2016/05/04 のログ
伊都波 凛霞 > 「そういえば財布の中に連絡先とか入ってないのかなぁ…勝手に財布の中身見るのも何なんだけど…」

歩きながら、手元に取り出した財布を見る
いや、さすがにそれはダメな気がする
風紀や公安の人間ならともかく

「さっさと出て委員会街行こ…」

てくてくと路地裏を歩く
委員会街にまで寄ってたら、今日はちょっと遅くなっちゃうなぁ、と思いつつ

伊都波 凛霞 > 「映画とかだとこういうシーンではいきなり怪しいお兄さんが出てきて私がキャーッて声あげるけど実はそのお兄さんは良い人で町まで案内してくれたりとかそういう展開があったりするんだよね」

ちょっとずつ湧いてきた恐怖心をポイポイするためにわざとくだらないことを声に出しながら歩く
そうなってくれたら万々歳なのだけど
見ず知らずのイケメンに迷惑をかけるのも忍びない気はする
そういう展開を受ける映画のヒロインはたいてい自分勝手で自分本位だ

なんて思考を脱線しつつ歩く
だってこわいし

伊都波 凛霞 > 「……はぁ」

気分を紛らわせるようなくだらないネタもなくなってきた

「あっそうだ携帯…」

風紀委員に連絡して助けに来てもらえばいいのでは?
我ながら名案である

「んんー!だよねー!差し込んでる光すら微妙だもんねー!そりゃ圏外かーあははは …はぁ」

溜息をつくと幸せが逃げるという

でも出ちゃう、だってこわいもの

「…今度からこっち方面に来る時は何か得物携えてこよう……護身のためなら多分いいよね。
 なんか学園でもそういえばちらほら帯刀してる人とか見かけたし…」

ご案内:「路地裏」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > ―――
■ ??? >「―――ひ、ひいぇぇっ……!」

少女のいる路地に、何かに怯えるかのように走って来た男がいた。
制服こそ学園指定のものであるが、金髪にピアス、ネイルなど、総じてきらびやかな恰好をしいる。
顔は美形と言えなくもない程度だが、それも恐怖でぐちゃぐちゃに引き攣っている。
男の右手首から先はきれいに切断されており、上着は血でべっとりと濡れている。

■ きらびやかな男 >「み、水を……水っ………ハッ!」

きらびやかな男は少女の姿を確認すると同時に脚が絡まり、すっ転んでしまった。

伊都波 凛霞 > 「えっ───!?」
突然の悲鳴と、出来事
頭の整理がつく前に、その男は目の前で盛大に転がる
ふっと匂ったのは生の肉と金属の匂いの混ざる、いわゆる血の匂い

「だ、大丈夫!?どうしたの───う」

慌てて駆け寄り、着ている服が制服であることに気づく
変色していて気づかなかったもほどに血に濡れ、よく見れば男の右手首が、ない
それに気づいた時にぞくりとした寒気を覚え、息が詰まる

「と、とにかく救急車!?こ、公安のほうがいいのかな!キミ、事故じゃないよね、それ!!」

慌ててはいけないと思いつつも慌ててしまう

久藤 嵯督 > ―――
■ きらびやかな男 >「そそ、そこのねーちゃん!助けてくれ!このままだと”確実に殺されそう”なんだよ!」

男は芋虫のように体を起こし、必死で訴えかける。
駆け寄ってきた少女に向けて、まだ残っている左手を伸ばそうとした。
……が。一度それを引っ込めて、自分の来た方向を指差した。

■ きらびやかな男 >「あ、あいつだ!あいつにやられたんだ!」

男が指を差した先―――曲がり角。
ゆっくりと歩く人影が、指差した先の視界に入ってくるだろう。

「…………」

暗闇の中でひときわ目立つ白金の髪に、漆黒の外套。外套の下にはびっしりと、血が付着していた。
明らかに普通とは違う、空気をずっと睨んでいるかのような目つき。
右手に持った刀を大きく振り下ろすと、灰色の地面が赤い水玉模様で彩られる。
そして、狙っている男と慌てた様子……おそらくは一般生徒であろう少女が近い場所にいるのを見て……
その足取りは次第に速度を増していく。

