2018/02/11 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にイチゴウさんが現れました。
■御輝 炎華 > 空はこんなに青いのに、“常世”の裏側はこんなにも黒い。
なんて、変とも核心をつくとも言えることを考えながらボロい建物の壁にもたれて仲間を待つ。
少し早かったかもしれないな、と思いながら端末を取り出して時間を見る。
端末の画面には想像どおり待ち合わせの時間よりも5分早い時間が表示されており。
「…あと5分以内に来ると思うとここから動いちゃいけない感じがするな」
移動した直後に待ち人ー人じゃないがーが来るかもしれない。
今日なぜ待ち合わせをしているかというと、風紀のロボットとの共同任務のためだ。
そこそこ大きい裏組織が存在することが露見し、いつやるか、というところに他組織と取引をするという情報が入ったので一網打尽にちしてしまえ、ということである。
自分はともかくそのロボットはとても強いそうなのでオーバーキルな気もするが…
ただ待つのも退屈だし来週の天気でも見るか、と端末をいじり出し。
■イチゴウ > カンカンと金属的な歩行音を奏でながら青空の元
降り注ぐ日光をその合金製のシャーシで反射しながら
一機の機械が薄汚い建造物の谷を潜り抜けてくる。
「合流ポイントを確認。」
このロボットが遂行している任務は
ある巨大組織の襲撃任務だ。どうやらその組織は
前々から風紀が目をつけていた巨大組織らしく
取引を行うというこの絶好のタイミングに
大打撃を与えてしまおうと考えたのだろう。
「...。IFFに応答あり。」
横に敷設され続いている線路に沿って進んでいると
まもなく合流地点が見えてきた、ある建造物の隅だ。
そこにもたれかかっている一人の人影は
敵味方識別システムに反応があるところから
味方であると認識していいだろう。
そういえば今回の任務には同行者がいるとあった、
同じ特別攻撃課所属らしいが・・・
■御輝 炎華 > 「ん…?来たか?」
機械的な音を耳がとらえる。
今回共に任務を行うのはロボット。
ならば十中八九、そのロボットが来たと見て間違いないだろう。
特に身構えもせずにそのロボットが到着するまで待てば一度フードを脱ぎ、赤い髪を晒し、四つの足を持つロボットを見つめてー
「あなたが風紀のロボットであってるかな?
私は御輝 炎華。あなたは?」
短い赤髪を指でいじりながら尋ねる。
念には念を、違う場合に備えていつでも反抗できるようにばれない程度に身構えており。
■イチゴウ > こちらは既にその人影が味方であると認識できるが
あちらはまだこのロボットが完全に風紀所属であるとは
見切れていない様子。
辺りを一通り見渡してから機械は
少女の至近距離へと近づいてゆくだろう。
「ご名答。
ボクは風紀委員会、特別攻撃課所属のHMT-15。
今回はよろしく、炎華。」
フードを取って露わになる彼女の美しい赤髪、
身にまとった白いフード姿の彼女を見上げながら
双方の確認を行うだろう。
その素顔からも間違いない、彼女こそ今回の味方、
アークフレイムという異能を持つ風紀委員だ。
「次に今回の任務の確認をしたい。」
一通りの自己紹介を相手に認識させたと判断した後は
今回遂行することになっているミッションの
ブリーフィングを始める。詳しいことは現場で聞けと
秘密保持の観点で指令されており
詳細は彼女から聞く事になっている。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
■御輝 炎華 > 「よろしく。HMT15。」
相手が風紀の存在である、と発言した。
それだけではあるがこのロボットは味方であると確信して。
『エイチエムティージュウゴ』と毎度言うのは面倒だし別の呼び方を考えはじめて。
「ああ、そういえば説明しろとか言われていたな…
わかった。説明する」
彼に説明しなければいけないことを忘れかけていた自分を口には出さずに叱る。
そして今回の任務を説明する。
今回の任務は、最近見つかった組織ともうひとつの組織の何かしらの違反した取引を襲撃し、取引物の回収、及び二つの組織自体も壊滅させろ、というものであることを説明しー
「ーということだ。できれば一人ぐらい生かして捕らえてほしいとさ。
五体満足ではなくてもいいそうだ。」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
■イチゴウ > 「呼称は「イチゴウ」で構わない。
コードで呼ぶ方がボクも反応しやすいし
人間にとっても馴染み深いと聞く。」
彼女がアルファベットと数字の羅列を
やや言いにくそうに発音しているのを受けてか
ロボットは彼女を見つめながら訂正をする。
