2016/06/17 のログ
ご案内:「落第街大通り」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
 コンテナみたいなダストボックスの中で目を覚ます。
 いつものように掃き溜めの街をうろついていて、いつものように絡まれたような記憶がある。
 どうにも当たり前にしか思えないから、特に思い返すようなものでもない。きっと価値のないものだ。
 思い返せないのかもしれないけれど。知らない。

「……こんな所をうろつくな、って言う話なのかもしれないけれど。」

 小さく首を振る。
 今となっては理由が出来いるから余計にできない。
 最初のころは、こっちの方が慣れているからって理由に嘘にならない程度の誤魔化しを乗っけていたけれど。

 ひょっこりと、ダストボックスから顔を出した。
 今の所、いつも通りの掃き溜めだ。
 
 
 

水月エニィ >  頭痛の止まぬ頭を抑える。
 数度の呼吸で頭痛を塞き止める。

「あの炉は認めたくない。けれど、打てる手もない、か。
 ……朔の事もぼちぼち考えないといけないわね。」

 一呼吸して調子を戻して、ゴミ箱の上に乗る。 
 ふと、すん、と、自分の身体を嗅いでみた。

(におう……。)

 漂う臭いに不快を覚えた。
 思えば、昔はこんなことを気にする事もなかった気がする。
 

水月エニィ >  
 まぁいい、今考えるべきはこれからの行動指針だ。
 淀んだ空気は思考をひりつかせる。
 プランニングの時ぐらいはちゃんと考える。
 偽りの善意を本当にしようと、騙されながら足掻く事だってしない。
 隙で武装して甘さにつけこむようなこともしない。
 徹底して身体を冷やして気を張って考える。
 この世は善意で回されていない。
 

「……と言っても、地道に探るしかないのよね。
 結局、アレがある以上の手掛かりはない。
 朔にしたって、ここからどうやって背中を押そうかしら。」
 
 腕を組みながら考える。
 蛇の道は蛇。こっちで繋げられるようなコネクションや情報の方が良い。

「だけれど、どうにも手詰まりね。
 私がこんななのもあるけれど、中々見つからない。
 あのフードの彼は資格が無いって言ってたっけ。」

 裏のさわりから一歩か二歩踏み込んだようならば飽きる程手に入るものの、
 そこから突っ込んだ情報はどうにも得られない。
 味方ではないコネクションにしたって中々繋げられない。

「ってのは、望みすぎなのかもしれないけれど。
 少なくとも昔に比べたら順調でしょうし……」

水月エニィ >  
「……まぁ、少し歩きましょうか。
 もうちょっと箸休めよ。」

 気分転換も兼ねて歩く事にする。
 上着はどっかに行ってしまった。何処かに落ちていればいいのだが――

(……相変わらずね、本当。)

 路を歩き、地獄に住まう落第街の住人を横目に歩く。
 特筆すべきものは、今の所ない。
 

水月エニィ >  
「……。」

 ゆっくりと、路を歩く。
 

ご案内:「落第街大通り」にナナミさんが現れました。
ナナミ > 落第街を訪れるのはずいぶん久しぶりだった。
一応日課のランニングコースには含まれているのだが、
それはもっぱら屋根の上、行き交う住人達の頭上を飛び越えていくので、こうして下道を往くのは本当に久しぶりだった。

(キナ臭いったらねーな、ホント。)

割と近所に住んでいるとはいえ、地区の境を越えただけで全く異質の空気が流れている様に思う。

(とはいえ、あんまり目立ったことする輩も減ったか──)

顔を隠す様に被ったフードの奥から、注意深く辺りを見回して。
……ふと、見覚えのある姿を見つけた。

水月エニィ >  装いとは裏腹に、当たり前のように歩く少女が一人。
 時折ちょことちょこと周囲を探りながら歩いたと思えば、
 浮浪者の類がブルーシートに広げている賞品と思わしきそれをのぞき込んだりもしている。
 
 ちょっと、上着のブレザーがなかったりするけれど。
 
「んー……」