2015/06/15 のログ
ルフス・ドラコ > ええそうですとも、とルフスも頷く。
その髪が赤く揺らめき、彼女にとって確信があることを告げていた。
おそらくは瞳も燃えていただろう。

「なるほど…通りで、宿の類が少ないわけですね。」
自分の現状にも得心が行くという表情をしつつ。
「問題なく私も部屋を借りることは出来そうですし、これは寮に行くのが何につけても一番でしょうね。」

さて、そろそろここを離れようと思ったところで、食事の痕跡を残していくのもあまり良くはなかろうと思い立ち。
とりあえず裾を払ってしゃがむとゴミを片付けることにした。

メア > う、うん...?

(気のせいか、ルフスの髪と瞳が赤く輝いたような
気もしたが、深くは考えず。)

お片づけ..しないと...
(ゴミを袋に入れて纏めていく。)

じゃぁ、寮..まで、案内..する...

(片付けが終わると案内を申し出る)

ルフス・ドラコ > 「やっぱりメアさんは良いひt……好ましい人ですね。」
コホン、と咳払いして言い変えつつ。
彼女なりに確信と自信を持って、決していい人とは呼ぶまいと思っては居るのだ、が。

「それでは、よろしくご案内されますね。」
全力を持って、案内されることに協力しようとする姿勢が、その表情以外からは感じ取れた。
具体的に言えばトランクを持っていない手を差し出した。

メア > ん..?うん、こっち...

(差し出された手を握り、女子寮に向かい歩き出す。
その道中でゴミ箱にグイグイとゴミを押し込み、
限界寸前まで詰め込まれたゴミ箱を尻目にその場を去っていく)

ルフス・ドラコ > (…あのゴミを燃やそうとしたら多分建物ごとやってしまう気がするのですよね)
つまるところ彼女にとってもアレが最適解ということになる。

そうして手をひかれながら、明日こそは学校に向かうぞと決意を新たにするルフスではあったが、
彼女が異界に飛ばされたときも同じことを思っていたのだ。

ご案内:「歓楽街の大通り」からルフス・ドラコさんが去りました。
ご案内:「歓楽街の大通り」からメアさんが去りました。
ご案内:「ゲームセンター」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 > 対面式の格闘ゲーム対戦台に座る氷架
台の上には81人抜きの文字が煌々と踊る

久しぶりに来たけど別段、腕はおちていなかった

「(さすがにこんだけ勝つと入ってこないな)」

ある程度勝ち続けると、遠巻きにみるギャラリーのほうが増えていくのである
しかし今の筐体というのはネットワークに繋がっており、
別のゲームセンターの台とマッチングすることが出来るので退屈はしない

雪城 氷架 > とはいえそれも時間の問題
結局CPU戦をクリアしてしまって、席を立つ

自販機で紙コップのコーラを買って椅子にかける

「はー……」
賑やかなゲームセンターの中だというのにため息が漏れる

それもそのはず、いずれは来るだろうと思ったが、
『炎の巨人』事件のことで職員室に呼び出された

何も覚えてないの一点張り、というか本当に何も覚えていないのでそう答えていたのだが、
最終的に絶対に薬物には手を出すなと厳重注意された

雪城 氷架 > 「(好きで使ったんじゃないっての……)」
西園寺という女も傍迷惑なことしてくれたものだ

当然病院の検査では薬物反応が出るわけで、
公安委員の調書がなければ面倒なことになるところだった

ご案内:「ゲームセンター」に烏丸 九郎さんが現れました。
雪城 氷架 > 「(呼び出されたこと、括流には話しておくかな…どうせ知ってるだろうし)」
そんなことを考えつつ、ぱたぱたと制服の各種ポケットを叩く
どうやら制服には入り込んでいないらしい

「(そういえばゆうべは珍しく外出してたな……どこに行ってたんだか)」

飲み干して空になった紙コップをゴミ箱にシュート
まぁ、蛇だって散歩くらいするだろう

烏丸 九郎 > (今日はサウンドブラスターで遊びに来たのだが、どうも筐体が人で埋まっている…
かといって、行列に並ぶ気分でもない。
仕方なく自販機でジュースをかって、一息ついてから身の振り方を考えることにした。)