「大体の概略は把握した。
捕獲についてはキミに任せたいのだが・・・」
捕虜を取れという命令の一つを彼女に任せたいと提案する。
そもそも破壊作業を得意とする多脚戦車に
非致死な行動は苦手と言わざるを得ない。
そこの所は人間である彼女の方が柔軟性に富んでいるだろう。
「また、先制攻撃はどのようにして行う予定だろうか?」
襲撃任務という事から攻撃で始めるのは間違いない。
その際にどちらがどのような手段を持って
仕掛けるというのは非常に重要な要素だ。
■御輝 炎華 > 「ならイチゴウと呼ばせてもらうよ」
そんなに言いにくそうにしてたかな?と思いつつも呼び方に悩んでいたためありがたく使わせてもらう。
「私もあまり得意ではないが…まぁイチゴウには無理そうだしな。」
と言いつつイチゴウの全体を見る。
その姿から生かして捕らえるのは難しいだろうと判断して。
しかし自分もあまりそういうことには慣れていない。燃やし尽くすことしか考えてないためあまり火力の調整などはしたこともなく、刀も一撃が強烈すぎる。
「あまり考えてないがとりあえず取引が始まって一番大切なところになったら正面突破でいいと思う。
少々敵の数が多いかもしれないがまぁイチゴウなら処理できるだろう?
そして私が取引物などを回収、先程言った捕獲をしたあと殲滅に加わるよ。
…そろそろ行くか?時間的にももうそろそろだ」
端末の画面に表示されている数字を見ながらそう言い
■イチゴウ > 「よろしく、炎華。」
恐らく先程までのやり取りは機械にとって
訂正するまでが半ば日常的なものなのだろう。
彼女が自身のコードを言葉にすれば
ロボットもまた彼女の下の名前を挟みながら
改めて挨拶する。
「...?キミの持つ異能はそれほど戦闘向けなのか。」
データベース上で把握しただけで
彼女が持つ異能「アークフレイム」の詳細は
完全に掴んでいない。だからこそどのようなものか
わかっておらず・・・
「敵対勢力の装備にもよるが
ここ最近のパトロールから入手している情報では
おおよそ問題はない。キミの奮戦を祈る。」
彼女から段取りを聞いた後は時刻的にも
取引が迫っていることを受け
炎華と共にこれから戦地となる取引場所に向けて
歩き出すだろう。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
■御輝 炎華 > 「そうだな。
攻撃対象以外に危害を加えないといったこともできるが…
威力の調整は難しいな。
それこそ気絶させるだけ、なんてことは無理だな」
ただの人間なら確実に大火傷だ。
ただの水で消すこともできないため水の魔術や異能持ち以外は瞬殺できる。
「そうか。じゃあ行こうか。健闘を祈る。」
そう言えば刀をすらりと向き放ち狭めの陰鬱な雰囲気の道を歩き出す。
目標の地点ー倉庫のような建物内部ーにつけばイチゴウに待っていてくれ、と小声で伝えて近くの部屋へと入って
「…こんな任務に二人も必要だったのか?」
3つの死体を並べて部屋の入り口からイチゴウに手招きする。
制圧した部屋からは、わずかな隙間をとおして取引の場所が見えており。
■イチゴウ > 薄暗い小道を一人の少女と一機の機械が歩く。
満点だった青空は日が沈み始めた影響もあってか
赤褐色と紫色に変わりつつあるようだ。
「驚いた、手際が良い。捕虜はどうだ?」
目的地までたどり着けば待てと彼女から指示を受ける。
その後彼女が入り出てくるまでに1分とかからなかった
その遂行速度に機械は感心していた。
制圧された部屋が取引場所に繋がっている事を受けると
自身の前両足から一瞬の甲高い音と共に
銀色に輝く電子鋸、装甲カッターがその姿を現す。
「合図と共に攻撃を開始する。」
部屋に入り隙間から取引現場を視認すると
駆動モーターをチャージさせいつでも攻撃できる準備を整える。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
■御輝 炎華 > 「どうも…だが捕虜はダメだな…やっぱり調整は難しそうだ」
一人は無惨なただれた切り口ができ、
残り二人は全身焼かれて死んでいる。
刀と異能。両方捕獲には向かない。
土属性の魔術に捕縛系が多かった気がするがあまりなれていないので失敗して反撃を受けるなんてことにはなりたくない。
「わかった。その時になったら言う」
そう伝えれば隙間から取引の行われるであろう場所を見続ける。
そして5分ほど経過したところでー
「よし、行くぞ。攻撃開始だ」
取引のメインイベント、金銭と品の交換が始まる。
それを確認し合図を出すと同時靴に異能の炎を送りブースターを起動する。
そして部屋内部の階段をかけ上がり一気に屋上まで出れば取引現場に飛び降りて真ん中で取引を行う二人の片方を肩から切り裂いた!
