2015/07/08 のログ
■鬼道椿 > 絶好のタイミングで鬼包丁を抜く
閃光と共に妖魔の首を装甲ごと跳ね飛ばした
どす黒い斬りを首から吹き出しながら妖魔の巨体は車道から投げ出され溝川へと落下した
受け身を取りながら着地し転がる妖魔の生首を見る
「行動の制限、一手一手を繋げていく…か」
「今ので合格点を貰えればいいのだが…」
能見先輩の動きとくらべるとどうも固い
「これはまだまだ先が長そうだな」
はぁ、とため息をついて自販機からお汁粉を買って一口飲む
■鬼道椿 > 妖刀に妖魔の首を喰わせて路地裏へと戻る
携帯電話で討伐報告のメールを送ってこれからどうしようかと考える
このまままっすぐ帰るか、報奨金が入るから歓楽街で何かいいものでも食べるか…
それとも能見先輩に報告をしに行くのも悪くない
「単位は問題ないし学校に戻る必要もないか」
お汁粉を飲み干し、団子でも食べようかと思考を巡らす
ご案内:「路地裏」にアスティアさんが現れました。
■鬼道椿 > 大物を倒した後だ、流石の路地裏も『穢れ』の気配もなく静かになってしまった
路地裏を歩く、そう言えばこうしてじっくりとここを歩くのも久しぶりだ
■アスティア > ――見覚えのある顔をみた気がして、
ふらりと路地裏へと入ってくるエルフが一人。
「――奇遇だな。
元気にしていたか?」
なんて片手を上げて気楽に挨拶をしつつ、
近づこうとするだろうか。
■鬼道椿 > 「ああ、久しぶりだな。」
「喫茶店以来だ…まぁ、まぁ、元気は元気だよ」
自分の現状を思い返し苦笑いをする
会釈をしてアスティアに自分から近付く
そう言えばこの剣士に教えてもらったのが東郷を追う切っ掛けだったな
■アスティア > 「ふむ、善哉善哉――
というほどでもなさそうだな。
――どうやら、あの喫茶店以来、
何か色々あったようだが。
――ふむ。
何か見出す事は出来たか?」
苦笑いの様子に、
いい事ばかりがあったわけではないと察して、
そんな風に聞いてくる。
――だが、この女のもっている剣の数が3本足りない。
■鬼道椿 > 「色々とあり過ぎたよ…自分の中の価値観が引っくり返ってどこかに消えてしまいそうだ」
「・・・まぁ、見直すことはできたよ私はまだまだ弱いな」
ふと剣の本数を数えた以前は7本だったよな
「剣が減ったようだが、どうかしたのか?」
「私も一本駄目になって今は替えを使ってるんだがな」
そう言って短刀を見せた
■アスティア > 「はっはっは。
それは――
実に重畳だな。」
価値観が消え、弱いという椿に対し、
それは良かったなと笑う。
「敗北、弱さを知らずして上は目指せず、
強くなる事などできんさ。
それにしても、椿殿の刀をダメにするとは、
よほどの使い手だったようだな。」
誰が相手かは分からないがな、なんて少し苦笑して。
「あ、妾の剣はな。
訓練で3本ダメになって、今、変えを用意するか、
修理してもらうか悩み中だ。」
■鬼道椿 > 「噂の剣鬼だよ、二度戦って二度負けた」
「あの打刀よりいいものが手に入ったからまぁ良かったがな」
そう言って嬉しそうに刀を抜いて刀身を眺める
「訓練でか、それはまた加減の知らない奴と戦ったんだな、はっはっは」
「アスティア殿は贔屓の鍛冶師は居ないのか?」
■アスティア > 「それはまた強敵だったな。
どんな人物だったか聞いても構わないか?