お、氷架

(少年が氷架の姿を見つければ軽く手を振り。
氷架の目の前を横切りそのまま自販機でコーラを買うだろう。)

雪城 氷架 > 「よ」
ひょい、と片手をあげていつもどおりの軽い挨拶

「今日は音ゲーまわりは混んでるぞ」
九郎がやりそうなゲームにアタリをつけて、忠告してやる

烏丸 九郎 > みてーだな。

(氷架のとなりにしゃがみ込みコーラをちびちびと飲む。
どうやら氷架の言うとおり、サウンドブラスターだけが混んでるというわけじゃないらしい。)

まぁ、今日はきばらしって感じだったけど、仕方ねぇか。

雪城 氷架 > 「なんだよ気晴らしって、なんかヤナことでもあったのか?」

この男にしては珍しい、と思った
椅子に座ったまま、目線を向ける

烏丸 九郎 > やな事じゃねぇけどよ……
んー…氷架、お前…いいバイト知らねぇか?

(今日も今日とてバイト探しに明け暮れたのだが
なかなか条件の良いバイトは見つからない。
深夜か肉体労働か…一気にお金を手に入れるのならそのへんだろうが…)

雪城 氷架 > 「バイト?何だお前もバイト探してるのか」
へぇ、と驚いたような顔だ

「私も今探してるトコなんだよ、楽器って高いのな」

ご案内:「ゲームセンター」に浦松時子さんが現れました。
烏丸 九郎 > ちっと金がいりようになってな…。
バイトしねーと来月干からびちまう。

(来月の食費はだいぶけずられてる。
今月中にバイトを見つけなければけっこう危ない。)

ああ、わりとバカになんねぇぞ。
というか、やっとお前主その気になったか。

(氷架の言葉には嬉しそうに笑う)

浦松時子 > ロボット物のTPSをプレイしている。
ものすごく上手いわけではないがそこそこの動きでしっかりゲージ差をリードして無事勝利。

「ん、5連勝ですね~」
運も手伝っているが大きくクラスポイントを上乗せしてやめる、この手のゲームは格闘ゲームよりはるかに金がかかるからだ。

プレイを終わってジュースでも飲もうとしたら知っている顔を見かけて。
「あら、お久しぶりです~彼女さんと一緒ですか?」
九郎に声をかけた。

雪城 氷架 > 「いつまでもクロウのギターで練習するわけにはいかないだろ」
苦笑する

「路上ライブでもすりゃいいじゃん、稼げると思うぞクロウなら」

ん、と声のかかったほうに振り返って

「クロウの知り合いか?」

烏丸 九郎 > おう、えーと…時子さんだっけ。
こんなところにもくるんだな。
残念ながら彼女じゃねーよ。バンドの仲間だ。

(声をかけられれば、ひらりと手を振る)>時子

路上ライブってな…お前
それでも稼げんのは小遣い程度だからな。
治療費全部それで稼ぐってわけにはいかねぇんだよ。
時間がかかりすぎるぜ。

(コーラを一口飲む。シュワシュワとした甘みが口の中に広がるが、少し渋い顔)>氷架

雪城 氷架 > 「は、治療費?」
怪訝な顔、なんか怪我でもしたのかと様子を伺うが、
そんな感じでもなさそうだ

浦松時子 > 「あら、私のカンも外れることがあるんですね、こんなに美人さんだからてっきり…」

誤魔化すようにホホホと笑って。

「ええっと、烏丸さんはお金を稼ぎたいのですか?」
先ほどから聞いた話の流れから察して。>九郎

「浦松時子です、烏丸さんとはちょっと以前に知り合いまして」
ぺこりと頭を下げる>氷架

烏丸 九郎 > 治療費。
お前、アレだ…金髪と銀髪の双子…知ってるか?
男だか女だかわかんない奴らなんだけどよ…

(と、切り出しつつ、コーラを飲み続ける。)>氷架

時子さん、こいつこんななりでも性格男みたいだからよ。

(つられたようにケラケラ笑って)

