2017/08/02 のログ
■刃々斬鈴音 > …変わる笑顔の種類を見れば
(可愛い見た目で簡単だと思ったのに面倒そうな相手だなー。)
っとそんな事を考える。
「人が親切心から言ってあげてるのにあなた酷い人ね!
鈴音は別にお金が欲しいんじゃないの!
ただ、この子に血をあげたいだけ!」
そんな風に叫んで後ろに距離を取り、刀を抜いた。
「それなのに!君の身体ならいくらでも稼げるだとか…!!
エッチ!!」
【…いや、鈴音。言葉の内容が変わっている。
そんな好意的な内容ではなかった。】
抜き身になった刀が喋る。
男性とも女性ともつかない金属的な響きで。
■神代 理央 > 「血をやりたいのならば自分の腕でも、スラムの住人でも切っていれば良かろう。それとも、馬鹿正直に金を稼いで輸血パックでも買うつもりか?」
自由落下に等しい金属の異形は、瞬時に後退した彼女に掠る事もなくその身体を大地に叩きつける。
ノソノソと数本の足を不器用に使って立ち上がった異形は、その身に埋め込まれた銃口、砲塔を彼女に向けるだろう。
「…追い剥ぎにそんな罵声を浴びせられるとは思ってもいなかったし、まさか喋る刀に同意する事になろうとは中々複雑な心境だぞ。女」
彼女が抜き放った刀は、己の異形が上げる不愉快な金属音とは違い、知性を感じさせる金属的な発声を上げる。
つくづく此の島は飽きが来ない、とか、知性のある武器は羨ましいなあ、等と思いながらも、一番に感じたのは刀の発言に思わず同意してしまった事。
呆れた様に今日何度目かの溜息を吐き出せば―
「…礼儀正しく平伏すれば、金くらいは恵んでやらんことも無いぞ?その制服に新しい穴を開けるか、頭を下げて金を無心するか。選ぶ権利と時間くらいはくれてやるが」
先程から彼女自身が名乗る名前と、刀が語った言葉から彼女が「鈴音」という名前であることは取り敢えず頭に留めておく。
逆に言えば、それ以外は何も分からない有様なので、砲塔を彼女に向けながらも警戒と高慢さを交えた瞳で、彼女に視線を向けるだろう。
■刃々斬鈴音 > 「だって!あなたお金持ってそうじゃない!
上手い事何とかしたらこれからお金に困らないかなって思ったの!
…何とかならなさそうな感じだけど!!」
間に落ちて来た異形に視線を向ける。
銃口に砲塔。
恐らくこちらを撃てるものだろう。
…さっきの発砲音はこれなのかもしれない。
「そうよ!ちーちゃんはどっちの味方なの!
でっでも!あいつがえっちなのは事実よね!」
【己は事実を言ったまで。…黙って己を振るえ。】
呼吸できるのであれば恐らく溜息でもついているだろう器物的ながらも感情が伝わってくる。
「嫌よ!鈴音は頭を下げてお金をもらうくらいなら。
あなたの血もお金もどっちも貰う!」
自分へ敵意を向ける異形へと迷いなく刀を振るう。
しかし、砲台は切れずじゅぶりと湿った音と共に赤黒い液体が異形にこびりついた…。
…赤黒く汚れたそれはますます禍々しさ増して見える。
「試しに撃ってみたら?絶対に鈴音には当たらないと思うけど?