それにしても、2度戦い2度負けて――
もし三度あれば――
勝てるか?」
真剣に、目を真っ直ぐ見て、勝てるかと聞く。
正直な話、剣鬼がどんな奴なのかよりも、
こちらの方がききたい事故に。
「ま、訓練とはいえ全力で戦わねば見えぬものもあるしな。
ちなみに妾の完敗だな。
ここのところ負け続けではあるが、
実に面白い手合いが多い。
ちなみに贔屓という程の鍛冶屋はおらんな。
元よりいい刀を手にいられた椿殿が羨ましい限りだ。」
はっは、と何が楽しいのか嬉しそうに笑う。
■鬼道椿 > 「そうだな、強いが人間のクズだ」
「今はまだ勝てる気がしないよ」
「腕前も、経験もまだまだ届かないからな…」
「フムン、落第街を探してみると良い」
「裏側の方が良い店が多いからな」
そう言ってメモに何か所か簡単な地図を書いて渡す
「直すならここに行ってみると良い、少し値が張るが腕が良い鍛冶師だ」
「それじゃあ私はこれで行くよ」
「それでは」
ご案内:「路地裏」に士尺 流雲齋さんが現れました。
ご案内:「路地裏」から鬼道椿さんが去りました。
■士尺 流雲齋 > カラン、コロンと下駄を鳴らしながら歩く小さな人影。
(陰の気が匂うと思うとったら、急に清められてしまったわい。
退魔の類か、の。腕は立つようじゃな……)
杖をついた老人は、一見無防備のようだが、とくに絡まれる様子もない。
■アスティア > 「――なるほど。そこまで、か。
すまないな。色々ありがとう、
助かる。
それでは、また。」
そういってひらりと手を振って見送り、
カランコロンという音に
ふむ。
と一つ頷いて――
「流雲齋殿か。」
と。短く一言。
■士尺 流雲齋 > 「……おう、アスティアではないかの。
久方ぶりじゃよ。試験は順調かの?」
声をかけられれば、杖をついていない方の手を軽く上げて応じる。
大通りの方へ向かっていたが、歩みを変えて路地裏へ入ってくると、辺りを見回した。
「陰の気を感じて来てみたが、事は終わった後のようじゃの。
なかなか、腕の立つ退魔士が居たとみえる」
■アスティア > 「久方ぶりだな。
やっと試験が終るし
山篭り楽しみにしている。」
まだかなまだかなとうきうきする姿は、
少し子供っぽいかもしれない。
が直ぐに気を取り直し。
「退魔師か。
ふむ。
実に腕が立つと思う。
剣の腕も含めて。
だが――さしもの剣鬼はそれ以上と聞く。
いろんな意味で凄い男のようだ。
性格は――非常に悪そうだが。
しかし、陰の気を感じるとは流雲齋殿はそちらの造詣も深いのだな」
なんて笑う。
ちなみに私は全く分からんな!という意味も含めて。
■士尺 流雲齋 > 「おう……
楽しみにされると、こちらもはりきって準備せねばならんて」
遠足を楽しみにする無邪気な子供のような姿に、いささか面食らう。
山籠もり以外に、夏休みに向けてならばもっとこう、あるじゃろう?
「ほう、お主がほめるならば、その評価は信じるに値するかの。
一度会うてみたかったの。
剣鬼──というと、噂の殺刃鬼、かの。
陰の気に関しては、まあ、所謂年の功というやつじゃよ。
戦い続けていれば、そのうちなんとなくわかるようになるもんじゃ。
それがいつになるかはわからぬがの」
ほっほっほ、と笑う。
しかし、それは人間の場合であって、この老人の場合は最初から備えている物なのだが。
明かす必要はまだないだろう。
■アスティア > 「実はこの夏一番の楽しみだったのだ。
山篭りは実に楽しいからな!」
面食らった様子にも気にしない。
いや、うん。
いわゆる戦馬鹿というか剣馬鹿というか。
結局の所、そういう生き方しかできないのである。
「そうだな。噂の殺刃鬼。
――会ってみたいようなみたくないような。
こればかりは縁次第か。
それにしても、そのうちなんとなくとは、
まだまだ私も修練が足りないか。
うむ。実にいい。私はもっと強くなれるぞ!」
おお、と感心した目で流雲齋をみながらも、
ガッツポーズして何か変なところで喜ぶ。
ぶっちゃけた話、
鍛錬を続けても多分間違いなくわからないというか、
突っ込んだだけで全て弾き飛ばしそうな火の玉精神をどうにかするのが先な気もする。
■士尺 流雲齋 > 「ほっほ、
そういえば、あれから山籠もりやりたいというものには会うたかの。
皆忙しそうじゃが」
ある意味、
極めるところまで極めるのを見てみたくはある。
どこかで化けるかもしれないし。いや、現状すでに化けてるのかもしれないが。
「殺刃鬼、儂も会ってみたいんじゃがの。
儂、学園には結構長く勤めておるが、大規模な戦のときはたいてい、他に用事があって出かけておっての。
縁のほうは、残念ながら期待できそうにないわい。
アスティアよ、もし遭ったら代わりに頼むでの。その為ならば、いくらでも手合せ付き合おうぞ。
