2018/06/28 のログ
■神代理央 > 「…努力する。基本口が悪いからな。先輩相手にタメ口は余りしたくないんだが…」
肩を落とす彼を見て、暫し悩んだ末に頬をかきながら完全に敬語を崩す。
言葉を崩すとつい油断して素が出そうになるので控えていた、というのもあるのだが―そこは、気をつけるしかないだろう。
「こっちも、先輩みたいな前衛と組めれば召喚物の指揮と召喚に集中出来るので楽だな。大概、此処で任務中は近接系の敵とタイマン張る事が多くてやっていられないしなぁ…」
後半は完全に愚痴である。
とはいえ、前線からの正確な情報と接近する敵の処理を完全に熟す彼の存在は大きい。そもそも、此方の召喚物が盛大に砲撃している最中に敵を次々と処理している事は十分驚嘆に値する。
これが特別攻撃課か、と頭の中にメモ書きを一つ。
「化物揃いの特別攻撃課に配属される程、過信してはいない。そもそも、見栄えが悪いしな。俺の召喚物は」
別に希望を出している訳でもなければ、配属されたくない訳でも無い。純粋に、自分の実力では不足しているだろうと考えているだけ。
そんな会話をしている内にも魔物達は切り裂かれ、消し飛ばされていく。
「…巨大な異形か。形や武器に拘らず、時間さえ稼いでくれれば多分いける。尤も、基本的に数で押し切る使い方してるからやってみないことには分からないが…」
巨大な異形の召喚。召喚に集中する時間さえあれば可能ではあるだろう。短時間に大量召喚を行ったり、搭載する武装を細かく調整するよりは余程楽だ。
見栄えに拘らなければ、の話ではあるのだが。
■三谷彰 > 「いや、別に無理にしろって訳じゃないからな!? 俺も先輩や先生には敬語だったし」
したくないというのを聞けば流石に少し慌てる。パワハラになりかねないのはダメだ。
戦闘中なのにむしろ今の方が一番慌ててるのはそれだけ神代が敵を減らしてくれているからだろう。
「大体は近接型だからな。遠距離型はあんまりみねぇし……まぁもしまた一緒になる機会ありゃバディ組もうぜ」
ニッと笑みを向ける。隙と見て魔物が突っ込んでくるがあえて見せた隙であるこれに誘われただけ。
クルリと体を翻し爪を避けると叩き潰した。
「俺たちの印象どうなってんだよ……いやまぁたしかに化け物みたいな奴もいるけどさ……まぁマルトクじゃなくたって他の課もあるし。興味ありゃ他の先輩とかにも聞いてみると良いぜ。まだ6月、入学したばっかりなんだからよ」
そう、こんな激戦区に飛ばされているがまだ6月。入学から2ヶ月、まだまだ悩む時期だろう。
クルリと棒を肩に担ぎあげると遠くを見る。
「時間が稼げればな。OKまぁ出てこないことをねがってるが出てきたばあ……」
功を狙った風紀委員は召還主を探して駆けていた。がそれが戻ってきている。次の瞬間には。
「……まぁ、そうなるわな」
ずごごと蠢き見えてくるのは8m程度はありそうな5つ目の巨人。赤黒い肌は血が固まったかの様にも見えるだろう。
「稼ぐ時間。何秒程度?」
軽く振り返り見る。あまり長い時間をかければそれこそ書類上で誤魔化した面目の意味も無ければ建物を壊さないように攻撃を抑えてもらった意味もない。
■神代理央 > 「無理はしていない。とはいえ、さっきも言った通り口が悪い達なんでな。不快に思った時は言って欲しい」
慌てる彼を見て少し面白そうに笑みを浮かべる。
会話の合間に機関銃が唸りを上げているのを少し鬱陶しそうに視線を送るくらいには、魔物の数も減ってきただろう。
「機会があれば是非。此方も、仕事が楽になるのは好ましいからな」
優秀な近接型とタッグを組むことが出来れば、それだけ此方の戦略の幅も広がるというもの。
彼の提案には、二つ返事で頷いた。
「特別攻撃課といえば、優秀な異能、魔術使いが揃った風紀委員の虎の子だろう?戦闘系の異能で有ることは認めるが…まあ、気長に探してみることにする」
