2017/01/09 のログ
■V.J. >
うっかり忘れていたけれど、片手に拳という名の凶器、片手に推定70kgほどの肉塊をぶら下げている彼女の風貌は、キュートでポップな少女アリスだった。
残念ながら顔の造形はどう繕っても少女と呼ぶには厳しい。
素敵なデザインのワンピース・ドレスも、薄汚い煤に埃に返り血で、やや物騒に見えるかもしれない。
「んん、援軍かしら……よっこら」
足音が聞こえる。張り詰め、研ぎ澄まされた聴覚。
迷わず、左手の男を。その胸倉を握り込み、タオルでも振るう感覚で振りかぶる。
投げつけるつもりである。
して、来訪者の影が見えた、刹那――。
「ショット――あらっ」
目に入った可憐な少女。
リリースするつもりだった手をガッチリと握り、振るった腕はそのまま振り抜く。
するとどうだろう。発射されなかった男の肉体は、哀れV.J.の足元へ叩きつけられた。
「はぁい、こんばんは」
固めた右手の拳をほぐして、ひらりと手を振る。
■伊都波 凛霞 >
「こ、こんばんわ~」
えへら笑い
目の前の状況をどう整理しようか
といっても見たことをそのまま受け入れるしかないのだけど
「えっと…何があったんです…?」
小さく手を振り返しつつ、悲惨な目にあっている男性に目線
とりあえずただごとではない
■V.J. >
「うーん、とりあえずダメなことをしてた男の子二人を伸しただけ」
余り情報は増えないだろうが、そういう返事をした。
瓦礫だらけの足元は、叩きつけられるには少々危ない。
幸運にも豆腐(のように転がる石)の角に頭をぶつけた様子ではない男を引きずりあげて、呼吸を確認。
ある。
「貴女こそ、こんなところ危ないわよ。ええと、見たことはあるんだけど……生徒さん?」
もう一人の伸びている男のほうへ歩みつつ、顔は少女へ相対。一瞥。
首を傾げて問いかけた。
■伊都波 凛霞 >
自分を生徒と呼ぶ女性
自分の顔に見覚えがあるのなら、学園の関係者だろうか
なんで学園の関係者がこんな場所でとりあえずダメな男をのしていたのかはわからないが
見たところ風紀関係でもなさそうだ
「えっと、私はちょっとした人探しで…立入禁止なのは知ってるんですけど」
暗に生徒であることを認める
あの学園は教師も多い、もしこの女性が教師だったら補導されちゃうかもなぁなんて思いつつ…
「(……にしてもすごいファッション…)」
少し呆気にとられてしまった
■V.J. >
人探し――こんなところに居そうな人を探すなんてあまり清廉潔白な感じではなさそうだ。
それよりも、彼女がかしげた首を更に傾けるのは、後に続いた言葉だった。
「えっ、ここ立入禁止なんだ……ふーん、なるほど、それで……」
合点がいったとでも言うように、ひとりごちながらウンと頷く。
無遠慮にスカートへ裾から手を突っ込んだかと思えば、取り出したるはタイガーロープ。
「あれ、ということは――貴女ここに居ちゃダメよね?」
にっこり。道端で伸びている男Bの身体をロープで括りながら、そう。
■伊都波 凛霞 >
まさしくそのとおり
しまった口が滑ったかな、と一瞬バツの悪いカオ
「えー、えーーーー、うーん、そういうことになります、ね?」
視線をお空にすいすい
ごまかすのが苦手のようだ
「えへへまぁ先述の用事がありまして、
あ、あとそこそこ腕に覚えもあるので危険を感じたらすぐ帰るつもりだったんですけど」
■V.J. >
「校則違反と蜂の巣は見逃すようにしているんだけど……」
キビキビと結ばれていく男B。
昏睡とも言える状態だが、万が一目が覚めても、到底暴れる――どころか、腕の一本、足の一本を動かせるかさえ怪しい緊縛。
「せっかくなので、その覚えのある腕をお借りしたいところね。はい、腕力そのものにも自信はある?」
ロープは3メートルほど余らせて。その端を、伊都波へと差し出した。
引きずれ。
■伊都波 凛霞 >
そうきたか、と肩を竦める
「いやあの私、用事が…」
と言ってもせっかく見逃してくれるというのだ、ここは素直に従おう
差し出されたロープを手にとって
「腕力は普通程度だと思いますけど…、
……それで、何者なんです?先生?だとしたら先生がなんてこんなところに」
自分から名乗るべきかなと思いつつもここは落第街
警戒はちゃんとしておかないといけません
■V.J. >
正々堂々と手を抜けるならばこっちのものだ。
はっきり言って自分で二人抱えたほうが多分速いが、ご愛嬌。
一人旅と二人旅では楽しさが違う。つまり相槌役が大事である。