早くどうぞ?」
…ニヤニヤとした笑みを浮かべて言う。
異形にまとわりついた赤黒い汚れが嫌な匂いを放つ。
…ただのブラフだ特に何もない。
その液体は銃弾を阻害しないし、砲撃を阻害しない。
…今は何も起こらない
■神代 理央 > 「金を人より持っている事は否定しないな。俺を愉しませれば、少しは恵んでやらんこともないぞ」
何とも短絡的な理由で、この黒髪の少女はぼったくり紛いのガイドを提案してきたのだと知れば、やれやれとばかりに小さく首を振る。
とはいえ、刀を抜かれた以上は敵意があるにせよないにせよ、此方も自衛しなければならない。
スラム街と同様に、此処なら多少暴れても表には出ないだろうし―
「身に余る強欲は身を滅ぼすぞ。まあ、その愚直な欲望は嫌いではないがな」
刀を振るった彼女から主を守ろうと、その身体を身動ぎさせる異形。しかし、その狙いは主ではなく召喚物自身。こびり付いた液体を避ける事等出来ず、金属の異形はこびり付いた液体に寄って出来の悪いオブジェの様な禍々しさを見せつけている。
「ほう、随分と自信有りげだな?ならば遠慮する必要もないか。一応忠告しておこう。私はこいつで正確な狙いを定めるのは苦手でな。流れ弾と瓦礫には、注意したまえよ?」
口元に浮かべるは尊大な笑み。僅かに首を振れば、金属の異形は全身に埋め込まれた砲塔を起動させ、彼女に向けて一斉にその砲火を放つ。
赤黒い液体に塗れた無数の砲塔が、大地を響かせる様な轟音を轟かせて砲弾を放つが―
■刃々斬鈴音 > 「やっぱり?この辺の人とは振る舞いが違うのよね!
後、鈴音は別にそこまで強欲じゃないわよ?
したいことをしたい時に出来たら何も文句はないわ!」
余りにも自分勝手で我儘。
…それを強欲と言わずに何というだろう。
「ッ!危ないじゃない!
もし、鈴音が飛ばしたのが何か危ない液体とかだったらあなた死んでたわよ!
どんな異能が相手なのか分からないのにもっと、考えて行動して!」
…飛ぶ銃弾。飛ぶ砲撃。
それらを刀で受ける。ぱちゃりぱちゃりと金属がぶつかり合うのではないような音がする。
刀に触れれば銃弾は勢いを失って地に落ちる。
しかし、精密に狙われるよりも逆に全てを受け止めにくい。
その内の一つは彼女が穿いていた靴に当たり爆発を起こした。
いや、正確には靴が爆発を起こした。
砲弾がぶつかる瞬間に魔力による爆発を起こして衝撃を相殺したのだ。
「もう!折角の靴が!!買いなおさないといけないじゃない!
でも、これで血は乾いた。問題なくくっ付くわよね!」
いくつもに交差した射線を見切り距離を詰めて再び同じ場所を切りつけた。
【ああ、問題ない、血腐レ─キュウケツ。
血と血を吸いつける我が力の一つ。】
刀がそう言うと同時にその鉄の異形が刀の先に吸い付いた。
それを異形の鉄塊が先端に付いた刀を両手で軽々と振りかぶる。
「自分の異能で潰されるのってどんな気分?きっといい気分じゃないわよね?
でも、酷い事を言ったあなたが悪いんだから!!」
その顔にあるのは明らかな優越。慢心。
自分で少し前に言った言葉は既に頭の中から消え失せていた…。
■神代 理央 > 「それを強欲と言わず何と言うのかご教示願いたいところだな…。というか、お前。意外とアホの子だろう」
己の欲望に素直というか、ある意味裏表の無い彼女の言動と行動に呆れた様な笑みを零す。見栄えだけなら刀を振るう大和撫子である為、そのギャップも笑みを零す一旦となった。
とはいえ、異形が放つ銃弾が次々と無効化されれば、高慢な笑みは驚きと興味の色を湛える事になる。
「…此の島に来てからは、本当に驚くことばかりだ。避けるならまだしも、まさか刀で砲弾を落とされるとは思わなかったぞ」
放たれた砲弾が突然脱力したかの様に地面に落とされていく様は脅威の一言。
異形は休みなく砲火の雨を振らせているが、彼女に有効打を与えるには至っていない。
「…出鱈目極まりないな。全く、平和な学園生活とやらに憧れるよ」
漸く命中したかと思えば、彼女の靴を駄目にした程度のもの。
異形を増やして物量で押し切るか、と思考した一瞬の間に眼前で持ち上げられる己の従属である異形。
異形の見栄えの悪さも相まって、刀の先端に吸い付いて宙に掲げられた異形は邪教の像かと思わんばかり。
「…流石にそれは予想外だ。いやはや、異能か魔術かは知らんが、まさかソレを持ち上げるとはな。……そういう強者を、屈服させ服従させてみたいものだ」
フン、と吐き出した息と共に腰に下げた拳銃を引き抜く。
既に銃弾が装填されたその銃を、何の感慨も迷いも抱かず、刀を振りかぶった彼女に無造作に放った。
■刃々斬鈴音 > 【…意外と?】
刀が何か喋ったがそれは誰の耳に届かない。
「結構、みんな弾けない?