「……邪魔だ!どいてろ、女!」

刀を構え、男に向かって肉薄する。

伊都波 凛霞 > 「っ…!」
男の、必死にも思えるその行動
これがただ事じゃないのはすぐに理解る
早くしないと、危険を感じる出血だ。顔が青ざめる

電話通じない、どうしたら、どうしたら───

混乱する頭の中に、"あいつだ" という言葉が届く

「えっ!?」

男の指差した方向を追う
あまりにも、凛霞の日常からかけ離れた非日常
途端に濃密になる血の匂いが、現実感を奪ってゆく

「…き、キミ何してるの!?
 いけないことだよ!そんな危ないものすぐに仕舞って…!」

本当に咄嗟に、思えば冷静な行動とはとてもいえないが、
気がつけばその男を庇うようにして前に出ていた

久藤 嵯督 > 「……!」

この状況で迷わず前に出るという行動を目の当りにした外套の男。
よほどの命知らずか、お人よしか……あるいは”ここ”にいられるだけの自信があるのか。
カッと目を見開いて、振り下ろさんとした刃を引き、距離を取った。

「それはこっちのセリフだ。一般生徒が歓楽区東側へ立ち入りることは、禁じられている。
 こちとら仕事なんだ。どけよ、お前には関係のない事だろ」

外套の男は少女と標的の男を交互に見つつ、話している。
一方で標的の男は、蛇に睨まれたカエルのように動けずにいた。

伊都波 凛霞 > 刃を引いたのを見れば、僅かに胸を撫で下ろす

「注意喚起はされてるけど禁止じゃなかったと思うなぁ…。
 って、そうじゃない!仕事って何よ、人殺しが仕事なわけ!」

まさか、いくら落第街とは言えそんな仕事が横行しているなんて、と内心疑る
と、いうよりはそうであってほしいという願望が含まれていたのだが…

チラリと後ろに視線を送る
きらびやかな男はの怪我の度合いは失血死は免れないレベルだ
少しずつ少しずつ、頭が冷めていく

「…キミ、右腕の脇に左手を挟んでおもいっきり締めて。
 それだけでも出血はかなりマシになるから」

落ち着いてみれば、道場で得た知識が出てくる
それだけを男に告げて、再び前を見据えた

「私だって退きたいけど…助けてって言われちゃったし…し、仕方ないでしょ」

久藤 嵯督 > 「場合によっては命を奪うこともあり得るというだけだ。
俺の方とて……なるべく生かして捕らえようとは思っている。
その傷は必要な犠牲……もとい当然の処置。『そいつは既に手首を切り落とされて当然のことをしている』。
……わかるか?少なくとも、人から言われた程度で助けるべきではない男ということだ」

