2015/09/16 のログ
■猫谷凛 > 「…殺すなら、やればいいにゃ…でも…」
カバンの中から本を取り出す
お守りのようにいつも持ち歩いていたこの本
やはりいつ持っても気持ち悪いぐらいに手に馴染む
「私はこんなところで死なないにゃ…」
本を開く、相変わらず中身は難解だが今はどうでもいい
適当でもなんでも全て叫んでいけば何か起こるかもしれない
スゥ…と息を吸い込んだタイミングで
「っ…え…?」
凄まじい勢いで自分の目の前に立ったユキヱを見てそんな声を漏らす
■迦具土正道 > 【無言で、間に割って入る平岡の姿を見る】
【芯まで冷えた思考の中で、双眸がその発光する少女を見つめる】
■薙 > 「……悲鳴を上げれば免罪なのですか?平岡ユキヱ先輩」
じぃ、とまっすぐに、漆黒の瞳がユキヱを見据える
その超人的な機動に驚きはしない
特別攻撃課の人間なら、これぐらいは出来るだろうと思っていた
「その女性はまるで反省もしていないようですけれど」
■白椿 > (平岡の炎を見つつ、感心したように)
ほう、娘の能力は面白い力であるの。
こういった辺りを取り締まる、というだけのことはありそうだの。
(そして迦具土の背中に声をかける)
いっその事勘違いさせておったほうが面白そうなところではあるがどうするかの。
別に我は其方らを手伝っても良いぞ?
言ったであろ、我がもとめて居るのは出会い故、どう転がっても面白いところであるのでな
其方は気に入らぬであろうが、別に関わる物事の内容を我は気にせぬ
故に……我は其方の愚直なところも個人的には気に入っておるぞ。
■平岡ユキヱ > 「悲鳴を上げる者にこれ以上の暴力を振るう事が不要だと言った。
罪は消えぬ。償うべきものだ。…、…盗み撮りは反省文400文字だったかなあ?」
ニヤリと笑い、肩をすくめる。元々無茶な異能を使ったせいか心臓な不自然なほどに早く脈打つ鼓動が耳にうるさい。
ピンチの時ほど不敵に微笑むのが、この平岡ユキヱというものだ。
「…反省していないのか?」
ただ、念のために猫谷に訊く。なお反省していないとこの場で袈裟に斬る模様。
■猫谷凛 > 「あ……えっと…」
反省文400文字とかが聞こえたが…
今の最適解は分かる
パタンと本を閉じ握りながら
「は…反省してますにゃ!」
■白椿 > ……ふむ、どこも内々は大変そうであるの。
(主にお前のせいだ)
■薙 > 「………」
無言で目を伏せ、風切り音と共に太刀が朱塗りの鞘へと収められる
「温情を嘲り、口だけ表面上だけの態度で反省した罪を償ったと
嘯いたならば、誰が止めようと貴女の首を宙に舞わせます
つらつらと口にして、平岡ユキヱへと視線を向ける
「…少々落胆しました。特別攻撃課といえど温いものですね」
と、口では言ってみても、この場は先輩の言うことに従ったのだが
■迦具土正道 > 【苦虫を噛み潰した様な顔をして唾棄する】
……ああ。気に入らんな。
此れでも此の島の人間と指折り数えきれぬ程は向き合って来た。
風紀と云う公権力に一家言在る者の顔や言動程度は判断が付く。或れもその類だろう。
……其れが理解出来ていようが、曲げれぬ事も在る。
風紀と云う名を背負う以上、折れてはならぬ部分が在る。
世から貴様の様な嘲弄者が駆逐され尽くす日を、私は常に夢見て居る。今もな。
非礼を感じたなら詫びよう。だが、言葉を違える気は無い。
己が風紀で在る以上、それが非礼で在ろうが無礼で在ろうが己は何度でも繰り返す。
存分に嫌って貰って構わん。それも、風紀の仕事の内だからな。
【平岡と薙のやり取りに手を出さずに白椿に意識を向けながら云う】
故に、己自身は如何書かれようが、
何を吹聴され様が、構いはしない。
世論は世が決めればいい。だが正義は我らが決める。
……遊女と呼ばれたく無くば、相応の格好をしろ。
……せめて前を閉じる程度は、此方の文化に譲歩する気は無いのか。
目のやり場に困る。
【堅物は直視せずに言い捨てた】
■平岡ユキヱ > 「どうだ!! やっぱり反省しているじゃないか!」