良くも悪くも英雄的な能力―所謂、強大な個人の戦闘力―が求められるイメージを持つ特別攻撃課に、自分が配属されるだろうかと首を傾げる。
金属の異形で敵を押し潰し、街の区画ごと砲弾で耕す様な己の異能は少なくとも正義の味方には見えないだろうし。
「……今のは、何と言うんだったか。フラグを立てた、と言うものなのか?」
地響きと共に姿を表した巨大な魔物に視線を向けて、小さく溜息を一つ。
「…30秒、出来れば60秒。此方が回避も防御も気にしない様な環境を整えてくれれば助かる」
通常の異形であれば5秒で召喚出来る。しかし、初めて召喚する巨大な異形ともなればまずはイメージを固めたい。
そのために、大分無茶な要求―足止めだけでは無く、此方に一切攻撃を通すなという―を先輩である彼に告げるが―
■三谷彰 > 「不快になんて思うかよ。少なくともそれが素なら無理して繕った受け答えされるよりよっぽど好か……おい、笑うんじゃねぇ!?」
顔を見ればなにやら面白そうに笑われている。ったくよと呟く。
二つ返事を貰えれば笑顔を向けるだろう。
「俺からすりゃその優秀な異能にお前のは十分に入ると思うんだがなぁ。ま、そうだな。気長に探すのが一番だ」
首を傾げるのを見て少し笑みを向ける。まぁまだ6月だからなと少し違う方向で捉えてしまっている。
「ああ、まぁあれだ。3年だし経験? とかからな」
断じてフラグじゃないぞと自分が呼んでしまったかのような状態を取り繕う。
そして出される難題。ブハッと笑いを漏らす。
「中々厳しいこと言ってくれるじゃねぇか。60秒ね。丁度ピッタリだ……だけど。まぁもう少し早く可能ならやってくれよ」
ニッと笑うと息を吸い込む。棒を地面に突き刺した。
目にに見えるほどの魔力が棒を伝い彼の体へ。
「地龍」
大地そのものから魔力を巻き上げ吸収する。一時的な身体超強化。
そして一気に駆け出す。凄まじい速度で隣接すると同時に横に振るう。重量を増した棒で足を砕き。倒れた所を追撃。体ごと回転させ縦に振り下ろすと腕をへし折る。だが……苦い顔を浮かべる。
「……やっぱ俺の火力じゃ短時間で倒し切れねぇか。悪い40秒で頼むわ。攻撃を通すなってのが地味に難しいかもしれねぇ!」
その腕や足は再生をはじめる。
近くの生き残った魔物を武器として掴み投げつけようとしてくる。
投げようとする巨人の腕を叩き折り、感電させ焼き固め。魔物自体を遠くへと飛ばし挙句投げられた魔物を打ち落とす。そうしてなんとか時間を稼いでいた。
■三谷彰 > 棒が凄まじい速度で振り回される。右から左から上から下から。縦横無尽に1秒に数発のペースでそれは打ち込まれる。
身体能力の超強化によって強化された肉体を駆使し、重量強化で100kg近い重さになった棒を風で更に高速で振り回す。
文字通りの破壊の嵐。本来であれば相手の弱点。即ち頭部か胸部に爆炎か雷撃と入れる事で始末するのだが。こいつは再生型つまりは深くに抉りこむ必要がある。。
本来であれば撃破には相当時間がかかる類の魔物である。少なくとも周囲に被害を出さないようにだとか、”巡視”などという誤魔化しが効くレベルの速攻撃破は不可能だ。そう、本来なら。
「そら、こいつ……でっ!!」
足を砕くと同時。跳躍すると落下と振り下ろす速度を乗せ一気に頭へと振り下ろす。流石に無傷とはいかず巨人はふらつく。
そう、本来は不可能でも今回は相手の動きを止める事にだけ専念すれば良い。そうすれば頼れる後輩がやってくれる。
協力する事で本来不可能な速攻撃破。可能であれば40秒。無理でも1分での撃破を行える。
「さて、もう少しで40秒か。何とかなりそうか?」
後ろへと声を投げかける。その結果がどうなったのか……それはまた何れ語られる。
ご案内:「スラム」から三谷彰さんが去りました。
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
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