ああ、ちょっとな。

(言葉も短くそう答えると、コーラの入ったコップをひらひらとさせた)>時子

雪城 氷架 > 「こんな美人だから、クロウとは釣り合わないだろ」
にんまり笑って

「雪城、雪城氷架だよ、一年」
ぶっきらぼうな挨拶を返した


「覚えがないわけじゃないけど、それだけじゃなぁ…
 そいつらがどうかしたのか?」
まさか怪我をさせた、というわけでもあるまい

烏丸 九郎 > 怪我っていうか…病気なんだよ、今、そいつら。
そんで、そいつらここの学生じゃねぇだろ?
だからよ、治療費はらわねぇといけねぇんだよ
助けた手前…

(ばかみてーだろ?と笑いながらコーラを飲み干し
からになったコップをゴミ箱へと投げる。)>氷架

浦松時子 > 「こんな美人なのにもったいない、烏丸さんちゃんとアピールしないと」
ため息をついて
「美人だけどちょっと笑顔が足りないですね~」
にっこりとほほ笑む>氷架

「個人的に店をやっている人もいるけど個人レベルだからバイトを求めてる人って知りませんね」
「治療費なんてなおさら金がかかるじゃないですか」
保険証の無い状態で病院に行くようなものだ、とんでもない金がかかるだろうと思い。
「それこそ誰かの力を借りた方がよろしいかと、一学生でどうにかするのは難しいですよ」>九郎

雪城 氷架 > 「馬鹿だろお前、そんなの兄貴にでも任せ…」
そこまで言って、来島先生が再びあちこち出歩いている話を思いだす
まったく何やってるんだアイツ…
「……そういうの拾ってくれる施設もあんだろ、多分。
 治療費なんて学生の暇バイトで作れるもんかぁ…?」
比較的、現実的なのだこの少女

「私の笑顔はお高いからな」
つんとすました雰囲気を崩さず、そう応える

烏丸 九郎 > アピールって…俺、そういうのよくわかんねぇから。

(やや頬を赤らめてガシガシと頭をかく。)

やっぱ難しいか…一人じゃ。
あの時、おとなしく静佳に助け求めてりゃよかったかな。

(昨日商店街で静佳にあったことを思い出す。
友達だから、頼ってもいい…か…。)>時子

烏丸 九郎 > だよなぁ…そうだよなー…

(バカだろと言われると、カクンと頭を垂れて)

施設っていってもよ、俺にはコネとかねぇから
それでもすげぇ金とか掛かりそうなんだけど大丈夫なのか?それ
いや、お前に聞いても仕方ねぇな…調べてみるか…。

(はぁ、と力なくため息を付いて。することばかりが増えていく気がする)>氷架

浦松時子 > 「あら~見た目通りクールですね、そこがまた魅力的」
その一方でちゃんと現実は見れる方だなと感心して。>氷架

「まあこの子の言う通りですね、治療費を稼ぐって言うのは確かにいいことです、だけど現実は厳しい、学生バイトでできることじゃないです」
「そもそもそんなこと言っているのにゲーセンで金を使っている時点で…その」
目をそらして
「金を稼ぐってことを甘く見てるっていうか…」>九郎

雪城 氷架 > 「ま、お人好しのクロウだからな。なんとかしてやりたいって気持ちはわかるけど」
所詮、自分たちは学生なのだ、未成年なのだ
「それとは別にバイト要るなら、私もバイト探してるしいいのみっけたら教えてやるよ」
椅子から立ち上がって