刃を抜くはまだ未熟! と満面のドヤ顔で勝ち誇った。
「あ、なお反省文はちゃんと学園に提出しないと、
そこのキリングマシーン(*薙さん*)をまた送り込むからにゃ? これガチにゃ?」
薙を冷蔵庫か何かのように指さしながら、猫谷にニコリとほほ笑んだ。
■猫谷凛 > 「真っ黒女は死ね…」
ボソリと小さく悪態をつく
風紀への怒り恨みは風紀全体ではなく薙個人へ向けられることとなった
「分かりましたにゃ♪所で…貴方のお名前を聞いてもいいですかにゃ?」
ニコリと笑顔で返事をしながら訪ねる
本をしまい、血で汚れていない方の手でユキヱの手をしっかりと握りながら
■平岡ユキヱ > 「…もっと先に、斬るべき外道どもがこの島にはいる。
それともただ斬りたいだけか? 『薙』…?」
少しだけ、じとりと相手をたしなめるように。同じ課ともなれば流石に
顔や情報が入ってきているのか、初めて相手の名を呼んだ。
「平岡ユキヱだ! よろしくどうぞ!」
手当はいるか? と猫谷の傷を気遣いながら手を握り返す。
■猫谷凛 > 薙…薙…と頭に名前を刻み込む
決して忘れない様に
「ユキヱ様…とっても素敵なお名前にゃぁ♪
多分大丈夫ですけど…ユキヱ様が手当てしてくれるにゃら…♪」
ギュッと手を握りながらそんな事を呟く
■白椿 > 公僕は公僕であろ。
まさか差別用語と思うて居るのではないであろうの?
そも其方らは公のために粉骨砕身する身であり、我がそうしろと言うた訳ではなく
己から望んでそうなったのであろ。
そも我は此処の学校のことはよう知らぬ。
しかし、どうにも解せぬのは、此度の要因、其方が風紀として行ったことにあるのであろ。
故にその風紀としての振る舞いに対し、我は筋が通っておらぬ由を語ったに過ぎぬ。
個人的な感情に根ざすものであるのならそれは風紀ではなく好き嫌いであろ。
法ではなく単なる怒りであろ。
故に独善であり横暴と説いただけのこと。
ただ、むしろ個人的な面で言えば其方のような者は愛おしいと思うぞ。
良くも悪くも人らしいからの。
それに彼奴が其方の歯止めになってくれておるのであろ?
善い組み合わせではないか。
……向こうの方な黒い娘も一皮剥いてみれば面白いかも知れぬが、アレはまだ底を見せておらぬの。
弄ってみると楽しそうではあるがの。
服については許せ。
狐は魅力的なものを隠そうとはしない故。
何なら其方の背中に身を寄せてやろうぞ?
(あいも変わらず悪びれる様もなく、偉丈夫の背中に声をかける。
ただし格好いついては直す気はないらしい)
■薙 > 「最初の言葉は、否定はしませんよ」
伏せていた目を開けば、それは普通の、少女の黒い瞳
「しかし遠くで起こった殺人に気を取られ目の前の小さな犯罪を見逃しているようでは、
それが原因で風紀委員という組織全てが揺るがされることになる危険性もあります。
その女性に関してはユキヱ先輩にお任せしますので、携帯の録画の削除なども忘れずさせてくださいね」
にっこりとそう微笑む
■平岡ユキヱ > 「あ~ん? たぶんで大丈夫ならツバでもつけとけ!」
とはいえ帰って消毒と洗濯じゃあ! と面倒くさいオバちゃん的親切心がユキヱさんにも存在した。
猫谷を女子寮の方に連行…ではなくゆるやかに案内をするような感じで。
強硬ばかりが風紀でない、という持論からくる行動だった。
「心配しなーい! 破壊するから!!」
削除? 破壊だろとわははと笑いながら薙に返して。
「迦具土センパーイ! その狐とちちくりあってないで
そろそろ引き上げましょうよー!」
巡回終了なり! と言いながら呼びかけて。
■猫谷凛 > 「ツバ……そうですかにゃ…」
シュンとしながら聞こえてくる言葉に顔をあげ
「は、破壊はやめてほしいにゃ!ちゃんとデータは消すにゃ!」
携帯を破壊なんてされては痛すぎる出費を抱えることになる
急いで形態を拾い動画のデータを消去する
■白椿 > ……ふむ。
要は我たちを撮っておったのであろ?
能くは知らぬのだが、ああいうのは復活とか出来たりするのかの?
