2015/07/06 のログ
ご案内:「路地裏」に惨月白露さんが現れました。
■惨月白露 > 路地裏にあるドラム缶に腰をかけ、足を組みながら人を待つ。
暫く待つと、そのドラム缶にフード付きのマントで体と顔を隠した男が座る。
「―――ほら、頼まれたものだ。」
座った男に視線を向ける事も無く記録媒体を渡すと、
男は携帯端末で中身のデータを確認する。
やがて確認を終えると頷き、小さく『ご苦労』と呟く。
■惨月白露 > 組んだ足に頬杖をつくと、瞳を伏せる。
「じゃ、それで偽装学生証の件は便宜を計って貰うって事で、宜しく。」
男の方が小さく何かを呟き、下卑た笑い声を漏らした。
チッと小さく舌打ちすると『宜しくお願いします。』と言い直した。
■惨月白露 > 「それで満足かよ。」
彼がそう言うと、男は下卑た笑い声を漏らしながら
『どうしようかなぁ?まぁ、お前の態度次第だな。』と呟く。
「―――あ゛?」
まだ何かさせるつもりなのか、と視線を男のほうに向けると、
その瞳は情欲に染まり、彼の組まれた太もものあたりを見ている。
やがてゆっくりとその骨ばった手が太ももに触れると、不快感に顔を歪める。
「変態が。」
ニヤニヤと笑いながら偽装学生証をひらひらと動かす彼に、
悪態をつくと、その男と一緒に路地裏の闇へと消えて行った。
■惨月白露 > 取引をしていた男は『風紀委員』だ。
といっても末端も末端であり、大した権力もない。
だが、彼が二級学生である事を知ると、
偽装学生証を摘発せずに黙るのと引き換えに、
『公安委員会』の機密情報を盗んで来る事を要求して来た。
二級学生の地位なんていうのは実際そんなものだ。
二級学生である事を知られれば、いいように使われる。
どんな『頼み』であっても断る事は出来ない。
学校の規則には二級学生であっても『素行に問題が無ければ』救済される事もある、
と、確かに書かれている、だが―――。
■惨月白露 > 乱れた着衣を正しながら、『路地裏の闇』から出てくる。
偽装学生証を見ると、再び小さく舌打ちをした。
「偽装学生証が無くなれば、不法入島者として摘発、
偽装学生証を維持しようと思ったら『素行に問題が無い』生活なんて夢のまた夢。
―――こんなん、救済なんてあってないようなもんだろ。」
学生証を学生鞄にしまうと、
薄暗い路地裏をゆっくりと歩きだす。
―――彼が出てきた路地裏の闇からは、
赤い赤い液体が路地裏に滲み、そして広がって行った。
ご案内:「路地裏」から惨月白露さんが去りました。
ご案内:「路地裏」にスラッシュさんが現れました。
■スラッシュ > 「う゛に゛ゃ゛~~~~~ッ!!
あと少しでテストも終わりに゛ゃ゛~~~ッ!!」
奇声を発しながら怠そうに歩く一匹もとい一人。
キャスター付きトランクをガラガラ引いて、暗い路地裏に入ってきた。
時間は深夜0時頃。真面目な生徒諸君であれば、テスト勉強を必死にやっている頃だろうか。
落第街もいつもよりは少しは静かになっているようないないような。
ご案内:「路地裏」に形容動詞タルトさんが現れました。
■スラッシュ > 「…ま、ウチにはカンケ―無い話だけどニャ!!
わっはっはっはっはっは!!」
完全にヤバい人だ。一人ツッコんで一人で笑っている。
笑い声は古いビルに反射して、虚しく夜の静寂に消えていく。
我ながら少し恥ずかしい。
立ち止まりドカっとトランクに腰掛ける。
■形容動詞タルト > ――その通り。路地裏はいつもよりどこか静かだ。
アンダーグラウンドに繰り出す生徒が減れば、それを狙うたぐいの住人も表から減る。
落第街の住人同士の取引なら、もっと適した場所がある、ということだ。
単純に、人が少ない。
「はぁ――――ん?」
道端に体育座りをしていた少女が、けだるそうに賑やかな声のほうを見やる。
狐の耳に、金の三つ編み。ひと房だけ黒い髪。泥を思わせる羽衣。いかにも人外といういでたちだ。
「まぁーたしゃあがしいのが来た」
その足元には、なにかの売人らしき男が一体ぷすぷす焦げている。
――いつもより、静かだ。
■スラッシュ > 見たところ、明らかに人外である。
本物っぽい耳は生えているし、格好も何だか普通の生徒らしくはない。
そんな貴方を見て、
「なんニャ?
