2018/11/25 のログ
ご案内:「歓楽街」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「さーって…確か、このへん……」

夜の歓楽街、ビルとビルの間を縫うように、まるでワイヤーアクションが如く軽やかさで跳び移動する女学生
風紀委員の腕章をつけ、今日はちょっとした調査

立ち入り禁止区域ではないものの、夜の歓楽街である
風紀委員が歩いていればそこそこ目立つ
ので、地上は行かずに移動しているのだが…これはこれで目立つ気もするなぁ、と今更に思った

「よいしょ」

とあるビルの上に降り立つ
このビルの裏路地で先日ちょっとした事件があったらしい
その事件には別の風紀委員が収拾したらしいけれど、報告書が微妙に中途半端だったのもあって、こうやって確かめに来たのだ

普通の生徒にとって手がかりでないものも、自分にとっては手がかりになる

伊都波 凛霞 >  
「ビルとビルの間…うーん狭い。悪いことするにはうってつけかも」

こっちの細い路地も風紀委員の巡回コースに入れたほうがいいんじゃないかなぁ、と思いつつ
それは報告書ついでに進言することにしよう

「よっ、と」

下に誰もいないのを確認してから、ビルとビルの隙間に飛び降りる

ご案内:「歓楽街」に柊真白さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
まるで羽根が地面に落ちたかのようにふわりと音もなく着地する

打ちっぱなしの壁に挟まれるような、細い隙間
大の男が3人ぐらい?横に並んだらもう通れなさそうだ

「えーっと…」

辺りは暗いが、別段明かりは灯さずに歩いてゆく
夜目はよく効くので問題ない

「───、血痕…」

ビルの壁に一つ、地面に二つ、三つ
もう乾ききってドス黒くなっているけど、おそらくそう…

しゃがみ込んで、調査開始

柊真白 >  
(最近落第街を中心に出回っている制御薬。
 歓楽街のビルの隙間を縫うように跳ねまわっていれば、似たようなことをしているものを見つけた。
 腕に見えるのは風紀委員の腕章。
 この姿で接触するかどうしようか考えながら気配を消して後をつけて。)

――こんばんは。

(結局声をかけることにした。
 彼女の背後、やはり音も振動もなく着地し、気配を消したまま挨拶。)

伊都波 凛霞 >  
「こんばんわー」

軽い返答が返ってくる

「歓楽街に入ってちょっとした辺りからつけてたよね。何か用?」

アスファルトに染み付いた血痕をしゃがんで指で探りながら、背中を向けたままそう言葉を続ける

柊真白 >  
(気配は消していた筈だったが、気付いていたらしい。
 ただものではないとは思っていたけれど。)

別に用ってほどでも。
このあたりにあんな動き方で見回りしてる風紀委員ってあまり見ないから。

(彼女の後ろから彼女が調べている地面のあたりを覗き込む。
 血痕。
 ここで数日前に何かあったらしい、と言うのは聞いてはいたが。)

伊都波 凛霞 >  
「見つかっても常人には追い切れないと思ってたんだけど、
 うーん、常世の島恐るべし。今度からもう少し忍んで動かないと」

ピリッ───
指先に小さな電気信号
血痕に残る記憶が頭の中に再生される

銀色の小さなアルミケースを、金でやり取りしているらしい、声までの再生はかなわなかったが……
彼らは口論になり…おそらく、売人が刃物で刺され、箱は学生が持ち逃げした
やがて記憶の映像は暗くなり…閉じた

「…ふぅ」

すっと立ち上がり、振り返る
背後にいたのは小さな女の子だった
声のかかる位置や、声の響き方から大柄ではないと思っていたけど

「用がないのに他人を尾けるのは感心しない、っていうのと、
 それでこういう危なそうな場所に一人で来ちゃダメ、っていう2点。
 覚えておいてね、お嬢ちゃん」

柊真白 >  
――何かわかった?

(何らかの能力を使ったらしい。
 状況から見て情報を集める類のものだろう。)

……。

(実に風紀委員らしいセリフ。
 それを黙って聞いた後、)

風紀委員がこういう危なそうな場所に一人で来るのはあまり感心しない、って言うのと。
人を見た目で判断しない方が良い、って言う二点。
覚えておいた方が良い、お嬢さん。

伊都波 凛霞 >  
「守秘義務があるから言えませーん」

少し土埃のついた手をぱんぱん、とはたいて

「危なそうなところの保全をするのも風紀委員の仕事だもの、感心がどうとかじゃなくって、ね。
 あと、私についてきた時点で普通じゃないってことくらいはわかってるよ。
 でも君みたいな小さな子がこの辺にいたら無用なトラブルも起きやすい、それだけ。あと──」