■イチゴウ > 「ダメか、気を落とすことは無い。
次の機会がある。」
この取引は決して小さくないもので
数多くの構成員がいるだろう。その中から
捕虜を取る事が出来れば十分だ。
「了解、攻撃開始。」
炎華が異能で速度をブーストさせつつ
階段を上がり始めれば
機械の方は建造物の壁そのものをぶち破って
そのまま真っ逆さまに現場へと。
彼女が切り裂いた方とは逆の構成員を頭から
その重量と装甲カッターで文字通り真っ二つに
叩き切る。
おぞましい程の鮮血が霧となり辺りに撒き散らされると
それを錯乱材料にして間髪を空けずに護衛の構成員への攻撃へと移る。
彼らは自動小銃を構え襲い来る鋼鉄の獣へ向け
2、3発のバースト射撃を丁寧に打ち込んでゆくが
高速小口径弾がそのシャーシに穴を開けることは無く
けたたましい音と共に鋸によって構成員達の身体が
次々と切り崩されてゆくだろう。
「炎華、取引物資の確保を。」
解体作業を進めながら炎華を横目にそう一言。
そうしながらも次々と異常を察知した
構成員が増援に現れ彼女にも次々と襲いかかる。
その中にロボットに向け
対戦車無反動砲を構えている者もいる。
■御輝 炎華 > 「えげつないな…」
この刀、「神紅」の力で傷口どころか肉体を焼かれ血が散ることもなく死に行く構成員。
それと対照的に多量の血を撒き散らし死んだ構成員。
それを行ったロボットに感想を告げれる。
「わかってる
『炎華』」
異能の炎が広がりその場は地獄とかす。
イチゴウと反対側を覆う炎は自分の視界に映る構成員を次々に飲み込み、殺してゆく。
『聖なる炎』って名前なのに恐ろしい殺人性能を秘める自分の異能に苦笑いしつつ取引物資を回収し飛んでくる銃弾をひらりと避ける。
一度炎を止めて焼死体の野を晒せば靴のブースターで地面を蹴り建物の影から銃を射つ構成員を切り裂く。
返す刀で後ろに迫る構成員の首をはねとばせば捕虜のことなど忘れたかのように再び炎の海を作り出して近くの構成員を次々に飲み込み、殺していくーが…
「数が多すぎる…異能だけだとすぐ限界が来そうだ…」
次々に銃やナイフを持った構成員がやって来る。
本当に、どこに潜んでいたのだ、という数が。
異能を解除して魔術を使い構成員を殲滅していき…
■イチゴウ > ロボットが現場で暴れているのと同じように
彼女もまた自身の異能を発動させて辺り一面を
地獄絵図へと変えてゆく。
どうやら自身への脅威と成り得るAT射撃手も焼き払われたようで
こちら方面の敵を全て切り伏せた後は
彼女の方面の支援へと反転する。
一つ気づいたことだが彼女が繰り出すこの炎、
自身が当たっても何のダメージも無い。
敵と味方と区別する何らかの機構が備わっているのか
分からないがロボットの興味を惹くのには十分な代物だ。
「大丈夫か。」
彼女の横を素早く横切り突っ込んでいくと
ダメージを受けない事を良い事に敵から見れば
まるで彼女のアークフレイムの中から機械が
出てくるように見えるだろうか。
浴びれば即死の炎に肉を容易に断ち切る戦闘マシーン、
現場はまさに阿鼻叫喚であった。
その後、魔術を使う彼女と相変わらず電子鋸を振るう
多脚戦車とをで増援含め全ての構成員を撃破していき
この惨状から捕虜は取れないと踏んでいたが
運が良いというべきかそこのコンテナに寄り添って
丸まっているのが一人いる。
■御輝 炎華 > 「…聞いてはいたが強いな。私も勝てそうにないな」
戦いが収まったあとの惨状ーまぁ、作ったのは自分たちだがーを見回しながらそう呟く。
風紀のロボットは強い。
そう聞いていたためわかっていたつもりではあったが想像を上回る強さだった。
そんな感想はさておき、イチゴウが発見した一人のもとへと向かう。