(余計なことをいう)
■迦具土正道 > 【笑声だけを吐息に載せて鼻で笑い】
……では此方も説こう。
公僕と云えども人だ。
万人に対して平等に正義を行うなどという幻想をだけ、公僕で有る我らに求めるを寄せ。
貴様に行った様な静止を誰もにする訳が無いだろう。
《其う云う形》で《静止》をしなくば、問題を起こし兼ね無い存在に《見えた》が故だ。
其の風体、立ち振舞い、姿勢の全てが其うさせるに充分であったが故でも在る。
其れは独善では無い。横暴でも無い。
個人の《判断》だ。判断無くして行動が有り得ない以上、其処に平等性などない。
正義とは元来不平等な物だ。特に、悪辣の前ではな。
其して、特に己は其の不平等を振り翳すに躊躇わぬと云うだけの話だ。
風紀を玩具扱いは寄せ。
個人でなら幾らでも相手になろう。
恐らく、平岡の者もな。
【大声で乳繰り合うと表現をした平岡に渋い顔をして真面目に返す】
平岡。己は乳を繰り合っては居ない。
……ああ。上手く纏めてくれた事を感謝しよう。
マルトクの上の者に会った折は其の働きを精確に伝えよう。
女。もう会わぬ事を願おう。其して、恐らく、願った上で嘲弄をしに訪れるのだろうな。
己から見れば、其う云う類の存在に見える。故に風紀として伝えるはこれだ。
【其れは白椿にも、猫谷にも向けられた言葉だ】
何時でも相手をしよう。忌々しき正義を掲げる貴君の隣人として。
何一つ恥じる事無き風紀正義の名の下に。
【非礼を詫びる意も込めてか、白椿に小さく会釈をしてから、その場を辞した。】
ご案内:「路地裏」から迦具土正道さんが去りました。
■薙 > 「…噂に違わぬ、と言ったところですね。迦具土先輩」
状況が状況だ
挨拶はまたの機会にさせてもらおう
そう思いつつその広い背中を見送り……
くるりとユキヱに向き直って
「そうですね私も破壊が良いと思います」
こくん、と肯定した
■平岡ユキヱ > 「迦具土センパイはガチだな…」
カッチカッチですわ。先に行ってしまった先輩を見送りながら、もうちょっとだけ留まり。
「ま、誰も死ななくて良かったじゃん? ユキヱさん的にはこれが最良なんだけど」
ちょーがんばった。とピースして。
「おっ、やっぱり?」
薙の言葉に確信する。そうだ、液晶を割ろう。と
地味かつ嫌な制裁を猫谷に加えようとニャンプシーロールで
ニャニャと翻弄しながら遊びつつ帰ったとかそうでないとか。
ご案内:「路地裏」から平岡ユキヱさんが去りました。
■白椿 > 我がそのように見えておったのかや?
買い被り過ぎではないのかえ、我は白椿の狐であるが、ただの狐ぞ
ただのか弱い狐が其方のような偉丈夫に何ができるというのであろ?
……まあ、我の魅力がそうさせたというのであれば、まこと、美しさは罪よの
見目が良すぎるというのも気をつけねばならぬの。
ふむ……やもすれば其方とは赤提灯で盃を交わしたほうが良いようにも思えるの。
(そもそも狐が肩をつかむ行為に対して何をしでかしたのかを考えれば
全くもって迦具土の判断は正しく、その間は間違っていなかったと言わざるを得ない。
ただし、狐に言い分を与えてしまった時点で面倒であり、そのことに至らなかった故に
これだけややこしくなったことを考えれば、明らかに厄介事であった。
迦具土が会釈をすればこちらも会釈を返し、にこやかに見送った)
■猫谷凛 > 「やーめーてーにゃー!」
ニャンプシーロールに翻弄されながらユキヱの後に着いて行く
負傷はしたが生きていてよかった…ギーを抱えながら猫谷もその場を去っていった
ご案内:「路地裏」から猫谷凛さんが去りました。
■薙 > 「さて…」
ちらり、と狐に向き直る
「迦具土先輩は貴女と盗撮女の繋がりを勘ぐっていましたけれど、実際のところはどうなんですか?」
■白椿 > ……して其方。
うむ、黒髪の其方だ其方。
先行きどうするつもりかの?
(くすくすと一人残った女子に声をかける。あれは……我の領分に近い)
猫娘か?まったく知らぬぞ?
我はそも風紀のことなど知らぬ。今日はじめて会うたのに、なぜに我がそこまで手を回さねばならぬのだ。
それに、我がもしそうしたいのであればしっかりと肩を掴まれておるぞ。その上で痛がったほうが効果的であろ。
我は何もしておらぬのだからの。
(この時点ではっきり迦具土を転ばせたと白状しているようなものなのだが、やるならもっと上手くやると言い切った)
■薙 > 「そうですか」
淡々とした返し
「では今後はこの腕章をつけた人間には大人しく従ってください」
簡潔、かつシンプルに狐にそう言葉を投げかける
■白椿 > ……ふむ。
つれない娘であるの。
して其方、あからさまにやり過ぎをしておったが、
従うのであれば、あの場合、死ねということであるのかの?