騒がしいヤツとは面白い自己紹介だニャー!!」
と指さしてげらげら笑っている。
(何だアノ黒焦げ。コッチに矛先が向かいませんよーに。くわばらくわばら)
丸焼きになった売人がもう一人増えない様、心の中でこっそりお祈り。
■形容動詞タルト > 「しゃ――がしいのはアンタやないがけ?」
謎の訛りの入った口調で、呆れた、という表情を作る。
「ま、我(おら)はしゃーがしくてもいいがよ。神様やから」
腕組みをして、足を踏み鳴らす。
……体格が小さいので締まらない。
「……って――か神様を指ささんといて! 笑わんといて!
ああもう、こんだから最近の人間は――」
わめく姿にも、神様と名乗るほどの威厳はない。
しばらくげらげら笑われたあと、憮然とした表情のまま。
「……なー人間。人間もここで商売をするがけ」
目の前の人間にそう尋ねる。
■スラッシュ > 神様と言われると一旦笑いをとめてじぃっとそちらを見つめる。
真剣な顔で見つめている。
「ぷーっ!!」
そして吹き出した。
「ちんちくりんな神様だニャ!!
チョーウケるのニャ!!」
再び腹を抱えて笑い転げる最近の人間。
というかそもそも、この人間は神様なんてモノは信じていないのだ。
信じるところのものは、ユキチ、ヒグチ、ノグチだけだ。
一頻り笑い終えた後、
「あーおもしろかった」
とひーひー言いながら息を整え
「で、商売が何かニャ?」
と聞きなおす。
ご案内:「路地裏」にライガさんが現れました。
■ライガ > 長身の人影が足早にやってくる。
珍しく静かな落第街、笑い声は遠くからでもよく聞こえるのだ。
(なーんか騒がしいな……)
路地裏に入る手前で壁際にどっかと腰を下ろし、ポケットからスマホを取り出す。
画面を弄りながら、今日も掘り出し物はなかったなあ、と小さく呟いた。
そして、誰かを待ち合わせているかのように時々、通りを見回すが、もっぱら興味は画面に向けられているようだ。
■形容動詞タルト > 「何けよ――! 笑わんといてよ――!!」
あからさまに吹き出しまでされて、いよいよ不機嫌度は絶好調。
こちらは頬を膨らませて、一歩踏み出して、……ふところから稲穂を一本、取り出して……構える、が。
「…………。
信じんだけならまだいいがよね。赦したるちゃ。商人やし」
……冷静になって、稲穂をしまう。
もちろん相手には、この稲穂が彼女にとっての武器だということが伝わるかもわからない。謎の行動でしかない、かもしれない。
「とにかく!」
左腕を腰に当てて、びしりと、ぷすぷすしている商人が転がっているあたりを指さす。
「ここ! ここは――軒に鳥が巣を作っておる。
ものを捨てるな。こうなるぞ」
真顔でそう言った。
■スラッシュ > >>タルトさん
「自分がそんなところに粗大ゴミ転がしといて、よくそんな口が効けたもんだニャー」
と不機嫌になる“神様”をけらけら笑いながら、転がっている黒焦げに目をやる。
が、相手の真顔を見ると、態度を少し改めたようで。
「まーまだウェルダンにはなりたくないし、今は話を聞いといてやるニャ☆」
と持っていたタバコを片づける。
仮にも神様を自称する相手だ。
そして、そこに転がっているのも仮にもこの街の商人。
怪我一つ与えることも出来ずにやられるとは、相手もなかなかの手練れであるとわかる。…わざわざ喧嘩を買ってヤケドすることもない。
まさに触らぬ神に何とやら、だ。
>>ライガさん
そんなやり取りの中で、自然に、かつ最小限の動作で一瞬そちらを見る。
両腕がボロボロのスーツに銀の鎖…ナックルダスターをしていたかまでは視認できなかったがおそらく間違いは無いだろう。
(ふぅーん…魔剣殺しか…。こんなところまで探し物とは健気なこったナァ…)
■形容動詞タルト > 「粗大ゴミやないがに……」
つまさきでちょいちょいとつついてみると、ぷすぷすしていた商人はわずかにうめき声をあげた。
このウェルダン、見た目よりレアに仕上げてはあるらしい。
黒焦げよりも残虐な気はするが。
「な――に、どこ見とるがけ」
相手の視線がそれたのを、見逃しはしない。
