2018/07/25 のログ
ご案内:「路地裏」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 落第街の路地裏とは、広義において単なる路地裏を指す言葉では無い場合がある。
そもそも、落第街そのものが複雑に入り組んでおり、その路地裏ともなれば最早迷宮の類である。
ビルとビル。バラックと外壁。うず高く積まれた廃棄物と瓦礫。様々なもので構成された路地裏を、小奇麗な制服を靡かせながら闊歩していた。

「……此方神代。現在のところ異常無し。以上」

通信端末に短く言葉を呟いて小さく息を吐き出す。
夏夜の熱気は、かっちりと着込んだ制服には些か厳しいものがあった。

落第街に蔓延る魔物や魔獣の調査、及び討伐。
人権派で知られる委員達から出された任務に、尤も穏健派から遠い自分が駆り出させているのは皮肉か何かだろうか。

「目撃情報がある以上、放置する訳にもいくまいが…」

こういうのは、もっと英雄然とした異能や魔術の持ち主に振るべき任務だろう。
己が異形で魔獣を焼き払っても、その映像は広報活動には利用しにくいと思うのだが。

神代理央 > 背後に従えた金属の異形達も、火力を振るうべき相手も無く瓦礫や汚物を踏み潰しながら主の後を続くばかり。
時折、怪しげな住民と出くわすものの、皆回れ右をして立ち去っていく始末。

「……これなら、まだスラムでの討伐任務の方がマシだな。張り合いの無い」

逢瀬を楽しもうとしていた男女と出くわした時は、流石にげんなりした溜息と独り言を吐き出してしまった。
とはいえ、他の委員からも有力な情報は上がってきていない。穏健派の連中を黙らせるためにも、何か一手打ちたいところではあるのだが。

ご案内:「路地裏」に楊柳一見さんが現れました。
楊柳一見 > 「トンベさーん、トンベさーん、アンタの主はどこかいなー、っと」

横合いの隘路から、そんな間の抜けた小唄口ずさみながらつったか現れる胡乱げな女。
弄ぶ右手の先には、土造りの瓢箪ひとつ。どうにも奇妙な噛み合わせで。

「さっさと言わんとバターに――」

何の気なしに巡らした眠たげな視線の先に、見知った顔を認め、すごすごと後戻り開始。
手遅れとか言うな頼むから。