2016/10/23 のログ
ルベール > 「その恰好で来られたら、私はあげちゃうなぁ。
 でもまあ、その恰好じゃあ変なおっさんに捕まらないように注意はしろよー?」

 いい子いい子、可愛い可愛い、としようと思ったら、相手が世界の終わりみたいな声をあげるものだから、ぎょ、っとしてしまって手を離してしまう。
 え、何、そういう設定なの? でも確かになんか生暖かい感触だったような。

「……本物? あ、もしかしてそういうとこから来た系の?」

 あぁ、と掌をぽん、と叩いて納得すれば、今度は優しく優しく。
 おお、ふわふわ。 マジで耳なの? やっぱくすぐったい? なんて余計な質問をしながら、手を離す様子はあんまり無くて。

因幡幸子 > 「いやいや流石に変なおっさんが跳梁跋扈するような所にこんな格好はしませんよ!
お菓子もくれなきゃイタズラされるだけじゃないですか。しかもこんな世界ですし
なんかこう、想像を絶するビックリおっさんが居そうだし……。」

多分きっと、いいえ間違いなく耳を引っこ抜かれるより酷い目に遭わされるに違いない。
そう笑いながらも心の奥で身震いをするか弱い私。ちょっと寒いな……。

「察しがよくて助かります。そうそうそういう所から来たというか来ちゃったというか……
で、マジで耳なので触られたらそりゃあ色々感じますよ。痛かったりくすぐったかったり……
だからあんまり触らないで下さいね?聴いてます?聞いてます?効いてます?」

最後のニュアンスがちょっと違うのは私が冬も近いってのに真夏みたいな格好してるお姉さんの脇腹を鋭くつつくからです。
触っていいのは触られる覚悟が出来ている者だけなんですよ……等々の邪悪な心を顔に映して攻撃開始です!
例え相手が強そうでも此処に譲れない信念があったりなかったりする!
おらー!

ルベール > 「マジか………想像を絶する奴は確かにいたけどさ。
 そんなおっさんが出るなら、ちょっと勘弁したいとこだよな。
 ま、そうでなくても目ーつけられるとかはありそうだし、気を付けなよ。」

なんて、ぽん、と頭を撫でて注意を一つ。
相手の言葉に首をちょっとかしげながら、くすぐったい、と言われれば指でふにふにとくすぐってみて。

「んひゃっ!? ちょ、あははっ、こら、やめろってば。」

決死の覚悟の攻撃も、じゃれあっているとしか思われていないのか、からからと笑いながら身体をよじる。
ふるん、と大きなそれを揺らしながら、ほーれほれ、とこっちも楽しげに手を伸ばしてきて。
これ本人が無意識なだけに性質悪いタイプだ。全然聞いているようには見えない。

因幡幸子 > 「ま、目を惹くのは仕方ないですね!ほら、私って可愛いし?」

想像を絶するお兄さんなら少なくとも一名知ってますがそれは兎も角とし
注意を笑顔で迎え入れながらも私の手は鋭さを失わないっ。
相手の手が一瞬離れたのを良い事に私は見よう見まねのボクサーがする回避みたいに頭を動かし
暫し店内の一角にて真夏の格好をしたお姉さんと異世界ファンタジーの格好をした私の戦闘?光景が広がります!
まあBGMは有線放送なので臨場感もへったくれもないんですけど。

「所で!貴方も!ハロウィンの!仮装!買いに、来たんじゃ!無いんです、か!」

頭の動きに合わせて語句が途切れながらもそれとなく話題を差し向け隙を作りたい。
尤も隙を作った所で何をする訳でも無く、単に疲れてきたから休みたいだけの心算だったりする。
身体もだんだん暖まってきてある意味では丁度良いっちゃ良いですが!

