2016/06/11 のログ
ご案内:「スラム」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 > ひとしきり走って、足を止める
スラムはそう広くはない、示されたエリアはもう目と鼻の先である

かなりの速度で走ってきたものの、息を切らした様子もない
大丈夫、落ち着いている。焦ってはいない

そう心のなかで唱えながら、大きく息をついた

ご案内:「スラム」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > …………ぼへぼへぼへぼへ。

独特の排気音と共に走ってくるのは。庶民の味方、スーパーカブ。
ご丁寧に蕎麦屋の出前仕様。ノーヘルで交通法違反待ったなし。
出前籠には烏が一羽、留まっている。

ぼへぼへぼへぼへ………

「――おっと。」

視界の端に映った待ち人。行きすぎかけて、ハンドルをぐるりと回す。
戻ってきた。ぼへぼへ。

伊都波 凛霞 > 「どうも」

ぺこりと頭を下げる
さっと風を切って、その肩に一羽の烏が止まった

「蕎麦屋さんが来なかったら先にいっちゃおうかと思っちゃった」

冗談交じりなそんな言葉を投げかける

蕎麦屋 > 「お待たせしました、と。
 あれ、私おいてかれるところでしたか?もしかして。」

スーパーカブからすとんと降りる。烏は頭の上にでも乗せておこう。
よく見れば片目は瞑ったまま。

「お待たせついでにちょっとお待ちくださいな。
 珍しい来客がありまして――はー、急ぐのは必要ですけど。
 どうしましょうか。ねぇ?」

何のことかわからない言を吐きながら、蕎麦屋カブをぺし、と叩けば。
――跡形もなく消え去った。

伊都波 凛霞 > 「ごめんなさい、焦っちゃって。
 …近くまでくれば、と思ったんだけど、やっぱり念話が通じないの。相互干渉が可能な筈なのに。
 何か阻害する仕掛けがあるんだろうけど…もし、そうじゃなかったら」

既に、司は
嫌な予感だけが先に走る

「…来客? 何か、今回の騒動に関わりのあること…?」

蕎麦屋 > 「肯定です。今、帰られましたけれど。
 ですが、運には恵まれているようで。と。」

おや。ちょっとした手品のつもりだったのに反応の一つもない。
余程余裕がない――ならあとで話した方がいいだろうか。
……いや。
 
「簡単に言えば現状のぽんこつ主人について。
 致命的ではなく、さりとて放置すれば確実に致命的になる類の話でした。」

概要くらいは説明しておいた方が、きっといい。

伊都波 凛霞 > 「ぽんこつじゃないよ司ちゃんは …まぁ、それは置いといて」

冗談だろうし、と気を改めた

「おもいっきり関係のある話だよね…。
 後から知って慌てるのもなんだし…聞いておこうかな」

尚、生まれた時から常世で過ごしている彼女にとっては魔法も魔術も見慣れたものである
スクーターが消えたのも、別段珍しい光景ではなかったようである

蕎麦屋 > 「そこは置いときましょう、と。では――掻い摘んで。

 魂の侵食。

 人の根源足る部分に何かが介在しているらしいですね?
 『来客』曰く二つの川を混ぜ合わせる、だそうですが――魂なんぞ混ぜてしまえばどうなるかは。」

どうしてそんな面白胸糞悪い状況になったのかは、当人締め上げないと分りませんが、と付け足して。
顔は笑ってはいるが――眼は、まったく笑っていない。

「で、後は。パスが繋がらないのも含めて、かなり強固な魔術除けがあるようで。
 ――『来客』の事も考えると、まだ意識はないんでしょうね、まったく。」  

くるり、と手の平を手持無沙汰に回せば。
忽然と現れたのは木の棒。

伊都波 凛霞 > 「………」
きり、と奥歯を噛みしめる

何が、目的は自分と妹、だ
何が、身の安全は保証しよう、だ
何が、危害を加える気はない、だ

「目的は私と妹なんじゃなかったの…?
 どうして、そんな───」

落ち込みかけた目に、すっと光が戻る

「…どちらにしても助けないことには始まらないですね」

蕎麦屋 > 「さぁ?もう。こうなってくると私には何が何やら。
 助けるのには同意いたしますけれど。」

肩を竦める。
木の棒をくるり、と回せば、ボルトアクション式のライフルに。

「ああ、それで質問なんですけれどね?うちの主人もですけど、貴女も、その妹さんも。
 いったい何やったらこんなんに巻き込まれるんです?」

何がどうやれば、これだけ拗れた話になるのか。
当人にも多分分っていない話なのだろうが――わかる範囲でも情報は、欲しい。

伊都波 凛霞 > 「さあ…こっちが聞きたいくらいだけど」

くるん、と大薙刀を持ち直してため息
本当、どうしてこんなことばかりが立て続けて

「神様とやらがいたら締めあげて聞き出したいくらいだよね。
 私達になにか恨みでもあんのかー、って」

蕎麦屋 > 「いや、目の前にいるんですけどね?
 あ、締め上げるのは勘弁してください。死んでしまいます。」

 くるり。ボルトアクションライフルは分隊支援火器に。

「まぁ、捨てる神あれば拾う神もありとは申しますし。
 とりあえず――助け出せるのでしたら、『来客』がある程度の時間は稼いでくれるようですし。」

支払いは中々怖いことになりそうですけれどねぇ、とため息。

伊都波 凛霞 > 「後払いでいいなら、いくらでも!」

そう言って駆けはじめる
もう地下への扉は目と鼻の先

此処に来て、フードの男の印象が一転、そして二転
もはや言葉を信じられるかどうかもわからない

彼の要求には一切応じず、高峰司を救出することを選択した
罠があるならば、それすら蹴散らして進むのみ

蕎麦屋 > 「言い値ほど高いものはないんですけどねぇ……さて。」

あ、突っ込んだ――止めたところでもう止まりそうにはない。
最初の話とか完全に忘れてますよね、これ。

室内向けの武装と言えば―――
くるりと各々の手に、ソードオフのショットガンに、消火斧。
どちらも人呼んでマスターキー。こじ開けに行く、ゲン担ぎ。

「とりあえずこんな所ですか。」

緩やかな動きだが、奔る背に付かず離れず。
後を、追う。

伊都波 凛霞 > 物々しい、と言うほどでもない廃墟
その地下に通じる扉は閉ざされている

「…あの人の言うこと、どこまで信用していいかはわからないけど…」

まるでパズルのような、鍵

その手順は以前、青垣山で彼から連絡をもらった時に伝えられている
…ひとまずはそのとおりに、開かなければ…

「……開かなかったらぶっ壊しましょう」

蕎麦屋さんを振り返りながらそう言って、ガチン
……ギィ、と重苦しい音を立てて、扉は、開いた

蕎麦屋 > ちょっとした手土産を持たせて、烏を空へと飛ばす。
このメンツでは、立派な航空戦力だ、利用しない手はない。

「おや、派手でいいですねぇ。好きですよ、そういうの。」

くるり、くるりと斧を手の内で回しながら。闘争に、戦争に、勢いは中々に大事だ。
ほほえましく見守り――開いた、扉の先を『視る』――

ご案内:「スラム」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「スラム」から蕎麦屋さんが去りました。