2015/08/21 のログ
■久藤 嵯督 > 「そういう事だ。優劣と年月は、必ずしも比例しない。よく覚えておけ」
『ガガキィンッッ!!』
タ ガ
『限定』を二つ外せば自身の周囲にスパークが奔り、バチバチと音を立てる。
七感全てがよち研ぎ澄まされて、今では落雷ですら見切れるほどに。
「なら好きにやれ。ただし…手打ちの内容は考えて貰うがな」
―――充電。
生体電気を高めれば、全身が青白い光に包まれていく。
体のあちこちには蒼い罅割れのような筋が広がって、スパークがより激しさを増していく。
「生憎だがソイツはただの顔見知りで、ほぼ他人だ。
お前という存在が誰にとっても迷惑ってだけなんだろ。
身から出た錆ってヤツさ。諦めな」
仮面の男を挑発する。が、効果には期待しない。
ただ毒を吐きたい気分だったので、そうしたまで。
(標的が魔逆か……いや、本人に大した戦闘能力が無いとすれば、この布陣も妥当なトコか)
―――しかしそれも、流布堂の出血大サービスによってその行動を阻害出来そうだ。
『転移』に対する自動妨害。それは、発動した転移術に対してカウンターで起動。るもの
念を入れて二回分の魔力を詰め込んでおいたので、実際には二手封じられる。
自分の体から魔力が抜けた時が、発動の合図。そして相手は、手順を『たったの一度』で済ませてしまった。
抜けた魔力はたったの『一回分』つまり……
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■久藤 嵯督 > ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ア ン サ ー
《―――答え合わせ:必中。》
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■久藤 嵯督 >
開かれんとした小窓は、開かない。
魔術を最適化し過ぎてしまったが故の弊害。
仮面の男は優秀過ぎた。だから、”そう”なった。
もしも二度に分けて、転移術を使っていたのなら
もしもこれからの一撃すら、転移術で避けられてしまうのなら
それこそ、相手を捕まえる手段がゼロであるということ。
否、ここに在る可能性は、もはやゼロではない。
瞬間 刹那 雷鳴
稲妻の如く、否、稲妻そのものとなって仮面の男に肉薄。
その手の平には光の球体……落ちぬ『雷』が添えられている。
―――『雷』を押しつぶすかのような、掌打。
生死を分けるのはギリギリの電力が、男に迫る。
かわす術は、果たして―――
■リビドー > 「……ふむ。」
2vs2の戦闘。
狙いを定め機を伺う風紀委員の男と、仕掛けに走る女。
高いスペックを持つものの、比較的動きの分かりやすいリザードマンから潰す狙いか、などと思案する。
尤も、妙な輩も簡単にそれを通すつもりはないらしい。
脳内で今後の展開を予測する。
其れが当たるかどうかはまた別ではあるが、概ねの結末に予想が付――。
「お……。」
……何かしらのカウンターを仕込み、起爆させたらしい。
予想外の大技に、「上手く決めるものだ」、と一つ呟き、
「ふむ、んー……今のうちに、帰っておくとしよう。
良いモノを見れたから、十分だ。決着も気になる所だが……まぁ、良いか。」
煌めく稲光を背に、その場を立ち去った。
ご案内:「落第街大通り」からリビドーさんが去りました。
■流布堂 乱子 > 「風紀委員に悪評が立たないように、というのも……楽ではないですね」
ごろりと転がるさなか。警戒している相手が立ち去ったことに、安堵の息を漏らして。
…できうる限り早く、少女は立ち上がろうとする。
■白い仮面の男 > 「―――」
声はない、電撃による衝撃は強烈なもので肉を焼き
リザードマンに命令を下す暇もない
ズシャリと音を立てて男は崩れ落ちる
と、同時に
「実に素晴らしい一撃だ、青年」
