2015/09/09 のログ
ご案内:「歓楽街」に紅葉 椛さんが現れました。
紅葉 椛 > 多種多様な店が並ぶ歓楽街の一角。
退院して間もない少女はそこを歩いていた。
入院中の分を取り戻すかのような大量の肉まんが入った紙袋を左手に抱え、右手に持った1つを齧りながら辺りを見回す。

「んー、一週間ちょっとじゃ何も変わらないか。
 この肉まんの味も変わらず美味しいし」

誰に言うでもなく独りで呟きながら歓楽街を歩く。
次の獲物を見定めるかのように辺りを見回しながら。

ご案内:「歓楽街」にリビドーさんが現れました。
リビドー > 「……妙に肉まんの匂いがするな。」

 ゲームセンターを出て唐突に呟く。
 そこかしこから良い匂いや甘い香の漂う歓楽街でこそあるものの、その中で一際際立つ肉まんの美味しそうな香り。

「はて、この辺りに肉まんの店はあったかな……」

 なんとなくの空腹感を覚えれば、匂いのする方を向かって歩く。
 匂いの先、大量の肉まんの詰まった紙袋を提げた椛の方へと向かう形になるだろうか。

紅葉 椛 > 歩きながら多量の肉まんを殆ど平らげ、次の店を探す。
次の獲物は……そう考えていたところで香辛料の香りが鼻腔を擽る。
香りの元へと向かうと、そこにはケバブの屋台があった。
屋台ではやはり割高だが、この食欲を唆る香りには抗い難いものがある。
肉まんがまだ残っているというのにその屋台へと向かい、

「ケバブサンドくださいな。
 激辛ソース付きで」

というような注文をした。
店員は一瞬心配そうな表情を浮かべるも、すぐに笑顔を浮かべて注文通りの品を作り、手渡してくれた。

『すごく辛いから気をつけるんだよ?』

そう注意をされるも、それを知っていて頼んでいるのだから問題はない。

「ありがと、まだ来るね」

踵を返し、歩きながら赤いソースで染まったケバブサンドを頬張る。
口に含むと同時に訪れる強烈な刺激。
痛みと表現するのが正確なほどの辛味と酸味。
時々顔を出す香辛料の香りとケバブのジューシーな肉の旨味。
そしてそれが強すぎないように留めてくれる瑞々しい野菜。
それらの全てが口の中で完璧なバランスになり───

「美味しい……」

それ以上の言葉は不要だ。と言わんばかりの恍惚とした表情で独り言を零した。

リビドー > 「……匂いの前は彼女か。」
 
 匂いの発生源は大量の肉まんを食べる少女M(名前を知らない為仮称)だろうか。
 今度はケバブサンドを頬張る少女。うん、幸せそうだ。
 見ていたら食べたくなったので、ボクも買う事にする。

「ケバブサンド一つ。ソースはヨーグルト。」

 気分的にマイルドな味わいを食したかった為ケバブサンド(ヨーグルトソース)を購入。
 ほどよい乳製品の柔らかさと酸味が濃い味付けのケバブと野菜に絡み、
 調和の取れた味わいの口の中に提供してくれる。刺激のある激辛や濃厚な味わいのバーベキューの悪くはないのだが――

「今日はマヨネーズソースの気分だな。 もぐもぐ。」

ご案内:「歓楽街」に嶋野陽子さんが現れました。
紅葉 椛 > ふと、誰かからの視線を感じる。
気配のする方向を見遣ると、そこには不思議な気配をした少年が立っていた。
自分と同じくケバブサンドを頼んだようだが、ソースはヨーグルトソース。