ルベール > 「実際目を惹くから反論できないっての!」

 相手がひゅん、と頭を振って回避するようであれば、こっちも腕を前に出して身体を揺すって相手の攻撃を回避し始める。
 先日のボクシング経験がいい感じに効いている。
 その時の動きと比べたら、とっても可愛らしい動きに見えるのだけれど。

「んにゃ、私は…っ、ちょっと見に来ただけ、でっ…! いい仮装あったら、買う、けどっ!」

 隙はそうそう作らないまま、相手が丁度良く疲れたところを狙って。

「そりゃっ!」

 相手の大振りの攻撃をよけて、背後に回り込んでばくっ、と腕を回して捕まえようとしてくる。
 ビキニアーマーなのだから、白いお腹は丸見えである。そこ触ってみたい。

因幡幸子 > 「それなら!こういう!鎧、どう、かし、らぁっ!?」

大きく振りかぶった右フックをその図体に見合わぬ素早さで回避されて私の言葉が裏返る。
気が付いた時にはなんという事でしょう、背後から伸びる両腕が私のお腹をがっちしホールドしていたのです!
……あ、背中に感じる熱とかお腹に感じる熱が結構暖くて心地よい。

「……オーケー私の負けだ……此処までにしようじゃないか……。」

あ、これ相手が本気出したら私は瞬きする間にお亡くなりになる系統だ。
聡明な私は瞬時にそう判断をして両手を挙げて降参の合図を示します。
もしこっちの世界での降参の合図が違くてこれが徹底抗戦の合図だったりしたらその時はその時、なのですが。
相手の指は既に私のお腹を擦っているので若干の手遅れ感を感じなくも無いです。14へ行け。

「なにゆえに私のお腹を触るのか判らないんですけど、一応言っておきますけど私は食べても美味しくないですからね?
いや色々とばっちりな私だから多分美味しいんでしょうけど、美味しくないからダメですからね?」

ルベール > 「いや、それも考えたんだけどさ。
 私、元の世界でそういうのばっか着てたから、違うのがいいかなーって。」

 ぎゅ、っと抱っこしたらちょっと肌が冷えていてとても気持ちがいい。
 ふにゅん、とこっちのやわこいものを押しあてているのだけれど、こっちは全然気にする様子もなく、すべすべのお腹を撫でて。

「ん? いや、すべすべみたいだし、ちょっと触ってみたいなーってなるじゃん?
 あはは、大丈夫大丈夫、食ったりしないって。
 私は蛮族か!」

 なんて、言葉で突っ込み一つ。

「でもさー、私もいいものないかなーって思ってはいるんだよね。
 何かいいのあるかなー…?」

 ここまでにしよう、と言われれば、はーい、と素直に腕を離す。
 無邪気で悪意は全く感じられないが、その一つ一つのパワーがあるから結構怖い。そんな女。

因幡幸子 > 存外素直に解放されて安堵の溜息が零れます。
こう、胸に手をあててあー良かった的な……

「…………。」

……良くなかった。
多分ホールドされた時にでもズレたのか、真紅の鎧上がズレて私の地味めな薄紫色のブラが見えていました。
何事も無かったかのように戻しておこう。ごそごそ。

「あははは、ですよねー。私ったら失礼な事を言ってすいません。
でも仮装となると……うーん、着慣れた物でも良いとは思うんですけどね?」

おほんと咳払いをしてから何事もなかったかのように私はお姉さんの言葉に首を傾げました。
どうも言葉からしてこういう格好を良くするような世界から来た人らしいと察すれば
私の眼は上から下に、下から上にと不躾に大柄な相手を品定めするように見遣る訳です。

「貴方ならこーゆー格好で変なおっさんが跳梁跋扈する所でも平気そうですし。」

何よりその巨大な前面装甲(?)があればおやつもどっちゃり貰えるのでは。
とまでは言わず、私は童話に出てくる意地悪兎みたいに上目遣いをしてみせましょう。

ルベール >  当然、ブラを露出させていたことなんかさっぱりわかっていない様子の女。
 品定めをするように見られても気にすることはなく。
 プロポーションはなかなかのもので、金色の髪は鮮やか。
 そこそこの長身のせいか、所作もすべてにおいて堂々としているように見える。実際堂々としているのだけれど。

