2015/06/08 のログ
一樺 千夏 > 声が響けば、周囲を見渡す。
「火の粉を払ったついでに、迷惑料を貰ってただけよ?
 ……文句があるなら出てきなさい。
 喧嘩したいなら言い値で買うわよ?」

奇襲しようが返り討ちにしてやると言わんばかりの臨戦態勢。
壁を背にしてる辺りは場慣れしている感がある。

万車堂ささ > 千夏が周囲を見回し、視線が路地の入り口を向いたのなら、そこに小柄な少女の影が現れたのを見つけることだろう。
『喧嘩は嫌い、文句ならある』
距離や向きとは関係なく、相変わらずに千夏の頭に直接語りかける声。
『それって、もしかして“カツアゲ”?』
漫画や何かで見たことはあるが、現場を目にするのは初めてだ。
マフラーで口元を覆い、上着のポケットに両手を入れたまま、冷めたような目で問いかける。

一樺 千夏 > 「まさか」
姿を確認すればにぃと口角を吊り上げて笑う。
「言ったでしょ、迷惑料よ。
 アタシが襲われた側……返り討ちにしちゃったから筋を通してるだけよ」

万車堂ささ > 『そうなの?』
その声は、女の傍らにいる被害者へと直接に語りかける。
元々、こんな治安の悪い場所で、厄介事に巻き込まれるのを望んでいたわけでもない。
ただ、弱い者いじめをしているやつがいたのなら、それを放っておくのも気分が悪かっただけだ。

一樺 千夏 > 被害者であるモブ男君としては否定したい所ではあるが、後ろで睨みを利かせている大女がいるのでYESと答えるしかない状況である。
……実際に、襲ったのだが。

一樺 千夏 > 「まぁ、文句言われたとしてもアタシが聞き入れる必要って無いんだけどさ」
頭の中で自分と相手の距離を測る。
魔術か何かだろうと当たりはつけるが……初動で負ける気はしない。
油断はしたくないが、とりあえず一撃入れられる間合いならなんとかできるだろうと考える。

万車堂ささ > 『そう、じゃあいい』
千夏の思考とは裏腹に、あっさりと立場を翻す。自業自得の大人の面倒まで見てやるほど、お人好しでも暇人でもなかった。
『………どうぞ、続けて?』
チンピラ?同士の小競り合いという事で、あっと言う間に関心を失う様子が、被害者の目にもよく見えたことだろう

一樺 千夏 > 「もう、貰うもの貰ったからどうでもいいんだけどねー」
暗にここから先は命のやり取りしか残ってないぞと哀れなモブ男君に告げている。
「アタシの気が変わらないうちに消えな、この腐れ■■■」

モブ男君は逃げ出した!

「で、アンタは安っぽい正義感で首突っ込んできたの?」
ふぅーと煙を吐き出す。
「そういうやつには見えないんだけどさ」

万車堂ささ > 哀れな様子で逃げ出していく背中を冷めた目で見送って。
『私もそう思う』
概ね同意。正義感という言葉にはもっと熱いようなイメージがある、なんとなく。
『…なんか、放っとくと嫌な感じだったし』
言葉にすると、ただそれだけ、そう思っている。

『慣れてるの、こういうこと?』
なんとなく、尋ねた。
普段近寄らない場所で、普段出会わない類の人間に出会って。
なんとなく、聞いてみた。

一樺 千夏 > 「そうね、アンタは……なんていうか、どうでもいいって思ってそう。
 見慣れた目なのよ、アンタみたいなの」
もう少しスレたら、自分に被害がこない限りは何もかもがどうでもよくなる感じ と感想を述べて。

「慣れてるわよ……こういうクソッタレな世界で生きてきたんだから。
 自分に火の粉がかからなきゃ、誰が何をやってても知るもんか。
 返り討ちにされるようなドジ踏む間抜けが悪い……ってね」

万車堂ささ > 『どうでもいい……そうかな』
そうかも。

『ふぅん……苦労したんだ』
あまりにも薄っぺらい感想だと、自分でも思う。
半ば機械と化した彼女の姿を見れば、平穏な人生ではなかっただろうと、おぼろげながら想像はつくが。
『あなたの世界も同じ?』

一樺 千夏 > 新しいタバコを取ろうとして……空なのに気がついた。
舌打ちしてからゴミをぽい。

「生きるのって苦労するもんでしょ、その質が違うだけよ。
 クソッタレな世界だから、クソッタレな人生しか転がってないのよ。
 お綺麗なのはメガコーポに勤めてる連中くらい。
 それ以外は……存在しない人間よ。ペットのワンちゃん以下の存在価値よ」

万車堂ささ > 『こっちに来たのはなんで?』
問いを重ねる。ただ通りすがるだけ、そのつもりだったのだが。
僅かばかりの興味が湧いたのかもしれなかった、この異形の女性に。