深く息を吸って、吐いた。それから吐き捨てるような舌打ち。
眉間のシワはいっそう寄り合い、声に怒気が増していった。

「……ハァ。あまり、時間を取らせるなよ。これが最終通告……」

両手で再び刀を構え、その切っ先を天に掲げる。

「そこを、どけ。でなければお前にも、”しかるべき処置”を取らせて貰うことになるが」

一方で、手首を切られた男。

■ きらびやかな男 > 「あ、ああ…………そうだな。たしかに、その方がいい……」

男は言われた通りに、右腕の脇に左手を挟んだ。
傷が痛むせいなのか、苦い顔をいっそう引き立てて。

伊都波 凛霞 > 「……理由を聞けなきゃ退けない。人が殺されても良い理由なんてものがあるなら言ってみてよ」

強く心を保つ
足は震えているけど、それでも心だけはと
きっと、生まれて初めてのような相手と対峙する恐怖に囚われていることは相手にも伝わっているだろう
それでも

助けてくれと懇願した男は、少なくともまだ生きたがっている
生きたいという力は強い。何か間違いを犯したのだとしても、償えるかもしれない

「…余裕が出来たら、逃げて。私もすっごく逃げたいんだから…!」

ぼそりと、小さく男に聞こえるように呟く

久藤 嵯督 > あまりにもか弱い。
そう、感じずにはいられなかった。
だがそれで、男の態度が変わることはない。見てわかる通り、男とて余裕がないのだ。

「……ないな。ああ、そんなものは何処にもない。
 生きたいと思っていんだったら……誰だって生きていいハズだ」

確信を持って。
ならば殺しを理由を否定するか?そうではない。

「―――それこそが理由だ。
 誰かが生きるために、他の誰かを殺す。
 生きていたい誰かのために、他の誰かを殺す。
 何かを殺すことに、それ以上の理由が必要か?」

少しだけ、返答に期待していることがうかがえるだろうか。
自分の意見を覆せるかどうか、ためしているフシがある。
男の意識は、少女に集中していた。


■ きらびやかな男 > 「……ありがとよ。なあ、ねーちゃんさ」

そう言ったのは、右手首を切断された男。
思いのほかスムーズに立ち上がって、少女の背後から声をかけた。

■ きらびやかな男 > 「―――その前に、これを持っていってくれよ」

右脇に挟んでいた左手を、少女の後ろ姿……右手の方に伸ばしている。
よく磨かれたネイルのついた、左手を。

伊都波 凛霞 > 「キミの言いたいことはわかるよ。
 善性論とかそういうのじゃ片付かないこともあることくらい、知ってる。
 でもそれを命を犠牲にしなくても道を見つけられるのが人間だよ。
 …キミは人間じゃないの?」

教えて欲しかった理由は殺す理由ではなく、
そんな人間としての善性や理性を潰してまで、人を殺さねばならない理由
目の前の、刃を向ける男が自分に注視しているのを感じる
言われたことを全て鵜呑みにすることはできないし、人の心を読むこともできない
だったらやっぱり、見殺しにはできるわけもない

「…っ今がチャンス、はやく逃げ─ ──?」

庇っている男の行動に違和感を覚える

久藤 嵯督 > 「フン……裕福に育った人間の発想だな。
 探して、探して、探し回って……そうやっている間にも、道は次々と閉ざされていく。
 潰されるだけだ。善性も、人間性も、犠牲になる何かが変わるだけだ。
 それが人間なら、俺は人間じゃなくたっていい」

返ってきたのは、ありきりな答え。
もちろん、そういう生き方もあるのかもしれない。
それもまた生きるということであり、過ちであるとは一概に言えることではない。

「俺は……嫌だね」

結局のところ、その一言に尽きる。
どれだけ理屈を並べたって、全ては結局は自分の我儘でしかない。
何を重んじるか、何を忌むべきか。きっと、そこが”違っている”だけなのだ。

先ほどからぼやけていた視界が、少しだけ晴れる。
たった一人を認識するだけで精一杯だった意識が紛れて。
そして気付く。標的のとった行動に――

「―――ッ!!そいつの”手”に触れるな!」

■ きらびやかな男 > 「はい、どーぞ―――」

―――外套の男が叫んだ刹那、男の左手が加速する。
強引に腕を掴むかのように、それを少女の肘と手首の真ん中あたりに伸ばしてきた。
よく研がれた爪を立て、握られればそれが肉に食い込むことは必至だろう。

伊都波 凛霞 > 「………」

押し黙る。
反論の余地がないわけではない
ただ、どうすれば理解ってもらえるかが、わからない
こんな状況では冷静に頭もまわらない
それでもなんとか説得できないかと、考え始めたその時

