2017/04/24 のログ
■イチゴウ > 「ふむ、じゃあもう一度名乗っておこうか
ボクは風紀委員会特別攻撃課所属のHMT-15。
どうもよろしく。」
先程と何ら変わらぬ口調で
嫌味のように淡々と自己紹介を進めると同時に
背部が発光し丁度その部位に
イチゴウの身体の全長と同じくらいの
重機関銃が出現する。
「いやあ、最近風紀で殺し屋の案件があってね。
なっかなか見つかんなかったんだけどーー
いやあ、今日の収穫はでかいねえ。」
そう冷たく吐き捨てると
イチゴウはしっかりと四足を踏み構え
銃口付近から発されるレーザーサイトで
目の前の純白の少女へと照準をつける。
■柊 真白 >
(重機関銃を見る。
あれで撃たれては流石に大怪我では済まないだろう。
人外の身とは言え、耐久力は人とそう変わらないのだ。)
獲物を前に舌なめずり。
――二流のやる事。
(まだ縄を掛けられてもいないのに。
呆れるように息を一つ。
照準を合わせられても尚刀は抜かない。
それどころか未だ棒立ちのまま。)
それに言葉も通じない。
私は、何か用事か、と聞いた。
用があるなら早く済ませて。
■イチゴウ > ーー風紀本部から通達、規約違反を確認。
至急、武装を解除せよ。
「おっと。」
イチゴウはまるで熱いものを触ったかのような
マヌケた声を出すと
重機関銃の銃身を上へと向ける。
「用か・・・。
というか大体想像がつくだろう。
こんな場を風紀委員に見つかったという事は
めでたく本部へ連行という訳だ。全く・・・」
イチゴウはまるでため息を出すように
そう言葉をとばす。
■柊 真白 >
(機関銃の狙いを外され、首を傾げる。
問答無用で撃たれると思ったのだが。
少なくとも、彼はそのつもりだっただろう。
となれば上の指示か。)
――随分とぬるい。
(もっとも、黙って撃たれてやるつもりも無いが。)
相手の戦力も把握しないうちからそう言うことを口にするのは気が早い。
そんな温い組織に捕まる義理も無いし、つもりもない。
■イチゴウ > 「ハハ、これは風紀のセオリーだからねえ。
さぞかしぬるいだろう。」
ハハハと言葉上は笑って言っているが
その雰囲気はまるで笑っていない。
そして続く彼女の言葉を聞くと
上に向けていたHMGの照準をもう一度元に戻す。
ーー規則違反。規則違反。
ーー至急、武装を解除せよ。
「もうウンザリだ、そんなんだから
ゴミクズが減らないんだろうが。」
若干ノイズがかった音声で強く呟く。
そして瞬時に少女の顔を見上げ
「そいつは非常に残念だな。
やっぱり動けなくして持ってく方が
手っ取り早いみたいだ。」
それだけを言い残すと
少女へ向け一発の弾丸を放つ。
このへんの二級学生がもつ拳銃クラスとは
比較にならない威力の大口径弾が
まっすぐ彼女の方へと飛んでいく。
■柊 真白 >
(銃撃と同時に動く。
鯉口を斬り、刀を抜き、飛来する銃弾を斬り飛ばし、鞘に収める。
自身の後方で銃弾の着弾音が二つ。
それに隠れるように小さなパチリと言う音が一つ。
並みの動体視力では残像すら捉えられないであろう、神速の抜き打ちである。)
――私の仕事は、誰かの代わりに人を殺してお金を貰う事。
あなたが今やっている事と、変わらない。
(相変わらず構えは取らない。
ただ先ほどまでと違うのは、刀の柄に右手を添えていると言う事だ。
出来るものならやってみろと、態度で示している。)
■イチゴウ > (なるほど、剣使いか。
それも大口径弾を切り捨てるほどの
技術とスピード・・・)
イチゴウは彼女を見て静かに分析すると
ワンテンポ置いてから彼女の言葉に反応し
「キミの言う事は大正解、間違いは無しだ。
しかしそう考えると面白いな。
風紀という正義の組織様が殺し屋を雇ってんだ、
結局は同じなのに
不殺主義の善人面をしてやがる。」
まるで呆れたかのようにもしくは
馬鹿にしているようにそんな言葉を漏らす。
そしてもう一度彼女の方へと目を向ける
(刀に手をかけているが出してはいない・・・
挑発のつもりか?いいだろう。)
イチゴウはバックステップで
少し距離を取るともう一度重機関銃を発砲する。
しかし今度はバースト射撃、
一気に4発もの鉛弾が飛んでいく。
■柊 真白 >
よくわからない。
私は報酬が貰えればそれでいい。
雇い主の主義主張はどうでも良いと思う。
(もっとドライに仕事だと割り切れば良いのにと思う。
ロボットならば尚更だ。
距離を取られても姿勢は変えない。
が、射撃の瞬間姿が消える。
異能や魔術の類ではなく、ただ単純に圧倒的な速度の成せる業。
姿勢を低くし銃弾をかいくぐり、一気に間合いへと距離を詰めて、抜刀。
低い姿勢から重機関銃を両断する軌道で刀を振り抜き、
パチリ。
動かなければ鋼鉄で出来ている重機関銃だろうと両断されるだろう。)
■イチゴウ > 「キミは非常に乾いた思考の持ち主だな。
ある意味ではボクよりも機械らしい、
きっと依頼主からすれば扱いやすいだろうね。
ボクも前はそうだった。」
それは少女へと言うよりも
過去の自分へ放ったようなそんな口調であった。