一樺 千夏 > 「事故よ事故。知り合いの実験が失敗しただけ。
 魔術やらあるなら、どっかでそれっぽい研究もしてるだろうから帰れるでしょうよ」
実に面倒くさそうに左手を振っている。

「ところで、アンタ。
 この辺でタバコを売ってる店知らない?
 自動販売機とかでもいいんだけど」

万車堂ささ > 『そう、大変だね』
またも月並みな感想。
人によっては深刻な話なのだろうが、この逞しい女性にとっては、さして重大事でもなさそうだ。

『タバコ?』
この辺りの街並みにも、商店にも詳しくはない、ここまで歩いてきた記憶を辿って―――あった、自動販売機。
『あっち』
路地の出口を指す。

一樺 千夏 > 実際、大変ではあるのだが……言葉が通じて、金さえあれば後はどうにでもなると思っている節がある。
むしろ気にかけているのは別のこと。
「ああ、あっち? ありがとねー助かるわー」
年齢認証システムがあったら自販機をぶっ壊そう、そうしよう。

一樺 千夏 > 路地の出口に向かって歩きながら。
「ああ、そうだ。
 アンタ……次からは相手みてから止める事ね。
 ここらじゃ、それを口実に襲われてマワされても誰も助けちゃくれないわよ、多分」

万車堂ささ > 『どういたしまして』
口を開かぬまま、そう伝えて。狭い路地裏ですれ違う。

『…?』
スラングには疎く、女の台詞の全てを理解することはできなかったが。
『どうだろ、見てもわからないかも』
外見はあてにならない、自分も含めて、色んな事例で見知っている。
『でも、まあ、気をつける』
少しだけ振り返り、路地の反対側へと抜けていく。
またどこかで、出会うような事もあるのだろうか、そんな事を思いながら。

ご案内:「路地裏」から万車堂さささんが去りました。
一樺 千夏 > 「世の中、変態ばっかなんだから」
笑って小さな少女とすれ違い、振り向く事無く歩を進める。


……自販機の方から、何かを硬い金属でぶっ叩いた音が聞こえたのは聞こえたかもしれない

ご案内:「路地裏」から一樺 千夏さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に薄野ツヅラさんが現れました。
ご案内:「路地裏」に狼谷 涼介さんが現れました。
薄野ツヅラ > (とん、とんと足音を鳴らしてまるで幽鬼のような影が其処にひとつ)
(だらりと左腕を垂らして、服も"まるでガラスの破片を頭から浴びたように"ぼろぼろな、まさしく落第街の人間)
(ヘッドフォンに音楽を流しながら、ただただ歩く)

狼谷 涼介 > 人気のない夜道を一人歩くぼんやりとした表情の青年
ふと気が付き、あたりを見回せば、そこはいつかあの少女に忠告されていた落第街

またやっちゃったな、などと呟く青年のみやる先には
見るからにボロボロな、左腕を垂らした顔見知りの少女
そんな彼女の様子に目を丸くし、一言漏らす

「薄野……さん?」

薄野ツヅラ > ────はァ?

(自らの事を薄野さん、何て呼ぶ人間はそう多くない)
(尚且つこんな路地裏でいったい誰だ、と不審げに)
(ゆらり、振り返る)

……なんでこんなところに来てる訳ぇ?
迷子のご案内は趣味じゃあないのだけどぉ…?

(忌々しげに、舌打ちをひとつ)

狼谷 涼介 > 「……その、気がついたらここに」

そんな不機嫌そうなツヅラの様子を見て、申し訳無さそうに一言
しかし、青年の視線はすぐにボロボロになった服装、そしてだらりと垂れ下がった腕へと移る

「怪我……したんですか? 洋服もボロボロになっているし。
まさか、また変な人達に襲われて……?!」

そう言い放ち、慌てたようにツヅラの傍へと駆け寄る
心の底から心配しているといった、そんな表情で

薄野ツヅラ > ……あっそ
今回は案内しないわよぉ、そんなに暇じゃないしぃ──…

(悪態を吐くも、その息は絶え絶えで)
(ふい、と視線を逸らす)

見ればわかるでしょ──……
こんな状況で怪我してないヤツがいたらとんだ最先端のお洒落ねェ、悪趣味極まりないと思うけどぉ

(面倒そうに、その態度を変えることなく言葉は続く)
(心配されれば厄介なのに捕まったわねェ、と)

狼谷 涼介 > 駆け寄った青年は、その様子を見て息を呑む
先程は遠目でしか確認できなかったが、近寄った今であればわかる
左肩にある銃痕のような穴、ガラス片か何かで切り裂かれたようなぼろぼろの洋服
そして、息も絶え絶えで気だるげな、そんな少女の姿

「……何か危ない目に合いそうなら、連絡してくださいって言ったのに」

そう言って、少女の洋服に手をかざす
怪我は治せないが、せめてそのボロボロになってしまった洋服だけでも元の状態に戻そうと
自らの"異能"を使おうとする

薄野ツヅラ > 連絡するまでもなかったから別にぃ?
不良債権抱えるつもりもないんだゾ──…☆

(借りを作りたくない、と揶揄する)
(少年の異能が自分の服に及んだのを見ればひとつ舌を打つ)
(生暖かい室外機の不快な風が頬を撫でる)

────なかったことにしろだなんて云ってないんだけどぉ?