「え?」

突然目の前の男から飛び出した怒号
呆気に捉られたままに思考が回転する
そいつ?そいつって誰?この場にはキミと、私と───

次に感じたものは右腕に感じた鋭い痛み

「あっ……」

振り返った目に飛び込んできたのは、重傷追って自分に助けを求めてきた男、だったはず
その男が、鋭いツメを、自分の右腕に深々と突き立てていた

久藤 嵯督 > 「……反応しろ―――――いや、俺がか……!」

自責の言葉を呟いてすぐ、意識を保つのも難しいのか、外套の男は大きくぐらついた。
外套の下に着ているスーツの血痕が、目に見えて広がっていく。

■ きらびやかな男 > 「ヒヒヒ!やった!わざわざ”血を流してやった”甲斐があった!」

男の右手首から流れていた血は、止まっていた。
死んだ血液がゼリーのように固まって、血管を塞いでいるのだ。

男は手に”振れた”少女の血液を、”循環を保ったまま”縄跳びの真ん中を撮むように取り出した。
指と傷口の中間部分だけが加速して、まるでチェーンソーが回っているかのような音を立てている。

■ きらびやかな男 > 「動くんじゃねーぞこの野郎!
 動いたらこいつの全血液を氷のように固めてやるっ!」

伊都波 凛霞 > 「(──そっか、完全に騙されてるじゃない、私……)」

刃を持った男の衣服に付着した血は、このきらびやかな男の抵抗や、返り血なんかではなく、戦闘による痕跡
そして自分が庇おうとしたこの男は、助けを求める相手を探していたんじゃなく、
自分の異能の武器、その素材を探していたのだと理解する

「はは…ごめん、ほんと邪魔しただけだったみたい…」

情けないやら何やら、自嘲の笑みも漏れるというもの
この男が異能の力を使えば、本当に自分の命は危ないのだろうか
自業自得かな、と内心思いつつも足が震える、膝が笑う

「…ていうか、キミ…このヒト多分脅しとか屈しないよ…?
 大人しくゴメンナサイしちゃったほうがいいと思うな……」

恐怖を押し殺して、なんとか口を開く
先程まで刃を向けていた男の口ぶりなら、人質には意味がなさそうだということくらいはわかりそうなものだが──

「(うう…どうしようもないとはいえ怖いものは怖いよ…)」

ご案内:「路地裏」にジョン・ドゥさんが現れました。
久藤 嵯督 > ―――
■ きらびやかな男 > 「そりゃあ多分ねーかなァ~。
 キャリアか何か気にしてんのか知らねーけど、人を盾にしたらさ、面白いぐらいに躊躇してやんの!
 そいつのその傷だってそうさ!
 落第街を歩いてたクソガキを庇って、そこを俺がザクっとやってやったのさ!」

その様は滑稽だった、面白可笑しくて仕方ないと男は下を転げまわす。
屈み込んだ外套の男の背中を覗けたなら、背中に大きな穴が開いているのが見えるだろう。
背中から流れた血の染みが、腹の方にまで回ってきたということだ。

■ きらびやかな男 > 「どーせ普通に捕まったってさァ、ろくな暮らし出来なくなるだろーかよォ。
 だったら逃げ切ってやるぜ俺は……ヒ、ヒヒヒ!外に出て!
 この無敵の『リキッド・ソーサー』で!”自由”を掴むんだよォ!!」

血液を50ccほど凝固させて弾丸を作り、外套の男の脚に撃ち込む。
避けることすらままならなず、弾丸を受けて横倒れになった。

「……ッグ」

ジョン・ドゥ > 「………」
その時、きらびやかな男へと気配を消し忍び寄る一人の人影があった

落第街の小高い建物の屋上から様子を視ていた彼は、風紀委員が居る様子を見て干渉をせず、傍観するつもりであったが、
しかし、一般生徒が危害に晒されようとしているその光景、そして、ぐらつく風紀委員の様子を見てとった彼は
居ても居られず屋上から跳ぶと跳ぶと共に路地裏へと駆け、きらびやかな男へと忍び寄ろうとしているのであった。