「そーう? ……んじゃまあ、鎧にしておこっかな。」

 ふっふん、と笑いながらも、ごそごそとそこにある鎧を手に取ってみる。
 ……防具にゃできねー素材だな、と手に触れて一瞬顔をしかめるも、そりゃあそうか、と納得して改めてサイズを探す。

「……ちょーどいいサイズがねーな、これでいっか。」

 ひょいひょい、と鎧をいくつか確認するように手に取れば、更衣室に入っていき、………しばらくして、しゃら、っとカーテンが開く。

「………ほれ、似合うだろ?」

 明らかに下着つけてない的なことがわかるビキニアーマーを身に着け、肩当ては右肩のみ外すというこだわりを見せる。
 その右手には、いつの間に手に入れたのか、少し紅色の混じった金属製のメイスが握られ。
 その恰好に触発されてしまったのか、羞恥心よりも満足感の勝った様子の雰囲気。
 どうよ、と目の前でメイスを手の中でくるりと回してみたり。

因幡幸子 > 堂々とした様子はまるで山賊の頭領か何かのようで、きっと元の世界では名うての賊に違いない……
そんな風に思いながら機嫌良さそうに私の言葉に乗っかって試着室に消えて行く相手を見送りました。

「うわあ。」

そうして出てきたのが此方のどう見てもザ・女蛮族といった風情の姿だったもんですから
思わず声が上がってしまって口だってあんぐり開いてしまうのです。ちなみに虫歯は0で歯並びはバッチリです!

「……いやあ似合いますけど……その、直接着けたら買わないと悪いんじゃ……。」

流石の私も口に水を含んだかのように言い淀んでツッコミが冴えないのは何も格好が似合っていたからじゃあない。
言葉の通りってなもんですが、案外奪い取っていくぜー!してもお店の人も何も言わなさそうな凄みすら感じられました。
……あれ?この場合お揃いの格好の私も仲間と見做される?14ページ?14ページ行き?

「でもまあそう高いものでも無いですし大丈夫かな。後はまあ当日にそんな格好で「お菓子くれなきゃ悪戯するぞー」
とでも叫んで闊歩すれば皆震え上がって色々用意してくれますよ!」

私の辞書は13ページまで!そう心に決めて平和な話題を差し向けますが
店内の一角でこんな会話をしていたら宛ら異世界に来て強盗の相談でもしている二人組みみたいなもんでした。

ルベール > 「………あ、そっか。
 仕方ねーな、これでいくか。」

悩んでいてもどうせ決まらないのだから、普段通りの恰好というのも悪くない。
よっしゃそうしよう、と心に決める。
目の前の少女もこんなに驚いていることだし、きっと悪くないに違いない。

「じゃあ、祭りの当日? は二人で暴れるのもいいかもな。
 菓子をくれなきゃどうなるかわかってんだろーな、って言って回ればいいんだっけ。」

 金属製の重そうなメイスを手の中でぺしぺしと叩きながら、物騒なことを言う。能力で生み出したメイスは威力だって抜群だ。

「私はルベール。 紅のルベールっていやあ、聞いたら(敵国は)恐怖で逃げ惑うって有名さ。」

 自分が蛮族と思われているなんて考えもしない蛮族程度の知能。
 へっへん、と自己紹介するけど、凄く悪漢に聞こえるかもしれず。

「じゃあ、これ買いに行ってくるから、折角だし一緒に帰ろうぜ。」

因幡幸子 > やべーぞこいつは本物だ!
私の耳がぴぃんと立って危機を告げる!