儂も、詳しく年月を数えていたわけではないんじゃ。
ただ、一人の修練も良いが、流派の違うさまざまな戦士と会い、学ぶことも必要じゃて。
ここ最近の手合わせはどんな具合かの?」
■アスティア > 「うむ。
――残念ながら、だな。
誘うにたる実力者もいるが、
山篭り……しているよりも解決すべき事があったようだしな。
ああ、ひょっとしたら剣術部員が押しかけるかも知れん。」
一応剣術部には通達してるのだ。
あった相手にはだが。
「――ま、こちらも似たようなものか。
あまりこちら側に赴く予定があっても、
仕事絡みでな。
しかし、会ったら全力でし合ってみるつもりだ。
ちなみに、最近ではまた二戦ほどしたが。」
零との戦い。敗北。
その後、2対2の戦い。引き分けだけど内容は敗北。
うん、と、一つ頷いて
「見事に惨敗だな!」
物凄く嬉しそうにそういった
■士尺 流雲齋 > 「剣術部員は、時々凄腕が混じってるでの。
なるほど、可能性はあるかの」
嬉しそうに返されれば、大きく頷く。
「ほっほっほ、なあに。
負けるということは、自分より上がいるという事じゃ。
上がいるならば、超えるべきものがあるということじゃろう。
負けが込んでいて腐ったりしなければ、それは貴重な経験じゃな。
ただ勝ち続けて、意味もなく強くなり。
やがて道を外れるよりも、はるかにマシじゃろうて。
……さて、深夜の路地裏にいつまでもいるとよからぬものが集ってきそうじゃの。
儂はこのあたりで失礼する、お主も気を付けての」
■アスティア > 「楽しい楽しい山篭りになるといいのだが、
うむ。
色々用意しておこう。」
ピクニックか何かにいく気分だが、
実際楽しさでいえばそれ以上だ。
「――ま、負けれる私は幸せものだ。
皆妾以上の何かを秘めてもっている。
――故に、私はそれを得る事もできるのだからな。
負けたら終わりとなれば、
そうともいってられんが。」
まぁ、その時こそは、真の意味で覚悟も、
全力も出せるのだろうと思わなくも無い。
いつだってそうだった。
「――ああ、またな。
少しぶらぶらしたら妾も帰ることにするよ。」
そういって手を振って見送るだろう
ご案内:「路地裏」から士尺 流雲齋さんが去りました。
■アスティア > 「――」
静かに瞑目する。
が、何かが分かるわけではない。
だが。
「陰の気、か。
まぁ、暗いからよからぬ輩が集まる場所であるのは確かだな。
うむ。それくらいなら妾にも分かる。」
■アスティア > 「まぁ、早々何かあるわけでもないと思うが。」
ふむ。
と少しさくさくと散策をしてみる。
ご案内:「路地裏」にアンヘルさんが現れました。
■アンヘル > 彼女の探索する先。
「あー! ああーーー! うるっせえっつってんのがわかんねえのかぁ!?
えぇ、おい、なあ、おい、お前オレのことばかにしてんだろ!?」
そこから怒声が響いた。じゃらじゃらと響く鎖と思しき金属音。
壮絶な破壊音、何度も何度も、執拗に繰り返される重い響き。
「だからこまんだよなあ、おい。出すものとっとと出してもらわねえとよおーーー」
■アスティア > 「…………」
思わず呆然とした後、ぽんと手を叩いて。
「実に派手でいいな!
派手なのは実に良い!
元気な証だ!」
等と笑いながら、怒声の方へと向かってゆく。
「楽しそうだな!」
なんて姿をみたらいうだろう。きっと。
■アンヘル > 男が。――自販機を蹴り壊していた。
『オ、オマ、オマケ、オマケヲエラ、エラrrrrrrrrr』
見るも無惨な自販機がゴトゴトとジュースを吐き出し続けている。
全身にチェーンを下げたちんぴらの右手は、返金レバーをやかましく上下させていた。
「くそったれがァ! おい、早起きは三文の徳ってしってっかよおい。
テメエの朝日を拝めねえようにしてやらァーッ!!」
繰り返すが、自販機に。鮮やかなほど、目を疑うようなほどの速度の蹴りを叩き込んでいた。
『プゥ―――――――ン』
お釣りは帰ってこなかった。
「くそがぁあッ!」
■アスティア > 「おお。完全に壊れている。
凄い力だな。」
確か壊したらいけないとか聞いたが。
実際この女もまたやらかした事があるので、
なんともいえないのである。
そんな事よりここまで徹底的にやれるパワーのが気になる。
「何かあったのか?
一杯ジュースが出ているが。」
故に、
普通に何事もなかったかのように気楽に聞くのである。
■アンヘル > 「あぁ!?」
声をかけられると、自販機に最後にもう一度回し蹴り。
見れば男は巨大な機械式のブーツを履いていた。
あれだけの質量、速度で蹴りこまれれば、自販機も壊れてもやむをえないか。
「見て分かんねえのかァ! ええおい、お前はあれかぁ!?
ゆとり世代ってか! 流行りの指示待ち人間かァ!