(血液操作系の能力者か…下手に動けば危ないがさて…)
そうして、きらびやかな男へと気配を消し近づく彼は、
その男の異能を推測し、下手に動けば人質にされている生徒が危ないと判断し、
タイミングを計りかねていた。

その男と、凛霞の向こうに見える嵯督とは、一度面識があったが、きなびやかな男と人質に気が取られている、ジョン・ドゥは気づいていないようだ。

伊都波 凛霞 > 「……っ…なんてこと…」

ただひたすらに感じる邪悪さと下劣さ、血の匂いも相まって吐き気すら覚える
ただただ、恐怖に縛られ動けずにいると、放たれた弾丸に撃たれた男が倒れこんでしまう

「君っ!!──っの…!!」

それは本当に一時的な感情の発露
憤り、怒りと言い換えても良い激しい心の力は恐怖を一瞬だけ拭い去った

「馬鹿ぁっ!!!」

流水のような自然な動きで屈んだその姿勢は、相手に気づかせる前に、強力なバネによる瞬発力を伴った当て身へと変わり無防備な男の腹部に命中する

肘による鳩尾への突き刺すような一撃、男の動きを止めるには果たして十分か、それとも足りないのか

久藤 嵯督 > ―――
■ きらびやかな男 > 「誰がバ―――」

完全に油断していたきらびやかな男は、思わぬ抵抗に対して大きくたじろぐ。

■ きらびやかな男 > 「―――お、おま……テメ……!!」

能力も途切れ、外を循環していた血液の一部が地面に付着する。
右手首の血液ゼリーは完全に凝固していて、能力がなくとも維持されているようだ。
腹を押さえ、大きく後退しながら……左手の指を自分の喉に突っ込んだ。

■ きらびやかな男 > 「―――おえぇぇぇ…!」

胃に貯め込んであった純度99.99%の精製水……その最後のストックが、一気におう吐される。
吐き出した精製水に左手が触れると、刃渡り30cmほどのナイフに似た形になった。

■ きらびやかな男 > 「な、嘗めてやがるな…!俺を!
 嘗めてんのかって!この無敵サマをよォォ!!」

相手が女なら、簡単に組み伏せられる。
驕りと共に、男は少女に向かって肉薄する。
そのおぼつかない足取りと腰の入り方、中途半端なナイフの立て方など、
男が白兵戦においては素人同然であることは容易に伺えるだろう。
[1/2]

久藤 嵯督 > (あの女、あの動き……あれが一般生徒の中で埋もれていたのか?)

心底驚いていた。
あれだけ震えていたただの女子生徒が、いきなりあのような動きを見せるのだから。
いいや、ある種の特異性は先ほどから感じていた。
しかしそれがああまでいくとなると……

(しかしこの、”臭い”は……)

全ての感覚が絶え絶えになっていた外套の男は、嗅覚を研ぎ澄ましていた。
どこかでかいだ臭いだったか、それを思い出すだけの余裕はない。
ただ、動く何かが近づいている事だけはわかっていた。
予め最後の”ヤク”を打ち込んでおいたので、一度だけなら低級の魔術を起こすことが出来る。
今はただ備える―――不測の事態に。

[2/2]

ジョン・ドゥ > (嘔吐……?いや、それにしては、透明度が…
…っ!血以外にも…)
きらびやかな男が吐きだしたもの、それに訝しみを抱きながら、
それから刃物の様なものが生成された事に、先程の異能の推測ともまた異なった異能かと推測しつつ

「……っ!…いや、今はそれよりも…人質と離れた今なら…!」
しかし、そんな思考を続けている場合ではないと、今がチャンスだと、
きらびやかな男が人質にしていた少女から離れた隙を見、彼も期を見出し呟くと共に即座に動き出す、
気配遮断を解きながら、収納の魔術で武器を取りだす時間も惜しむか様に、身体強化した体を高速で動かしながら強引に、少女へと肉薄するきらびやかな男と少女の間に割り込もうとするのであった。

