2018/11/17 のログ
ご案内:「路地裏」に國宏一実さんが現れました。
國宏一実 > 「っぶねぇ...。まさかアイツ等がもう来るなんてなァ...。」

息を切らしながらスラムから離脱し、壁に体を預け、呼吸を整える。
近いうちにガサ入れをするなんて話を聞いてはいたが、まさかこんな早いタイミングで...。
まぁ何はともあれ気づかれずに逃げ出すことができただけでも御の字だろう。

「てかガサ入れって規模じゃねェだろアレ...。だが...なんとか欲しいものは...。」

ポケットから袋に詰められた錠剤を取り出し、確認する。
「制御薬」、目当てのものは手に入った。これでやっと...。

國宏一実 > 『...使ウノカ?』

虚空から赤黒いスライムが現れれば、足元にちょこんと。
普段と全く変わらない声色であったが、何故か今日はどこか寂しそうな雰囲気で。

「いいや、使うなら実戦でだ。マジでヤバイときの最後の手段のつもりだ。」

薬をポケットに押し込めば、口元を吊り上げ、満足そうにそういう。
これで異能による侵喰が進むことが無くなる。
つまり...今まで通りこの島の屑共を思う存分潰せる。
そんなことを考えていると無意識のうちに笑みが漏れる、最高の気分だ。

ご案内:「路地裏」から國宏一実さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 昨日のスラムでの作戦の結果は、決して大成功とは言い難いものであった。
とは言え、既に落第街に流通し始めた"制御薬"とやらのサンプルを上層部が手に入れる事には成功したらしい。
尤も、流通初期の段階で既に手に入れていた委員も居たらしいのだが。

「…となれば、無理に過剰なサンプルを提供する理由もあるまい。そうは思わんか、売人?」

薄暗い落第街の路地裏。大盾を掲げた異形に抑えつけられ、媚び諂う様に頷く薬物の売人から奪い取った錠剤をしげしげと眺める。
こんなもので本当に異能が強化されるんだろうか、と首を傾げつつ、無造作に引き抜いた拳銃を売人の額に向けて―

「正当な報酬を支払わないのは余り好きじゃないんだが…。まあ、今回ばかりは謝罪しよう。詫びと言っては何だが、君の住んでいた地区への摘発は数日控えておくよ」

恐怖に顔を引きつらせた売人に申し訳なさそうに首を振り、乾いた銃声と共に会話を打ち切った。

神代理央 > というか、上がってきたサンプルの報告書を見る限りでは、アンプル、錠剤、粉末と種類もまちまち。
当然の様に偽薬も混ざっており、本物かどうか試すには実際に本物の成分を知った上で分析にかけるか―後は、飲んでみるしかない。

「島内に此方の息のかかった研究施設があれば良いんだが。流石に、自分で飲むと言うのはなぁ…」

異能の強化には興味があるものの、副作用等がはっきりしない現状では余りにリスクの大きい選択肢であった。
というよりも、召喚系の異能を持つ己が服用するとどうなるのだろうか。やたら大量に召喚されるのか、個体の能力が底上げされるのか。

「………或いは、能力者本人の認識していない異能の発現、とかな」

データベースにも登録してあるものの、未だ発動には至らない己のもう一つの異能。
流石にそこまで期待するのは良くないか、とピルケースに入った錠剤を右手で弄びながら自嘲的な笑みを零した。

神代理央 > 流石に人体実験だの欺いて飲ませるだのといった事は憚られる。
必要があれば行うが、何となく気が乗らない。こういう所で合理的な判断を下せなければ、大きなリターンが無い事は理解しているのだが。

「…甘くなったのか、それとも、未だに御子様だと言うことなのか…」

小さく溜息を吐き出し、ピルケースを軽く振ってみる。
カラカラと乾いた音が響き、中の錠剤が月光に透けて鈍く影を落とした。