烏丸 九郎 > そうだな、気晴らしとかいってる場合じゃねぇな…。
バイトよりも、引取先か…
それもそれで大変そうだけど…探すしかねぇか…。

(がっくりとうなだれたまま嘆息。
所詮、高校生。はじめから自分にできることなど殆どなかったのだ。)>時子

烏丸 九郎 > ああ、それは頼むわ。どっちにしても金はほしい。

(ひらっひらと、氷架に手をふり、たのむことにする。
無論、こちらでも探すが。)>氷架

浦松時子 > 「うんうん、その気持ちはいいことですからね、現実が追い付いていないだけで」
九郎を一応慰めようと。

「さて、帰りますか…どうも年を取ると長時間のゲームは体に堪えちゃって」
立ち上がって帰ろうとする

雪城 氷架 > 「金できたら楽器屋付き合ってくれよな、クロウ」
かばんを肩にかけて、んんーっと背伸びする

「ふぅ、そんじゃ私はそろそろ行くよ。
 またなクロウ、時子先輩」

ぱたぱたと手を振って、ゲーセンの出口に向かっていった───

ご案内:「ゲームセンター」から雪城 氷架さんが去りました。
浦松時子 > 「それじゃあね烏丸さん、またお会いしましょう」

そのまま手を振って去って行った。

ご案内:「ゲームセンター」から浦松時子さんが去りました。
烏丸 九郎 > 現実って厳しいなぁ…おい…

(今更ながらに現実の壁にぶち当たった気分になる。
去ってゆく氷架を見送ると、立ち上がり、大きく伸びをして)

じゃーなふたりとも。
俺もこんなところにゃいられねーな…
やることは決まったんだし…行動しねーと…。

烏丸 九郎 > (頭を掻きながら、ゲームセンターを後にする。
直面した現実、向かい風、少年には厳しいものだが
乗り越えなければ…。)

ご案内:「ゲームセンター」から烏丸 九郎さんが去りました。
ご案内:「手打ちそば所 きりん」に矛海 遼さんが現れました。
矛海 遼 > 陽も沈み、部活を終えた生徒や仕事を終えた教師が自由に動き回る夜の時間。

ロングコートを着物の上から羽織った青年は人の行き交う歓楽街を歩き進み、ある場所へと向かう。

歩く先、その場にあるのは見た目はやや古ぼけた民家だ。
都市の中では妙に古臭くも見え、時代錯誤とも取れるその建造物の戸を開き、ゆっくりと入って行く。

「禁煙席、鴨蕎麦を一人分」

カウンターの中に立つ、自身と同じように無表情な強面の中年に告げながらゆっくりと奥へ入って行く。

矛海 遼 > 履いている下駄を脱ぎ、靴箱に入れてから段を上る。

禁煙席、本来は複数の客が来ることを想定した畳床の座敷である。
宴会などを行うには広い空間が広がっているが、今この場に居るのは今は言った自身と常連である初老の老人だけである。

此処に客が来ることは少ない。それは店主である男も矛海も知っている。それ故に答えを聞かずに奥へと入ったのだ。
無言でも意志心通するくらいの距離感であった。

角の席にある座布団の上に腰を下ろし、恐らくは店主の妻であろう婦人がお盆にお冷と御手拭を乗せて、テーブルの上にそれぞれ乗せる。

矛海 遼 > 『では、しばらくお待ちください』

夫人は笑顔で呟き、その場からゆっくりと出ていく。

客はたった二人、掛け軸や花瓶が飾られた部屋の中、店の外の雑踏と話声が響く中ここは静かだ。

角の席を取った理由は背を壁に付けられ姿勢が楽だからと言う理由もあるが、元々このような狭い場所は落ち着くからでもあった。
奥から漂い始める香りを楽しみながら、腰を掛けつつ小さな本を取り出し、静かに男は蕎麦が来るのを待つ。

矛海 遼 > やはりこの店は落ち着く。
ファーストフード店の様な賑やかな場所も嫌いではないが、此処には其処には無い静かさがある。

店として、それは正しい姿ではないのかもしれないが、矛海はこの雰囲気を気に入っていた。
静かに料理を待ち、静かに本を読み、静かに寛ぐ。
彼にとっても、この店の常連にとっても、店主にとってもこれはいつもどおりの光景であった。

「…………今度、誰かを誘ってみるのも面白いかもしれんな」

一つ溢した呟きを除けば、だが。

ご案内:「手打ちそば所 きりん」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 「店主殿、かけをひとつお願いいたします」

あまり歓楽街には来たくないが、仕方が無い。
蕎麦は大好物。美味い蕎麦があると聞いては黙っていられない。
せめて蕎麦を食べ終わるまでは何事も起きなければ良いのだが。

