2017/09/26 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 歓楽街とは違った意味で夜を知らない―というよりも、明け方の訪れない街。
いや、此の場所を《街》と評して良いかは悩ましいところだが、大勢の人で賑わい、それなりに活気がある以上は街と表現するべきなのだろう。

島の内部どころか、島外でも違法な薬物、武器、魔導書等が人々の間を行き交い、怪しげな身形のゴロツキ達が路地裏から大通りを伺っている。

そんな大通りに規則的に響く振動音。目付きの悪い連中が音源へと視線を向ければ、金属で出来た出来損ないの針鼠の様な怪物が2体、大通りを闊歩しているだろう。

申し訳程度に舗装されたアスファルトを時折その重量で砕きながら、金属の化物は周囲を睥睨する様に―といっても、顔らしきものが何処にあるのかさっぱり分からないが―のし歩く。

その化物の背後には、カッチリと制服に身を包んだ風紀委員の少年。
街の住民達は警戒と疑惑の視線を向けつつも、表向きはその風紀委員を《いないもの》として振る舞い続けるだろう。

「…流石にパフォーマンスが過ぎるか。とはいえ、偶にはこうして目に見える脅威を連中に見せつける必要もある、か」

風紀委員の目はこの落第街にも常に向けられている、というアピールが必要だと意見具申した結果、提案した通り己の異形を引き連れて落第街の大通りを闊歩する事になった。

出来の悪いちんどん屋の様な気もするが、其処は致し方ないかと小さな溜息を一つ。

神代 理央 > 此方を伺う視線を多く感じるが、直接何かしらしてくる者はいない。
いくら此方が単独行動とはいえ、訳の分からない鉄塊を引き連れた風紀委員にちょっかいをかける馬鹿はいないらしい。

どちらかと言えば多少は絡まれた方が良いパフォーマンスになるのだが―

「…流石に、此方から手を出す訳にもいかんしな。生き汚い連中はそれなりに知恵もあるということか」

この街の住民達はほぼほぼ全員グレーどことか黒ではあるが、流石に現行犯でもない住民に手を出す事は出来ない。
こうやって巡回しているだけでも十二分な効果は見込めるが、欲を言えば一つアクションを起こしたい。

適当に金でもばらまいてみるか、とも思ったが、流石に子供じみた挑発過ぎるかと内心自嘲する。

神代 理央 > すれ違う人々は皆、此方の顔を睨みつけたり、特徴を掴もうと纏わり付く様な視線を向けるものばかり。
悪意の篭った視線にはすっかり慣れてしまったが、じろじろと観察する様な視線には幾分気分がささくれ立つ。

「…文句があるのなら歯向かってみれば良いものを。見た目ばかり粋がりおって、腑抜けばかりか、この街は」

少しばかり声量を上げて、顰めっ面のまま周囲に軽く視線を向ける。
安っぽいどころかアウトレットな挑発に激昂したゴロツキが路地裏から飛び出そうとしたが――暗がりから伸びた手に引き戻され、此方を睨みつけながらも消えていった。

「…ふむ。優秀なブレーンがいるようだな。只の暴漢なら兎も角、統制が取れた連中は厄介だな」

そういう連中こそ根絶やしにしてしまいたいのだが、世の中は中々ままならないものだ。

ご案内:「落第街大通り」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(白い面で顔を隠し落第街を歩く。
 目の前の男の後ろを付かず離れず、しかし気付かれることなくひっそりと。
 そうして歩いていれば、やがて前方に異質な雰囲気を感じ取る。
 目を向ければ風紀委員の腕章が見えた。
 つけていた男も当然それに気が付く。)

――。

(風紀委員の前で仕事をするのはややリスクがあるが、男はかなり警戒心が強い。
 この気を逃せば男は歓楽街の方へ行ってしまうだろう。
 それを考えれば、多少のリスクは止むを得ない。
 男の身体で彼の視線から自身の姿を隠す。
 そのまま男が彼の姿に気を取られているうちに間合いに入る。
 直後に抜刀し、納刀。
 パチリ、と言う僅かな音を残し、一歩横へ。
 男はそこで初めて自身の姿に気が付いたらしく、こちらに怪訝な視線を向け、

 ドサリと倒れた。)

神代 理央 > 眼前の男に、それほど注意を向けていた訳では無い。
他の有象無象の連中と同じ様に此方に視線を向けていた事には気が付いていたが、視線の主に一々気を回していてはキリがない。

何事もなければ、そのまま男とすれ違って終わったのだろう。だが、そうはならなかった。
眼前で倒れ伏す男。男の身体が大地に激突する前には、己の召喚物である金属の異形が不愉快な金属音と共に砲塔を向ける。

蜘蛛の子を散らすように離れていく群衆の逞しさに感動すら覚えつつ、倒れた男の背後にいた何者かに声をかける。

「…風紀委員の前で殺しとは、中々肝が座っているじゃないか。大人しく捕まるというのなら、裁判所までは身の安全を保障してやるが、どうする?」

声をかけた時点で、男を襲ったであろう何者かに奇妙な感覚を覚える。
何となく白いが、ぼやけている様に見える。というよりも、襲撃者を特定する為の特徴が判断出来ない。
男か女か、どんな服装をしているのか。記憶に留める為のパーツがポロポロと抜け落ちて視界にある様な、そんな感覚。

認識阻害系の能力だろうか、と内心舌打ちしつつ、尊大な態度を持って言葉を投げつけるが―