弾いたり斬ったり出来なきゃ刀使いは生きていけないよ?」
ごく当たり前のように話すが異世界基準の話である。
この世界ではどうかは知らない。
「鈴音にお金払ってたら平和に終わってたんだよ!
だから平和じゃないのは自分のせいだよ!」
まるで自分は悪くないように言ってのける。
「ふふん!流石にビックリしたわよね!
片手でも持てるよって…銃!!」
【先ほどの銃声と同じ物だろう。万事窮すだな。】
先端に巨大な塊が付いた刀では流石にさっきまでのように弾を弾くことは出来ない。
銃弾は容赦なく少女の身体に、身体を纏う服に当たりそれを炸裂させた。
先ほどの靴と同じ魔力の爆発による反応装甲。
小径の銃であったため今回は防げたが服が吹き飛んでしまっては次は防げはしないだろう。
「…やっぱりエッチじゃない!!」
そう叫ぶと思いっ切り刀を振るう。
するとその鉄塊は外れて頭から地面に叩きつけ二人の間を塞ぐバリケードになる。
既にその砲塔は曲がってしまって元の役目を果たさない。
その衝撃に乗じて路地の出口へと走り逃げる。
…服が破れてしまったのだいくら鈴音といえどもこれ以上は戦えない。
「今度会ったら覚えてなさいよ!!
一滴も血を残してあげないんだから!!」
路地の出口でそんな捨て台詞叫んで逃げていく。
少女が逃げた道には何人もの男が倒れていたという。
■神代 理央 > 「そもそも刀使いとやらが市井に溢れているとも思えんがな。しかし、実際に弾かれ叩き落されては言い返す言葉もない」
さも当然、とばかりに此方に答える彼女に、もしかして此の島で常識が無いのは己の方なのだろうかと僅かに不安を覚える。
異能を発動するまでは基本的に丸腰。近接戦闘のスキルも0に等しい自分は、珍しい部類なのだろうか。そうではないと信じたいが。
「金を払う対価が道案内ではな。その刀を売るというのであれば、幾らでも積んでやったのだが」
飄々とした口調で答えながら肩を竦め―
「驚いたとも。その細い身体の何処にそんな力があるのやら。異能や魔術によるものなら、是非とも教えて欲しいくらいだ」
自分と変わらない―寧ろ自分より細身な彼女が軽々と異形を持ち上げているのは、控えめに言っても驚きである。
だからこそ、驕りも逡巡もなく、構えた銃の引き金を引いたのだが―
「…チッ、やはりこんな銃では過擦り傷にもならないか」
小口径の銃では、彼女に傷を負わせる事は出来なかった様だ。
能力によるものか何故か服が爆発し、露出の増えた彼女の姿に微妙に視線を逸らせつつ舌打ちを一つ。
結局、視線を逸らせたが故にあっさりと彼女の逃走を見逃す事になってしまったのだが。
「……一滴も血を残さないって、吸血鬼か何かか、アイツは。というか、せめて身だしなみを整えてから……まあ、良いか」
硝煙と瓦礫にまみれつつも、静けさを取り戻した路地裏で彼女の捨て台詞に思わず含み笑いを零す。
彼女が通ったルートの男達はさぞや眼福だっただろうが、その代償は中々手痛いものだったのではないかと零した笑みを苦笑いに変化させる。
「はてさて、次に会う時は対話か闘争か。何方にせよ、再会を楽しみにしておくとしよう」
己の身を救った銃を撫でつつ、埃まみれの書類鞄を拾い上げて鼻歌交じりに路地裏を立ち去る。
帰り道、倒れ伏している男達の姿に再び苦笑いと溜息を漏らしつつ、華やかな街灯が彩る学生街への帰路を急いだ。
ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から神代 理央さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に柊 真白さんが現れました。