建物の上、屋上から見下ろすようにパチパチと男は拍手を送る
黒く焦げ衣服は破れ肉が焦げ倒れたままの男と同じ恰好、仮面を着けた男は称賛を送る
「反撃も回避も間に合わないまさに神速
そして雷神の一撃と言える…
はぁ…君を少しだけ過小評価していたよ」
■流布堂 乱子 > 双撃を、男が防いだかと思えた一瞬、しかしその目論見は発動すること無く。
リザードマンへと攻撃が通り、男を庇わせないための仕掛けは十分に果たせたかと思っていたのだけれど。
「……その早さなら、必要だったかも怪しいですね」
なるほど、自分で言うほどに優秀なのは確かだったらしい。
くずおれる男、あとは嵯督が確保してこの事件は終了。
…そのはずだった。
「ッ!?……その物言いは……意識まで共有している、のですか…?」
クローンという単語が頭をよぎる。死体を残したままでは、蘇生などであるはずもない。
……有るものといえば、9mmオートが一つ、ポーチの裏のホルスターに収まっているばかり。
射程で言えば屋上まで届くかさえ怪しい。
たとえ届いたところで。
あの男の存在が知れぬうちは、攻撃に意味さえあるのかどうか。
■久藤 嵯督 > 肉体を纏うスパークが、徐々に収まっていく。
これ以上の展開は消耗が激しいので、タガを一段階だけ付け直したのだ。
立ち上がろうとする流布堂に、手を差し出して。
「……ほら、さっさと立てよ。これからまた事後処理とかで忙しくなるんだ。
さっさと帰らなきゃ、"ニセモノ"のお前まで取り調べ―――」
直後、声のした方を見上げてみれば
そこには倒した筈の男が手を叩き鳴らしているではないか。
(……全く、戦い甲斐のないヤツだ)
生きるも死ぬも、目の前の男はベットしていなかったと言うのだ。
これがつまらなくして何と言う? 物理的には不死身ともなれば、これはいよいよオカルト専門家の出番か。
「そりゃ少しなんてもんじゃないな」
しかしここで弱音を吐くような『久藤嵯督』ではない。
曇った黒瞳で相手を見上げながらも、光無き闇の中でもしっかりと意思を持って
「―――『今』より俺は、もっと強い。
もう一度、いや、未来永劫認識を改め続けな……仮面野郎《マスクマン》」
機化されたリザードマンは電撃でどうにでもなる。これは相性の問題だ。
しかしカートリッジの残りは三つ。それ以上の回数転移を繰り返されれば、簡単に逃げられてしまう。
それどころか装填するヒマさえ許されないだろう。
つまり、今はここまでと言う事か。
無論、相手が向かってくるならば何度でも焼き殺すなり何なりしてやるが。
■白い仮面の男 > 「意識の共有…と言うよりもバックアップと言った所か」
顎に手を当てて首をかしげる
「そこの青年の初撃、あそこのタイミングで彼に代わっていてもらっただけだよ」
最初に嵯督が男に向けて発砲しそれを躱したタイミング
そこからは全て影武者が動いただけの事
「だが恥ずかしながら、彼のあの一撃には反応できなくてね…それに窓が作動しなかったのも気がかりだ」
トン、トン、トン…仮面のこめかみを指先で叩く
「だがそれはともかく、あんな物を見せられては私は戦闘は続けられない。
恐怖で足が竦んでしまうよ」
リザードマンは爆発により頭部に甚大なダメージを折って動けない
筈が蜥蜴の様に壁を這いあがり逃げていく、らしくない機械的な動き。奇妙と言わざるを得ない動きで
「ではお二人共、御機嫌よう
今度は…収容施設で会うかもしれないね」
踵を返し撤退する
戦う理由もなく勝機も薄い、だが新たな情報は得た
転がる男の偽物を調べれば頭部が完全に機械化された元二級学生と調べがつくだろう
ご案内:「落第街大通り」から白い仮面の男さんが去りました。
■流布堂 乱子 > 「バックアップに代わってもらう…ですか。
バックアップを通して魔術を発動していた、それとも発動しているように見せていた…?」
