なわけでも、敵意を集めている訳では無いのでな。所有者の自由に、と言っておこう」
■矛海遼 > 苦笑いをする少女の言葉の意味を介していないが、悠々と歩み寄って手を出し――――――ちくわを差し出す
「面白い話は無いが、ちくわはある。お一つ如何かな?」
■薄野ツヅラ > 小さく笑う。
(まァ、乗ってこないよねぇ)
最後に少年の双眸をじい、と見つめる。
目に入るは自警団の腕章。自警団の少年は、自分にどんな言葉をかけるのだろうか。
必要ない、と公安に通報するのか。其れともここで受け取るかもやしれない。──あるいは、見なかったことにするのか。
「さて、自警団のお兄さんはどうしますぅ?」
楽しそうに、ひとつ問うた。
■さいこ > 「わたしに?」
わたしだろうか、そう思いながら、苦笑する。
なぜ、ちくわなのか、ちくわ部なのか。
むしろなぜ持ち歩いているのか。
噂のちくわ大明神なのか。
とりあえず。
「え、ええと、遠慮しとくよぉ……?」
■矛海遼 > 「むぅ………」
一瞬、ほんの一瞬だけ無表情が崩れるのがわかるかもしれない
■ウィリー > 真偽はともかく、『実物』はそこにある。深くため息をついた。
「無能力の誰かに無理矢理飲ませりゃ、それだけで騒ぎになりかねないんだろ?
騒ぎになったら出張るさあ」
相手が一枚上手、というよりもこちらが後手に回っている。
仮にこれを受け取ったところで、面倒の種が0になるわけではない。
「そいつはいらねえや、それよりもその薬のこと…詳しく聞かせてくれ」
街を守るため。ちんけな義侠心が、青年を突き動かした。
■さいこ > 「とりあえず、わたしはそろそろ夜も遅いから行くよぉ?
……うふふ、またねえ。」
バケツのから立ち、軽く背伸び。
その後、ゆっくりと立ち去るだろうか。
ご案内:「歓楽街」からさいこさんが去りました。
■矛海遼 > 「うむ………次に会うのは別の所で、だな」
立ち去って行く少女を見送り、近くに置いてある箱に腰を掛ける
■薄野ツヅラ > さいこが立ち上がるのを見れば、「じゃね」と小さく手を振る。
青年の言葉を聞くと、楽しげにまた笑った。
(期待以上だ)
「あっは。
流石自警団のお兄さんですねぇ。騒ぎになるやら、ならないやら。
こんな粉薬で人生狂わすのもどうかと思いますし、賢明な選択だぞ☆」
どこか上機嫌な赤ジャージはにぱっと微笑む。
■薄野ツヅラ > 話、と云われればこてんと小さく首を傾げる。
余り詳しくないんだけれど、と云いかけるも、再び少年にひとつ問う。
「ボクの解る範囲だったら答えましょう、その代り───」
「面白い話を聞かせてください」
■矛海遼 > 暑さを感じたからか、何処かから冷気を周囲に纏いながら
「面白い話、か………」
端に居る男は呟く
■ウィリー > 「ああ、またな」
去っていった者の名前を聞いただろうか? 惜しいことをした。
一緒にごはんを食べるツレができたかもしれないのに。
胡乱なことを考えて、シリアスを中和する。
「面白い話? そうだな、面白い話かあ…
歓楽街じゃ茶飯事だからなァ…飾り窓から全裸のおっさんが飛び出たり、
全財産はたいてかった舶来の茶を燃やされてお香にされた姉さんとか」
「ああ、もっと面白い話があったぜ?
だけどここから先を聴くにゃ、一つ約束してもらいたいことがある」
■薄野ツヅラ > 少年の口から紡がれる言葉に、少女はまるでおもちゃを前にした子供のように目を輝かせる。
「あっは、そのおじさんの話も面白いけど。
ボクはお兄さんのとっておきが気になるなあ。
なんだってとは云わない。出来る範囲なら約束するよ」
■ウィリー > 遠くに罠がある道を、そうと知って歩き出すような感覚。
だが、「ここ」に塁が及ぶとすれば。そして目の前の少女の
無邪気さの奥の黒に何があるのか。
ウィリーは頑固であった。そこに捨て置けないものがあれば、
手を伸ばす。掴みあげるにしろ叩きのめすにしろ、そういう性分――
「なら先に約束してくれるか? お前さんがどう動き何をしようとするのか
可能であれば、事が起きる現場に同行させろ」
■薄野ツヅラ > 「────」
暫しきょとん、とした表情を浮かべる。
瞑目。何処かで憧れた漫画のような台詞に少女はまた面白そうに笑う。
「あっは。漫画のヒーローじゃないんだからぁ。」
何処か嬉しそうな───何処か諦めたような笑顔。
そうやすやすと教えてくれるとは思わなかったが、見当違いな申し出。
「ボクは事を起こしはしない。
ただ、其処に種が埋まっていたら水をあげて育てるだけ。」
■薄野ツヅラ > 「だから生憎、お兄さんを連れて行くことは出来ないかなあ。」
ごめんねぇ、と曖昧に笑う。
それと同時に、少女の言葉が零れた。
「女の子は、そんな台詞云われちゃったら恋に落ちちゃう子もいるかもしれないんだゾ☆
だからそう簡単にかっこいい台詞を云わないのをお勧めするかも?」
果たして、その言葉に真意はあったやら。
少女自身も解らない。
■矛海遼 > 「要は火種にガソリンを撒きたいだけ、か」
端に居る男は呟き、眼鏡を磨いて再び目元に装着する
「面白い話を所望するわりには面白くない話だったな」
■ウィリー > 「…へっ、男の子はヒーローに憧れるもんなんだよ」
自警団(ヴィジランテ)なんてやってるなら尚更だ、と付け加えて。
「なら育った穂は刈り取りな。それをしないでちゃらんぽらんに
騒ぎを起こすようなら、この大してかっこよくもねえ自警団員に
蹴り飛ばされるからな」
■矛海遼 > 「だがそれがいい」
無表情な顔が消え、一瞬歪んだ微笑が写るか
■薄野ツヅラ > 「あっは───」
口癖のように呟く其れも、今は余り楽しそうに聞こえないだろう。
ただ、其処に在ったのは名前も知らぬ少年への少しの信頼。
「ええ、任せてください。
つまらない世界が嫌いなんですよぉ、ボクは。
ただ、日常にちょっとしたスパイスが欲しいなあ、って。
日常の中に潜む非日常が大好きなもので。」
少女はポシェットから携帯端末を取り出すと幾らか指をスワイプさせる。
■薄野ツヅラ > 「もうこんな時間なんですねぇ」
たんっとポリバケツから飛び降りる。
もう日付が変わりそうな時間だ。
「今日のところはこの辺で引き上げますねェ。
先生に非行少女だー、なんて学校に云われても面倒ですしぃ。
───薄野廿楽。忘れちゃダメだゾ、自警団のお兄さん☆」
最後の言葉は何時ものノリで。大胆不敵な真意の掴めない台詞。
ひらり、と手を翻すと、赤ジャージは歓楽街の人ごみに溶けていった。
……地面に噂の薬を落としたまま。
ご案内:「歓楽街」から薄野ツヅラさんが去りました。
■矛海遼 > 「相も変わらず、非日常からは逃れられんか――――――腰を据えろよ?少年」
ママチャリに飛び乗り、ちくわを咥えながらその場を走り去っていく。
「嫌いじゃないからな。こういった事は」
ご案内:「歓楽街」から矛海遼さんが去りました。