2017/08/26 のログ
ご案内:「歓楽街」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 学園都市の暗部にして眠らない街、歓楽街。
落第街程では無いにせよ、決して治安が良いとは言えない夜の街。
輝くネオンや道行く人の熱気に閉口しながら、少年は人混みをすり抜ける様に通りを進んでいく。

「何時来ても此処は暑苦しいというか騒がしいというか…。こんな時間に遊ぶ体力が有り余っているなら、他の事に活かせば良いものを」

今夜は特に風紀委員の任務がある訳ではない。とはいえ、風紀を乱す大元とも言えるこの街は軽視する訳にも行かない。
同年代の生徒が訪れるであろうゲームセンターだのスナック紛いの店だのを軽くチェックしておこうと、人の波に揉まれながら夜の街を散歩していた。
一歩間違えれば自分も補導対象に見られるであろうことには、残念ながら気が付いていない。

ご案内:「歓楽街」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > 歓楽街にあるとある怪しげなビル。
その建造物のダクトの入り口がひとりでに勢いよく開き
そして何もいないはずなのにドンッドンッと
何者かが大型のゴミ箱を踏み台に
地面に降りていくような音がする。

しばらくしてから路地裏を抜けたあたりの場所に
いきなり四足ロボットが現れる。
周りの人間がチラチラとこちらを見るが
ロボットは周囲の目を
あまり気にしていないようである。

神代 理央 > 喧騒とは異なるざわめきと、僅かに響く打撃音。
喧嘩や恐喝の類ではないだろうが、一応確認しておいた方が良いだろう。
だが、物音がした付近に近づけば、周囲の人だかりの視線を追うまでもなく、直ぐに原因は判明した。
路地裏から現れたのは、風紀委員の同僚であり機甲戦力でもあるHMT。戦車と顔馴染みというのも妙な字面ではあるが、兎に角馴染みの同僚の姿に安堵の息を漏らす。

「何事かと思えば、イチゴウだったのか。今夜は歓楽街が巡回ルートだったのか?」

彼と同じ様に周囲の目など気にする事もなく、軽く手を上げながら声をかけるだろう。

HMT-15 > 路地裏から抜けて大通りへと入り
歩き出そうと思えば馴染みのある声で
言葉をかけられる。
その方向を見上げれば見覚えのある金髪紅眼の
少年。

「やあ、理央か。今日は潜入調査任務を終わらせた
ばかりだ。キミは非番か?」

合成音声の調子こそ変わらないものの
こちらも軽い言葉選びで理央に話しかける。

「しかしこの街は何故これほどにピカピカ
しているんだ?人間はこういうのが好きなのか。」

ロボットは辺りの自己主張が激しいネオンを
ざっと見渡しながらそんなことを。
うるさいほどのネオンは熱源探知でも
ナイトビジョンでも邪魔になる。

神代 理央 > 「…潜入調査とはまた面倒事を押し付けられたものだね。お疲れ様。しかし、まさかHMTに潜入されているなんて、相手は露程も思わないだろうな。
ああ、こっちは非番だ。息抜きも兼ねて、ちょっと歓楽街の様子を眺めに来たのさ」

任務の詳細は問わずとも、多脚戦車に潜入された相手の事を考えれば、僅かに含み笑いを漏らしてしまう。

「夜を征服した人類の科学の証…といえば聞こえは良いが、単なる虚栄心を満たす為だけの飾りだろう。ただ、人間が光り物を好むというのは事実だろうな。古来より、黄金や宝石の類が人間は大好きだろう?」

割と金に困らない生活を送っていた自分から見ても、暴力的なまでに輝くネオン街は余り好ましいものには映らない。
紛い物の宝石を散りばめている様な街の有様を眺めながら、小さく肩を竦めてみせる。

HMT-15 > 「思わないも何も
ただ任務中は可視光を歪曲させていたから
通常の人間がボクを視認することは不可能だ。」

ただ姿は消えたところで音や質量は
変化しないので探知できる存在も少なからず
いるだろう。あくまで常人を翻弄する
トリックに過ぎない。

「非番にも関わらず巡回ルートの様子を確認
するとは風紀委員の鏡だな。」

理央をまっすぐ見つめて関心しているように
うなずきながら。
もっとも信頼確保のためにうごいているであろう
彼にとっては当然の行動かもしれないが。

「確かに人間は高価なものを好む傾向にある。
特に高い権力を保持しているもの程顕著だ。
しかしキミは態度から判断するに
この定義にはあてはまらないようだな。」

風紀のお偉いさんの部屋を想起しながら
そんな言葉を並べていく。
そう考えればある意味、理央も権力を保持している側だと考えられる。

神代 理央 > 「だからこそさ。ステルス機能を搭載した多脚戦車が自分達の拠点に潜入しているなんて、漫画か映画の世界だろう?
学園都市でヤクザごっこに明け暮れていたら、最新鋭の戦車に潜入されていましたなんて、笑い話だよ」

