2018/07/02 のログ
ご案内:「スラム」にジョゼフ・マーキンさんが現れました。
ジョゼフ・マーキン > 街灯の灯りしかない裏路地。物静かで暗いこの場所に煙草の灯りとそれから逃げる男の姿があった。

「俺がこっちに来てるからもしかして...と思ったが。
まぁ探してみるもんだね、お前等みたいなゴミムシがいるなんてさ。」

両剣を片手に煙草を吸いながら一歩一歩確実に男を追い詰めていく。
普段はこんな血なまぐさいことはしないが、相手は人狼。それも同郷のだ。
同郷の人狼であるだけでも抹殺対象なのだが、それだけに留まらず。

「んっんー...野生で育つお前等には馴染めないだろう?まぁ俺もそうなんだけどさ。
んで...何人喰ったよ?」

鼻をスンとならせば口元から漂う血の香りを根拠にそう尋ねてみる。
まぁどの道殺すことには変わりないのだが。

ジョゼフ・マーキン > 返答は無し、相手は獣のように唸るのみ。それもそうだろうと思いながらも煙草を足元に捨て、踏みつける。
どの道死人が出ているのだ。これは元の世界で狩りつくせなかった自分の責任。

「俺達の間に言葉は不要だったか?
そうだよなッ!!」

不意打ちと言わんばかりに両剣を虚空に振ると同時に術式を起動し、血液の刃を対象へと飛ばす。
同時に相手もこちらに突進してくる、その勢いはこちらの攻撃を物ともしないだけでなく、一気にこちらへ距離を詰め、その腕で彼の脇腹を抉る。

「痛ッ...!!【血統よ 我が信仰の元 悪しき存在を穿て】!!」

抉られた脇腹のお返しの言わんばかりに瞬時に分離した銃剣で相手を突き刺し、3小節の術式を起動させる。

ジョゼフ・マーキン > 銃剣を突き刺した部位が炸裂する。
人狼は叫び声を上げながらよろめき、隙と言わんばかりに腹に蹴りを入れ、吹き飛ばす。

「お互いこの世界に来て鈍っちまったか?怖いよなぁ、平和ってのは。」

首に下げているロザリオを銃剣にはめ込めば、銃口を相手に向ける。
元の世界では人狼を1匹狩るのに5人は必要だったのだが、今やこの様だ。
文字通りこの世界で俺達は牙を抜かれた訳だ。

「【血統よ 聖堂の名において 怨敵を打ち砕く信仰を 安寧の為の奇跡を 我が身を持って証明せん】
お前さんへの手向けだ、受け取りなッ!!」

銃剣から放たれる銀の弾丸。
それはもう抵抗できない人狼に命中し、球状に抉られた地面を残して消滅した。

ジョゼフ・マーキン > ふぅ...と一息つけば、抉られた脇腹に血液の入った注射する。
人狼である自分であれば数時間で完治できるだろう。

「血に飲まれた人間の末路か、俺もそのうちそっち側だろうさ、同士よ。」

目を細め、その場を立ち去る。
臭いで判断はできていた、今の人狼は自分と同じ人造の人狼の末路。未来の自分の末路なのだと。

ご案内:「スラム」からジョゼフ・マーキンさんが去りました。
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > スラム街の一角。放棄された地下駐車場を占拠していた不法組織の殲滅が完了した。
この組織は戦闘力こそ驚異では無かったものの、非合法に島に連れ込んだ人間や転移荒野で捕獲した魔物等をかけ合わせ、つなぎ合わせ、混ぜ込んでいた。

ざっくり言えば、違法な合成生物の実験及び製造を行っており、犯罪が増大する前に叩いておくべし。との任務が下ったのである。

「しかしまあ、よくもこれだけの材料を集めたものだ。合成生物よりも、死霊の類の方が増えそうだな、此処は」

殲滅自体は楽な任務であった。自動小銃で武装した兵士等、金属の異形の前には蹂躙される存在でしかない。
寧ろ、現場保全の為に余り壊しすぎるなという指示を守ることの方が面倒だったくらいだ。
結果として、小口径の砲塔のみを使用し、大半の敵兵はその質量で文字通り『押し潰す』事になったので、ただでさえ凄惨な地下の実験場はより悲惨な絵面となってしまっている。

神代理央 > 壁には銃痕と血痕。床には血溜まりと肉片と砕けた銃が転がっている。
ところどころで壁際に設置された機械が火花を上げているが、施設そのものは健在。その証拠に、醜悪な生物達を収めた無数の巨大なカプセルは未だ仄かに光を放っているのだから。

