2016/07/09 のログ
ご案内:「落第街大通り」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
「追って――きてはいないわね。」
 
 歓楽街と落第街を分ける境目より 落第街に寄った大通り。
 落第街の果てに繋がる路を見渡し、何かを確かめれば安堵を見せた。

「上手く逃げ切れたのかしら。
 ……すんなりと行くとそれはそれで不安になるわね。」
  

ご案内:「落第街大通り」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > 「――んー。」

なんぞ倒せとか無理難題振られたので一応。
まぁ、止めるくらいの義理はある気がしなくもない、そんなわけで落第街。なのだが。

見たところ平和なものだし、などと、カツアゲ現場横目にほっつき歩いていれば。

「おや。」

見たことのある顔が歩いている。

水月エニィ >  
 視線を感じる。

「――っ」

 もしや追っ手か。
 そう判断して振り向けば――

「蕎麦屋さん……だった、かしら?」

 ざっくりとラフな装いに、白抜きのSOBANの文字。
 KOBANをもじったものだろうか。
 恐らくは"変T"の類なのだろうが――

蕎麦屋 > 「はい、毎度。いつぞやお送りした方でしたか。」

一度来た客の顔は、大体覚えていたりする。職業柄。

「あまり此方に来るのは感心致しませんけれど。何か御用です?」

首を傾げてみせる。
落第街に似つかわしくないラフな格好、豪く気楽な様子である。
あ、これ蕎麦Tです、いいでしょうなどと。視線に気が付けばのたまうわけだが。

水月エニィ >  小さく首を振り、肩を竦める。

「御用はあるけれど手詰まりね。
 手札と情報集めね。それと――」

 そこまで喋った後、どうにも言い淀んだ素振りを見せるか。
 

蕎麦屋 > 「はいはい、なんです?
 おねーさんに相談しづらい事ですか?
 いや、重い話とかいきなりされても困りますけどねー。

 なんか長くなりそうな気がしますし。」

ちょいちょい、と通りの隅を示して、そちらへ。
何処からともなく取り出したのは折り畳み式の椅子。アウトドアに便利なそれを二つ。

片方にさっさと座ってしまった。

水月エニィ >  
「確かに 二度目に話すものでもないわね。」

 誘われれば素直に応じ、座りこそはする。
 とは言え、言葉そのものを受ければ淀んでいたものを伏せてしまうか。

「蕎麦屋は廃業したの?」
 

蕎麦屋 > 「はい?四六時中やってるわけでもないですし?
 それはもう、オフの時だってございますよ?」

いやもう人を蕎麦の虫みたいに。否定しませんけれど。
脚組みながら、さて、この子は一体何を思ってこんなところに足繁く通うのか。

「――落第街ほっつくなんて人探しかモノ探しくらいかと思うのですけどね?
 実際何してるんです?前にも言いましたけれど、一人でほっついていい場所でもないですから。」

あ、飲みます?と言った感じに缶の緑茶など渡しつつ。

水月エニィ >  
 ――落第街ほっつくなんて人探しかモノ探しくらい。
 言葉からはそれらを軽んじるものを覚えたのだろう。
 眉を顰め、口を尖らせる。

「――人とモノ、それと情報は補充するに越したことはないじゃない。
 どれだけ集めても足りないものだもの。一人でやるにも、誰かに頼るにも、それらは必要よ。
 弱者には足りないの。」

 苛立たしげな言葉には呪いめいた言霊が宿ったのだろう。
 軽い恨み言程度故に、微々たるものだが――その辺の悪霊を無造作に引き寄せ、周囲の気温を僅かに下げた。

 ともあれそこで一度言葉を区切り、お茶を受け取って、飲む。
 それなりに美味しかったのか、ほっとした呼吸を吐き出した。
 

蕎麦屋 > 「そもそも必要な状況になってることを危惧するのですけれど。
 単なる老婆心ですけれどね。」

もう一本取りだして、ずずー。はー、おいしい。
気温が下がった原因も見えちゃいるけれど、それはあんまり気にした様子でもない。

「で、実際のところどうなのでしょう?
 必要な情報なら融通できない事もないですけど。」

水月エニィ > 「なら、常に危惧しなきゃいけないわね。
 何もなくたってやってくるし、そうでなくても問題はあるもの。」

 溜息一つと共にお茶を飲む。
 ……恨み言を言うたびに気温が下がり、お茶を飲むたびに気温が上がっている。
 お茶は強い――もとい、感情に左右されるような、吐き出される呪いを意識する素振りはない。