「あれも美味しそうだなぁ……」

無意識に口から独り言が漏れ、少年をじっと見つめてしまう。
視線の元はあの少年のようだが、恐らくはケバブの屋台を見ていたのだろう、と1人納得した。

嶋野陽子 > 異邦人街でケバブを食べてから
暫く経ったので、またケバブが食べたくなり、常世島
ネットで歓楽街にもケバブのお店がある事を知って、
今日はそちらの店を試そうと歓楽街にやって来た陽子。
行き先がカジュアルなのと、前回は戦闘になって着衣
が台無しになった事を踏まえて、Tシャツにスパッツ
姿だ。
目指す店の前には既に男女二人の先客が、うち一人は
顔見知りの何でも屋さんだ。
挨拶する前に、
「ケバブサンドの大を一つ、激辛ソースでお願いします」
と注文すると、紅葉さんの方を向き、
「無事退院出来たようで何よりです、紅葉先輩」と挨拶
すると、もう一人の男性の方を向いて、
「初めまして、でしょうか?」と尋ねる陽子。

リビドー >  活気あふれる少年のような若々しい風貌に、
 何処か貪欲さの見える不思議な気配を持つ少年はもっきゅもっきゅとケバブサンドを食べている。それでも――

「……おや?」

 視線が向けられ言葉が漏れたのならば、
 ふいに椛の方へと向く。そうしていればまた別の誰かに声を掛けられ、向く。見上げる。でかい。

「で、こっちは……ああ、そうだな。キミとははじめましてかもしれないな。
 リビドーと名乗っているよ。常世学園の教師をしている。
 しかしたら、何処かで見かけた事があるかもしれないな。ま、宜しく頼むぜ。」

紅葉 椛 > 聞き覚えのある声で呼ばれ、そちらを振り向く。
見間違いようのない巨躯の少女がそこには立っていた。

「ん? ああ、陽子。久しぶりだね。
 依頼受けられなくてごめんねー」

申し訳なさそうに苦笑しつつ、ケバブサンドをもう一口齧る。
うん、美味しい。

そして視線の先に居た少年の言葉を聞く限り、あの少年は学園の教師らしい。
若そうなのに苦労していそうだ。

嶋野陽子 > 男の人が先に名乗ってくれる。
リビドー…先生!?若いけど先生でした。
条件反射で一礼すると、
「保健課一年生の嶋野陽子と申します。至らない点は
多々ありますが、宜しくお願いします」と自己紹介す
る陽子。
そこで丁度ケバブが出来上がったので、リビドー先生
に断ってから会計を済ませて一回り大きな激辛ケバブ
を受けとると、紅葉先輩が依頼の件で謝って来たので、
「いえいえ、仕事柄怪我は付き物でしょうから。私が
病院にいれば、何とかできたのですけど、学期が始ま
って、お見舞いにも行けず申し訳ありません」と頭を
下げる陽子。

リビドー > 「ああ。嶋野陽子だね。覚えたよ。……ふむ。」

 軽く一瞥し、二人の様子を伺う。
 やりとりを軽く見て――

「キミ達は友達同士かい。しかし、色々と大変そうだね。」

紅葉 椛 > 「いやいや、わざわざ御見舞なんて申し訳ないし大丈夫だよ。
 そういえばもう学校だもんね。
 退院したしちゃんと行かないとなぁ」

そういえば昨日や今日は行っていなかった。
少しは出なければ単位が危ないかもしれない。

「友達……かな? 多分そうだと思う。
 あと私は紅葉 椛。よろしくね」

そう言って少年へと笑顔を向ける。
頬に赤いソースを付けた状態で。

嶋野陽子 > 紅葉先輩に謝った後で、ようやく
ケバブにかぶりつくと、期待に違わぬ肉の香ばしさと
野菜の歯触りとソースの辛さの渾然一体となった風味
を堪能する陽子。

リビドー先生に、紅葉先輩と友達かと聞かれると、
「友達の友達、でしょうか?共通の友人がいて、面識
もある状態です」と、丁寧に答える陽子だが、激辛
ソースがほっぺについてて、口調とのミスマッチが
少し滑稽だ。

