2017/05/22 のログ
イチゴウ > 「・・・まあいい。この値段で妥協するよ。」

四足ロボットがそう言うと彼の身体から
ピピッと電子音が鳴る。最近は落第街ですら
電子マネーで買い物できるのだから
非常に便利な世の中になったものだ。

店主が商品を持ってくるために店の奥に行くと
四足ロボットは辺りを適当に見回して暇をつぶす。
そうしている中で

「・・・」

さっき自分を意図的に避けたヤツがいるな。

四足ロボットは路地をまっすぐ見つめながら
そんな事を思っていた。
気配を殺されていたため姿は全くわからなかったが
非常にすばしっこいヤツなのは確かだ。

まあ、そもそもこの辺の生徒ならば
警備ロボットの自分を避ける事など
そんなに珍しい話でもないが。

イチゴウ > しばらくしてまいどあり、という言葉と共に
イチゴウの背中へとゴツイ弾薬箱が載せられれば
そのまま雑貨屋を出て通り沿いに
まっすぐ歩いていく。

「これからは弾薬代でかつかつだな・・・」

つい最近暗殺者に関する風紀委員会の案件が
証拠不十分過ぎて無期限凍結したため
主任務がいつもの報酬のショボいパトロールに
戻ったから金欠もいい所である。

そんな事実に愚痴を抱きながら
四足ロボットは落第街を後にするのであった。

ご案内:「落第街大通り」からイチゴウさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > ”あっち”なら兎も角こちらの姿で落第街に出向く事は基本的に無い。…無いのだが、まぁ偶にはいいだろう。
少しくらい刺激的な場所にも出向かなければいけないし、”勘”も鈍ってしまう。

(…とはいえ、仮面さんじゃなくて俺がここ出歩くのもなーんか妙な感じだよなぁ)

同一人物ではあるが、体格だけでなく思考にも差異があるならば、その感想も必然だ。
周囲を物珍しそうに見渡しつつ、往来を歩いて思うのは…まぁ、普通に武装?してる輩も多いという事実。素人から見ても「アレ違法だろ」という店も幾つか見える。

「…面白そーだけど、”俺”の時はあんまし来たくねぇなぁ。美人さんとかが多いなら別だけども」

真淨在処 > そもそも、彼が裏側で自分が表側。ここらは一応裏側であるあっちの領分だ。
繰り返すが、美人さんが多いなら兎も角、それ以外では好奇心は刺激されるが進んで訪れたい場所、とは言い難い。

(だって、ぜってぇ変なのに絡まれたりすんじゃん。絡むならやっぱ美女がいいよなぁ)

うへへーと、笑いながら大通りをブラリと歩いていたが、何か肩がぶつかった気がする。
うん?とそちらを見る…いや、見上げた。何かこう、3メートルくらいの身長のあるオーガっぽいマッチョさんがこちらを見下ろしていた。
…もとい、睨んでいた。あちゃーこれは因縁付けられますわ…と、乾いた笑顔で思う。

真淨在処 > さて、睨んでくるだけでなく、何かめっちゃ捲くし立ててくるがどうしようか。

(んー…落第街とはいえ、ここで変に目立つのはアレだしなぁ。学園生活に影響あったらどーすんのよ?って話だし。
何より、相手が美女どころかゴツいオーガのおっさん?とか俺のやる気がダダ下がりでござい――)

「…って、あぶねぇー」

のんきな声でヒョイッと首を傾けた。剛腕が強烈な唸りを上げて彼の側面を掠めて行く。
どうやら考えている間に無視している不遜なヤツだと思われたらしい。

「……んーーーよし。あっちに任せよう」

と、言う訳でいきなりクルリと反転してダバダバと走り始める。勿論、一瞬呆気に取られていたオーガも追いかけてくる。

そして、赤毛の青年はとある路地へと逃げ込み――…

ご案内:「落第街大通り」から真淨在処さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に百鬼さんが現れました。
百鬼 > 「――…それで、何で私が尻拭いをしなければいけないのだ……面倒臭い」

まるで瞬時に入れ替わるようにして、全身黒ずくめの外套とフード、そして白い仮面を付けた人物が現れる。

丁度、例のオーガが曲がり角に差し掛かった頃合。仮面の奥から無感情にそのオーガを眺め。

「……仕事なら兎も角、それ以外で動くのは何の意味も無いだろう」

とはいえ、あちらは戸惑った様子だったが臨戦態勢だ。お仲間か何かと勘違いしたのだろうか。
…いきなり呼び出された腹いせ、という程でもないが。

「……丁度いい、この骨刀の強度を確かめさせて貰うか…」

黒刀が変換されるまでの繋ぎ、代理として即席で魔物の骨などから作り出した白い刀。
それを右手に無造作に持ってオーガと対峙する。無論、既に勝負は付いているが。

ご案内:「落第街大通り」に百鬼さんが現れました。
百鬼 > 勝負は一瞬、長引かせる意味合いもさして無い。オーガが拳を振り被った瞬間、そのオーガの足を骨刀のフルスイング…ただし速度は音速超過、でぶっ叩く。
流石に、ここで切った張ったをするつもりはない。無論、その一撃でオーガの片足はあらぬ方向に折れ曲がってしまったが。

苦悶の呻きと共にバランスを崩して倒れるオーガを淡々と仮面は見下ろして。

「……アイツが何をやったかは知らないが…少しは喧嘩を売る相手を見極める事だな。」

オーガは苦悶の声と共に、こちらを見上げて…その顔が青ざめる。こちらに気付いたらしい。

『オマエ…マサカ『無貌』カ…!?』

「……そう呼ばれているらしいな。私にはどうでもいい事だが」

どうせ、正体不明の仮面の殺し屋という扱いなのは分かりきっている。
呆然とするオーガを尻目に、骨刀を背負うように収納して踵を返す。

「……仕事以外の殺しは面倒だ。見逃してやる」

それが甘い判断かどうかではない。仕事以外では殺しは極力しないのが自分ルール。
倒れ付すオーガからさっさと離れるように歩き出し、大分離れた所まで歩いてからため息を零す。

「……まったく、くだらない事に私を呼び出さないで欲しいものだ」

百鬼 > これ以上目立つのも面倒だ。ただでさえ風紀委員からマークされているというのに。
そのまま、雑踏とその影にまぎれるようにして仮面は姿を消す。

ご案内:「落第街大通り」から百鬼さんが去りました。