 本題を切り出されれば。

「――まぁ、いいわ。
 一つはこの落第街の地下に妙なものがあるのだけど……覚えはある?
 いわゆる"人の魂"的なあれそれを材料にして動く動力炉。問題は規模が大きすぎて手出しができないことね。
 あんなもの、認めたくないわ。」
 
 苛立たしげに、そして諦め交じりに吐き捨てる。
 ……霊を認識する割りには、自分の言動に付随するものを意識するような素振りはない。

蕎麦屋 > 「人の魂を糧に動く妙なモノ?
 ……さぁ?最近減ってるな、とは思ってましたけれど。

 そんな妙なものがあるって初耳ですけれど。へぇ――」

下ったり上がったり、忙しい気温であるが、つつけば何やら面倒くさそうな予感、横において、

「なんです?
 壊すだけでしたら今からでもちょっと行きます?

 壊したら壊したで面倒くさそうな感じがしますけれど。」

水月エニィ > 「世紀末は勘弁ね。
 だから手を出せないのもあるけれど……」

「まぁ、それは置いておきましょうか。
 どのみちそれが無くたって、手札が無いと不安だもの。
 負け犬には負けに備えるだけの手札が必要なのよ。」

 簡易イスに凭れかかり、疲れた様子で天を仰ぐ。
 

蕎麦屋 > 「面白そうではありそうですけれどね?

 そんな物騒なモノ、さっさと公的権力に任せればよいかと。」

個人の――それに子供の手に負えるものではないだろうに。
ずずー……ああ、おいしい。

水月エニィ > 「動けばいいんだけれど。
 まぁ、話位は言っているでしょう。」

 当然それだけが動く理由ではないし、既に話しは行っているだろう。
 話題が途切れれば、静寂が産まれるか。
 
 

蕎麦屋 > 「動くのではないのです?
 この辺りうろついてる愉快犯にも動いているでしょうし。」

ずずー。いつの間にやら二本目である。
さて、話すネタもあんまりないのだが――

「そういえば、この間は居ませんでしたけど。
 亡霊使いか何かの方です?さっきからこの辺り凄い事になってますけれど。」

右を見ても左を見ても。
心臓の弱い方はご視聴をご遠慮ください、な感じである。見えれば。

水月エニィ > 「今に至るまで解決していない。
 ……それが動かぬ証拠ね。」

 もうそれなりに前の話だ。
 霊について、言及されれば――

「――水月エニィは鏡花ハルナではないから、亡霊使いではないわね。
 だから制御も出来ないし、害もないから視ない風にしているわ。
 私だって、害を与えられないもの。」

 お茶を飲み切りつつ、大きく溜息を吐き出す。 
 要するに、見ないフリをしているらしい。
 

蕎麦屋 > 「はー……。
 まぁ、余り個人でかかわっていい話ではなさそうですけれどね。」

言った所で関わりそうな子ではあるが。
なんというか、変なところで頑固そうな。
この話はこれで終わりだろうか。

「害がない、これが。
 中々図太い神経してらっしゃるというか――」

見ただけでも、引き連れてるだけで害がありそうですが。
そんな風に首を傾げて見せた。

水月エニィ >  
「強者の前に立ちはだかって呪うには力が無いから無力だし、
 弱者の背中を押すにしても、力が無いから無力じゃない。
 故に無害よ。だからって炉の燃料にされて良い筈もないけれど。」

 平然と言ってのける。
 弱きものと認識し、悪いものと認識していないのだろう。
 今の所と但し書きはつけ度、水月エニィの前で狼藉を働いた事はないのだろう。
 先に挙げた話題に猛りを見せたのも、この辺りの観念に付随するのかもしれない。
 