生き残りなどいんあいかと思ったがいてよかった。
「よく生きてたな。運がいいんだな」
これから素性を吐かされ裏の知りうる情報を吐かされてからどうにかされるので本当に運がいいのかは疑問だが。
その一人は気絶しているようにも見えるがそんなことはなく丸まってぶつぶつ呟いている。
どうやらトラウマができたようだ。
獄炎の少女と殺人ロボットに…
「それじゃあこいつを連れて帰れば任務完了…帰ろうか」
そう言えばその一人に土属性の魔術を行使しテ動けなくする。
そして適当に背負えば何となくすっかり暗くなってきた空を見上げて
「もう夜か……明日の朝が待ち遠しいな…いや…」
常世の朝が待ち遠しいなー
その後、任務を終え、帰路の途中で疲れたためにイチゴウに乗せてくれないか、と頼む炎華であった。
■御輝 炎華 > お疲れ様でした!
今日はお付き合いいただいてありがとうございました!
また機会があればその時はまたお願いします!
■御輝 炎華 > 今日の夜…来れたらアーバリティの方で登場します(
興味があれば…w
■イチゴウ > 「人間は機械とは違い成長する、
キミの異能も例外ではないだろう。」
戦闘を終え一言呟いた彼女にまた一言。
性能の限界が決まっている機械とは違って
生物はある意味無限に成長しうるものを秘めており
それが異能や魔術となれば猶更だ。
特に彼女の異能は現時点でも凄まじい熱量を持っている。
敵意を持って襲い掛からればロボットの合金とて
無事にはすまないだろう。
「任務終了。・・・
ボクはタクシーではないのだが・・・。」
彼女の乗せてくれないかという言葉に
ロボットはそのように呟く。
もしこの機械が人間ならば溜息をついていただろうか。
しかし嫌がっているというわけではなく
自らのシャーシを下ろして乗りやすいよう配慮するだろう。
「さあ、帰ろう。炎華。」
彼女をまっすぐ見つめて。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からイチゴウさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に御輝 炎華さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から御輝 炎華さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にアーバリティ エルグランデさんが現れました。
■アーバリティ エルグランデ > 「ふーん。面白いねぇ」
夜も更け、表の住民は皆眠りにつき、裏の住民が動き出す。
とはいえ、こんな時間に見てくれだけであっても幼女が出歩くべきではない。
むしろこんな場所だからこそ出歩くべきではない。
しかしその幼女は何も恐れず堂々と夕方の惨状を高くから眺めていた。
別にその場にいたわけではないがだいたい察しがつく。
「風紀委員だねー。あーあ…僕も殺りあってみたい」
ここで死んだものたちは恐らく一矢すら届かずに死んだのだろうが。
見たところ二人の仕業だろうか。
惨劇の舞台は中心で二つの惨状に別れている。
片方は超高熱の炎に焼かれて、もう片方は多量の血が飛び散っている。
片付けられてなければ死体から死因がわかるのだが…
「まぁいっか…風紀を釣るのには新しい組織作りが有効だね。
今度やってみよ。釣れたらも・う・け・も・の」
語尾にハートがつきそうな言い方だ。
そして地面に降り立てば大の字になって転がり出して。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にイチゴウさんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にアーバリティ エルグランデさんが現れました。