よいしょ、と竹刀バッグを担ぎ直して

「私のことは基本的に心配ご無用、強いから」

柊真白 >  
そう。

(まぁそうだろう。
 風紀委員なのだ、正体を隠しているものに情報を渡す義理もない。)

小さくない。
背が伸びないだけ。

(人はそれを小さいと言う。
 むっとした雰囲気を醸し出しながらちょっと不機嫌そうな顔。)

それなら私も大丈夫。
足は速いから。

伊都波 凛霞 >  
「君自身は大丈夫でも、君が路地裏に入るのを見かけた人が心配してついてきたら?
 君の知らないところで別の人が危険に遭うことだってあるかもしれない。
 だから"用がないのなら"こういうことはやめるべき、って言ったの」

まっすぐに、見下ろす
少女が人ならざるもの、見た目通りの年齢でないこと、それはわかる
けれどそれを見ただけでわからない者もまた、多い

「私はそういう心配をされないように、こうやって風紀委員の腕章もつけているし、自己責任で動けるような環境にいるの。
 私と君の違い、この説明で理解してくれた?」

柊真白 >  
大丈夫。
誰にも見られていない。
それに、貴方には用があったわけではないけれど、こっちに用がないわけではない。

(裏の街へ出入りする様子を見られるほど気は抜いていない。
 面を付ければ自分が自分だとわかるものはそういないのだし、知っているものもそのあたりの事情を知っている者たちばかりだ。
 制御薬のことも気になるし、知らないからと引きこもっているわけにもいかない。)

――でも、私の知り合いを心配してくれたことは感謝する。
それと、謝罪も。

伊都波 凛霞 >  
「(それなら私に感けず目的のところに行けばいいのに…)」

そう思いつつ、なんだか禅問答みたいな感じになっているので口を噤む
言い合いをしたところで貴重な時間の浪費にしかならない

「どういたしまして。…ん?今知り合いって言った?」

さて、どういう意味か

柊真白 >  
心配してついてきたらって――あぁ、そういうこと。

(てっきり自分の知り合いの、と言う意味だったかと思ったけれど。)

それは知らない。
そういう人は自分の責任で足を踏み入れている。
私の関知するところじゃない。

(用はこちらに踏み入った自分の姿を見て、どこかのお人好しが付いてきて迷ってしまったら、と言うことなのだろう。
 正直そこまでは面倒見切れない。
 こちとら困っている人のすべてを助けるヒーローではないのだ。
 自分の知らぬところで知らぬ誰かが不幸になっても知ったことではない。)

伊都波 凛霞 >  
「私は風紀委員で、少しでもそういう人の犠牲をなくしたいの、
 そういう意味で君に注意をしたし、君もそれを今ちゃんと理解してくれたはず。
 まぁ、注意する以上のことはできないので、君がこれから少しくらいはそれを気にかけてくれる、
 ってことを期待しかできないんだけど、ね」

実際に効果を発揮するかどうかはともかく、まぁ心の隅にでも置いといてくれればいいかな、と

「と、いうわけです。
 私よりももしかしたら年上なのかもしれないけど、
 自分や周りのことしか考えないうちはまだまだ、子供扱いしか出来ないかな。
 というわけで子供は早いところ目的とやらを果たして帰りましょう、ね?」

柊真白 >  
私は私の目と手が届く範囲を抱えるので精いっぱいだから。
何でもかんでもは掬い取れない。

(自分にだって余計な犠牲を出したくないと言う気持ちはあるけれど、それはそれ、だ。
 無鉄砲なお人好しにまで構ってはいられない。)

だけど、あなたの言うこともわかる。
一応気を付けておく。

(けれどここで彼女と言い争っても仕方ないだろう。
 自分のせいで無駄な犠牲が出るのは、やはり面白い気分ではないのだから。)

ところで本題。
――制御薬、知ってる?

伊都波 凛霞 >  
それでいい、人は在り方をそうは変えられないものだし
価値観となればそれの変化はもっと時間を要する
だから、心の片隅にだけ、言葉を置いておいてもらえばいいのだ

その返答に満足したようににっこりと微笑んで

「んー…それも守秘義務に該当するんだけど…、
 キミは何か、それについて知ってるの?それとも名前を知ってるだけ?」

柊真白 >  
あれのせいでただでさえゾンビだなんだと面倒なことになってる裏が更に面倒なことになってる。
仕事もし辛いし、得意先がいくつか消えた。

(制御薬などと呼ばれているが、あれはそんな便利なものではない。
 どちらかと言えば暴走薬の方が正しいだろうとすら思える。)

だから、調べてる。
個人的にもそうだし、そういう仕事も請けてる。

伊都波 凛霞 >  
「仕事って何してるの?」

ふむ、と一息

身のこなしも只者じゃなかったし、裏の人間かーと納得
そのことを平気で風紀委員に明かしてくる辺りは腕にも覚えがあるんだろう
逆に言えば、裏の人間でも尻尾が掴みきれないくらい、今回の騒動の根源は巧みに隠されているということ

「(裏の人間の行動は裏の人間なら予測できる、同じ世界に生きているから……じゃあ、今回の騒動は……?)」

落第街や、違反部活のような常世の島の裏の顔が起こした事件ではなく、表の人間が巧妙に仕掛けたモノ…?