「……と言っても、そんな事も言っていられないかしら。
 鏡花ハルナみたいな真似はしたくないのだけど……。」

蕎麦屋 > 「――ああ、成程。
 そういうことならいいのですかね?
 その状態を良しとするのはあまり感心できませんが。」

寄ってくる、というよりは引き連れている、の方が正しそうではある。ようだ。
相変わらずこの島はわけのわからない人間が非常に多い――

「何をするかは知りませんけれど。
 ほどほどに、身を滅ぼさない程度をお勧めいたしておきましょう」

先ほどから話の出るハルナ、とやらは分らぬが。
因縁浅からぬ間柄なのだろう、くらいの推測は付いた。
そのうえで何をするのかはさっぱりわからないのだが。

水月エニィ >  
「思う所はあるけれど……肝に銘じておくわ。
 此処に至るまではずっと独りで戦ってきたけれど、
 今はそうじゃないのは、流石に認めなきゃいけないもの。
 とても落ち着かないけれど……。」

 ぐったり、と、前に身体を倒そうとする。
 テーブルはない事を思い出せば、身体を戻した。

「とは言えそれでも、ほどほどにした所で救いが来る話でもないのもの。
 ……こういうのはアンビバレンス って言うのだったかしら。少し違う気もするけれど。」

蕎麦屋 > 「頼れる相手の一人や二人は居るでしょう?
 落ち着かないなりに、頼るのが良いでしょう、と。

 さぁ、私は貴方と相手の関係も知りませんからねぇ――」

二律背反、かどうかは分りかねる、という所。

「まぁ、その、なんでしたか。
 炉の方は私も一度見に行ってみましょうか、はてさて……」

探すか、見に行くか。

水月エニィ >  
「微妙な所ね。
 気に掛けてくれる、可愛い子犬は要るのだけれど――」

 無自覚に”それ”を吐露しつつも炉へ言及されれば、一度打ち切る。

「――行くなら地図は渡しましょう。
 魔物の類もうろついているから、気を付けて。」

 手早く手帳を取り出し、逸脱めいた速記によってメモと地図を書き写す。
 そんな具合にさっくり仕上げればそれを手渡すか。
 
 

蕎麦屋 > 「いるなら、無茶させない程度に頼るといいかと思いますけどね?」

そしてあまり深入りはしない方がよさそうですけれど。
そこは個人の問題。

「おや、有り難うございます?
 お気遣いだけはありがたく頂いておきますけれど――あ、そうですね。」

代わりに、と言った様子でメモの切れ端を渡し返す。
出前なら歓迎です、と渡したそれには、電話番号。

「そういうわけで、ちょっと行ってきましょうか。見ておいた方がよさそうですし」

よいしょ、と立ち上がる。

水月エニィ > 「頼るって言うより、頼られ……てもないわね。
 ……ややっこしい話しを抜きにすれば、頼られたいけれど。」

 "頼られたい。"
 意識せずに、本心を零した。

「……ダイヤルQ2ではないわよね。
 貴方の電話番号ならば、有難く受け取っておきましょう。」

 立ち上がり、紙を交換の後椅子を畳んで返す。
 靴は揃えるし、使ったものは畳んで返す。そういうことが出来る子です。
 

蕎麦屋 > 「おや、いいじゃないですか?
 ならそういう関係をうまく続けていけば――と。

 いや、蕎麦屋の出前受付番号ですけれど。」

流石にこの状況でQ2渡す奴はいないと思う。
思いたい。いやでも此処だと居るかもしれない。

「あ、それはお近づきのしるしということで差し上げましょう。
 携帯に便利ですよ?かさばりますけど。

 そういうわけで、私はこれで。えー……」

渡されたメモを確認すれば、適当にそっち方向へと。
後には椅子が二つ――貰ってどうするというのか。

水月エニィ > 「安心したわ。」

 スマートフォンを取り出し、メモの番号を操作。
 SMSめいた通信で電話番号とメールアドレスを送り付けます。

「安くはないでしょうに。いいのかしら?
 ……ああそれと、登録するついでに名前を聞いておきましょう。
 私は水月エニィ。貴方は?」
 

蕎麦屋 > 「ああ、しがない蕎麦屋です。
 蕎麦屋で結構、それ以上でもそれ以下でもございませんので。」

聞こえたのだろう。
ひらひらと手を振りながら、去っていく――

ご案内:「落第街大通り」から蕎麦屋さんが去りました。
水月エニィ >  
「……そう。」

 ちょっとだけ寂しそうにしてみせて、名前を入力。
 そしてそのまま、去りました。

ご案内:「落第街大通り」から水月エニィさんが去りました。