そして気づけば彼女が
かなりのショートレンジまで接近していた
「ちぃっ!」
正直甘く見ていた。
想定を遥かに上回るスピード、
避けるのが遅れ甲高い金属音と共に
銃身の半分が宙を舞いそして地面に突き刺さる。
「そんな・・・ありえない。」
イチゴウは驚愕したような声を鳴らし
跳んでいった銃身を見つめる。
彼女のスピードを考えれば
これは攻撃を叩き込める大きな隙と
なるかもしれない。
■柊 真白 >
(彼を殺すつもりは無いが、その隙を見逃すほど甘くも無い。
更に刀を走らせ、一呼吸の内に四度の斬撃。
四肢の関節を狙った抜き打ちを仕掛け、)
――仕事中に余計な事を考えると、そうなる。
(パチリ。
後方から鍔鳴りの音。
そのまま歩き出す。
足音が異様に小さな歩み。)
それじゃ。
(そのまま白い暗殺者は、闇へと溶けるように去っていった。)
ご案内:「スラム」から柊 真白さんが去りました。
■イチゴウ > 「・・・ちっ。」
イチゴウは静かに舌打ちをする。
抜き打ちを受けたが動作には全く問題はない。
そもそも銃身を切られたのは想定外であったが
その後の隙は完全に演技だ。
そのまま自慢の近距離戦闘に持ち込もうと
思ったがその前に逃げられた。
「しかしまあ・・・あのスピードは覚えておこう。」
イチゴウがそんな独り言を呟いていると
ーー風紀より無線通信。
ーーやあ、HMT-15。風紀の規則を破った上に
取り逃がしたようだな。
しかも自ら隙を演じて負けるとは・・・情けない。
「次はマトモに叩き潰す。
もっとも武装解禁を許可してくれればだが。」
ーー・・・仕方がない。今後あの目標に接触する時に
限り武装の解禁を許可する。だが決して
殺しはするな。いいな?
「・・・了解した。」
イチゴウは何とも言えぬ声で
そう返事すると闇の中へ疾走していき
その姿を消した。
ご案内:「スラム」からイチゴウさんが去りました。
ご案内:「スラム」に裏々築々さんが現れました。
■裏々築々 > 「生きる為の力が欲しくないか?」
骨は内臓を傷つけている。
腕は折れているのだろう。
口の中は血の味しかしない。
放っておけば明日の朝までには死ぬだろう。
そんな男に声を掛けたのは奇妙な男だった。
ピシっとアイロンのあたった真っ黒な制服、そこには黒字に赤い刺繍でなにか文字が記されている。
そして、それよりなにより奇妙なのが男の顔面は夜の黒色をベタリと塗りたくったみたいに真っ黒だった。
「君が理不尽にそんな目に合っているのか…
それとも受けるべき報いとしてそんな目に合っているのか…。
まあ、そんな事は関係ないな…大事なのはそんな事じゃあない。
おめでとう君は非常に幸運だよ。今、丁度死にかけの人を探していてるのだよ。
薬の被検体というやつだ知り合いの違法部活が作っているものでな…。」
注射器を見せながら早口に黒い男は捲し立てる。
ズタボロの彼には言ってる事の意味は伝わらない。
「もう死ぬな…息が荒くなっているものな。
最後にもう一度聞いておこうか。生きる為の力が欲しくないか?」
ズタボロの彼は頷かず、ただ目を閉じた。
「そうか…分かった。満足なのだな君は。」
黒い男は立ち上がる。
表情は相変わらず隠れているが少し微笑んだ気がした。
■裏々築々 > 「と!見せかけてグサーっ!!」
■裏々築々 > 「そう、簡単に死ぬとか言っちゃあ駄目だと思うのだよ。私は。」
ズタボロな男の首に注射器が突き刺ささり薬液が入っていく。
「何も聞かずにいきなり薬を打たれたら驚くだろう?
確認というのは大事だと思うのだよ。」
身体の傷がみるみるうちに塞がっていく。
青白かった肌も見る見るうちに血色を取り戻していく。
「おお、どうやら成功の様だな。
喜びたまえよ君。今からは好きに生きて好きに死ぬがいいさ。」
だらだらと流れていた血は止まり。
折れていた骨は…骨は外に飛び出し体を覆う。
…既にそれは人の形をしていない。
『GRRRRRR…!』
「おっと、やっぱり失敗か。可哀想に。
言葉は分かるか?」
…既にそれは人の中身をしていない。
■裏々築々 > 「全く、ちゃんと動物での実験を終えてから人の実験に移ってもらいたいものだね。
思うだろう?思わないかい?ああそう。」
骨が増殖する。骨が増殖する。既に体長は2メートルを超えている。
既にどんな原理で動いているのかは不明だがそれはその鋭利な骨を纏った腕を男に振るう。
「…おお、危ないぶつかったら怪我をしてしまうな。」
その腕をかがんでひょいと避けると携帯端末を取り出してどこかに電話し始める。
その間に腕は何度も振るわれるが黒い靄に阻まれて男にそれは届かない。
「ああ、私だ。失敗したよ。
彼はどうしよう。片づけて持っていた方がいいのか?
いらない?そうか。」
その携帯端末を顔を纏う黒に投げ込むと。
未だに黒い靄を相手に暴れるそれに背を向けてゆっくりと歩き始める。
「まあ、考えかたによればこれも二度目の人生だろう。
精々楽しみたまえよ。名前も知らない君。」
男が去ったスラムには怪物だけが取り残された。
ご案内:「スラム」から裏々築々さんが去りました。