去る男を負う術はない。手を借りて立ち上がるような今の自分には。
「……すみません、助かります。先輩」
もはやただの杖に戻ったそれを左手で突くとゆっくりと立ち上がり、
頭を軽く振ってから"バックアップ"と称された男を見た。
……この手を食らうのは、二度目か。
「もはやこうなってくると、あの男でさえ本物なのか、
護衛のトカゲと同じような存在ではないのかとさえ疑えてきますね」
どちらが正解にせよ、今夜のような戦闘では捕縛の目は薄いことは確かだった。
「それに、あのトカゲを見捨てていったならまだしも。
ああやって連れて帰られると、どうしてあの鏃の効果をただの探知魔術にしておかなかったのか後悔が募ります。」
爆発によって鱗を埋め込み、それを赤龍としての本能で探知するための特別な鏃だったが、
龍としての力の失せた自分にはまるで反応を追うことは出来ない。
「……直接捕縛よりは、方法を改めたほうが良いのでしょうね」
今晩得た情報からの結論はそんなところ。
後は、忠告に従って自分もこの落第街から引き上げるだけだった。
■久藤 嵯督 > 稲妻の掌撃。
その手応えは、間違いなく生身のものであった。
しかし頭部に関してはそうでは無かったようで、焼けた皮膚の合間から機械の部分が見え隠れしている。
ではその下の人間の部分はどこから取ってきたのかという話になってくるのであるが……
「……………………」
「クズめ」
吐き捨てるように、なおかつ大きくない声で。
戦闘狂の自分が言えた事ではないが、自分のものでない命を否応なく使う人間を見てると虫唾が走る。
ヤツは『戦い』を、『覚悟』を汚している。
だからアレを相手に楽しむのはやめだ。
"風紀委員"として、尚且つ"久藤嵯督"として仮面の男の所業は決して許すまい。
「……いや、お前はよくやってくれた。
相手の手の内を一つ明かせただけでも、今は上出来としておく」
珍しく、本心を曝け出したような気がする。
『戦』に値しない相手だとわかっただけでも、自分にとっては大きいのだ。
自らの不幸は大いに嗤うが、誰かの不幸まで嘲えるほど落ちぶれちゃいない。
「後悔先に立たず、改めるべき時はもう過ぎ去った。
悔やまれるのであれば次へ活かせ。それらの積み重ねが、人を強くする」
もとより、それ以上に出来る事など何も無い。
後悔を繰り返さぬためには、それに打ち克つべく強く在らねばならないのだ。
まだまだ悔やむべき点は多く在る。
もっと上へ、強くならねば。
「だろうな。肉体ではなく、『バックアップ』を、『意識』そのもの封じられる……
魔術、あるいは科学の力が求められるかもしれん」
流布堂の結論には概ね同意見といった所だ。
この後は事後処理と、死体の身元確認。そして報告が嵯督を待っていることだろう。
ご案内:「落第街大通り」から久藤 嵯督さんが去りました。
■流布堂 乱子 > ……根本的なところで。結局は顔見知りの他人で。
あの仮面の男については、別々の理由から追っているにすぎないと。
自分の中の"バックアップ"に対する感情が苛立ち以外に無いことを認識しながら、
乱子は嵯督の言葉に頷いた。
「……そう、ですね。
こちらの攻撃が通じなかったことと、状況の良し悪しとは分けて考えます。
相手の目論見を外し、こちらに被害は出ておらず、情報は手に入りました。
悪いことではないですね」
器用ではない励まし方の青年を、見つめてから。
ああ、きっとこの青年はまだまだ成長できるのだろうな、と。そう思いながら―
「生憎、私なんかが努力と研鑽で敵う相手にも見えませんし、先輩を越えるのも大変そうですから。」
「……収容施設、と言っていましたね。そちら側を、あたってみようと思います」
踵を返して。
次に"たまたま"出会ってしまう時まで。一時の別れを告げて、少女も歩き出した。
ご案内:「落第街大通り」から流布堂 乱子さんが去りました。