ちったあ考えろよなあ!」
短髪をかきむしり、怒りを表現し、くそ、くそ、とか言いながら地面を何度も蹴りつけた。
「釣り銭が帰ってこねえんだよ! クソッ! オレの札を返しやがれってんだ!」
■アスティア > 「うむ。見て分かるのは、
盛大に自販機を壊してるってことくらいだな。
それにしても、釣銭か。
ふむ。」
じーっと大量のジュースを見て。
「適当な所でそこのジュース捨て値で売ったら、
それ以上に儲からないか?」
至極、至極真っ当な事を言い始めた。
ちなみに、万札だったら合掌だが。
■アンヘル > 「売るゥ!? アホなこと言ってんじゃねーぞ、テメーはアホか!?
んなことしてる間に仕事の一つでもやったほうが儲かるじゃねえか!」
見つめると、明らかに苛立ちが募っていることが分かる。
徐々にブーツが地面をける速度はあがっていく。
分かりやすくもこれが、男の怒りのバロメーターのようにも見えるだろう。
苛立たしげにコーヒーを取り出すと、ガリガリとひっかき始めた。
開かない。
「あああ! くそ、テメエおい、見せもんじゃ無えぞ!」
■アスティア > 「といわれてもな。
あんなに派手なら見たくなるのが人情だ。」
とても、爽やかに いってのけた。
怒りのバロメーターがあがっているのは分かるが、
それを察してどうこうできるほど 器用な人間ではない。
「まぁ、そうだな。
私にも一本くれ。
良かったらあけるぞ?
金が必要なら。」
ごそごそ。
うん。
「金貨ならあるが。」
この国の金を忘れたらしい。
■アンヘル > ブツン、と何かが切れた音がした。
「あァ!? てめえよお、今おいなんつった?
金貨ならァ? 金が必要ならァ?」
缶を、アスティアの真横の壁に投げつけた。
スチール缶はおよそ数センチほど壁にめり込んで。
「貧しいオレにお恵みをってかァ!? 舐めてんじゃねえぞおいクソがぁ!
オレを誰だと思ってやがる……! テメエが飲みたきゃあよお、いくらでも持ってきゃあいいじゃねえかよ、ええおい!?」
額に青筋が浮き出ている。
繰り返し繰り返し、自分の横の壁に拳を打ち付けて。
息荒く怒り狂っている。
■アスティア > 「いや。だってなぁ……」
めり込んだスチール缶をみて。
「――これほどの力を披露してもらって、
金くらい払わねばもったいないだろう。
だが。まぁ。」
剣を、捨てる。
「……殴り合いをしてみたかった、
というのもあるな。
どうにも、剣ばかりでも勘が鈍る。」
さぁ。と両手を広げて。
「丁度良い。そこまでたぎってるのなら、
もうこれしかないだろう。
殴り合おうか。」
構えた。ダメだこの人。
■アンヘル > ――殴り合おうか。
言われた瞬間。ガキン、とどこかから金属音が鳴り響く。
「テメエ……」
じゃらり、と鎖が鳴る。
静かな殺意。あからさまな気配の変容。
ここは路地裏で。ここは男の領域だ。
「殺すぞ」
ガン、ガン、と。片足が緩やかに地面をける。
それは徐々に徐々に大きく、早く。
静かな殺意。耳障りな金属音。
先ほどまでの猛り狂った態度とは別の。
■アスティア > 「おう。殺してみろ。
というよりだな。
妾は元より言葉は苦手だ。
殴りあったほうが速いってだけではある。
……それとも何か、
貴殿も言葉が得意なタイプか?」
そういって首を傾げる。
「もしそうなら――謝るがな。」
■アンヘル > 挑発に、乗る。
音もなく疾駆した。
見た目に合わない超高速。
いや、アスティアはその速度を蹴りの速さとして認識している。
先ほどと違うのは、あまりにも極端な静と動。
あのチェーンの金属音は左、右と何故か両サイドから聞こえてくるだろう。
そちらに注視したならばそれは不正解。
もし男の速度を追い切り、音にも惑わされぬ感覚を持つならば。
「死ね」
上空から、その巨大なブーツを振り下ろす男の姿を捉えるだろう。
■アスティア > ――静かに動かず構える。
圧倒的な早さだ。
素早く、そしてフェイントも上等だ。
――もし、先手ではなく、後手で、
或いは、アスティアが動いている状態だったならば、
問答無用で蹴りぬかれて終わっていたかもしれない。
「先手必勝、とはいうが。」
軽く打点を横にずらし、右肩で受け止め、
巨大なブーツに両手を大蛇の如く巻きつけてへし折ろうとするだろう。
「鉄を砕くのはちと骨が折れるんだがな……」
なお、右肩に走る激痛はKIAIで耐えるつもりだ。
■アンヘル > 「見えてたとはなあ! やるじゃねえか! やるじゃねえかよええおい!」
ジャラジャラジャラ。
――耳障りなチェーン。それは制服から切り離し投じた二条のチェーン。
「だが――テメエ、さてはバカだな?」
大人しくブーツは捉えられる。機械式の、ブーツ。
隠すつもりはない。こちらは元から"常用"のギミック。
姿勢制御用パイル<杭>。爆発音とともにそれが射出。
鉄板程度であればたやすく撃ち抜く衝撃をプレゼント。
身体を曲芸めいて回転させながら、チェーンを引き戻す。
このままチェーンでアスティアの首を刈り締める。
■アスティア > 「当たり前だ。」
そう、当たり前である。
「馬鹿でなかったら何も拳で殴り合おうとするわけないだろう。
馬鹿の特権だ。」
あっさりと認め、あっさりという。
「ぐっ、がっ……!」
射出するのであれば、そのまま離さず掴み取るだろう。
肩の骨が砕けるか。
だが、
「そして、馬鹿は、だ。」
両手で巻きつけ絡めとったブーツ。
それを。
ぶん投げた。
そして、左手でチェーンを掴み刈り締められるのを力づくで阻止しようとするだろう。
「全く割にあわんな!