■アーバリティ エルグランデ >
■イチゴウ > 日が落ち活気も冴えわたるこの違反部活群。
そこで高めの建造物から見下ろす人間ではない影が一つ、
それは道路に寝転ぶあどけない姿を見下ろしており
「ターゲットを確認、データと照合開始。」
容姿(一致。)
魔素反応(一致。)
異能パターン(一致。)
あの少女が見る現場は正にこの見下ろす影が
引き起こしたものだが
その場所の確認に戻ってきたのがかえって幸運となった。
あの少女は恐らくここ最近<黒触姫>として
知れ渡っている怪異だろう。
妙に愛嬌があるような顔パーツがこの闇の中では
不気味に映えてしまう。四つの足を引っ提げて
それはただただ道路に転ぶものを見続けている。
向こう側が気付こうが気付かまいが
次の瞬間飛び降り襲い掛かるだろう。
■アーバリティ エルグランデ > 「奇襲されるとは光栄だね」
ただの人間には到底理解できないだろうが視界に映る人型ですらない何かなら理解できることを期待してそういい放つ。
寝転んだ状態から後転して起き上がる。
襲いかかられるまでの僅かな間に戦闘に望む姿勢をとれば相手の強さに期待を寄せる。
相手が人間じゃないということは完全に未知の強さを持つ可能性がある。
その未知にかけているようで。
■イチゴウ > 「ターゲットを設定、攻撃開始。」
無線機を通した男性声のような合成音声で
誰に向けるわけでもなく呟かれた言葉。
それはこの機械が無機質なプログラムで
動いていることを示しているだろう。
それと同時に物々しい前両足の横側から
ダイヤモンドホイールが姿を現しそれは月光を受け薄気味悪く輝く。
その電子鋸はすぐさまその刃の形がわからなくなる速度まで加速回転し、
同時に脳を突き抜ける様な尖った金属音を奏でる。
後ろ足でコンクリートを蹴ると建造物から勢いよく飛び出し
眼下に立つ幼い可愛らしい影へと。
位置エネルギーをふんだんに乗せたこの攻撃で
道路のアスファルトごと削り潰してしまおうと多脚戦車が強襲を開始する。
■アーバリティ エルグランデ > 「機械!全く戦ったことがないやつだ!」
四足歩行の機械。こんな相手と戦ったことはない。
だからこそ血肉湧き踊る。
恐らく凄まじい切れ味を誇るであろう電子鋸に警戒し斜め左後ろ上へと飛んで逃げる。
とりあえずあれは危険だ。
あまりシールドを張って防いで自分の手の内を晒したくもない。
先程機械がいた高さー鋸が届かない高さーまで上がれば左右の腕から5ずつ、総数10の触手を出す。
それらは機械の性能を確かめるための犠牲になってもらうべく前後左右から同時に機械を叩き潰しにかかる。
機械には限界がある、彼女はそれを知っておりー
■イチゴウ > 「対象が回避。」
開幕に繰り出した初手の一撃は空振に終わる。
地面に対して垂直に降下し
構えるようにしていた前右足の装甲カッターは
怪異には当たらずそのまま道路へと突っ込み
鉄鋼工場でしか発生しないような凄まじい火花と音を出しながら
アスファルトをボロボロにしてしまう。
すぐさま外したことを察知するとその態勢から少し飛び上がり
ニュートラルフォームへ復帰する。
道路をダイレクトに削ったとはいえ
ハイパーダイヤモンド製のカッターには傷一つついていない。
「敵の攻撃を検知。」
態勢を整えて怪異の方向を見やると既に高速で攻撃が飛来してくる。
白銀に輝く触手と思われる物体が10。
それらは機械を囲むように展開しており叩きつぶす気だろう。
対してロボットはまず触手の攻撃中心から退避する。
その後に飛んできた触手を2本ほどカッターを回転させ