なんでもないように声をあげて、視線の向けられた先を同じく視線で追ってみる。
……妙な格好の男だ。人の事は言えないが。
■ライガ > 相変わらず画面に集中している、ひそかに注目されていることを気にした風もない。
表示されたアプリは、ネットオークションで入落札をするためのものだ。
今見ているのは落第街のどこかで行われているであろう、表に出せない品々を取り扱う闇オクだ。
「薬物、武器、禁術書、呪物か。なんかもう、ありきたりな品揃えだなあ」
小さくつぶやく。たとえば武器と言っても、いわゆる法に抵触する弾とか化学兵器とか生物兵器なんかの、比較的ポピュラーな品々で、そう変わったものは見られない。
■スラッシュ > >>タルトさん
「あらあら可愛そうにニャ。」
生きていることがわかると何だかもっと可愛そうになる。
両手を合わせてなむなむ、と小さく唱えるだろう。
「いんやべーつにー。」
とそっけなく答えると、トランクから降りて、小声で会話できる程度の位置まで近づくだろうか。
>>ライガさん
と、普通に会話はしているものの、耳はそちらに向いている。
ぼそ、と呟いているのは聞こえたが、さすがに内容までは聞こえない。
…気になるが、近づくわけにも行かないし、というところ。
■形容動詞タルト > 近付いて来られると、むやみに攻撃する気はなくしたのか、ウェルダン改めレアの上にちょっこりと座る。
「うむうむ。火は神事にとっておくがいいがよ。
商人にも神はおるから。――最近はユキチというがやったか?」
どうも最近、似たようなことを吹きこまれたりしたようだ。
……なんて会話をしつつ、耳をぴん、と立てて、路地の入口あたりに視線を向けてはいる。
「な――んか、最近の人間はどいつもこいつもあの板ばっかり見よるがやな。あれは何ながけ」
あけすけに喋るので、聴こえるかもしれない。
■ライガ > 「あーあ、なんか面白いもの流れてこないかなあ」
はあ、とため息をつくと、つまらなそうな表情で──と言っても、路地裏の1人と1体に見えるかどうかわからないが──闇オクのアプリを表示させたまま、画面の隅に点滅している、通信魔術用のアプリを呼び出す。
すると、虎猫の姿をした電子の精霊──電霊が、手毬のような球と遊んでいる待機画面になる。
男が操作すると、電霊が肉球?を掲げて応じ、てってってと画面外に駆けてゆき……手毬がアンテナのような形に変化して、くるりくるりとゆっくり回り始めた。
■スラッシュ > 「そうそう、ユキチ様と暴力だけがコノ街で自分を救ってくれる神様やんニャ~」
と、とことこと歩いてくる。
そして、もう一人には聞こえない程度の小さな声で
「アイツは、神をも恐れぬケーサツ様の1人だニャ。
この死体モドキを隠すのと、しばらく商売の話は禁句だニャ。
面倒事に巻き込まれるのはゴメンだニャ。」
と、黒焦げの近くにしゃがみ、頬をつんつんとつつきながら。
■形容動詞タルト > 「末法の世ながやな」
それでは仏道か。なーんて返して、こちらも声を落とす。
「……なるほど常世の狗ッコロけ。となるとちとまずいな……」
死体モドキの鼻の穴に稲穂を数本突き立てて、何ごとかむにゃむにゃと囁きかける。
どろん、なんてわかりやすい効果音がないが、だんだんと黒焦げの姿、肉の焼けたにおいが遠のいて――わかりにくくなり、
「えい」
裏の方に蹴り込む。ぐげ、という声があがる。
■スラッシュ > その場にあったはずの黒焦げが、跡形も無く消えてしまった。
死体処理もばっちりとは、神様はすごいモノだ。
崇めても罰は当たらないかもしれない。
「おー、便利便利、ボクにも教えて欲しいくらいだニャ。」
と小さく拍手をして見せる。
■ライガ > 路地裏に面した建物の屋上付近に、ぼうっと微かな灯りがともる。
それは音もなく。空を見る機会がない限りは、気づきにくいかもしれない。
──まあ夏の夜だ、ウィル・オ・ウィスプがいても不思議ではない。
「んー……ないな」
男はまだ、スマホの画面を凝視している。よほど気になることでもあったのだろうか。