「いやいやいやそれは不味いですよ!新聞に載っちゃいますって!?」

どうみても撲殺用の金属製棍棒を軽やかに扱い、冥土の土産に名前を教えてやろう…
的な雰囲気バリバリのルベールさんに私の悲痛な言葉が重なって、もう一つ悲鳴が重なりました。

「えぇっ!?私も!?いやあの私はまだ新聞沙汰にはなりたくないんですけどお……」

兎だけに脱兎の如く逃げ出したい。しかし逃げるには着替えなければならない。
ぴんと立ったお耳を萎れさせながらの私の声は諦念としたもので、唇も引き攣るような按配です。
かくなる上は同道の最中にルベールさんの認識を改めさせるしか、無い!

「ま、まあ兎も角!一先ず着替えてお会計を済ませてしまいましょうか。
それで帰る道すがらに喫茶店にでも寄ってですね、ちょっとこう平和的なお話でも致しましょう!」

あ、所で私の名前は因幡幸子と申します。と遅ればせの自己紹介も添えたなら後は祈るばかりの日曜の午後。

ルベール > 「まずい? やっぱあんまり目立つとこっちの世界じゃダメなのかねぇ。」

 ふぅん? と相手の言葉に耳を貸す姿勢は見せる女。
 ただし、どうやら認識は間違っている様子である。
 確かに荒っぽい雰囲気はほとんどないが、「ちょっともーやめてよー」的なノリで棍棒を振り下ろしてきそうな無邪気な恐怖がそこにある。

「だってこんな格好で二人いたら絶対面白いって。
 ほらその、幸子が後ろで指揮を取って私が前線でさ。」

 自己紹介を受ければ、にこにこと笑ってそんなことを言う。
 主犯が幸子になっていく状況になりそうな布陣だ。

「あー、そうだね、会計しなきゃ。

 ちょっとそこの店員さん。 ……これ欲しいんだけどさ。」

 メイスを手の中で回しながら、ずい、っと店員に近づいていく女。
 店員の顔が蒼く引き攣っていくことがわかる。

 どれだけ祈っても、神なんていない日曜の午後。

ご案内:「歓楽街」から因幡幸子さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」からルベールさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に龍宮 銀さんが現れました。
龍宮 銀 >  
(ざわざわと騒がしい歓楽街の通り。
 夕方となれば授業の終わった学生が増え、その活気は勢いを増す。
 しかし、人が増えるとなれば当然トラブルも増える。
 今ここでもそのトラブルがまさに起こっていたところで、何人かの風紀委員が事態の収拾に駆り出されていた。)

――では、あとはよろしくお願いします。

(風紀委員に連行されていく数人の男子学生を見送り、現場を見渡す。
 騒ぎ自体は何のことはない、ただのケンカだ。
 しかし通報を受けて駆けつけた風紀委員が自身だったと言う事が、彼らにとって不幸だっただろう。
 現場に駆けつけるなり彼らの間に割って入り、怯んだ隙に彼らを投げ飛ばし、拘束。
 そのまま同僚へと引渡したのが、まさに今。
 こうして騒ぎは収まったが、それで終わり、と言うわけには行かない。
 異能を使っていた形跡はないか、彼らが犯罪に関わっていなかったかを調べないといけない。
 それは残留魔力の調査だったり、目撃者に話を聞いたり、近くに不振な人影がないかどうかを調べたり。
 聞き込みは同僚が行っているので、自身は怪しい人影が居ないかどうかを確認するために、辺りを見回す。)

ご案内:「歓楽街」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 「ハアハアハア…。」

何かを探すように辺りを見回しながら駆ける男が一人。
異様に長い白タオルを靡かせながら行く男である。
思いっ切り息が切れており結構な距離を走って来ただろうことが伺える。