紅葉先輩が授業の話をしたので、
「授業と言えば、リビドー先生は何を教えられている
のでしょうか?」と尋ねる陽子。

リビドー > 「紅葉 椛。可愛い名前じゃないか。
 頬についているソースは紅葉の意匠かい?」

 ほっぺに赤いソースを付けて微笑む彼女に、
 砕け冗談めかした調子でほっぺのソースを指し示す。
 思わずと言った様子で笑みも零れた。

「……ん、ああ。一応担当科目は哲学だぜ。
 他にもコミュニケーション学やら魔術やらも扱ってるが……まぁ、大体が哲学からの派生だな。」

紅葉 椛 > 「ありがとね、そう取ってもらっても構わないよ?
 綺麗な色でしょ?」

冗談めかし、笑顔のまま頬のソースを指で拭う。
少しだけ顔が赤くなっている……かもしれない。

「それよりもそんな若そうなのに哲学の教師かー、すごいね。尊敬するかも」

心の籠っていない科白を吐き、そのままケバブサンドを完食する。
とても美味しかった。この店は脳内の食べ歩きリストに入れるとしよう。

嶋野陽子 > リビドー先生の教科は哲学ですか…
「まさか、プラトンやアリストテレスを原書で読む
ような難解な講座ですか?」と、何か哲学を少し誤解
してそうな質問を返す陽子。

ケバブサンドをもう一口食べると、

「四十万先輩に良いアドバイスを頂いたお陰で、調べ
物については解決しました」と、紅葉先輩に経過報告
する陽子。
ほっぺたのソースにはまだ気付いていない。

リビドー > 「全くだ。そういう化粧かと思ってしまったよ。
 ……ん、ああ、これでも成人はしているよ。若く見られて困ってしまう。」

 僅かに伺える顔の好調は恥じらいだろうか。
 それでもおどけて乗ってみせる彼女の素振りは好ましい。気に入った。

「ん……やりたいのなら構わないけれど、別に其処までしなくとも単位は取れるとも。
 授業や講義で取り扱う分には、教師や翻訳者の考え方の傾向にだけ気をつけていれば構わないさ。
 複数の訳書や解説書を携えて、どうしても疑問に思ったら図書館で原書を借りて確かめてみるのが良いかもしれないね。
 翻訳ってのはどうしても翻訳者のフィルターが掛かってしまうから、それをどう扱うかだぜ。
 逆に細かいニュアンスを翻訳者なりに噛み砕いて伝えてくれている、と言う事でもある。」

 それはそれとして嶋野も可愛らしい物をつけているな、と、付け加えたりしつつ。

紅葉 椛 > 「へー、静歌が……それならよかった」

少し安堵しつつ、リビドーの方を向く。
頬の紅潮は治まったようだ。

「紅葉色って言うには赤すぎるけどね」

指で拭ったソースを舐め取る。
これだけだと少し辛すぎるかもしれないなぁと考えつつ言葉を続ける。

「そうは見えないけど……まぁそういう人なんだね、なるほど。
 あとこれ、受け取っといてよ」

空いた右腕でポケットに手を突っ込み、名刺サイズの紙を取り出して差し出す。
それには『なんでも屋』『紅葉 椛』と書かれており、連絡先が裏に書かれているようだ。

嶋野陽子 > リビドー先生の回答を聞くと、
原書をテキストにしてないだけで、難解さは陽子が想
像していた通りらしそうだ。まさか、リビドーの名も
哲学用語から取った通称?

可愛らしいものを付けていると言われ、慌てて頬に触
れてみると、激辛ソースのお化粧が…
ペーパーナプキンで拭いた後も、陽子の頬がほんのり
と赤いのは、今度は恥ずかしさ故らしい。

