2016/12/14 のログ
■黒龍 > 「だったら良いネタが出来て良かったじゃねぇか…商売繁盛だろーが」
見れば、何時の間にか持っていた扇子で口元を隠す仕草をしている男。
細い目元からは意図が全く窺えない。情報屋、というのを完全に鵜呑みにはしないが。
(…少なくとも、相手に感情や考えを悟らせない立ち回りは心得てる…か。苦手なタイプだぜクソ…)
「異能の制御、ねぇ?異能なんてモンが俺には縁がねーから分からねー話だ。
…面倒な事になるとはいっても、孤立無援って訳じゃねーだろあのガキも。
どういう扱いになるか俺にゃ分からんが…」
面白そうな笑顔を見せる情報屋とは対照的に、チンピラ男は面白くも無さそうに葉巻の煙を盛大に吐き出す。
既にあっちはあっちで後始末の段階に入っているようだし、こちらへのアクションも無い。
あの骸骨と接触してしまったのは凡ミスだが…どうやら影響は無さそうだ。
「……カマ掛けとか、性格悪ぃだろこのキツネ野郎が」
が、そういうのに苦手な己も頭が足りない、いや駆け引きに慣れていないと言えるか。
自分の浅慮さを嘆いてもしょうがないが。葉巻を蒸かしながら一度目を閉じて。
「……で?然るべき場所に俺の事でも通報でもすんのか?」
■八百万 頼 >
ホンマに、お陰で商品たっくさん仕入れられましたわ。
――いやいや。
兄さん異能の塊みたいなもんですやろ。
(今度こそカマを掛けてみる。
とは言え人間でない事はなんとなくわかる。
心理戦に慣れていないと見て、更に情報を引き出そうと言うつもりだ。)
確かに、頼れる友人やら先生やらは居てますやろ。
せやけどそん中に味方のフリした蛇やら狐やらが居る可能性もありますさかいな。
どうなるやらわかりませんわ。
(かく言う自分も彼女の知り合いである。
自身が彼女の味方かどうかは――)
褒め言葉と受け取らせてもらいます。
――さて、どうしますやら。
せやけどボクも商売人です。
金になるなら、なんでもしまっせ?
ご案内:「違反部活群・屋上」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > 「あぁ?俺の何処が異能の塊だっつーの」
惚けたようにも本気で言ってる様にも聞こえる声色と表情で口にする。
別に、全くこれっぽっちも腹芸が出来ないという訳ではない。
とはいえ、その点は自称・情報屋のこの男の方が上手なのは事実だろうが。
「――で、テメェがあのガキのダチや知り合いだった場合はテメェはどう立ち回る訳よ?」
淡々とそんな問い掛けを口にする。情報屋らしい返事が返ってくるのか。
それとも、思わせぶりな発現で煙に巻いて来るのか。
「悪ぃが金になるような情報(ネタ)は持ち合わせがねーよ。
風紀何とかとかに通報すんなら好きにしろってな。」
強がりでも何でもなく、淡々とそう口にする。自由気儘が信条であり己の矜持。
敵対する気は特に無いのだが、己の矜持を曲げる気も無い。
■八百万 頼 >
またまたぁ。
兄さん人間やあらしまへんやろ。
そんなごつい身体と変な魔力、人間はもってませんわ。
(笑いながらそのごつい身体のいかつい肩を触ろうと手を伸ばす。
触れれば良し。
触れず分からずじまいでも良し。
それは見せずに、自然な感じで。)
そんなん。助けるに決まってるやないですか。
トモダチは大事にせなあきませんからな。
(即答。
しかし口調は軽すぎる。
明らかに嘘と分かる言葉だけに、逆に本当に嘘かどうか分からなくなるように。)
それがな、兄さん。
情報屋なんてやっとると、入ってくるモンは情報だけやないんですわ。
物騒なモンとか、使い捨てに出来る人足とか、表に出せへんヤバイモンとか――
(そこで一度言葉を切り、右手を顔の前に。)
――こう言う便利なモンとか。
(そこにあるのは、偽造された学生証。
ご丁寧に、目の前の男の顔写真と名前が印刷されている。)
ご案内:「違反部活群・屋上」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > (チッ、魔力の波長の違和感を読み取られたってか。やっぱこの世界だとそっちも目立つ訳か…)
体格は鍛えてるとか何とかで誤魔化しは出来ようが、魔力の質とかまではそうはいかない。
かといってバカ正直に『俺はドラゴンだ』と口にする気も無いが。
そして、肩に触れられる直前、無造作に咥えていた葉巻を右手で持ち。
…レッツ・根性焼き。の、如くその手に押し付けんとする。
ただし、かなり緩慢な動作なので手を引っ込めたりするのは容易いだろうが。
「野郎にベタベタ触れられる趣味はねーんだよ。…うわ、胡散臭ぇ」
そして、明らかに嘘と分かるが、そうとも言い切れるかは正直曖昧な返答。
煙に巻いてくるのが無駄に上手い。情報屋ってのはみんなこういうタイプなのだろうか?