(くすくすと先ほどの件を引き合いに出し、問う。
この娘、いじってみれば面白いものが見られそうであるからの)
■薙 > 「そういうことです」
さらりと肯定する
表情一つ変えない、当然であるという顔だ
■白椿 > なれどその行ない、他の者達に止められたであろ?
私人として聞くが、その場合、どちらが正しいのであろうの?
別に告げ口などはせぬ故、その心の裡、申してみよ。
(本心なのであろ? と付け加えつつ、僅かに目を細めて)
■薙 > 「人間ですから、情に絆されることもあるでしょう」
自分を止めた先輩を否定はしない
正義の在り方、考え方は人それぞれのものだ
「どちらが正しいかなどわかりませんよ。
私は私が正しいと思っていますけど、それが万人の総意とは成り得ません。
そんなことは考察するだけ無駄なことです」
■白椿 > なれば、従わぬことが必ずしも悪いと言い切ることも出来ぬのであろ?
先程もいうておったのであるが、風紀とやらにも悪徳のものがおるかもしれないのでな?
単に言うことに従うだけであるなら、何事かに巻き込まれることがあるやも知れぬ。
.....
それに其方……したかったのであろ?
(クスクスと、妖しく、そして愉しそうに微笑む)
■薙 > 「いいえ、風紀に従わないのであれば悪です。
それは権限を与えられた私個人が断ずることですから」
ふわりと夜風に黒髪をなびかせて、改めて狐と対峙する
「ご心配なく、そういった手合いの者は迅速かつ、平穏に生きる方々に危険が及ぶ前に排除しますから。
安心して従っていただければ結構ですよ」
淡々と、つらつらと言葉が滑るようにその口から出てくる
まるで常套句のように
「意味がはかりかねますね」
続く質問にはそうとだけ答える
■白椿 > いま己で言うたではないか。
個人的に気に入らぬであるから悪と。
従う従わないではなくそう判断するに足る名分がほしいだけなのであろ?
私刑の理由が欲しいなのではないかえ?
と、そう言うておる。
……その由は簡単であっての。
其方、愉しそうだったからの?
もっとも、愉しいならそれはそれで善き哉。
愉しいことは大切であろ?
我もそうであるからの
……其方はどうかの?
愉しめておるかえ?
(くすくすと。勝手に憶測で話す。
要は彼女が話さなくても良いようにだ。
狐が話す分には、彼女が口を汚す必要はない
故に先ほどのような盗撮まがいのことがあっても、彼女は言質を取られずに済むからだ)
■薙 > 「個人的に、と言いはしましたが私の中にも基準はあります。
自身の好き嫌いで悪と断じて命を奪うような真似はしませんよ」
ご安心ください、と微笑んでみせる
「正義を司る公務に熱を預けることは私自身の望みでもあったこと。
そういった満足感がそう見えたのかもしれませんね」
■白椿 > なるほどの。
其方、愛いやつであるの。
その言、一言一句すべて本気なのであろ?
能く狂っておるの。それとも躾かえ?
我は其方を気に入ったであるぞ。
まこと可愛い娘であるの。
(そう、狂っている。
つまり、正義の名のもとに殺すことに熱を傾けていると、そういうことなのだから。
故にきっと殺す
咎あれば、可能なかぎり殺す
つまり最初から手段が目的であり、過程はどうであっても良いのだろう。己さえ納得すれば。
……愛でるべき娘ではないか。)
■薙 > 「落第街でふらふらしている人に気にいられても困りますが」
苦笑する
人というか狐だが、細かいことは良い
「まだ何か問いたいことでもありますか?
一応、自発的なものとはいえ警邏の途中だったのですけど」
■白椿 > ……警邏、の。
そういうことにしておくかの。
其方、我と同じく何らかの出会い目的なのであろ?
であれば、いたいけな狐を保護し安全なところまで送り届けれくてても良いのだがの?
