2016/08/09 のログ
■蒼穹 > 「えぇー…じゃあ私破壊神やめてこれから人になるね…。」
襲われていると言うのに適当な屁理屈捏ねながらまた数歩後ずさった。
「おっと危ない。」
刀を抜かれるのを見れば、それから動いた。
なんて言いながら繰り広げる、ダイナミックに衝撃波を巻き起こす横っ飛び。
明らかに人間に不可能な速度と、明らかに人間に無理な動き。
一瞬にして多数の加速や風の魔法、そして何かを壊す魔法が動いたのだ。
そうでなくとも、破壊神を名乗るだけの力量。
真っ青な風に成り変われば、踏み込みからの居合斬りを膂力と魔力で大袈裟に斜め後ろへ飛び退き避ける。
「うーん、いや、その理屈はおかしい。
第一私が人でないならに血液がある保証はないっ。
第二に、血があったとしても私は見ず知らずの暴力者に血を分けてやる程優しくない。
第三に私は風紀委員、喧嘩を売ったらただじゃすまないよ?
第四に私は破壊神!あーん…思い浮かばない。」
ぴっぴっぴっと指を一本一本立てながら宥める。
「兎も角っ!」
向き直る。
「吸血鬼か何かか知らないけど、喧嘩売る相手は選ぼうよ。ねっ?」
彼女は自堕落系風紀委員である。
わざわざ犯罪者と戦うとか、よもや吹っ掛けられた喧嘩に応じるとか、
そういうのはあんまり嬉しくない様だが。
多分この相手は聞き入れてくれないんだろうなーそうなんだろうなーとうすうす予感はしていた。
■影打 鈍 > (暴力的な音と衝撃と共に視界から彼女の姿が消えた。
それでもしっかり姿は捉えているようで、離れた間合いへ逃れた彼女へ顔を向ける。)
血液ではなくとも、体液ならば何でも良い。
では頼めば分けてくれるのか。
風紀委員、なんだそれは。
破壊神、人でないのだろう、ならば約束を違えた事にはならん。
(律儀にそれら全てに答えながら、間合いを詰める。
ゆらりゆらりと左右に振れる動きは酔っ払っているとか薬を決めているとかではない。
そう言う歩法。
タイミングと間合いを掴ませにくい。)
選んだ結果が汝だ。
(そして刀を右から左へ。
同時に左からも挟み込むように魔力の刃が襲い掛かり、頭上からと背後からも同じように。)
■蒼穹 > 「頼んだら…おう考えてやるよっ。」
凄い上から目線での物言い。
「風紀委員っつったら…なんていうかねえ、まああれだ…畜舎の管理人、が一番分かりやすいかな?
ってかキミ異邦人だろうねえ…こんなことするなんて。
ところがどっこい、破壊神であることと人である事は二律背反じゃあないのさ。
ああ、全く話が通じないもんだねぇ…困るよ。」
更に後ろへ。
彼女の間合いの詰め方やミスディレクション的な歩き方はといえば、
もうこの学園で見るのは三度目であった。
一人は護国安泰を祈る忍者、もう一人は復讐を誓った剣士。
さてその動きはといえば、剣士のそれに近いのだろう。
ちなみに蒼穹はゆっくり後退している。
トンズラする気満々である。
が、魔力の動きから何らかの術で囲まれると、そう感じた。
「あー…しつこいね。第五術式『滅爆』。」
横切りに切りかかられるその前、指ぱっちん。単純で凶悪。そんな術式が1つだけ組まれる。
直後、魔力が感じ取れるなら、空気が、雰囲気が冷え切る、ように感じるかもしれない。
或いは、魔力が感じ取れずとも直感的に死を予測させるか。何かしらの悪くて大きな動き。
もしくは、全く何もないかもしれない。
いずれにせよ、異様な負だけの力を束ねて発散寸前のどす黒い魔力が急速に蒼穹の足元に円形に集まる。
軈て音より早く、音もなく行使者を中心に自爆するように球面波紋を描いて爆ぜるだろう。
破壊の魔法。種も仕掛けも原理も法則もありゃしない、過程をすっ飛ばして行使者本人を除くほぼあらゆるものを壊す魔法、
爆炎は4つの魔法の刃を飲み込んで、さっきの桃みたいに影も形もなく消してしまう。
足元のコンクリートの地面も軽々と抉って半球型の穴が開き、荒れ地を肌蹴させる。
うかうかそのまま切りかかってこれば、弾けとんだ爆炎が彼女にも破壊するという害を及ぼすかもしれない。
■影打 鈍 > 考える、では困る。
こちらも切羽詰って――
(そこまで言って言葉に詰まる。
異界の空気と言うか、常識・物理法則の通用しない感覚。
それを感じつつも一切気にせず切りかかる。
直後、爆炎が見えた。
目を見開き、炎がこちらへ到達する直前、咄嗟に刀を上空へ投げ上げた。
そのまま魔力の刃ごとその身体は爆炎に飲まれ、跡形も無く消える。
落ちてきた刀が地面にざっくりとささり、)
――破壊神の名は伊達ではない、か。
(その刀を地面から抜く。
最初からそこに居たような自然さで。
間違いなく爆炎に飲まれて消えた身体がしっかりと残っている。)
ところで気になる事を言っていたな。
破壊神であり、人でもあると。
■蒼穹 > 「…うへぁ、話聞かない上不死身ってやつかぁ。益々面倒になってきたよ。もう転移しても、良いかな?」
相手にする気はないんだってあれ程いってるんだけども。
げんなりした、とばかりの表情で変な声を漏らした。
ただでさえ絡まれるのが面倒なのに壊しても蘇ってくるヤツなら尚更面倒だ。
こういう奴は相手にしたくないのの筆頭だが、
そこにいるからには、何らかの形で蘇ったのか、それとも本体が別にあるのか。
…あの剣だろうか?