「――あぁ?それは…」
不意に男が目の前に出してきたそれに、胡乱げに提示されたそれを凝視する。
自分の顔…そして名前。ご丁寧に黒龍と書かれている。
こっちで名乗ったのはまだ一人だけの筈だが…色々探られていると見るべきか矢張り。
(つぅと、コイツは俺の種族とかここに居る経緯も把握してる可能性がありやがるな…タチ悪ぃ)
「…で?対価は?偽造したモンだろそれ?生憎と金も情報も持ち合わせがねーぞ?」
■八百万 頼 >
(葉巻の先が手に触れる。
しかし構わず更に腕を進めて。
腕どころか、肌に生える産毛の一本すら焼けたような様子もない。
にんまりと笑ったまま、腕を伸ばす。)
胡散臭いなんて。
ボクは清廉潔白がモットーの清く正しい情報屋さんや。
(にんまり。
あまりにも怪しすぎるその言葉は、そうすることで煙に巻く、自身の話術の一つである。
怪しいと思わせるだけで、あとは相手の方が勝手に思考の深みにはまってくれる。)
読み取られて問題ないように、データベースの方にもちゃんと登録したるで。
ま、そっちも正規のデータベースやないけどな。
(指で器用にくるくるとカードを回しながらのたまう。)
お金はいりまへん。
たまーにちょーっとお手伝いして貰えればええ。
オモロイ情報持ってきてもろたりとか、お使い頼まれてくれたりとか。
タダでとは言わへんし、そもそも兄さんの気分次第でよろしわ。
まぁ早い話が――あげます。
■黒龍 > 「……いや、テメェどんだけ胡散臭ぇんだよ気持ち悪ぃ。火傷してる様子すらねぇ。つか魔術とかじゃねーだろそれ。異能ってヤツか?」
と、根性焼が効果が無いのを見て嫌そうな顔になりつつ腕を引っ込めて。仕方ないので男が手を伸ばしても届かない程度まで引いて置くことにする。
こういう胡散臭い男がただ触るだけ、なんてのは不自然すぎるのだ。
「情報屋に正しいもクソもねーだろ。扱う情報次第では善人でも悪人でもなるだろーよ」
もっともこれは男の意見だ。自分が元居た世界にも情報屋は居た。
そして、彼らの価値基準は善悪問わず情報そのものだ。そこに情は一切無かった。
あるのは利益、不利益、自分にとっての価値があるか無いか。そんなものだ。
そして、深みに嵌まりそうになるのが墓穴になるのだと反射的に気付く。
野生、というより龍の勘とでも言うべきか。だから敢えてこの男の胡散臭さについては”考えない”。
「…そりゃ破格の条件に聞こえるが、どう考えても裏があるようにしか見えねぇがな…が、貰えるなら貰うが」
偽造、とはいえあって便利なのは間違いないのだ。
身分証明があれば、色々と動き易くなるのは否定出来ない事実でもある。
(とはいえ、十中八九何か裏があるのは明白だろうがな…ある意味で首輪か)
ともあれ、偽造学生証については貰う事にしておこう。交換条件も請け負った。
まぁ、自由気儘な男なので、本当に気が向いた時にしか情報は提供しないだろうが。
■八百万 頼 >
(逃げられてようやく、諦めたように手を引いた。
それでも名前からある程度種族は予想が付くのだけれど。)
だからこそボクはみんなが幸せになる情報だけを集めて、それをみんなが幸せになるように有効に使わせてもらっとるんや。
情報屋に善悪も正誤も無いからこそ、な。
(男の意見は正しい。
情報は道具であり、ただの情報だ。
どんな情報であれ求められれば売るし、だからこそ何でも集める。
当然そんな事はおくびにも出さず、胡散臭い言葉をのたまうのみ。)
ほな、これこれこう言う裏があります、言うた方がええか?