喧嘩が起こっていた辺りでぐるりと周りを見渡せば風紀委員の制服を見かけ安心したように息を吐く。

「…龍宮さんじゃないか!
どうやら喧嘩は解決したみたいだね!お疲れ様!」

額の汗を拭いながらそんな事を言う。
どうやらこの男も喧嘩が起こってることを聞いて駆け付けたらしい。
…それにしても、寒くなって来たこの時期に結構な汗の量である。

龍宮 銀 >  
(怪しい人影を発見した。
 つかつかつかと歩み寄る。)

真乃先輩。
もう冬も近いと言うのに、凄い汗ですね。
一体何をしていたのか、お聞かせ願えますか。

(彼がそう言う怪しい事に加担するような人物ではないとは思っているが、それはそれだ。
 ちょっと前までなにやら様子がおかしかったとも聞く。
 ――様子がおかしいのはいつもの事だけれど。
 とにかく腕を伸ばして彼の手首をガッチリ掴もうと。)

真乃 真 > 「ああ、いいだろう!
 この歓楽街に魔術的な要素が入った装飾品とか売ってる店があるんだよ。
 そこに、行った帰りでね!!ああいうの高いよね!!」

以前、夏場にも行っていい服が手に入ったので冬場も何か良いものがないだろうかと
思って見に行ったが特に見つからなかった!

「その途中でどこかで喧嘩してるって話を聞いてね!
 走って止めに来た!!喧嘩は良くないからね!お互いに痛いし!」

さあ掴むがいいとばかりに手首を相手に差し出した無駄にカッコいいポーズを取りながら言う。
ああ、やましいことなど何もない!

龍宮 銀 >  
そうですか。

(魔術的な装飾品。
 それだけ聞くと怪しそうな店ではあるが。
 しばし考えるが、嘘をついているようには見えないしそんな理由は彼にはなさそうだ。
 とりあえず今度視察がてら覗いてみよう、と考える。
 出された手はやっぱり掴まなかった。)

――真乃先輩。
その正義感は評価しますが、そう言うことは風紀委員の仕事です。
一般人が風紀委員の真似事をしようというのなら、真乃先輩も捕まえなければならなくなるのですが。

(じっとりとした視線を向ける。
 その視線は、暗に「あなたはもう風紀委員ではないのだから」と告げている。)

真乃 真 > 「いいや、路上で喧嘩してる人に止めるように説得するのは
 なにも、風紀委員だけの仕事じゃあないよ。」

きっと、いい人であるならば勇気が恐怖に勝れば多くの人がするだろう。
説得して止めようとするだろう。

「そう、説得だけだからね!特に校則にも違反していないはずさ!!」

実際その説得が下手糞で相手を怒らせてしまうのが真乃真の常であるのだけども。
上手く説得できるようになりたいな…。

「風紀委員でなければ人を助けちゃいけないわけじゃあないだろう?」

龍宮 銀 >  
――。

(ため息。
 確かに彼の言うとおり、ケンカを止めるのは風紀委員だけの仕事ではない。
 むしろそう言うところを見かけたら、止めると言うのが人と言うものだろうとも思う。)

――真乃先輩。
ケンカを止めるだけなら、確かに校則違反にはなりません。
けれど、ケンカに巻き込まれたり参加したりしてしまう可能性は無いとは言えません。
もし先輩がケンカを止めようとした後で、彼らから「あいつもケンカに参加していた」と言われれば、あなたを捕まえないわけにはいかないんです。

(しかし校則違反を犯した可能性があるならば話は別だ。
 例え犯罪者でも、彼らからの証言があれば、それに沿って動かねばならない。
 見上げる目を鋭く細め、わかりますか、と問いかけるように睨む。)

風紀委員だけが人を助けられる訳ではありません。
しかし、人を助けるのは風紀委員の仕事です。
自分が走るより、風紀委員へ通報する事を優先してください。
我々より、真乃先輩の方が情報を掴む事が早い事だってあるんですから。

(初動の遅れは被害の拡大だ。
 念を押すように、ゆっくりと。)