「…これは何と何を混ぜたんだ?ベースが人間なのは辛うじて分かるが………馬…いや、昆虫の類か?」

カプセルの中を覗き込みながら首を傾げる。
作成者に問いかけたいところだが、既にこの施設の所有者達は他の風紀委員に追い立てられて絶賛逃走中の真っ最中だろう。
別に逃げ切っても賞金は得られないが。

「いや、ひとまずの自由は得られるか。まあ、精々気合を入れて逃げて欲しいものだが」

逃げ出した連中は、逃走の際に数体の合成獣を引き連れていった。きちんと制御出来ていれば優秀な護衛になるだろうが、そもそも制御出来ていれば此処の護衛は合成獣にさせればよかったのだ。
果たして彼等は、風紀委員から逃げ切った後無事でいられるのか。ほんの少しだけ、興味と憐憫の情が湧き上がった。

神代理央 > 破砕音と共に、異形の砲塔が天井を擦る。
広大な空間とはいえ、流石に地下で運用するには少々大きすぎる図体に小さな溜息を一つ。

「入り口を制圧するまでは良かったんだがな。やはり、屋内での戦闘は向いている者に任せるべきだと思うんだが」

だからこそ、地下駐車場から連なる下水道へと逃げ込んだ首謀者達の追跡は他の委員達に任せて留守番しているのだ。
多分この異形は詰まる。比喩でも何でもなく、水路で身動きが取れなくなってしまうだろう。

「…しかし、もう少し人員を割いてくれても良いと思うがなあ。後詰が来るまで俺一人っていうのは、中々辛いものがあるのだが」

確かに、入り口に異形を鎮座させ、制圧した駐車場内全周に攻撃出来る己の異能は防衛戦でも十分活用出来る。
しかし、護衛も無しで一人占拠地域を保持するというのは中々面倒なものだ。
そこまで風紀委員は人手不足だっただろうか、と僅かに首を傾げた。

ご案内:「スラム」にNσNαmθさんが現れました。
NσNαmθ >   
硝煙と瓦礫、そして血の匂いの満ちる場所の一角にいつの間にやらそれは居た。
文字通り意識の隙間から沸いたようなそれは
何やら不思議な声で呟きながら”研究材料”の一つへと歩み寄り
シェルターの一部を引き剥がし、放り捨てる。
零れ出る培養液と力なく崩れる検体を眺め、軽くそれを蹴ると

『あーぁ……
 くだらない研究だこと』

興味をなくしたかのように別のカプセルへと近づいていく。
それが歩を進めるたびにがり、がりと
砂を生爪でひっかく様な不快な音が空間に満ちる。
それはまるで古いフィルム映画のよう。

『嗚呼、やっぱり無駄だったか。
 理解もできないデータを軍事転用しようとするからこうなる。
 もう少しマシな検体はいないの?』

歪な鉄塊に囲まれ周囲に目を向けるものなどいないかのように
そちらに一瞬たりとも目を向けることなくそれは呟く。
その声は老人、はたまた年若い子供のようなそれらが
複数混ざり合ったような声で、まるで呟きの合唱のような
不快感と不安感を聞くものに与えるかのよう。

NσNαmθ >   
その気になれば一切気が付かれずにすべてを終える事が出来るけれど
それを必要とそもそも感じていなかった。
どうしても邪魔なら消してしまえばいい。
私、はそういう存在なのだから。
認識していなければ、声も聞こえない。
目の前で破壊行動をしてもそれをされた本人すら気が付かない。
……それが私という”モノ”。

『これもだめ。……これも。
 基礎理論位理解してやればいいのに。
 ただくっ付けただけじゃないか』

出来損ないの合成獣はどれも数秒の注視にすら値しない。
目的があってわざと一部漏洩させた研究内容だけれど
今の所その内容を理解して応用している対象には会えていない。
ある程度研究が進んだと思われるところで風紀や他組織を誘導し
時には自身で襲撃を行いその成果を見に来ているものの……

『ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ
 ……ああ、これもゴミ』

苛立ちと共に検体を”消去”していく。
これらから手繰られる事など恐らく不可能だろう。
それをするにはこれらは余りにも未完成過ぎる。
この程度の事をするなら等の昔に……

『十年前から何も進んでないとか馬鹿なの?』

何年も前に確立されているこれを
成果と呼ぶなどあまりにも無様すぎる。無能すぎる。
故に消さずとも特に問題はないレベルの研究に過ぎない。
けれどこの最先端と謳われる島ですらこの様かと
何処か昆虫の産卵場めいたカプセル群を
その苛立ちをぶつけるように消し去っていく。