(何処とへは言わない。敢えて
否定しないところを見るとそのとおりなのであろ
もっとも面倒なだけかも知れぬが、細かいところを気にするなら確実に訂正を入れてくるだろうし
なにより普通はわざわざ殺す理由を作らない)
■薙 > 「見たところ怪我もしていないようです。
それにそんな格好で落第街の路地裏をふらふらと出歩く…
腕に覚えがあるということ、保護も送迎も必要ありませんね?」
きっぱりはっきりそう返答する
これがいかにもな弱者であれば話は違ったかもしれないが
■薙 > 「…では私は警邏に戻りますので。
……出会い目的であれば落第街から出ることをお勧めします」
そうとだけ言い残して踵を返し、その場を後にした───
ご案内:「路地裏」から薙さんが去りました。
■白椿 > ……ふむ、つれないであるの。
まあよい、また機会もあろうぞ。
あの目にならぬとなかなか堅物のようであるからの。
絆すのも楽しみである故。
(相変わらずクスクスと面白げに微笑むとその姿を見送った)
ご案内:「路地裏」から白椿さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に錐葉 咲さんが現れました。
ご案内:「路地裏」に蒼穹さんが現れました。
■錐葉 咲 > 月明かりに輝る路地裏、
不気味な静けさの中に急ぐ足音が2つ、
「━━じゃあなァ、クソッカス。てめェの生涯もこれまでだ」
闇世の中、僅かに響いた声の直ぐ後、
風船の破裂したような音が響き渡り、
ビュゥっ!!と突風が吹きぬけ紅色の液体が地面に散る。
どさり、と地面に何かが崩れ落ちる音、
動かなくなったソレを血染めの包帯の奥から覗くぎょろりとした瞳、
「朝までの辛抱だァ・・・、安心しなァ、殺しはしねェよ。
殺しちまったらてめェの苦しむこれからを拝めなくなるからなァ・・・。」
瀕死の状態で倒れているソレは人、
まだ意識があるのだろう、
体の震えが見える。
ソレを見下す自分は歩み寄りしゃがんだと思えば、
首もとの服をつかんで軽々しく持ち上げ、
「まァ、ねときなァ・・・」
思い切り振りかぶりソレを壁に向かってぶん投げる、
グシャっと顔面が壁に激突し地面に崩れ落ちた。
「っは・・・、今日2人目かァ・・・、おかげでクソッカスの血がついた。いっそのこと死にやがれ・・・。」
崩れ落ちたソレの対面の壁にもたれて、
ふぅ・・っと一呼吸ついた。
■蒼穹 > (つまらない。面白くない。
それが、最近の思いだった。ああ、甘くなったものだと嘆くことは何回目だったか。
どうしてこんなになってしまったのか。胸糞が悪い。大体あのプリーストとかいう神官の所為だ。
残虐な殺戮を好むのが邪神。それが正しい。何も間違っていない。だから腹が立つ。
自分の存在を否定されたみたいだし、タイムリーで自分が苛立っているところに触れられた。
腹癒せだ。英霊とか名乗る輩が居ればいっそ殺してやる。
そうでなくとも、何かしら面白いことが出来よう。そう思って、路地裏に踏み込んだ。
腕に風紀委員の腕章を嵌めているのは、権力による暴力か。)
……。
(真っ直ぐ歩いてその横道。奇妙な、ミイラの様な顔の後ろが見えた。
真っ赤な色に染まった包帯。差し詰めそれは殺し屋か。もしくはそれに準ずる職業か。
足音は二人分だったが、間もなく一人分になって、軈て一つもなくなる。
もう少し真っ直ぐ歩けば、三差路の交差点へ、先客がさらに先客を追い詰めた場所が、
真夜中の、薄らぐらい路地裏でもしっかりと見える角度へと踏み込む。
横目で、一部始終を見遣った。否、アングル的に、音が聞こえただけだったが、
その音を聞くだけで、成程手練れだと分かった。
暗さに、赤みの帯びた包帯。
その中身の正体が何か、己にはまだ気付けない。
だが、久方ぶりに、まともに殺気を帯びて、まともに殺戮を行使している者を見た。そんな気がする。
彼我の距離は、そう遠くもない。)
■錐葉 咲 > 音が無くなり静寂に包まれた路地、
崩れ落ちたソレを見ながら・・・
「その辺のクズ共は誤魔化せてもあたしは誤魔化せねェ・・・。
そう、これからもずっと、なァ。・・・きこえてねェか。」
壁にもたれた背中を離してその場を立ち去ろうとしたときの事・・・。
第六感ともいえる直感が告げる何かの気配。
聞き耳を立てれば誰かがこちらに来る足音、
距離はすでに割と近く接近している。
くるりと振り返り暗がりに見えるその奥、
瞳に映ったその姿は彼女だった・・・。
どうする?言葉を発するべきか、感ずかれるのがオチだろう・・・。
言葉なくして血染めの包帯の奥、瞳を彼女に向けて静かに立ち尽くし見つめる。
まるで、何しにきたと言葉なくしていわないばかりに。
■蒼穹 > 聞こえてるよ。…分かってるんでしょ?