飛び上がりながら横方向へ切り裂いてしまい
その際に切断面とカッターが互いに赤く変色する。
それはこの触手が鋼鉄以上の硬度を持つ事を意味しており
電子鋸への負担も大きいものであった。
また前右足、前左足とカッターのコンボを繰り出すも
ただでさえ硬い触手、すべてを切断できる訳にはいかず
半数は接近を許してしまうがしかしそれも想定内。
地面を蹴って飛び上がりその触手を「足場」にして
さらに高く、一瞬にして彼女のふところに潜り込もうと。
■アーバリティ エルグランデ > 「意外に俊敏…触手は切れるけど容易いって感じじゃないね。満足満足」
満足のいった結果を得られて満足気に、目を閉じ首を縦に数度降る。
触手を足場にするという軽業をやってのけた機械に感心しつつ軽いという情報を加える。
さらに高く飛びながら遠距離攻撃を誘い、無事な触手のうち2本を機械の後ろ足に絡み付かせて地面に叩き落とそうとしており。
■イチゴウ > 「対象が退避。」
懐に飛び込んで一太刀浴びせてやろうという算段だったが
相手が予想以上に高く飛びあがってしまい
カッターの近距離攻撃範囲から逃げられてしまう。
さらに現在の体勢は空中。
自力での飛行手段を持たない機械はその高度を
ただ落としてゆくのみ。
「!!」
しかも後ろ足に絡まってきたのは先程逃した触手の数本、
空中での制動手段が限られている事もありそれを回避する手立ては無く
そのまま叩き落されてしまいコンクリート製の建造物へ
勢いよく突っ込んでいくだろう。
■アーバリティ エルグランデ > 「期待はずれ…じゃ、ないといいなー」
今のところ期待はずれだが。
相手が聞けば怒るであろうー人間ならー事を心の中で思いつつ高度は保ったまま建物へとつっこんだー正しくは僕に突っ込まされたー機械に近づく。
「これだけで死ぬ…壊れるかな。そんなことは無いよね。
耐久性だけは期待してるし」
指先に魔力を集め、触手を回復させ、シールドを張れるように構える。
油断や侮りは致死性の毒だ。
それは最近のそこそこ強者と強者との戦いで学んだ。
相手は金属の可能性が高いし酸の雨でも降らせてやろうかとワクワクしており。
■イチゴウ > 派手に突っ込んでしまった影響で
コンクリートの瓦礫に包まれてしまった機械。
しかし
「制圧モードへ移行。」
歪んだその合成音声が近づいてきた小さな人影に伝わるだろうか。
そして次の瞬間覆いかぶさるコンクリートの破片たちが
勢いよく飛び散り中から多脚戦車が傷一つついていない状態で飛び出し
地面にひびを入れながら着地する。
背中には先程まで存在していなかった複数の砲身を束ねた
巨大なガトリング砲。それをゆるやかにスピンアップさせつつ
キュイインと各関節からせり上がるようなモーター音が響き渡る。
「高脅威目標に指定。」
ロボットはつまるところ”戦闘モード”に入った。
この形態は相手に対する有罪判決であり
多脚戦車にとってはここからが「戦い」だ。
■アーバリティ エルグランデ > 「あ、やっぱり無傷…制圧モード?本気ってことかな?」
無傷で起き上がった機械に喜びつつ、ごくわずかだが確かに聞こえた制圧モードという言葉に思考を巡らせる。
先程までなかったガトリング砲から本気モードと見て間違いはない、いや、先程より強いモードと見て間違いはない、だ。
自分の中で侮るなかれと反省して。
「『マジックシールド:銃弾』と…『毒雨:硫酸』あと念のため『風幕』」
銃弾に対する完全耐性ー前のこともあるし言い切れないがおそらく完全耐性ーと硫酸の雨、そして銃弾をそらす風の幕を張り機械からさらに距離をとり触手を20に増やす。
ここまでを一瞬で行えば楽しげに口元を歪めてー