真乃 真 > 「ああ、確かにな。
 確かにそんな風にを言われてしまったら僕も立派な校則違反者だな!」

確かにその通りだ。
もし、喧嘩していた二人が共謀して真を悪に仕立て上げればどうしようもない。
善行にはいくらかのリスクが伴う。伴うが…

「それについてはちゃんとしてるよ!
 仮にも二年間は風紀委員だったからね!そこはちゃんとしてるとも!」

ドヤ顔で携帯の履歴を見せる。
…確かに電話している。

「ちゃんと電話してから駆けつけているから問題は無いな!
 大丈夫!次からもきちんと連絡するから安心してほしい!」

龍宮 銀 >  
それならばいいのですが。

(見せられた携帯の画面を見れば、確かに通報の履歴があった。
 不承不承と言った表情で頷く。)

――それにしても先輩。
人助けがしたいのであれば、風紀委員は辞めない方が良かったのでは。
装備や情報網の点でも、法を犯す可能性の点でも。

(彼が風紀委員を辞めた理由は詳しくない。
 せいぜい方向性の違いで辞めた、と言う事ぐらいしか聞いていないのだ。
 方向性の違いで言えば、自分は大多数の風紀と方向性が違う事は理解しているし、そもそも部署によって色々と特色や信念などが違ったりもする。
 ちょうどいい機会なので聞いてみることにする。)

真乃 真 > 「ああ、確かに風紀委員の時の装備の方が僕は強いだろうし
 ルールも多少大目に見られるだろうね。
 だけど、風紀にいたら見えてしまうじゃないか、自分がどれだけの人を助けられないのか。
 どれだけの人を助けられなかったのか。」

風紀の情報網をもってすれば困ってる人、より困っている人を見つけることは易い。
風紀の装備があればより多くの人を助けることが出来るだろう。
それでも、風紀委員の数には限りがあり。真の手が届く範囲にも限界がある。
それこテレビのヒーローでもない限り全部を助けるなんて不可能だろう。

「…それに風紀委員では助けられない人もいるしね!
 僕は自分の手が届く範囲の全ての人を助けたいんだ!」

無駄にカッコいいポーズを取って自信ありげな笑みを浮かべて見せる。
助けるために見える範囲を狭くして。手の届く範囲を狭くして。
こんな自分がヒーローなんて名乗れるわけがない。

「…まあ、自己満足だよね!!」

龍宮 銀 >  
(その考え方には共感出来ない。
 自分は人を助けたくて風紀委員になったのではないのだから。
 それでも、よくわからなかったこの先輩の考えと言うか、信念が見えた気がして。
 否定する事は出来なかった。)

――もうちょっと、早く先輩に会っていれば良かったですね。

(俯いたまま、本音を漏らす。
 そうすればきっと、自分にとって彼はヒーローだっただろうし、未だに「あんなこと」をしなくても良かったのかもしれない。)

真乃 真 > 「…何か助けて欲しい事でもあったのかい?答えなくてもいいよ。」

出会っていれば助けられただろうか?
この異常まで校則に順ずる彼女の何かが変わったのだろうか?

分からない。

「もしもの話をしても仕方ない。
 過去は普通変えられないし、消すこともも出来ない。
 だから、だから!また今度困ったことがあったら何でも言ってくれよ!!
 近くにいるなら絶対に助けるから!」

近くにいるならこの手が届くところにいるのならば必ず助ける。
ヒーローではない真が出来る最大の範囲の人助けである。

「…ところで、龍宮さんって姉さんとか妹さんとかいたりする?」

ふと、なぜか同じ苗字の不良の少女を思い出して聞いてみる。
全く真逆なのに何故かこのとき思い出したのだった。

龍宮 銀 >  
――いえ。
私を助けたのが先輩だったら、何か変わっていたのかな、と。

(今現在助けて欲しい、と言うわけではない。
 ただ、そうだとしたら、きっと今とは違った生き方があったんじゃないか。
 それだけだ。
 それだけのはずだ。)

そう、ですね。
そう言うことがあったら、その時はお願いします。

(その時に彼は近くに居ないかもしれない。
 むしろその確率は低いと思う。
 それでもその言葉は力強く、温かかった。
 困ったように笑って答える。)

――?
いえ、私に姉は……あ、え?

