2017/04/23 のログ
ご案内:「スラム」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(ある男がいた。
 二級学生ではあるが、落第街には珍しく、特にこれと言った犯罪には手を染めていなかった。
 やる事といえばチンケなスリや窃盗など――もちろん犯罪行為であることには変わりない――で、それで日々を食いつないでいるだけの男。
 男は、数日前にとある組織同士の取引を目撃してしまっていた。
 だからこうして、血の海の中に転がっている。)

――。

(ぴろりーん。
 その場の惨劇に見合わぬ間の抜けた電子音。
 端末を操作し、撮影した写真をメールで送る。
 それで今日の仕事は終わり。
 もう男だったものに用は無い。
 現場を片付けるつもりはない。
 仕事にはそれは含まれていないし、放置していてもどうせ誰かが始末するだろう。
 そのまま捨て置かれたならカラスや野良犬などの餌になるだけだ。)

ご案内:「スラム」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > 「何か妙だな・・・」

今日のパトロールはいつもとは違った。
いつもはしない血生ぐさい臭い・・・
まるで何やら悪い事が起こってそうな。

「あの路地の裏か。」

白いロボットはそう呟くと
建物の壁を蹴りながら
40キロ近い速度で駆け抜け
建物の裏へと回り込む。

柊 真白 >  
(その駆動音を聞きつけ、そちらの方を見る。
 ちょうどそのロボットが角からこの路地へ滑り込んできたタイミング。
 そちらを見る白い面は、目の周りが黒く縁取られた認識阻害の効果を持つ面。)

――なに。

(足元に転がる男の死体。
 左肩から右脇腹をばっさりと斬りつけられていて、地面は血に濡れている。
 鞘に収めているとは言え、自身がこの刀で斬りつけたというのは明らかだろう。
 だというのに白い服は血の一滴すらも浴びておらず、暗闇から切り取ったように白い。
 何か用か、と言うように問い掛ける。)

イチゴウ > 目の前に広がっていたのは
血塗られた床の上に横たわる切断された死体、
そしてそこに佇む仮面をつけた白い少女。

「やあ。」

丁度イチゴウは壁に横に張り付いている状態だ。
彼の目にあたるカメラレンズが彼女を
まっすぐ見つめその奥から
赤色のセンサー光が確認できるだろう。
いつもはマヌケにしかみえないこのロボットの顔が
場の雰囲気と合わさり異様なものへと変わる。

「それにしても面白い事やってるじゃない?」

機械らしく冷たい合成音声でそう言うが
その声はどこか抑揚しているようにも取れる。
まるで散々探していた探し物をようやく
見つけたようなそんな感じだ。

「それと・・・?キミ、前にあったっけ?」

認識阻害の仮面をつけているせいで
スキャン諸々が不可能だが
何故かそんな事をふと思った。

柊 真白 >  
――さあ。

(このロボットは以前に会っている。
 だが、それを素直に認めてしまえば色々と暮らしづらくなるだろう。
 だから知らないととぼけておいた。)

それで。
なに?

(もう一度問いかける。
 用事も何も、どう考えたってこの惨状についての用事だろう。
 以前警備員だと言っていたし。
 棒立ちのまま、特に警戒することなく仮面の奥から視線を送る。)