ケバブの残りを攻略して、最後にもう一度、丁寧に頬
をペーパーナプキンで拭く陽子。今度は大丈夫だ。

リビドー先生に向き直ると、
「リビドーというお名前も、哲学用語からですか?」と
尋ねる陽子。

リビドー >  
「さてね。調べてみても楽しいかもしれないよ。嶋野。」

 さっくり小さく笑って、ごまかしてみせる。
 調べれば単語の意味ぐらいはさっくり出てきそうだ。

「ははっ。案外あっという間――と、何かな、紅葉。……ふむ。」

 名刺を受け取れば"何でも屋"の看板と、連絡先を頭に叩き込む。
 なるほどと一つ呟いて、名刺入れへ仕舞う。……名刺を返す事も考えたが、今はやめておこう。

「有難く頂戴するとも。しかし、何でも屋、ね。
 意外と活動的な事をしているじゃないか。――活動内容を此処で聞いてもいいかい?」

紅葉 椛 > 活動内容──いや、具体的に言う必要はない。
ここは落第街でなく、そして相手は教師なのだから。

「普通になんでもだよ。
 ペット探しから荷物運び、彼女代行までなんでもね。
 あ、でも力仕事とかはちょっとの間遠慮したいかも。
 まだ病み上がりだから」

まだ万全というわけではない。
無理に動いてまた骨に支障が出てしまうと困る。

嶋野陽子 > 「御馳走様でした」
と言うと、早速携帯端末でリビドーの意味を調べる
陽子。すぐに見付けたらしく、顔を赤らめるものの、
何も言わない。

紅葉先輩がまだ病み上がりと聞き、
「調子が万全で無いならば、一度私の部屋で治療しま
しょうか?少しは効果あると思いますよ」と提案して
みる陽子。

リビドー > 「そうかい。では色々考えておくよ。
 ボクには彼女もいないし、代行も楽しそうだ。
 ……ん、病み上がりか。先程も話にちろりと出たが、何でも屋さんは大変だな。」

 冗談めかして軽口を一つ叩く。

「……ああ、広義の意味ではキミの想像してるのとちょっと違うからな。
 確かにアイツは大体ソッチのほうと絡める傾向にあるが……ま、心理学も哲学の範疇っちゃ範疇だ。」

紅葉 椛 > 「ああいや、それはちょっと遠慮しようかな。
 自分でリハビリするし何でも人に頼ってると鈍りそうだしね」

と言って断る。
毎回頼ってばかりだと自然治癒力が落ちてしまいそうだし。

「怪我の要因は仕事関係ないんだけどね……
 あと、私が面倒な時はばっさり断るからよろしく」

彼女代行はとりあえず言っているだけで、大抵は断る。
なかなかうまみのある依頼ならばまぁ考えるが。

嶋野陽子 > ちょっと違うとリビドー先生に
言われると、
「ならば帰ってからもっとじっくり調べませんと。
この端末だと《特殊Free》な意味しか出てこない
ので」と頭をかく陽子。仕草の微笑ましさよりも、
それで盛り上がる上腕二頭筋の巨大さの方が目立
つか。

治療の申し出を断った紅葉先輩には、
「判りました。お大事に」と言うと、

「そろそろお暇させて頂きます。お話、ありがとうご
ざいました」と二人に一礼して、駅の方に歩いて行こ
うとする陽子。

ご案内:「歓楽街」から嶋野陽子さんが去りました。
リビドー > 「成る程。仕事は選ぶタイプか。嫌いじゃないぜ――
 ――ま、何か有れば頼むよ。謝礼は弾むよ。」
 
 不敵にも見える程にきっぱり言ってのける紅葉。
 実際の実力は兎も角、自分の仕事に自信が有りそうかと内心で評した。
 怪我の事情はよくわからないが――まぁ、いい。


「それで覚えて貰っても構わないがね――と、またな。」

 然し大きいな。でかいの一言で説明の付く大きさだ。
 彼女の上腕二頭筋の視線を注ぎ、見送った。

「さて、ボクもぼちぼち帰ろうかな。
 また会おうか、紅葉。」

紅葉 椛 > 「好意を無駄にしてごめんねー、今度何かあったら頼らせてもらうよ」

と言って陽子を見送る。

「もちろん、面倒なのに報酬が少なかったりしたら困るしね。
 その時はよろしく、リビドーセンセ」

顧客候補を捕まえた喜びからか、不敵に笑う。
謝礼を弾んでもらえるらしい。
期待が高まる。

「そうだね、そろそろ肉まんも冷めそうだし私も帰ろうかな。
 またねー」

そう言ってリビドーに背を向け、歓楽街の人混みへと消えていった。

ご案内:「歓楽街」から紅葉 椛さんが去りました。
リビドー > 「ああ。またな。」

 人混みに消えた彼女を見送り、踵を返す。

「……さて、そろそろ行くか。」

 設置されているゴミ箱にケバブサンドの包み紙を捨て、立ち去った。

ご案内:「歓楽街」からリビドーさんが去りました。