(これ以上なく、不機嫌に)

狼谷 涼介 > 異能の力を行使し、その洋服を以前この場所で会った時の状態まで"巻き戻す"
そして、不機嫌そうな少女の様子を見て

「だって、女の子にいつまでもそんな格好をさせているわけにはいかないから」

困ったように、若干の申し訳無さを含んだ笑みを浮かべてみせた

薄野ツヅラ > ……じゃあ怪我はどうでもいい訳ぇ?

(厭らしい、姑息な笑みだった)
(余り自分に華々しい学生街の人間が近寄らないほうがいいのは知っている)
(巻き込むのが目に見えていたから)
(其れ故の──……拒否。差し出された手を弾く)

狼谷 涼介 > 「そ、そういう訳じゃ。その、一応手当自体はされているみたいだし、僕の異能じゃ怪我までは治せないから……ごめんなさい」

少女の指摘を受け、素直に頭を下げる
そんなつもりはなかったと言いたげな表情で、少女が言葉に篭めた真意には気づくはずもなく
青年は、ただただ素直にその言葉を受け取った

薄野ツヅラ > 謝る必要のないところで謝ってたら利用されて終わりよぉ?

(莫迦みたい、とぽつり呟く)
(動く右腕でガシガシと頭を掻いた)

……はあ、やりにくいと云うか莫迦莫迦しいと云うか
そんな凄い異能を持ってる奴がボクみたいな奴に関わる意味は皆無よぉ
精々利用する程度じゃないのぉ──……

(隠すことなく厭そうな顔を向ける)
(其れは卑屈で、鬱屈とした其れで)

狼谷 涼介 > 「それでも、僕の気持ちが済まないから。
本当ならしっかりと治療してあげたいけれど、僕はそんな知識も技術も持ちあわせていないし……」

そこまで言いかけて、首を傾げる

──僕はどうしてこの人の事をここまで気にかけているのだろう

初めて時計塔で出会った時には、どちらかと言えば"失礼な人"という印象を持っていたはず
けれど、今は違う。この人の役に立ってあげたい、この人が傷ついている所を見たくない

「利用……なんてするわけないじゃないですか。僕と薄野さんは、友達なんだから」

その気持ちの正体に気づかぬまま
青年はいつもと同じような、穏やかで柔らかい笑みを浮かべた

薄野ツヅラ > 善意の押し売りってぇ───……

(自分の口元にそっと人差し指を添える)
(曖昧な笑顔を浮かべれば、皮肉げに、毒々しく)

押し付けられる方からしたら悪意に感じることがあるんだゾ──……☆

(悪意を込めて、嗤う)

あっは、優しいねえ、狼谷くんは!
けどねェ、優しいだけじゃ生きていけないと思うんだよなぁ!

────其れはほんとに友情だけ?

(柔らかい笑みには目もくれない)

狼谷 涼介 > 「う……それを言われると、返す言葉もない……。
もし嫌だったら、言ってくれると助かるかな。僕、無意識にそういう事をしてそうだし」

少女の悪意には気づかない、気づけない。青年は純粋すぎたから
目の前の少女を不快にさせてしまったのでは。ただそれだけを思い、頭を下げる

「うーん、それについては色々と経験してきてるから、なんとなくだけどわかるよ。でも、薄野さん相手なら大丈夫かなって。
僕には、薄野さんがそんな悪い人には見えないから」

そう呑気な言葉を紡ぐ青年は、やはり、どこまでも甘い

薄野ツヅラ > 厭だ

(いい笑顔で、これ以上なく楽しそうに)
(少女は言葉を吐き捨てた)

大丈夫大丈夫って云ってここで頭の中弄られたらぁ、とか考えない訳ぇ?
一瞬でも思わないのぉ?
───ボクが狼谷くんを廃人にするのなんて片手間なんだゾ──……☆

(少年に向けたのは、悪意か、敵意か)
(其れとも別の感情か)
(高い月が、雲に隠れた)