実に割にあわん!」
愉快そうに笑いながら。
■アンヘル > 「テメエよお。おいおいおい! テメエはちょっと危機感が足りねえなぁあ!」
ブーツ。そいつを掴み。今度は外れないようにしっかりと装着しながら頭をかきむしる。
「武器を捨てたよなあ、ええおい! テメエ、ここでよぉ!」
ブーツが、鳴いた。
甲高い金切り音。
ブーツに鎖を絡め。
「なめてんじゃねえぞ! ここがどこだと思ってんだ! ここが観光地かなんかだと思ってんならよォオオオ!」
火を吹いた。
「泣き別れだ」
告げる。男のブーツが、回し蹴りとともに火を吹いた。
爆音。爆速。最早止まらぬ暴虐の顎がアスティアを上空へと釣り上げる。
空中には――ワイヤー。対硬化能力者用特殊繊維。常世財閥の技術の粋を集めたそれに。アスティアの身体を叩きつけようと。
■アスティア > 「うん?観光地でない事は分かっているぞ。
だがな――
人間拳で語り合いたい時もあるだろう?」
違うか?ええ?違うか?と笑う。
「いっただろう。
鉄を砕くのはちと骨が折れるんだがな。
と。
……ところで、
“このチェーンはそのでかい靴より硬いのか?”」
ゴシャッとチェーンを握り潰し、
地へと着地しようとするだろう。
まぁ、多少ワイヤーで切り傷ができるかもしれないが、
駄賃としては十分か。
■アンヘル > 「ハ、ハ、ハ」
足に絡めた鎖を踏み砕く。なるほど、力だけで言えばあちらに分があるようだ。
「舐められたもんだよなあ、おい。テメエはおい、何様のつもりだ?」
たぎる。たぎる。たぎる。
足が、加速する。
――力だけでこの落第街で名を残した男。
それ以外に道はなく。それ以外にすることもなく。
それを、本業でもない拳でねじ伏せようと?
「十秒やる。得物を拾え」
そうでなければ、確実に、殺す。
何よりもこの殺意が制御できない。
このいらだちを、どこにもぶつけられない。
ガン、ガン、ガン。
だからここは分水嶺だ。
いらだちの音が、響いた。
■アスティア > 「おいおい。違うだろう。そこはこういうものだ。」
ふっと笑う。
■アスティア > 「――拳だけじゃたりねぇよ。
と。
そうだろう。」
そういうと、大剣を蹴り上げ手へと収める。
「まぁ、確かに、
確実に獲物がなければ負けるな。
片手で振るうのは難儀だし、
獲物があっても負ける公算は高いだろう。
だが、構わん。
さぁ、第二ラウンド楽しもうかぁぁぁぁ!」
はっはーと大笑いである。
■アンヘル > 「上等だ」
ゴロリ。男の制服からいくつもの"ボール"が転がり出す。
ピンポン球より小さいぐらいか。あっという間に路地裏の道を満たしていく。
――勿論、これもまたただのボールでなど断じてない。
彼が"仕事"のために取っておいた相手を確実に倒すためのもの。
踏めば地雷の如き罠となる――。
「あー、あー! あぁあ!」
チェーンの音を響かせながら男が飛んだ。
■アスティア > 「ふむ。」
ただのボールではない、と直感が告げる。
飛んでくる男に対し、
「まぁ、やってみる価値はあるか?