■柊 真白 >
(操作していたスマホの画面を消し、ポケットに入れる。
そうしてゆるりとあたりを見回した。
いつもと変わらぬ、鬱々した夜の路地裏。
それはいつもと何も変わらない。)
――。
(ひとつ息を吐く。
この世界は変わらない。
どこかで誰かが命を落としたとしても。
どこかの国とどこかの国が戦争を始めたとしても。
宇宙のどこかで星がひとつ寿命を終えたとしても。
それがここからわかるわけではない。
関係ない者にとって、世界はいつも通りだ。
そんなことを考え、頭を振ってその雑念を追い払う。
今は仕事中だ。
最近新たな通り魔が現れたらしい。
ここではそう珍しいことでもないが、とにかくその新参者の調査を依頼された。
後ろ暗い仕事ではないので、面は付けていない。)
■柊 真白 >
(人が斬られたと言うこの場所。
殺されたのかただ斬られただけなのかは噂が一人歩きしすぎていてよくわからなかった。
それでもここで人が斬られたのは間違いらしい。
しかし、綺麗過ぎる。
血の流れた形跡がない。
あるにはあるが、斬られたにしては少なすぎる。
暗殺者と吸血種。
両方の経験と勘が、不自然すぎるとはっきりと伝えてきた。)
同属か、同業者――じゃない。
(自身と同じ、血を摂取するものにしては、あまりにおざなりだ。
若いモノにしては食べ方が綺麗過ぎるし、年寄りならば後処理がおざなりすぎる。
同じ理由で同業者の線も薄い。
ならば殺人鬼、と言う訳でもなさそうだ。
そう言う手合い特有の「こだわり」が見えてこない。
となると。)
■柊 真白 >
――殺すことじゃなく、斬ることが目的?
(殺し屋ではなく、殺人鬼でもなく。
人斬り。
人を斬るために人を斬る者。
ただ、それにしたって違和感がある。
血の跡が少なすぎるのもそうだし、人を斬ることが目的、と言うにもなんだか違う気がする。
どうにもいまいちその姿が見えてこない。)
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
■刃々斬鈴音 > 「そこのアナタ?難しい顔してどうしたの?
もしかして迷子かな?鈴音が危なくない方まで送ってあげようか?」
…特に気配を消すでもなく。
ただ、普通に一人の少女が通りかかる。
「鈴音は今日は優しい気分だからタダでいいよ。」
優しさからか或いは別の理由からか胸をポンと叩いてそんな事を言う。
…身に着けた刀が少し揺れた気がする。
…気のせいじゃないくらい強く古くなった血の匂いがそこからする。
「…どうしたの?来ないの?」
■柊 真白 >
(濃厚な血の臭い。
声を掛けられる前にそれに気が付いた。
そして。)
――そう。
あなたが。
(確信する。
彼女がそうだと。
理由は無い。
あえて言うなら、暗殺者としての勘。)
あなた、名前は。
(彼女の問いかけを無視して、こちらから尋ねる。)
■刃々斬鈴音 > 「鈴音は鈴音。刃々斬鈴音だよ。
アナタのお名前は?」
年下の子供を相手にするように優しく声を掛ける。
相手を大分、年下の子供のように考えているらしい。
「迷子なんでしょ?歩きながらお話ししましょう?」
裏路地の奥から手招きをする。
こっちへ行こうと呼びかける。
…だが、この先の道にあるのはスラム裏の出口は反対の方向だ。
■柊 真白 >
刃々斬、鈴音。
(いかにもな名前。
名は体を表すと言うのだろうか。
――今はそんなことはどうでも良い。)
そっちは逆だけど。
(生憎と迷子ではない。
そもそもこの辺の地理には明るい方だ。
動かずに彼女の方を見て、)
――あなた、人斬り?