狼谷 涼介 > 「む……薄野さんって、案外意地悪だよね」

その言葉を聞いてムッとしたような表情を浮かべるが
すぐに元の柔らかな笑みに戻り

「うーん、思わないかなぁ。もし薄野さんがそのつもりなら、もうとっくにやられてるとは思うから」

どこか自嘲的な笑みで、そう返した

一切の疑いを持たず、少女の紡ぐ言葉をありのまま受け止める
どこまでも甘い青年の純粋なその瞳は、真っ直ぐと少女を見つめ続ける

薄野ツヅラ > あっは、意地悪で済むなら幸せねぇ……

(莫迦にしたように小さく笑った)
(おもむろに右腕でヘッドフォンを肩に掛ける)

じゃあ今からやってみる?
ボクと出会ったことも忘れる?其れともボクが君の両親を殺した、なんて設定も面白いかもしれないわぁ?
───……人を疑えないとこの先さくっと死ぬと思うゾ☆

(ポシェットからチュッパチャップスを取り出せば口に突っ込む)
(子供のように少女は、口の中でキャンディを弄んだ)

狼谷 涼介 > 「あはは、それは勘弁願いたいかな。折角出来た友達を失う事も、恨んだりする事も僕は嫌だから」

再び困ったように笑い、やんわりとその申し出を断る

「疑うべき相手は疑っているし、誰これ構わず信用しているわけでもないから大丈夫だよ。そうじゃなかったら……」

──僕は、こんな"異能"なんかに目覚めはしない

その言葉の続きが、青年の口から紡がれることは無かった

薄野ツヅラ > でもやらないと決まったわけじゃないわぁ?
だから疑うべき相手を疑えていない。誰彼構わず信用するのはお勧めしないしぃ……

(ガリ、と音を立ててキャンディを噛む)
(口元を歪めて────)

もし今のその君の気持ちは、人を信じる気持ちは作り物じゃないと云えるのぉ?
100%、間違いなく自分の感情で誰に与えられたものでもないって、

(其れから、と叫ぶように)

ボクが植え付けた感情かもしれないとかッ!
思わない訳ェ!?

(其れはもう、悲鳴にも似た)

狼谷 涼介 > 少女の叫びにビクリと体を震わせる
しかし、怖気づく事もなく、しっかりと少女の瞳を見据え
青年は自分の気持ちをぶつける

「思わないよ。僕は、僕のこの気持ちを信じているから
それに、これがもし誰かに植え付けられた感情だとしても、僕は構わない」

少女の言葉で、青年は自分の気持ちに気づいた。気付かされた
まだ芽生え始めたばかりの気持ちではあったが、それでも……

──だって、それは……

「僕が今そう想っている。それなら、僕は僕の思うまま、突き進むだけだから」

薄野ツヅラ > ───……構わないってかなり頭おかしいんじゃないのぉ?
自分の気持ちが本物じゃないかもしれないのに其れでいいなんて初めて聞いたわぁ…

(呆れたように嗤った)

あッは!何をどう思ってるんですかぁ?!

(分かりきった其れを厭らしく、幾度となく)
(ただ単調に繰り返す)

善意の押し売りってぇ、最ッ高に!
其れで居て最ッ低な行為よねェ───……!
押し売られる側の気持ちなんて考えない利己主義な!

(ただ、暗い路地裏に少女の言葉が反響する)
(悪意を思い切り、自覚するまでひたすらに吐き出す)
(嗤う)

狼谷 涼介 > 「それは……」

青年は口篭り、視線を泳がせる
返す言葉を探すかのように、自覚した気持ちを伝えるべきか、悩むかのように

「……気分を悪くさせたなら、ごめん
確かに、僕は薄野さんの気持ちを考えてなかった。ただ、自分の気持ちだけを押し付けていたと思うから」

そう言って表情に影を落とし、俯く
ただただ紡がれる、少女の言葉、その悪意を受け止めながら

薄野ツヅラ > ほぉら、これだから自分勝手なのよぉ───…

(にやり、と口元を歪める)
(精神方面に特化した異能の少女の真っ直ぐな本音は、悪意は)
(的確に、正確に少年の心を抉る)
(───貫く、のかもしれないが)

ボクの口癖の一つだけどそのまま狼谷くんに贈ってあげるんだゾ──……☆

(謝るくらいなら最初からやるなよな、と)
(気持ちを、文字通り踏み躙る)

狼谷 涼介 > 「……ごめん」

それしかだけしか言えない
その言葉しか紡ぐことが出来ない
青年は俯いたまま。その表情を伺うことはできないだろう

薄野ツヅラ > 人は本来利用して利用しあって裏切って裏切られるものなのよぉ
だから人は依存するの、捨てられたくないと懇願するの

(どこか寂しげに、言葉を震わせて)

────誰かに依存して生きるのはとっても楽よぉ?
自分なんて曖昧で不確定な存在を重要視しなくていいんだからぁ

(ぽたり、路地裏に涙が一粒)