できるかどうかはやってみて――考えるッ!!!!」
大剣ですくいあげるようにボールを跳ね上げ、
ぶつけようとするだろう。
■アンヘル > 「"弾いたな"」
一度弾けばそれは地獄だ。
大剣で跳ね上げたなら、空中でアンヘルのブーツが一度火を吹きボールが弾き飛ばされる。
ダン。ダダダダン。
それはスーパーボールだった。この世界出身であればだれでも知ってる子供のおもちゃ。
ただひとつ違うのは。これもまた常世財閥の研究班が創りだした試験品――。
「ァアアア! もうどうしようもねえぞォ!」
衝撃が増幅される。壁を跳ね、地面のボールをはじく。
反射。反射。反射。
あっという間に路地裏は矢の如き速度で大量のボールが跳ねまわる戦場と化す。
当たれば、骨が折れるほどの衝撃。
豪雨めいた着弾音とともにアンヘルが壁を蹴る。
このボールの習性について熟知しているのは、実戦で利用するアンヘルだけだ。その隙間を縫って、蹴りこんだ。
■アスティア > なお、この女、
スーパーボールなど 知らぬ。
「おおお!?
凄いな!
どうなってるんだ、これ!」
凶悪な威力、それを受けて、この女、大剣を盾にしつつ、
弾く。とはいえ、縦横無尽だ。防ぎきれない。
ゆえに。
「仕方ないな!こうするしかないな!」
痛みをこらえ、力を溜める。
頼りにするは直感と反射神経。
残った全ての力を大剣にこめて!
「だらっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
蹴りこんだ瞬間真横から剣をふりぬいて
全力で剣の腹で叩きつけようとするだろう。
むろん、相打ち覚悟の上、スーパーボールくらいまくりだ、
こちらは即座に倒れ付す。
■アンヘル > 「――――!」
壁に"杭"を打ち付け、そこを支点に身体の軌道を変える。
嫌いなタイプ。アンヘルの不得意とするパワータイプ。
その一撃を避けるために、足に痛みが走った。
「ッガァア!」
ようやくこれで痛み分け。いや、アンヘルよりアスティアのほうが重傷か。
「ああ! あああああ! クソ! クソ!!! 大損害じゃねえかクソ!」
満足そうに倒れ伏す女。それを見下ろしながら。
ガン、ガン、と腹立たしげに地面を蹴った。
路地裏に降り立って、拳で壁を叩く。
「この期に及んで! この、この……ッ!」
目の前の女は。この場所において倒れることの危険性を理解していない。
「ああぁああ!!」
アスティアの身体に降りしきるスーパーボールを片っ端から掴んで懐にしまう。大損害。大損害だ。
治療費。戦場から散逸したボールの代金。ただ働き。
「なめてんじゃねえ! なめてんじゃねえぞ……!」
アスティアの顔の横に痛む足など意にも介さぬようにブーツを叩きつけ、
――この女、どうしてくれようか。
■アスティア > ――そう、この女、満足そうに満面の笑みで倒れ伏していた。
■アスティア > 「そう。カッカするな。見事勝利を得たのは貴殿だ。」
はっはっは、と倒れたまま笑う。
「なめてなどいない、なめていたら、
――とうの昔に貴殿の勝ちだ。」
■アンヘル > 「クソ! くそが! オレを誰だと思ってやがる!
こんなヤツ売っぱらってもクソの足しにもなりゃしねえ!」
苛立ちながら頭を掻き毟る。いや、足しにはなるのかもしれないが。
手間と労力と、この女が逃げ出した時のトラブルのほうがメンドくさい。
「それが舐めてたっつーんだろうがよぉ! オレはてめえのおふくろかァ!?
テメエはよお! 手足ぶっぱらっされて売っぱらわれてえのか!?
アァ!? 達磨大師の生まれ変わりかなんかかよ!」
いらだちながら、ただ地面を蹴っている。
■アスティア > 「ん。そうだな。
まぁ、これでも400歳超えてるから、
どちらかというとおばあちゃんとかそういうレベルだな。
まぁ、そうしたいというなら別に止めはせん、
止めはせんが。
手足が無ければ噛み付きでもするか。
あ、これでも歯は丈夫なんだ。」
どこまで本気でいってるのかというような事を平気でのたまう。
「しかし、あれだな。
損をさせたなら、
敗者である私が損を補填せねばならんな。
いやー、仕方ないな。
とはいっても金貨と後は腕っ節しかないぞ。」
ま、そんな事よりと、笑って
「――こうして闘うのは私の生きる証だからな。
やはり舐めてなどいないよ。」
■アンヘル > 別段、その年齢に驚く素振りはない。
気が遠くなるほどの歳を重ねた異邦人など、いくらでも見てきたからだ。
「一度だ」
懐から取り出したアンプルをかじりながらアンヘルは言う。
かじり砕いて飲み込んで。