それを信じてしまうん?
こんな胡散臭いボクの言う言葉を?
(にい、と狐のような笑みを深くする。
裏がある、と考えた時点でもう既にこちらの術中だ。
この選択肢に正解などない。)
そこやないやろ。
ボクは駒が手に入る。
兄さんは身分証と仕事が手に入る。
この取引が兄さんにとって妥当なもんかどうか。
――とりあえず、交渉成立やな。
(考えるべきはこの一点だ、と。
手の中から学生証が消える。
両腕を開いて、タネの仕込を終えた手品師のようなポーズ。
学生証は、既に男の胸ポケットの中に入っている。)
■黒龍 > そう、名前…当然、把握されると”縛られる”恐れがある為に偽名ではあるが、名前がそもそもネタバレだ。
が、それでも一目で龍と断定できるほどの判断材料がある訳でもない。
魔力の質を指摘されたが、種族まで特定されるようなお粗末は流石にやらかしていない。
(まぁ、バレたとしてもそれはそれで気が楽だがな…)
何故なら、龍への対抗策をとられても、逆にこちらとしても逆算し易いのだ。
むしろ、種族がバレた方が相手の出方をある程度予測に収める事が出来る。
それでも、こういう虚虚実実入り混じった、詐術溢れる会話は不得手なのは事実だが。
「幸せ…ねぇ。ハッ…」
苦笑とも失笑とも言うべき笑みが浮かぶ。が、それ以上特に言う事は無い。
幸せ、という単語がとても空虚に聞こえただけの事だ。
「…んっとに面倒臭ぇ男だなテメェは。まぁいい、ギブアンドテイクって事で乗ってやる」
が、彼の駒に成り下がる気は無い…と、叛骨神を出した時点である意味で向こうの術中にもなりかねぬ。
だから、駒という点は敢えてグッとここは飲み込む。男にも忍耐というのはある。
そして、何時の間にか胸ポケットに違和感。探ってみれば先ほどの偽造学生証。
手品師か何かか…魔術の気配は感じ取れないので、矢張り異能の類か。
と、いう思考は程々に切り上げる。無知は論外だが考えすぎてもこの男相手には逆効果だ。
「ま、動き易いに越した事はねぇ、か。そんじゃここらで俺はお暇すんぜ。
…ああ、そうそう流石に風紀何とかもここら来るかもしれねぇし、そっちも退散した方がいいぜ」
そもそもこの場所が犯罪組織のアジトで男が潰したトコなのだが。
言うやいなや、トンッ!と軽い跳躍で隣の建物へと飛び移り。
「そんじゃ、あばよヤオヨロズ」
等と簡潔な挨拶を一応はして、屋根から屋根へとニンジャのように飛び移って立ち去るのである。
ご案内:「違反部活群・屋上」から黒龍さんが去りました。
■八百万 頼 >
何かおもろいもん見付けたら、「八百万情報商会」まで連絡してや。
(ニンジャめいてビルを飛び移って移動していく男を手を振って見送る。
男の姿が見えなくなる前に、踵を返してビルの中へ。
中には男がぶちのめしたチンピラどもが転がっている。
目を覚ましたものも居るようだ。)
たまにはお得意さんのために、苦手な演説もしときましょか。
――やーやーみなさんおそろいで!
(やがて、もう一度小さな騒ぎが起きるが、すぐに静かになった。
あとから来た風紀委員が気付くかどうかは分からないが、そこで気絶していたチンピラの数は半分ほどに数を減らしていた。)
ご案内:「違反部活群・屋上」から八百万 頼さんが去りました。