「私はヴェイパージェイル。主に一年生の能力指導をしているから、こんな場所に来るような生徒には大体見覚えがあるはずなんだけど、貴女のことはうすらぼんやーりとしかわからないから、きっと優等生ね」
そんな雰囲気ですもの。
そう言って、ロープを伊都波に任せられたなら、男Aのほうも縛り付けましょう。
「この二人が重大な違法行為を働いているとかで、殴って連れてこいと言われてこんな感じ。何探してるの?」
さあ、結び終えれば歩く準備だ。
その前に、相手の用事でも聞ければ聞いておこう。
■伊都波 凛霞 >
あ、やっぱり先生だったんだ。と少しだけ安堵、同時に
「申し遅れましたが伊都波凛霞って言います、二年生。
私、一年生の時は異能の開発クラスにいたのであんまり学園のほうにはいなかったんです」
優等生の雰囲気と言われれば、おっメガネ効果か?とちょっと得意げ
「そ、そういうのって風紀委員とかがやることなんじゃ…」
強いからいいのかもしれない、なんだか縛るのも手慣れているように見えるし
「えー……と、人です人探し。
その人と前に会ったのがこの辺だったので……」
■V.J. >
「思うんだけど、生徒立ち入り禁止のところに風紀委員をけしかけるのって、大丈夫なのかしらね? 自治系統にはあんまり興味ないしどうでもいいんだけど、ダブルバインドは嫌われるわねぇ」
言う必要もないので言わないだけだが、基本的に事務能力の低い彼女は、色々肉体労働をさせられていることが多い。
風紀委員の日常を彼女は知らないので、そんな風に首をかしげるばかりだ。傾げてばかりだ。
「人。こんなところで会う人なんてろくなもんじゃなさそうだけど」
余りある暴言。
「それこそナニガシ委員に捜索依頼でも出せないのかしら。やっぱり危ないわよ、女の子一人でこういうところは」
結びあげた男Aは、俵でも担ぐように、肩へ。
■伊都波 凛霞 >
「まぁ彼らはほら、普通の生徒とは違う枠組みですし?」
制服からして違う、
風紀委員と言えど警察組織に近いそれである
「う、うーん。まぁろくでもないのは確かなんですけど」
ずーるずる
ロープを引いてひきずる、いいのだろうかこんな扱いでと思いながらひきずる
「できたらそれが一番なんですけどねー…。
まぁ色々と事情があっちゃったりするんですね」
はふぅ、と溜息
疲れたわけではない
■V.J. >
ふーん。と、小指の爪より少ない知識欲の満たされる音を出した。
「優等生とのおしゃべりは勉強になるわ」
おしゃべりも何も交わした言葉は少なすぎるし、同じくきっと元々の蔵書量が少ないだけだ。
知識人の存在にちょっとしたリスペクトを起きつつ、引きずられる男が引っかかりそうなゴミを足で払い、道を作る。
「面倒なしがらみは壊すのが一番。名前でも叫びながら探してみたら?
呼んだら来るかもしれないわよ?」
脳筋と呼ぶ。
■伊都波 凛霞 >
どうやら優等生に確定しているらしい
やはりメガネ装備の効果は侮れない
「あー…はい、名前……名前ですね、わかればいいんですけどねー…」
まぁ自分でも無謀な人探しだなとは思うのだけれど
やっぱり我武者羅に探してもダメだろうかと肩を落とす
「ところで先生はその、随分凝った服装ですね…。汚れちゃいません?こういうことしてると」
■V.J. >
「なるほど、そういうことね。その探している匿名さんも、貴女のことを知らない――?」
八方塞がりだとか、五里霧中とかいうやつだ。
自分であれば多分、探し人が見つかったらとりあえず殴るんだろうな、なんてことを考えながら上の空。
「えっ? 服は――まあ、こだわってはいるけど」
確かに。
「服は汚れることが仕事だもの。汚れてなんぼのものでしょう。
汚れて、破れて、そうなったら洗って直せばいいの。
まあ確かにちょっと汚れちゃってるけど、これくらいなら明日には新品同然よ」
何の事はないと、ぴらりスカートを広げてみせた。
固まった血で、不格好にこわばりながら広がった。
■伊都波 凛霞 >
「いいえー、向こうからは連絡が来るんですけどねー。
今回は私のほうが向こうに用ができちゃって、ほとほと困ったと…」
口に出してみて思うが、支離滅裂である
しょうがない、本当にそういう関係性なのだから
「で、でもほらそういう時は汚れても良い服とか…戦闘服みたいなもの、とか?」
ありません?と目線を向けてみて
……年齢相応に見えない服装にはつっこまないが吉なんだろうなと
■V.J. >
「戦闘服は可愛くないでしょ」
一蹴。
これは美意識の発露であり、既に覆らない彼女の信念である。
どんな服でも汚れていい。洗えば!