「一度だけテメエを見逃してやる」
そういって、地に落ちたチェーンを回収し。
「次にテメエがオレをキレさせたらそんときゃあ知らねえ」
苛立たしげに、横にあった自販機にもう一度蹴りこんだ。
「ぶっぱらって売り飛ばすか、それとも頭からトマトにするかだ」
こういうタイプは苦手だ。彼の生きる場所ではほとんど居ないタイプ。
「テメエが素手でやろうが剣でやろうが、隠し球を出そうが知ったこっちゃねえ」
機嫌が悪そうに歩き出す。戦いに愉悦を求めるタイプではない。
そこらにあるものを手当たり次第に破壊しながらアンヘルは歩いて行く――。
ご案内:「路地裏」からアンヘルさんが去りました。
■アスティア > 「おお。分かった。
――次は負けんよ。
ま、次があるかは今後次第だろうが、な。
楽しかった。
本当にな。」
見送って大剣を杖代わりに立ち上がろうとする。
「……ふむ、
全身が痛いな。
実に痛い。
……医者にでもいくべきかな。
しかし――」
■アスティア > 「これが“此処”か。
悪くは無い。悪くは無いな。
だが、浸りすぎるのも危険か。」
うむ。と頷こうとして痛いのでやめて。
「楽しすぎて普通の生活を楽しめなくなるのは、
まだ勿体無いからな。
当面は仕事専門、
たまに暇があればにすべき、か。」
■アスティア > よっ、と壁にもたれかかって、
大剣を杖代わりに他の武器も回収する。
「とりあえずは。
やはりきんだいへーきとやらを詳しく知る必要があるな。
分からんと対処できん。
そして、まぁ、流石にもう何もないだろう。多分。」
■アスティア > 「――やはり、並みの武器では限界か。
修復もいいが――
武器を探したほうがいいな。」
ふらりふらりとよろめきながら路地裏を出ていくのである。
ご案内:「路地裏」からアスティアさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に石蒜さんが現れました。
■石蒜 > 左手首を失い、痛みに転げまわる男。それを石蒜はゴミでも見るような目で見ている。この男に襲いかかり、手首を切り取ったのは自分だというのに。
「はぁ、無抵抗なんてつまらないですよ、もっと何かしてくれるかと思っていたのに。」ため息をつきながら、切り取った手首を拾う。
それは明らかに石蒜の手より大きいが、自身の失った手首の断面に、押し当てる。
すると石蒜の傷口から、漆黒の液体がにじみ出て、押し当てた手首を包み込む。
漆黒の液体の中で手首は微妙に形を変えて、石蒜の腕とつながった。何度か拳を握り、感触を確かめる。
まだ少しぎこちない、だがじきに馴染むだろう。
■石蒜 > 「次は足首をもらいましょうか。」歩く度に傷口が地面に当たって気持ちいいのは良いが、歩きづらい。早めに治しておこう。男に近づいて刀を振りかざし。右足首を切り取った。
男が悲鳴を上げようとするが、その口に石蒜が腕を突っ込んで黙らせた。「静かにしてくださいよ、約束が在るんです。また騒いだら殺しますよ。わかりましたね?」
男が震えながら頷く「よろしい、よろしい。逃げていいですよ、もう用は済ませましたから。」
それだけ言って、もう男には興味をなくした。背を向けて、切り取った足首を拾う。
それも同じように失った右足の傷口に合わせ、つなげる。
■石蒜 > 男はよろめきながら逃げていった。血痕が残る。やっぱりあれも片付けたほうがいいのだろうか、そう考えて。血だまりに歩み寄って、刀の切っ先を血だまりに沈めた。
すると、スポンジが水を吸うように、血が刀に吸い込まれていく。
「なんかこぼれた水を飲むようで行儀が悪いですねぇ。」でも仕方ない、片付けはちゃんとする約束だ。点々と続く血を、次々吸い込んでいく。
ご案内:「路地裏」に九耀茉莉さんが現れました。
■九耀茉莉 > かつり、かつり、かつり、かつり。
今しがた、男が逃げて行った方向から小さな足音が響く。
「……おやおや、随分必死に逃げていく人が居ると思ったら、貴女の仕業でしたか。可哀想に。」
現れたのは、黒ずくめの少女。
静かに、微笑みを浮かべている。
■石蒜 > 「ああ、あなたですか。」ため息。
「まぁ少し必要なものがありましたので、快く譲ってもらいました。」座ったまま、ぐりぐりと手首と足首を回す、柔軟体操のように。
■九耀茉莉 > 「譲って貰った? 奪った、の間違いではなく?」
呆れたような笑いと共に、返す。
「――しかも、殺さず逃がすとは。まともな思考は期待してませんが、後の遺恨の種を始末もせずばら撒くとは。
…いや、あるいは、それも貴女の「退屈凌ぎ」のネタなのかしら?