(間髪を入れず、立ち去る一足と共に、そんな言葉を残した彼女へと返した。
そう、聞こえている。残念ながらと言うべきか、そうでないながらと言うべきか。
逃げも隠れもしないさと、深夜の影が落ちて、赤黒い、元の白色とはかけ離れていよう包帯を掛けた者へと向き直る。)
…困ったね。
見てわかんないかい?警邏だよ、警邏。
辛いね、風紀委員ってのは。ああ、あほらしいあほらしい。
(やれやれ、と少しだけ俯いて、焦らすようにして視線を返す。
その向こうに、死にかけの人間と、血だまりが見えるが、臆する様子はない。
この場に彼女と己以外にその人間しかいない。要は、己は単独の風紀職務だった。
最も、風紀職務と言って正しいかなど疑問甚だしい事だが。
最近は、単独の風紀が襲われるとか、そんな話も多いながらの単独。
別段臆する事もない様に、腕章だけで風紀を示す。服は私服だ。刑事課であることの暗喩。
ともあれ、真面目に仕事する気はやはりなさそうだ。嘲る様に己の立場を告げながら困り顔を浮かべた。)
■錐葉 咲 > 「警邏ねェ・・・、成程なァ・・・、一部始終みてたってかァ。
クソッカス一人まともにつぶさねェ風紀委員がァ。
どうする、手を下したのは間違いなくあたしだァ・・・。
あほらしい中取り締まるってかァ?」
向き合い、声を送る彼女の言葉に答えるべく、
躊躇した発生を止めこちらも言葉を返す、
如何くるだろうか・・・。来る気がなさそうに見える彼女の素振り、
自らの仕事に対してやる気が余りないようにも見える、
が・・、油断だけは許さない。
そう・・・、彼女はあたしの存在を知ってしまったのだから。
「どうするんだァ・・・、風紀委員、見過ごすか、見過ごさねぇか」
表情や感情に変化を全く見せずに単調に言葉だけを送り彼女に問う、
瞬きすら一切しない、完全にその姿をとらえて離さない、瞬間の動きすら見逃さない、そんなまなざしを送りながら。
■蒼穹 > おおう、辛辣。
だけどその通り。くそっかす一人潰せない無能な風紀委員会だよ。
(ただし、その言葉は一切悪びれる様子はなかった。
他人事の様に、寧ろ外野から批判するように。)
さぁ、キミの態度次第かなぁ。
そう、あほらしいんだ。んでさ、ここは殺人も黙認されてるんだよね。
(機械的な言葉だが、じっとこちらを見ている事は分かる。
それ程までに注視していると言う事は、向こうは油断していない。言い換えれば、警戒している。
対して己はと言えば、まるで警戒心もない、注意力散漫で飄々とした、半笑いの顔を前面に出しながら答える。)
私は、お給料と情報と権力の為に仕事してるの。あくどいでしょ?
正義感なんてこれっぽっちもないんだ。
でもさー、"コレ"付けてるんだよね、私。
(左腕をひょいと上げる。制服は来ていないながら、その腕章をもう一度目に触れさせて。)
さー、どうしよっか。
(何が言いたい、と言われかねなさそうだが、短絡的に此方に襲ってくるなら、適当に腹癒せさせてもらおうか。
悠長、余裕がある様で、場違いな態度。からかっているような態度。
依然、辺りに人は寄り付かない。この場には三人、否、もう二人と一つの肉塊か。
時間帯も相俟って非常に目立たない。であれば、互いにそれを見なかったことにすれば、若しくは、それを強制すれば何もなかったことになるだろう。)
■錐葉 咲 > 「あたしはあたしの信念に基づいて狩る相手を決める、
手当たり次第ってワケじゃねェンだよ」
今はその殺気を収めようか、
少し力を抜き、ふぅっと一呼吸ついた。
警戒心もなくけだるい眼差しへと移り変わる
「あたしはそんな言葉を信用しねェ。
あんたが言うその言葉、私利私欲の為の立場だとあたしがこの眼で見たら、あたしはあんたを狩りにいくだろうなァ・・・。
が・・・、殺しが黙認される場所とはいえあんたが風紀委員としての立場として仕方なく見過ごせねぇってんならァ。
それなりの答えを下すさ、あたしはなァ。」
余裕そうな素振りだが、腕章を見せつけたということは立場として見過ごせないという意味なのだろうか、
・・・頼む、くるな、このまま去ってくれ。
本当はのどから手が出るほどいいたい感情が心の奥底で潜む。
見つかるのが何故今で何故ソラなのか、
・・・もし向かってくるのならば、あたしはどの結果になろうとも彼女と対峙しなければならない。
■蒼穹 > 知ってる。もしそうじゃなきゃ私も狩りかかってるでしょ?