伊都波 凛霞 > 「!」

咄嗟の行動だったがどうやら功を奏したらしい
自分にの腕からつながっていた、能力が離れたのを確認する

倒れた男とはちょうど自分が対角線の斜線上に位置している、ならば……

「(やっちゃったことへの罪滅ぼしってわけじゃないけど…!)」

せめて、守ろうと。震える足を一度大きく地面に打ち付け、震えを止めて構える
恐れるな、稽古は積んできた。実戦で使えずに何が古流武術かと、
必死に自分に言い聞かせる

そんな時
自分達とは違う気配が急接近してくるのを感じて───

久藤 嵯督 > ―――
■ きらびやかな男 > 「クッ!流石に分が悪りィ……!」

仮面の男が割り込んできた途端に足を止め、精製水をただの液体に戻した。
こぼれ落ちた精製水は地面に広がっていく。
あの足の速さから逃れられるとは思えないし、人質になりそうだった女も今は向こう側。
更には手持ちの液体がこれだけしかない。海までたどり着きさえすればどうとでもなったのだが……
こうなるともう、明らかに勝ち目がない。一度投げ出して、次のチャンスを伺うしかない。

■ きらびやかな男 > 「あァ参った参った、降参しまーす。自首しまーす。
 もう抵抗しないヨー。風紀でも公安でも、お好み加減で通報しちゃってくれぃ。ヒヒヒ!」

両手を高々と上げて、無抵抗を体現してみせた。

ジョン・ドゥ > 「ふむ……」
ナイフの様な形にした精製水を液体に戻した男の様子を、何の感慨も無いような目で仮面の奥から見据えながら、内心の警戒は解かないまま彼も見た目だけは構えを解き、
しかし、自身は被害者でも無く、この場には風紀委員がいる事実を考え、
「こう言ってるみたいだが…
どうする?」
判断を任せようと、人質にされていた少女と風紀委員に問おうと後ろを売り向き…

「……っ…傷が…
残量は……っ…」
深い傷を負っている外套の風紀委員の様子に気づき、
治癒の符を投擲するべきかと思案し、だが、残数を思い出しながら残りわずかという事に歯噛みしつつ、
しかし、躊躇している場合では無いと即座に判断し、残りの治癒の符を投擲しようとし、収納の魔術を発動し、治癒の符を取りだそうとする。
だが、一瞬の躊躇が気の緩みを誘発し、きらびやかな男に背を向けたままの彼にわずかな隙が生まれるのであった。

伊都波 凛霞 > 流れるような場の急転
突然現れた人影によりきらびやかな男は戦意を喪失した…ように見えた
声をかけられちょっと驚くも、

「どうするって私に言われてもそれは…それより、ありがとう…」

自分との間に割って入ってくたこの男は、おそらく自分を助けにきたのであろうことがわかる
ぺこりと頭を下げて

「そんなことより!!」

きっと考えたことは同じ、慌てて倒れた男のほうへ駆け寄り、心配そうに覗きこむ

「ごめん、ごめんね私のせいで!死んじゃダメだよ!!」

ぽろぽろと大粒の涙を零す
助けにきてくれた…と思しき青年の治療を見守るしかできない…
なぜこんなところに足を踏み入れてしまったのか、痛いほどに反省の念となって胸中を渦巻いてゆく…

久藤 嵯督 > 「うるさい、泣くな、鬱陶しい。
 ”俺達”の責任を、それもただの一般生徒が勝手に自分だけで背負い込むな……馬鹿が」

かすれた声で少女を睨み上げ、突き放すかのような言い方をした。
その表情は、どこかばつの悪そうで。

外套の男が自己再生を行うには、血を流し過ぎた。
自力での治療は困難であり、今は猫の手でも借りたい。
得体の知れない相手ではあるが、符を観察すればそれが治癒の式であることがわかる。
外套の男は、甘んじて一つ借りておくことにした。


■ きらびやかな男 > (ん~、今の内に逃げられるか……?
 イヤイヤ、無理でしょーな。―――ホラぁ)