柊真白 >  
暗殺者。

(風紀の前であっさりと。)

どうにもわからない。
お金が絡んでるようにも見えないし、利権って風でもない。

(稼ごうとか、地位とか名誉とかと言う感じもしない。
 薬を使って稼いだり利権を得ているものはいるだろうが、それは主犯ではない。
 強いて言うなら、)

――ただ面白がってるだけ。

伊都波 凛霞 >  
「そっか」

あっさりとしたその返答を受け止める
裏の世界で暗殺者をやっていて、それなりに仕事も請け負うのなら、
当然相応の力量、殺しの技だけでなく、情報収拾にも長けているはず
やっぱりどうにも事件の様相と巧妙さが噛み合わない気がする

「…風紀の方では売人の特定まで、が現状かな。
 そこから先が全然見えてこない。規模が広いから、そこそこ大掛かりに動いている筈なんだけど」

そもそも、落第街に工場あるならすぐに見つかる筈だ
地下に潜ってひっそりとやっているならわからないが、それにしては数が多く感じる

「…面白がってるだけ、かぁ……」

柊真白 >  
――ふうん。

(あっさりとした返事。
 今までにないタイプの彼女に、ちょっと興味が出てきた。)

こっちも似たような状況。
しかもここまで広がると、誰が誰から買ってるのかも分からない。
制御薬の流通ルートだけで裏の経済が回ってる感じすらする。

(根気よく辿っていけばどこかに行きつくのだろうけれど、その作業の切りがない。
 裏の人間も馬鹿ではないので出来る限りの偽装をしているし、辿って言ったら戻ってきた、なんてこともある。)

何か目的があるようでない、でも単純にただ面白いから、ってだけでばらまいているだけ。
意図がさっぱり見えない。

伊都波 凛霞 >  
「……? どうかしたの?」

妙な返しに、小首を傾げる
興味をもたれているなぞついぞ知らず

「目的を持ってクスリを撒きたい人間と、実際に面白いだけで撒いている人間がいる…かな」

犯人像が絞れない時は得てして二人以上いるものだ
もしくは、多重人格者タイプ……
しかしこれは困った、そうなると増々、主犯に辿り着くルートが見つけられるかどうか…

柊真白 >  
いや。
なんでもない。

(首を振って誤魔化しておく。)

目的がある人間に面白がってる人間が便乗してるか、面白がってる人間を目的がある人間が利用してるか。
もしくは、その両方。

(どちらにせよ面倒極まりない。
 お互いがお互いにただ乗りしているならまだしも、協力し合って動いていると尻尾を見せても捉え切れない公算が高い。
 単独で動くなら、なおさら。)

――二人いるとして。
あなたならどっちが追いやすい?

伊都波 凛霞 >  
「…キミ、ウソつくの得意じゃないでしょ」

あからさまだったのになんでもないわけがない
突っ込みたがらない人から見ればここで止めておくのだろうけど

「うーーーーん……。
 犯人像がもうちょっと見えてこないことにはね…。
 風紀委員は大勢いるし、みんなで追いかけるって体になるとしたら…
 逃げ場が限られてるほうになるんじゃないかな」

柊真白 >  
別に、面白いなって思っただけ。

(嘘を吐いているわけではないが、隠すつもりもなく。)

私は、目的がある方が追いかけやすい。
そっちの方がはっきりしてるし、目的が分かれば辿れる。
でも面白がってる人間は思考が読めない。

(とは言えそれは風紀も同じだろう、とは思う。
 人の思考を読むのが得意な人物は、生憎知り合いにはいない。
 自分もそこまで得意と言うわけではないし。)

伊都波 凛霞 >  
「面白い? そうかな」

何か面白いこといったっけー、と空を仰ぐ

「……まぁ、どのみち組織で動くことが前提だろうから、私個人でどうこうっていうのはきっとないよ」

柊真白 >  
うん。
面白い。

(友人にはいないタイプだ。)

そう。
――風紀だとなかなか裏に来れないんじゃない。
私がこっちで情報を集めておこうか。