(腕組み。まるで分かりきっていると言いたげな、偉そうな態度を取りつつ。)
おお、酷いなー。
いやいや、ここで殺人しようが麻薬売ろうが結構な事だよ。
ここでやることに、口うるさい奴もいれば、そうでない奴もいる。
キミは場所を選んで殺しをしているんだから、それについて咎めるつもりはない。
誰も見てないでしょ?だから、私がキミを見過ごしても咎められる事はない。
つっても、犯罪者のキミをとっつかまえてつき出したらお給料は入るんだけどね。
もう一回言うけど、つまらん正義感を張るつもりはないんだ。
(長々語るが、要は働く気はあんまりないと言う事である。)
で?
信用しないなら、どうするの?
キミの言う"答え"を下してごらんよ。殺人鬼のおねーさん。
(興味津々に、或いは挑発するように、楽しそうに笑って、手のひらを彼女に差し向けて、聞いた。
負けるなんて、微塵も思っていない。完全に思考の範囲外。酷く余裕そうで、自信とも慢心ともつかない身振り手振り。
相手は武器を持っていて、己は手ぶら。先ほどの手練れを見て尚、この振る舞い。
元々、少し気が立っていた。なので、腹いせもあってこんな態度。)
■錐葉 咲 > 「だろうなァ・・・、あたしが只の殺人鬼だったらあんたを狩ってただろうなァ。」
再び壁にもたれてこちらも腕を組み落ち着く。
「惜しいなァ・・・、場所を選んで殺してるのなんてのは間違いだァ。
場所は問わない、その場所にあたしが消すべき対象がいれば見られぬタイミングの内に消す。
今回は見られちまったがなァ・・・。
つまらない正義感、まァ、そうだなァ、上っ面の正義感なんてのはァ、必要ねェからなァ、ないほうがマシだ。」
壁に持たれたまま目を閉じて頷いた。
「信用しないとなればァ、あんたはあたしの消すべき対象じゃねェな。
言っただろう、確信を得るまではあたしは手を下さない。
これがあたしの答えだァ。」
安い挑発には乗る気配がない、
その挑発に乗るほど軽々しい信念ではないからだ。
あたしが消すと決めた対象しか手を下さない。
「殺人鬼のおねーさん・・・かァ。まちがっちゃいねェよ。
悪を絶つという心でその悪を殺した時点で、それはもう、正義に見えてただの殺人鬼だからなァ。」
■蒼穹 > …ふぅん。
(おや、残念。と言うべきか。ああ、良かった。と言うべきか。微妙なところ。此方の挑発には乗らなかった。
彼女が何を持って、誰を殺しているかなど分からないけれど。)
じゃ、精々まともな場所で殺しが見つからない様にしとくことだよ。
一応これでも職務でね。真っ当な場所で人を襲っているとなれば、流石に私も…ってね。
ああ、いやだいやだ。組織ってのは融通が効かないね。
でも、意外だね。例えば、私を放って置いて風紀委員に報告されるかもしれないし。
私が不意を討ってキミを捕まえるかもしれない。
さっき言った様に、見逃すデメリットはないけど、捕まえるメリットはあるからね。
(あくまでも、警戒心は解かない方が良いと言いながら。)
正義と悪、何を以てんな事決めてるのか知らないけどさ。
絶対悪なんてものもなければ、絶対正義なんてものもないって。
(実際、何らかの方法で此方を襲ってくると思っていたけれど、その気配はなさそうだ。)
ま、働く気はこれっぽっちもないけど。
危ない事は言わない方が良いよ。特に、場所は問わない、なんてね。…ま、殺人鬼って言ったのは悪かったけど。
キミはここで何してたの、結局。
(彼我の距離を詰める風もない。彼女が壁にもたれかかったままであるなら、己もずっと三差路の分岐点に突っ立ったまま。
長らくと話しを続けるのは、…結局、退屈だからかもしれない。
無性にこの頃もどかしい気分を背負って、やり場もなくて。誰でもいいから話ていれば、何となく落ち着く様な、そうでもないような。
草木も眠るなんとやらとは言うが、寝る必要がない己には、昼も夜も持て余してしまう時間。)
■錐葉 咲 > 「安心しなァって言うのも可笑しな話だがァ・・・。
真っ当な生命を消す事はしないなァ・・・。。
・・・、あんたが報告するしないはどちらでもいい、
捕まえたければ捕まえればいい、それはあんたが見て判断して後悔しない上で捕まえにきなァ・・・、
最も、簡単に捕まる気は更々ねェが・・・。」
警戒心を解いたとはいえ、日常から気を張っている故に隙は見せる事はないだろう。