そういえば、旧世紀にそんな創作物があった様な記憶がある。
異能と魔術が発達した現代でも、流石に人の脳を電脳化するには至らなかったと考えれば、人の想像力は実にたくましいものだ。

「仕事が趣味みたいなものだからね。趣味と実益を兼ねているだけだよ」

感心する様な彼の言葉に、照れくさそうに首を振るだろう。
実際、彼の考えの通り風紀委員会での立場を強固にする為に動いているのであって、正義感に基づいた行動ではないのだ。
だからこそ、機械故の世辞の無い発言には困った様な照れた様な複雑な笑みを浮かべざるを得ないだろう。

「んー…別に資産に対して欲が無いとは言わないがね。
己の富をひけらかす事が必要になる場合もある。ただ、無駄に見栄を張るのは余り好きじゃないだけさ。特に、この街みたいな紛い物の見栄を張るのは好ましくない」

己の素性は知られているのだから、資産家の息子であることを隠し立てて発言する事もない。
必要な時に必要な富と栄華を誇る事はあっても、常にそうする必要はない、と己の持論を述べながら肩を竦めるだろう。

HMT-15 > 「知らない間に情報を盗み取るという手法は
大変容以前も以後も変わらない。」

手段が変わっただけで情報機関が情報を
手に入れる方法は傍から見れば笑い話と同じだ。
ハエだと思ったらドローンだったり
大気圏すれすれから偵察されていたり。

「それは面白い考え方だな。
任務とプライベートがあまり変わらないとは。」

顔を傾けながらそっとつぶやく。
このロボットにとって任務と普段の行動は
全くの別物であり考え方を共有する事などまず
あり得ない。

「なるほど。さらにこの街の装飾は
ある意味罠と判断することもできる。
一般学生を人間が好むキラキラで
誘い込む。ある意味合理的だ。」

一人で勝手に論を展開して勝手に納得した様子。
自由行動時は中々にマイペースであるようだ。

神代 理央 > 「そして、情報の価値に気付かない者から脱落していくと言うわけだ。大変容以前から諜報活動に長けた国々のスパイなんかも、平気で島に入り込んでいるかもしれないな?」

連合王国しかり、合衆国しかり。欧州の大国と呼ばれる国々は、異能と魔術が溢れた現代でも逞しく諜報活動に明け暮れていることだろう。
尤も、首都ロンドンでの異変が起こった連合王国についてはどうなっているかは知る由も無いが。

「本来は別途に考えるべき事なんだがな。趣味の無い人間なんて、面白みも何も無いよ」

所謂ワーカーホリックという人種は、仕事が無くなってしまったらどうなってしまうのだろうか。
自分の事を棚に上げつつ、自嘲めいた口調で言葉を返す。

「そう言われると、誘蛾灯か何かみたいだが…余り違いはないかもしれないな。人間は闇より光を好む。好き好んで薄暗い場所に住み着く変わり者もいるが、基本的には闇を怖れる原始的な本能があるからな」

彼の論に小さく苦笑いを浮かべながらも、同意する様に頷く。
輝くネオンと喧しい音楽が鳴り響くこの街は、確かに学生達を集めて資産や体力を吸い取る罠のようなものと化しているのだから。

HMT-15 > 「その意見には同意する。
情報はどんな武装よりも強力だ。
この島はあらゆる異常が集っており
日夜情報戦が繰り広げられているだろう。」

むしろこの常世島という存在は
人類、いや地球のためにも蓋をしておく
必要があるかもしれない。

「確かに趣味は人間性の象徴だ。
ボクにも趣味はある、お小遣い稼ぎだ。」

自慢げに理央を見上げながらそう言うが
それは趣味とは言えないだろう。
ただ彼からすれば任務外でやってるので
便宜上そういう扱いだ。

「闇を恐れるのは生物共通の事項だ。
人間を鎮圧する場合光度が低い環境下の方が
有利であると考えている。
しかし簡単に罠にはまるとは人間も
辛いものだな。・・・ん?」

相変わらずの機械音声で連ねられた言葉を
遮り彼の目に入ったのは一つの店。
女性が男性客をもてなすというあまり
健全ではない店だ。
それがロボットの興味を引いたようで
フラーッとそちらのほうへ。
不思議そうに店内を見ている。