いやいや、私にはとてもとても、真似できませんね。」
言外に、殺してしまえば後腐れもないだろうに、と語る。
手と足首を奪った巫女服の少女も充分恐ろしいが、殺した方が「効率がいい」と言わんばかりの黒ずくめの少女の態度も、また十分に異常性を感じさせるものだった。
■石蒜 > 「ええ、何も言わずに渡してくれました。」口を塞いでいたので何も言えないのは当然だが。
「殺すと死体が残るじゃないですか、片付けるの面倒なんですよね。自分で逃げてもらえれば楽だ。」事も無げに、言う。命を奪うことに忌避は全くない、ただ手間を惜しんだだけである。
「遺恨、考えてませんでしたね。私を恨んで何かしてくるなら、大歓迎ですねぇ、楽しみだ。」楽しげに、体を左右に揺らしながら笑う。恨みを持っている相手なら存分に痛めつけてくれるだろう、最近は自分を捕まえようとする相手ばかりで困る。
■九耀茉莉 > 「大歓迎…と来ましたか。――ふふ、ふふふふふ、あはははは、あははははははははは……!!」
笑う。笑う。笑う。ただ笑う。
面白いモノを見て、仕方が無いと言わんばかりの勢いで。
黒ずくめの少女は、笑う。
「これはこれは…! 実に面白い冗談を耳にした気分ですよ!
――貴女の「ヒト」は、あれ程までに「何か」におびえ続けていたと言うのに。
其処から「割れた」…あるいは「創られた」貴女が、自分へ向けられる怨嗟を逆に楽しむと言い切るとは!」
以前、目の前の少女の中の「ヒト」の部分を強引に引っ張り出し、その様を見たが故に。
黒ずくめの少女は、目の前の少女の言葉を笑い飛ばす。
「全く持って酷い矛盾ですねえ。貴女も貴女だ。実に可哀想に。」
そして、微笑みを浮かべながら、まるで気持ちのこもらない、空っぽな憐みを黒い巫女服の少女に投げかける。
■石蒜 > 「ああ、そういえばあなたは『サヤ』を見たんでしたね。無理矢理引っぱり出されて、かわいそうな『サヤ』、あれ以来すっかり怯えて引きこもっていますよ。」その言葉に、自身と同居する存在への憐れみや同情はない。ある意味では敵同士に近い存在なのだから。
「矛盾、不条理、ふふふ、なんとでも好きにどうぞ。道理なんかに意味も価値も無い。大いなる『道』の前には全てが等しく無意味で、無価値。万物斉同にして絶対無差別。それだけが世の理。だから私は享楽を求めている。」それが石蒜の主人が解いた考えであった。教義を語る狂信者めいた笑顔で、全てを無価値と断ずる。
■九耀茉莉 > 「ふむ。それが貴女の価値観ですか。万物斉同、絶対無差別、大いなる「道」ね。」
にぃ、と黒ずくめの少女の口角が小さく吊り上がる。
「馬鹿らしい。色々と突っ込み処はありますが、そもそもその価値観は「誰から貰ったモノ」ですかねぇ?
誰かからの貰い物を後生大事に抱えてるなら、既に「等しく無価値」という貴女の言葉は破綻しますよ?
だって、『その人に貴女は価値を、意味を見出している』のだから。」
冷笑しながら言葉で切り込む。大局で見れば、単なる時間の無駄だが、偶には息抜きをしないと息が詰まる。
息を抜く、程度の感覚で、黒ずくめの少女は巫女服の少女の言葉を鼻で笑う。
■石蒜 > 「ああ、アハハハハ。みんなそう言うんですよね。やっぱりなぁ。」どうも穴だらけの理論らしい、ご主人様が言うと、とてももっともらしく聞こえるのに。私の言い方には説得力が足りないらしい。
「お察しの通りご主人様からの受け売りですよ。でも別に、どうでもいいじゃないですか破綻していても。私はもう世の中のことなんかどうでもよくて、ご主人様と一緒に享楽に生きたいだけ、考えを広げたいわけでもない。こうやって言い合ってるのも時間の無駄でしかない、暇つぶしにはなっていますが。」その程度の話だ、穴だらけだろうと矛盾していようと構わない。
相手に斬りかかって楽しもうとしないのは、今しがた斬ったからまだ斬る気分じゃないだけ。
■九耀茉莉 > 「時間の無駄ですか。それは奇遇ですね。私にとっても、この時間は只の無駄ですので。
ま、息抜きには丁度良いですよ。」
軽く肩をすくめ、首を左右に振る。
「穴だらけというのは実感しているんですね。ご主人様とやらは、よっぽど誰かを丸め込むのがお上手な様子。
詐欺師でもやれば、儲かるんじゃないですか?」
相手は刀を持っている危険人物。しかし、それにまるで臆する事もなく、黒ずくめの少女は言葉を進める。
恐れていないのか、危険を認識していないのか。
「…しかし、貴女も損な生き方がつくづく好きと見える。誰かに寄りかかって生きるのは楽しいですか?
何もかもを与えられてばかりの生き方は楽しいですか?
私には到底耐えられませんね。誰かに依存しないと道が見えない人生なんて。
誰かに縛られてばかりだなんて、怖気がしますね。」