「判断基準なんてねェさ。
あたしが目に焼き付けたその正当に見えるクズを悪として捕らえて居るだけ・・・、
居るだろう?表ッ面は良い顔して裏では甘い蜜吸ってるクソ野郎とかなァ。」
今は襲う気は無い、襲う理由が自分には無いのだから
「聞きたければ全てあたしは答えるってね。
間違っちゃいねェんだ、誤る必要はねェよ。
・・・あたしかァ?・・・、そこの元殺人犯を消してたとこだ、まぁ、まだ息はある、朝方になれば此処のやつらに食われるだけだァ。
そういうあんたは、単なる暇つぶしってか?」
自分は知ってる、彼女の事を、たぶんこの時間に徘徊しているのならばきっと暇をしているのだろう、
なぜなら寝る事が無いから・・・。
■蒼穹 > あっはは、キミの言う真っ当ってのが、何処からどこまでかは分かんないけどね。
私もま、真っ当には程遠いよ。良いじゃないの。
…うーん。そうみたいだね。でもさ、捕まる"気"が更々ないだけじゃ、どうにもならないよ。
(やっと、一歩一歩と歩き始めた。赤黒い物を顔に纏った、正体の知れぬ血にまみれる女へと。
ゆっくりとした、焦らす様な歩き方。)
ああ、分かる分かる。でもね、余計な事はしない方が良い。
キミが気に入らない、こいつはクズ、って。そう思ったとしてもこの島には公権力っていうおっそろしい物がある。
下手すりゃ生徒会に風紀公安と、色々敵にまわしちゃいそうだよ。…考え方は立派だけどね。
あっはは、例えば、麻薬売りの異邦人とか、そういうのかな。
(彼女の言う事は分かる。だけれど、何故それを彼女がしているのか。何故それをする必要があるのか、非常に分からない。
分からないが。まあいいか。一度足を止めて、にっこり。……見覚えがある気がした。薄らぐらいから、よく分からないが。
そのまま、右手を振りおろせば魔方陣が一つ。軽々と作り上げたそれをくぐり抜ける。
そうすれば、今の己の立ち位置から、彼女隔てて向こう側へと、転移する。
先程とまるで、変わらないゆっくりとした歩き方。最も、その進行方向は180度違うが。)
…変わってるね、おねーさん。
(聞かれたらすべて答えると言う点も、
殺人鬼であることを認める点も、血塗れになりながら自分で手を下さない点も。どれをとっても変わっている。
元殺人犯を、という義賊的な考え方こそはオーソドックスではあったが。)
ん?あー、ばれた?
あっはは、何でだろう。あほらしいあほらしいって言い過ぎて、働く気がないのばれちゃったのかな。
そうだよ、私、暇つぶしに来てるんだ。いいや、八つ当たり、の方が良いかな。
最近イヤなこと多くてね。
(当初の目的は、その通り、暇つぶし。腹癒せもあったが、こんな所じゃ何もできなさそうだ。
挑発には乗られずじまいでそれも叶わない。何とも言えぬ、困ったもの。
曖昧ながらも自分語り。少しだけ顔を顰めながらも、やっぱり基本的には半笑いの表情を維持。)
■錐葉 咲 > 「捕まる気が無いだけに見えるかァ・・・?
まァ、捕まっちまったらそれまでだ。後悔なんてものはねェよ。」
此方へと向かってくる彼女、
距離を保とうということはせずにその焦らす様な歩き方には着目するがそれに戸惑いを見せる事もなかった。
「ロクに動きもしねェ生徒会、風紀公安なんてのを敵に回したところで後悔はねェさ。
まァ・・・最も無謀なのもあたし自身わかってる、が、もうやめるわけにもいかねェ。
止めちまったらそれこそ、あたしも排除されるべきクズと同じってわけだ。
・・・そうだなァ、そういうヤツらが対象ってとこだァ。」
なぜ自身がこの行為を繰り返さなければならないのか、
それは・・・、恐らく此処で言う事はないだろう、
いつか、必ずいう時が来る、そのときはきっと・・・。
彼女から感覚的に感じていた気配、呼吸、鼓動全てが一瞬にして自身の反対側へと移動するのが感じ取れる、壁にもたれた背は離さずに視線を其方へと向けかえた・・・。
「っはは、変わってるだろ」
こんな事言うのはソラだけだ、
というのは心の中で押さえておいた。
他の人物だったならば言葉にしなかっただろう。
「八つ当たり、とんでもないモンにぶち当たったもんだなァ、こりゃァ。」
ご案内:「路地裏」に蒼穹さんが現れました。
■錐葉 咲 > 冗談交じりに喉を鳴らし笑った、
彼女の期待にはこたえれなかったかもしれないが・・・。