「都合のいい女になってない? 大丈夫? さっき、そんな奴見たら殴りたくなるかもって考えてたけど、むしろ見つかったら殴らせてほしいくらいね……男なら」
そう言って拳を固めた。そんな未来をもう見据えている。
「凛霞が困ってるって大々的に広報しちゃいなさいよ、色々集まってくるかもしれないわよ、色々」
そう言って、くすりと冗談めかして笑った。
■伊都波 凛霞 >
「まぁ、可愛くないですけど…」
戦闘中に意識してくれる人いるのかなぁ、なんてちょっと現実的な思考が混じる
「え!?そういうのじゃないですから大丈夫です!!
大々的に広報するような話でもないですし……」
助けがいらないかといえば嘘だけど、難しい問題である
悪戯に話を広げて良いものかどうか、判別がつけづらい
「とはいえ立入禁止区域にそう何度も出入りするわけにもだし…、
ちょっと別の方向で考えてみます…」
■V.J. >
「自己責任でよければ、立ち入り許可くらい出してあげるわよ。ごめん、言っといてそんなもの出せる保証はないんだけどね?」
違反行為を気に病んでいるのであれば、と。
ピンと来て口に出し、すぐに自分の権力が雀の涙より少ないことを思い出しては訂正印を押す。
忙しない。
「まあ、生徒と教師っていう都合、いつでも力は貸すわよ。
安心しなさい、私はこう見えて全然顔が広くないから、大事になる心配もないわ」
ぐっ、と力を込めてサムズアップしてみせた。
なんの力になれると言うのであろうか。
■伊都波 凛霞 >
「えっホントで───なんだ」
一瞬の訂正セリフ
なかなかがっかりさせてくれる先生である
「ほんとですか?
やさしいですねヴェイパー先生」
じゃあ頼りにさせてもらおうかなー、と笑って
…笑いながら男の人を引きずっているんだけど、あまり良くないビジュアルだ
■V.J. >
露骨にがっかりされてしまった。
がっかりされることには慣れてきている節もあるが、自分自身のパーソナリティというより、肩書や権力に落胆されるのは、思いの外焦る。
「ああ、うーん。やってみなきゃ分からないって話で、普通の教員なら問題なく出るとは思うんだけど、私はテスト用紙よりも始末書を作った回数のほうが多い女!」
自慢ではない。
「まあ今後もここで探し物をしたいって言うのなら、あんまり期待せずに任せてみなさい。どうしますか?」
優秀な生徒に任される裁量は大きい。優等生相手への手形なら出るかもしれない。
むしろ出ないかもしれないのだが。
■伊都波 凛霞 >
言葉だけ聞いていると大分ダメなイメージばっかりが増えていく…
悪い先生じゃないのは確かなんだろうけれど
「是非!お願いします!」
……以前はスラムの地下に彼の居所が在った
もし彼と連絡がついても、再びココに来なければならない可能性は十分にある
その時に後ろめたさはないほうが、きっと良い
■V.J. >
そんないい返事に、この日一番の、年季が入った保護者スマイルを見せた。
「承ったわ。神をも恐れぬ私の外交技術を思い知りなさい」
具体的に言うと神社の設備を破壊した前科がある。
頼られるのが好きな彼女なので、生徒の頼みとあれば粉骨砕身にて挑むだろう。
無論、彼女の場合は気合を入れれば入れるほど、問題が捻れ転じて最終的には手酷い人災を起こしかねないわけだが。
「ただ、今日のところはお引取り願うわね? 強制は――しないけど」
しばらく歩き、何事もなくいよいよスラムを脱するだろう。
拳がパキッと鳴った。
■伊都波 凛霞 >
「わかってますって。
荷物もあることですし……」
そう言って手のロープを見る
自分よりも小さな体躯の先生だし、ちゃんとお手伝いはしよう
腕力的には不要だろうけど
そんなこんなお話しながら、二人はスラムを後にするのでした───
■V.J. > 【判定:ダイス1をダイス2が上回れば『自己責任によるスラムへの立ち入り許可』を付与】 [100d2→1+1+1+1+1+1+1+1+2+2=12]
■V.J. > [2d100→64+91=155]
ご案内:「スラム」からV.J.さんが去りました。
ご案内:「スラム」から伊都波 凛霞さんが去りました。