(何か引っかかる。
 自分に姉など居ないはずだ。
 居ないはずなのに、何か心に引っかかる。
 頭が、痛い気がする。)

真乃 真 > 「どうだろうな?
 でも、僕は今の龍宮さんも嫌いじゃあないよ!」

四面四角で、校則にうるさくて、真面目で、先輩である自分に対しても物怖じせず意見できる!
…真が誰かに物怖じされたことなど殆んどないのだけども!
それはともかく真乃真が知る今の龍宮銀も十分にいい子である。

「任せておいてよ!!小さい事でもいいからね!」

無駄にカッコいいポーズと自信ありげな笑顔で告げる。

「いや龍宮さんとは全然違うんだけどね、苗字が同じであと一瞬似た感じがしたんだよ。
 知ってる?あの喧嘩っぱやくて有名なあの─」

風紀委員であるならばその名前を知っていてもおかしくはない。
職務に真面目な彼女であるならば尚更である。
喧嘩っぱやくて「ステンレス」なんて呼ばれ方もしているらしい。

「龍宮鋼っていう子なんだけどね、何か関係あるのかなって。」

龍宮 銀 >  
――ありがとう、ございます。

(嫌いじゃない、と言う言葉に、少し照れながら。
 性格的に嫌われる事の多い自分だ。
 好意を向けられる事には慣れていない。)

はが、ね。
しらない、そんな、名前――。

(知っている。
 その名前は知っている。
 風紀委員でそれなりに名の知れた要注意人物の名だ。
 違う、そう言うことじゃない。
 だから知らない。
 そんな名の人物には、会ったことがない。)

私と、似てる……?
そんな、でも、なんで今まで――。

(そうだ、その名前は知っていたのだ。
 龍宮なんて姓の半龍なんて、非常識なこの島で何人も居るとは思えない。
 なのに今までそれを考えもしないなんて。)

――違う
考えないように……?

(視界が揺れているような気がする。
 そう思ったときには、目の前の先輩の姿が、高速で横にブレて――。
 ゴトン、と言う自分の頭が地面にぶつかった音が聞こえた。)

真乃 真 > 「そうか…てっきり親族かなにかだと…。」

似てると思ったのは一瞬の雰囲気。
真がボロボロに負けて意識を失うまでの間の彼女の感じが
少し似ていたように感じたからだった。

「えっ?大丈夫かい!?龍宮さん!!龍宮さん!?
 ごめん、そこの君!保険課呼んでくれ!」

目の前で急に倒れる風紀委員の後輩。
突然の事に手を伸ばすもその手は届かず彼女は地面に倒れた。
近くにいた風紀委員にそう伝えて倒れた彼女に駆け寄る。

さっき近くにいるなら助けると言ったばかりなのに…。

届かなかった。

龍宮 銀 >  
(衝撃と痛みで倒れたと言う事に気付いた。
 ゆっくりと起き上がり、頭に手を当てる。
 ぬるりと言う感触。
 手を見れば、赤い血が付いている。
 地面に赤くなった石が落ちていて、ああ、これにぶつけたんだな、と他人事のように思う。)

大丈夫、大丈夫です。
――ええと、姉がいるかと言う話でしたっけ。

(なんでもないように彼に声を掛ける。
 少し疲れているだけだ。
 頭が痛むのは、ぶつけたからだ。)

私に姉は居ません。
たまたま名字が同じだけでしょう。

(そうだ、たまたま同じ半龍で、たまたま姓が同じだった赤の他人だ。
 センセイだって、そうだったじゃないか。
 ただそれだけなのに、何を混乱していたのか。
 有無を言わさぬような口調で、彼にそう告げる。)

真乃 真 > 「龍宮さん…大丈夫な人が突然倒れる訳ないだろう!
 頭から血も出ている!血が出てるんだぞ!」

何が大丈夫なものか!突然目の前で倒れたのだ!頭から血が出ているのだ!
どう見ても大丈夫ではない!