雰囲気は良さそうだ。
味のほうは、さて。

矛海 遼 > 本を一度片手に持ち、もう片方の手でお冷を口にする。

グラスに付いた水滴が手に付き、それを御手拭で軽く拭いて再び本を読み進める。

鴨肉を煮る音と初老常連客の男の蕎麦を啜る音を聞きながら、青年は静かに自身の頼んだ蕎麦を待つ。

『………………』

店主は一度頷くと、カンペのような物を取り出して新たに来た客へ席に着く様に勧める。
喫煙席と禁煙席があるようだ。

東郷月新 > 特に煙草は吸わないので禁煙席へ。
折角の蕎麦の香りを殺す事も無い。

無心に待つ間。
少し周りを見回せば。

(――あんまり流行ってるようにも見えませんなぁ)

いやいや。
案外こういう店こそ、という事もある。

矛海 遼 > 客は蕎麦を啜る初老の老人が一人、無表情で本を読み進める青年が一人。

外から切り離されたかのように静かなこの店に響くのは啜る音と調理する作業の音のみ。

畳の席に空きはいくらでもあるだろうか。

東郷月新 > (さて――)

かけそばがくれば、嬉しそうに手を合わせ食べ始める。

うん、やはり落第街とは味が違う。
蕎麦の香り、出汁の濃さ、やはり蕎麦とはかくあるべし。

矛海 遼 > 簡素、至極簡素、だがしかしそれ故の旨み。
それを感じさせる味は間違いなく、この店主の腕に寄る物だろう。

その数秒後、先ほどから着ていた一人の青年の元へ鴨蕎麦が置かれ、本をしまうと静かに手を合わせてから箸を取り、静かに食べ進める。

珍しい客に一瞬視線を移すが、すぐに傍へと箸と共に視線を向けて啜り始める。

東郷月新 > 特に他の客は気にした様子もなく。
蕎麦をすすり、味を楽しんでいる。

食べ終わると

「店主殿、ご馳走様でした」

代金を支払い、ゆっくり店の外へ出ようとする。

矛海 遼 > 『ありがとうございました~』

にこやかに夫人が、空になった器をお盆に乗せ、店から出て行こうとする客を見送って行く。

「………珍しい事もある物だ。何か良い事が起きればいいが。」

一言、青年は呟きその男の背を見送る。

素性は知らないが、この店に来る客に悪い物は居ない。そんな事を考えながら、再び蕎麦を啜り始める。

東郷月新 > 満腹になった腹を抑えながら、ふと振り返る。
食事時ゆえよく見なかったが――

(あちらの青年、なかなか……)

人斬りはそのまま歓楽街の喧騒の中へ消えて行く

ご案内:「手打ちそば所 きりん」から東郷月新さんが去りました。
矛海 遼 > 客が去り、夫人が奥へと戻る中、続いて初老の男も会計を済ませて店を出る。

残ったのは流しで器を流す音と、一人の客が蕎麦を啜る音のみ。


偶然にも、青年には先ほどの客の素性は知らなかった。
後に知ることにはなるのだろうが――――――

「…………かなりの腕だな。」

何かを感じてはいた様だ。

矛海 遼 > 汁は鴨の油が少々混ざり、香ばしさを掻きたてる。
それが馴染んだ麺は硬すぎず、柔らかすぎず。ちょうどいい歯応えを醸し出している。

鴨肉は熱が良く通って柔らかく、共に入っているネギもまた、汁の味が染みてこれまた美味い。

矛海 遼 > 麺と具を全て平らげると、残った汁をゆっくりと器を持って飲み干し始める。

飲み干すとお冷を一気に飲み干し、ふぅ、と一息着いてからゆっくりと立ち上がる。

矛海 遼 > 器を持ち、下駄を履いてカウンターまで向かい、器を手渡しつつ会計を済ませる。

「ご馳走様、とっつぁん。」

普段の青年を知る者から見れば、やや砕けたような口調に見えなくもない。

そのまま戸を開いて外に出ると、再び歓楽街の雑踏の中へ混ざり、そのまま姿を消していく。

ご案内:「手打ちそば所 きりん」から矛海 遼さんが去りました。