風紀委員の中でも精鋭に近い者達が次々と現れ、きらびやかな男を確保する。
もちろん左手はしっかりと防護したうえでだ。まるで、誰かから能力について聞いていたかのように。
きらびやかな男は、異能さえ封じてしまうような監獄へ送られることだろう。

他の風紀委員が、もうすぐこちらへ来るはずだ。

伊都波 凛霞 > ぞろぞろと現れた。風紀委員の制服と腕章を身につけた生徒達

その中の一人、女性の風紀委員に肩を抱かれて、凛霞は安全なところまで保護・護送されることになった

ロクにまともな挨拶も別れもかわせぬまま、風紀委員の本部で話を聞かれ
そこで初めて場に現れた男2人の名前を聞くことになる

風紀委員の調書には巻き込まれた被害者として伊都波凛霞の名が載り、
結果的にお互いが名を知ることになったのだという───

ご案内:「路地裏」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ジョン・ドゥ > 「ありがとう…か……
俺は、礼を言われるような奴なんかじゃ…」
もはや、自身は礼を言われるような存在ではないと自身で思っていた彼は、
礼を言われ、少し驚きながら、小さな声で呟く

(………風紀委員が集まってきているか…なら、あいつはこのまま捕まるだろうし放っておいていいか。
しかし、ああ、案の定この場に出てきたのはまずかったかもな…
まあ、いい。見て見ぬ振りをするというのも癪だ…治癒だけして逃げれば良いか)
集まってきた風紀委員の気配を感じつつ、きらびやかな男が捕まるであろう事を考え、
そして、自身も風紀委員に囲まれるのは不味い事を思い少し顔をしかめながら、
しかし、外套の男を無視したままこの場から去るというのも、ばつが悪く思い。

「ふむ……話せるか、なら聞くが治癒はいるか?」
少女へと言葉を返している男の様子を見ながら、
治癒の符を取りだし問いかけ、近づいてゆく。

久藤 嵯督 > 「………ああ、連中がようやく来たのか。
 だったらやめておいてくれ。同僚にはあまり好かれていないので、”小言”のタネにされる。
 特にお前は、脛に傷を持っているんだろ。気持ちは受け取るが……」

そこで言葉を区切り、深く息をついた後。

「……貸してくれるなら符だけ寄越してくれ。自分で使う。
 これは俺個人に借りを作る、というリターンだけでも良ければな」

ジョン・ドゥ > 「……そうか。
ならば、貸しておこう。」
自分について察され、少し苦虫を噛み潰したような顔を仮面の奥で浮かべながら、
一つ深呼吸した後、頷くとともに治癒の符を3枚ほど投げ渡す、
1枚ではそれほど効果の高いものでは無い為、傷の様子を見ながらの判断であった。

「ああ、それと、
このまま逃がしてくれるってなら、それがその貸しの対価でもいいが、な」
そうしながら、軽い調子で言葉を吐きながら、
警戒をしたまま、即座に収納の魔術を発動しフックロープを取りだすとともに、付近の建物の屋上へと投擲し、逃げ去ろうとするのであった。

久藤 嵯督 > 「さあな。俺はいいが、他は知らん」

仮面の男を数名の風紀委員が追いかけていくが、おそらくは追い付けないことだろう。
受け取った三枚の符で、ある程度の治療を行った後、外套の男は医務室へと運ばれていくこととなる。

後日、外套の男……久藤嵯督は、巻き込んでしまった少女の名を知ることとなる―――

ご案内:「路地裏」から久藤 嵯督さんが去りました。
ジョン・ドゥ > 「まあ、そうだろうな。」
外套の男の言葉に、他の風紀委員たちが追いかけてくるのは当然だろうと、苦笑いで答えながら。
後方に追いかけてくる風紀委員から逃げるように、素早く屋上を飛び渡り逃げ、再び行方をくらませてゆくのであった。

ご案内:「路地裏」からジョン・ドゥさんが去りました。