「分かった!分かったから!
 もうすぐ来てくれる保険課の人に診てもらってそれから病院に行くんだ!
 あと、風紀委員の仕事も暫く休みなさい!!生徒指導課の先輩には僕から言っておくから!!」

…龍宮鋼の話がトリガーになったのか。
それとも、疲れていただけなのかどちらにせよこれ以上この話はしない方がいいだろう。
それより彼女に必要なのはきっと休む時間である。

「分かったかい?分かったね!?」

…大分有無を言わさない口調なのはこちらもである。

龍宮 銀 >  
――。

(思いのほか強い口調で言われた。
 大丈夫だと言っているのに休めと言われて、不満そうな表情を見せて。)

わかり、ました。

(それでも頷くしかない。
 校則違反をしている訳ではないし、単純にこちらを心配してくれているのだから。
 だから、不満そうな顔をしながらも、その言葉に頷く。)

――ああ、先輩。
連絡先、教えてください。
助けて欲しいときに連絡先知らないと、助けを呼べませんから。

(頭から血を流しながら、スマホを取り出す。
 命に別状のある量ではないが、それでも少ない量ではない。
 そんな状態なのに、普段の様子でなんでもないことのように。
 やってきた保健課の人がそれを見て驚いているが、何故そこまで驚くかが自身には理解出来ない。
 つい今しがた倒れて頭から血を流しているようには、とても見えないだろう。)

真乃 真 > 「うん、ならいいんだ!」

どう見ても渋々な感はあるが頷いてくれた。
頷かせてしまえばこっちのものである!

「…ああ、分かった!」

そう言ってスマホを取り出した。
連絡先を交換してしてこうというのなら一応助けられる意思はあるということだ。
保健課の人が信じられないものを見る目のまま立ち尽くしている中で連絡先を交換する。

「…本当に些細な事でもいいから連絡してきなよ!
 些細な事でも助けるからね!」

多分、彼女は大丈夫の基準が違う。
このままいけばそのうちに壊れてしまいかねない。
まだ間に合うと信じてそう告げる。

「いいかい、保健課の人の言う事をちゃんと聞くんだよ?
 …病院までついていかなくても大丈夫かい?」

龍宮 銀 >  
ありがとうございます。

(笑顔で、告げる。
 怪我をしているとは思えないほど普段通りの笑顔で、それが逆に異常であるという印象を受けるだろう。
 スマホを操作し、連絡先を交換。
 途中目に血が入って、汗を拭くように袖で拭えばべったりと袖に血が付いた。
 それを、汚してしまったと言いたげな顔で見る。)

はい、些細な事でも連絡します。
――じゃあ、着いてきて、欲しいです。

(す、と手を伸ばす。
 血塗れの手で、彼のタオルを掴もうと。)

真乃 真 > 「…ああ、真面目な後輩になにかあったら大変だからね!
 困った人を助けようと思ったら僕一人にはこの常世島は広すぎる!」

一瞬、迷うが笑顔で返して、いつもみたいに無駄にカッコいいポーズをとる。

「分かった!僕が着いていくからには絶対に安心だ!
 救命ボートに乗ったような気分でいると良いよ!」

異様に長いタオルそのを掴んだその手を優しく上から握りしめる。
タオルにもそして手にも血がついてしまったがそれは今気にする事じゃない。
そうして、呆然としていた保健課の生徒に応急処置を頼む。

応急処置が終わったならばそのまま連れ立って或いは
救急車にのって病院へと向かう事になるだろうか…。