(尋ねた。)
■刃々斬鈴音 > 「えっ?あっホントだ!鈴音ちゃん間違えちゃった。
ゴメンネ!」
わざとらしく自分の頭をコツンと叩いて言う。
…その反応を見るに恐らくわざとなんだろう。
「…何?アナタもしかして鈴音のファン?
それともここ等辺で人を斬られたら困る人?」
【間違いなく後者だろうな。…少しばかり派手にやりすぎたか。】
腰に下げた刀が男性とも女性とも分からない無機質な声でしゃべる。
…この反応が人斬りか?に対する答え。とても分かりやすい。
「ていうか!鈴音は自分の名前教えたんだからアナタも言わないと不公平よ!!」
■柊 真白 >
――妖刀か。
(なるほど、合点がいった。
恐らく彼?が血を吸うのだろう。
鞘に収まった状態からでも濃密な血の香りがするのが、何よりの証拠だ。)
私は別に。
ただ、あなたが好き勝手に人を斬ると困る人が居る。
私はその人に調べて欲しいと頼まれた。
(落第街には縄張りというものがある。
自分たちのシマで好き勝手をされると、面子に関わる。
だから同じ殺しで生活しているもの――同業と思われるのは癪だが――である自分に仕事が回ってきたのだ。)
柊真白。
――一応聞くけど、人を斬るのを辞めるつもりは?
■刃々斬鈴音 > 【妖刀血腐レ、己はそう呼ばれている。】
刀が喋る。
「へえ、お仕事なんだ大変だね。
その人も自分から来たら良いのに…。
…でも、暑いからねー来たくないわよね。お金持ちはずるいな。」
そんな事を言って一人納得するように首を縦に振るう。
「分かった!鈴音約束するよ!もう二度と人を斬らないよ!」
【無理だ。人を斬る事をやめる事は出来ない。己には耐えられても鈴音には耐えられない。】
刀と人とで意見が割れる。
「そんな事ないもん!鈴音我慢する!頑張るもん。」【出来ない約束はしない方が良い。】
「真白ちゃんは鈴音の事信じてくれるよね?」【鈴音に期待するな。鈴音に我慢する機能は備わっていない。】
一人と一本が同時に白い少女へと同意を求める。
■柊 真白 >
物騒な名前。
(妖刀――血腐レと言う名前に対し、素直な感想を述べる。
依頼人が直接来てもきっと何もわからないだろう。
血の臭いに敏感なものでなければ。
――まぁ、彼らが来ても、ここで餌食になっていただけだろうけれど。)
……そう。
じゃあ――
(出来の悪い漫才のようなやり取りに、呆れたようなため息。
埒が明かないといったように一歩踏み出し、)
――しばらくおとなしくしていてもらう。
(彼我の距離を一瞬で詰め、一気に自身の間合いへ。
左手に持った鞘から右手で刀を抜き放ち、首を狙って一閃。
両断はしない。
鞘から抜いて首へ到達する前に、くるりと刃を返して峰を彼女の首へと走らせた。)
■刃々斬鈴音 > 斬りかかられる事は何となく分かっていたのだろう片手で抜いた刀で刀を防げば
にゅるり、ジュルリと湿った感触。
…その刀の峰に赤黒い液体が付着する。
「危ない!どうして!鈴音斬らないって言ったじゃん!」
【賢明な判断だ。信じても2秒で裏切られていただろう。】
刀を刀で防ぎつつ空いた片手で相手の服を掴もうとする。
…防いだ感触は早いが軽い。
動きを止めてしまえばなんとかなる!
■柊 真白 >
生憎狂人の言うことを真に受けるほど馬鹿ではない。
妖刀の言葉の方が信用出来る。
(斬った――正確には打った感触がおかしい。
僅かに眉を顰めるも、動きを止めることはしない。
伸ばされる手から逃げるように後ろへと足を送る。
同時に抜き放った長刀をくるりと返し、そのまま伸ばされた手を打つ用に振り下ろす。)