少なくとも、人間の身体を消したらそこから消えて何処かへ行く事は見えた。
考えてもどうってことないし、考えるだけ無駄だと思うので更にさらに後退を続ける。
丸っこく空いた地面の穴を軽快に飛び越えて後ろへ後ろへ。
「破壊神ってのも楽じゃないのよ。
ああ、見ての通り人間っしょ?そう言う事。」
両手両腕を広げて自身を遠巻きから見せる。
破壊神は人の身を得た、とでもいうべきか。見た目は人間のそれと一切かわるまい。
そして、もう一度強烈な跳躍をして遠ざかれば、背を向けて歩き出す。
「そこで止まりな。キミの事情なんざ知ったことじゃないんだ。」
静止を呼びかける。
このまま走って知らん顔しても良いんだが。
結局のところこの破壊神、妙なところで甘いのは変わらない。
襲われたくせして放っておくのも気が引ける。
「ま、物の頼み方くらいは分かるでしょ。頼まれても血を寄越せなんて私は嫌だけどさ。
斬って寄越せと強盗するより、土下座して懇願する方が気分も良いもんじゃない?惨めだけど。
誰と約束したんだか知らないけどさー、人間襲う方がよっぽど効率良いって。
それにこの辺の人間は大概ろくでもない奴だし。私は違うけど。」
切羽詰まっていて、血が欲しいと言えば、やっぱり吸血鬼が飢えていると言う事くらいしか思い当たらない。
その上不死身だったし。吸血鬼のポイントが着実に抑えられている。
くるんくるんと人差し指を回せば偉そうに言葉を垂れながら歩いて行く。
本人としてはアドバイスのつもりらしい。
■影打 鈍 > 不死身ではない。
殺されれば死ぬ。
(とは言えまともな手段ではそうそう死なない。
物理的な手段ではたとえ惑星に挟まれても壊れないだろうし、魔法の類だって今のような反則染みたものでなければまず通じない。
今の明らかに人智を超えた、まさに破壊神と呼べるようなものでなければ。)
そうか、人でもあるのか。
――わかった、止まろう。
(彼女が人であるなら襲えない。
それに止まれと言われたのであれば止まろう。
刀を鞘に納めて彼女を見る。)
それは確かに言う通りなのだが、私は刀だ。
斬るための道具だ。
ならばこそ斬る以外にないだろう。
――では、それらしい者を斬ることにしよう。
助言、感謝する。
(彼女の言葉に頭を下げて礼を言う。
確かに話は通じない。
人と刀だ。
通じるわけがないが、口から出るのは人の言葉だ。
ならば、会話は出来る。)
■蒼穹 > 「殺されれば死ぬなら殺されなきゃ死なないって事だ。
そしてそれが殺せないなら、不死身であるのと変わらない…って思うんだけどな。」
横向きの目をやる。
やれやれと息を吐き出せば、つまりは不死身と変わりがないと言う事だと言外に察した。
破壊神という種族柄、そういう奇っ怪な生命体は、自分含め身内に多いのだ。
「そ。
何を持って人とするかなんて分かんないよ、このご時世さ。
だから人と言ったものが人なんだよ。それじゃあ誰も斬れなくなるかな?」
幾歩分もの距離を開けて、遠目からふと哲学的な事を問い掛ける。
「…分かってんだか分かってないんだか。その口は何のためについてるんだかね。
キミも、その身体を持っていれば刀を名乗る人みたいなもんだと思うけど。
ちゃんとお礼も言えるんだしさ。そっちの刀は確かに斬るための道具だけど、キミの身体はじゃあなんなのさ。」
何も礼節を知らないわけではない様だ。
単に常識と言う物が抜け落ちてるだけで。
ふと鞘へと指を向ければ首をかしげる。
「不死身だから大丈夫だろうけど、まっ、帰路には気をつけな。
ああ、そうそう…こういう風紀って書かれた腕章付けてる奴は襲わない方が良いよ~?」
ついでに、自分と身内への保安もしっかりと。
特に呼び止められなければ、「じゃあね。」そう言い残し、大通りを真っ直ぐ歩いてどこへやら、消えていくだろう。
■影打 鈍 > 死なないのではなく、死ににくいだけだ。
汝の先の魔法なら死ぬだろうからな。
消滅――いや、破壊か。
破壊神と名乗るぐらいだ、その程度は当然と言うことだろう。
(刀である自身が何かを斬れるように。
破壊神と名乗るからには破壊に特化しているのが普通だろう。)
とは言っても獣は獣だ。
人にはなれまい。
(言われたとおり距離は詰めず、視線だけを彼女に。
少なくとも人の形をしておらず、人の言葉を喋らず、人の魂を持たぬものは人ではない。)
とは言われてもな。
私を作るのに使われた魂は大半が人だ。
この形になるのも仕方ないだろう。
この身体は刀を運ぶためのものだ。
この刀だけでは移動も出来ん。
(だからと言って、人の形をして人の言葉を喋り人の魂を持つからと言って人であるというわけではない。
自身はあくまで刀だ。
一時とは言えどもそこは曲げられない。
曲げる事が出来ない。
人の思考を持たぬ故に。)
わかった、気をつけよう。
風紀委員、と言ったな。
確かに自警組織は敵に回さんほうがいい。
それもわかった、しばらくは犬や猫の血を啜って生きるとしよう。
(その言葉にも従い、答えて。
カランコロンと高下駄の音を鳴らしながら、小動物の姿を求めて路地裏へ――)
ご案内:「落第街大通り」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から影打 鈍さんが去りました。