2018/08/23 のログ
江風 白 > 「はぁ...痛いのが無くらない...。」

体力を消費し続けているが、まったくもって傷が塞がらない。
このままでは時間が切れになる。
咄嗟に血液で構成された剣を相手に放り投げれば、魔術を起動させる。

「足止めくらいなら...。」

その瞬間、剣が炸裂、四方八方に血液の弾丸が発射される。
炸裂した弾丸は狙い通り、目の前の化け物の足を吹き飛ばす。

「今のうちに...。」

腹部を抑えながらもその場から逃げ出す。
できるだけ遠くに、隠れることのできる場所を探して。

ご案内:「スラム」から江風 白さんが去りました。
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > はてさて、何とも面倒な事態に巻き込まれてしまった。
何時も通りの任務。落第街の巡回と立ち入った一般生徒の補導。
その途中でスラムにて小規模なアンデッドの集団出現の一報。巡回中だった自分に殲滅命令が下る。此処までは良かった。

「……こういう戦い方は向いていないんだがな。というか、折角良いシチュエーションなんだから、もっと見栄えの良い奴を寄越すべきじゃないのか」

自身の正面には、うめき声を上げるアンデッドの集団と対峙する異形が3体。そして背後には、廃墟寸前のおんぼろ雑居ビル。
その雑居ビルには、アンデッドから逃げ込んだスラムの住民がひしめき合っていた。

「………本部。もう一度確認するが、此のビルは吹き飛ばしてはいけないのか?非常に戦い辛いんだが。……そうか。まあ、なるべく善処する。面倒だから、早いとこ増援を寄越してくれ」

自身に下った命令は『立てこもった住民を守りながらアンデッドを殲滅。ないし増援の到着まで戦線を維持せよ』というもの。
本来、周囲の障害物ごと薙ぎ払う戦い方を好む自身の異能ではやり難いことこの上ない。
今の所、機関銃の雨霰でアンデッドの接近を防いではいるが、微妙に火力が足りず殲滅出来ていない。
おまけに、延焼を防ぐために高火力の異形を召喚できず、数に頼んだ戦闘もやりづらい。
負けはしないし殲滅も可能ではあるが、只々面倒だった。

「…貧乏籤を引いたな。全く…」

溜息を吐き出しながら、何時もより細かく異形達に指示を出していく。十字砲火さながらに放たれる銃弾は、今の所アンデッドの接近を完璧に防いではいた。

神代理央 > 背後からはアンデッドへの悲鳴は勿論の事、自身に対する怯えや罵声もちらほらと耳に入る。
まあ、恨まれる様な事はダース単位ではすまないレベルで行っているので、別段構わないのだが―

「…連中、今俺が引けばどうなるか分かっているんだろうか。これだから、人助けは性に合わん」

細い路地に溜まっていたアンデッドに、異形が迫撃砲を放つ。
普段の砲撃より威力を抑えた口径の砲撃は、アンデッドの数を順調に減らしてはいるものの殲滅には未だ至っていない。

「戦車か装甲車でも持ってきて持久戦でもした方がマシ……いや、そうか。それが俺の役目か。全く」

まさしく、自身の異能はそういった機甲戦力の召喚に値するもの。動く死体と耐久戦をするにはもってこいということだ。
疲れを知らず、補給もいらず、生半可な攻撃では傷つかない鋼鉄の身体を持った異形。
湧き出るアンデッドと腰を据えて戦うには十分か、と本部の指示が的確であった事に溜息を一つ。
どうやら、異臭と硝煙に塗れ、背後から罵声を浴びながらも撤退することは出来ないらしい。

ご案内:「スラム」に國宏一実さんが現れました。
國宏一実 > 「消し飛べェ!!化け物がァ!!」

そんな大声と共にビルの屋上から飛び降り、着地地点にいたアンデッドの頭部を全力で殴りつける。
左半身が赤黒く変色した彼は、そのまま動かなくなったアンデッドを、まだまだいる大群向けて蹴り飛ばす。
体の周りを漂っているゲル状の液体が背後に伸び、神代の守っているであろうビルに張り付けば、引っ張るように彼の体を引き寄せる。

「よお、久しぶりだな風紀委員。楽しそうじゃねェか?」

相手の右側に立ち、赤黒く変色した左目をぎょろりと向ければニヤニヤとした顔でそう言って見せる。
たしかこの男はこの間の、なんて思いながら言葉を続ける。

「こんなところで会うなんて奇遇だな。んで、何すればいい?」

その顔は先ほどまでの表情から一転して真面目な表情へと変化する。
この男の火力は圧倒的だ、なら自分のするべきことは。

神代理央 > 大声と共に頭上から舞い降りたのは、いつかの夜に出会った男。
あの時は、敵対行動を取っていた筈だが―

「これが楽しそうに見えるのか。宮仕えの悲しみを全身で表していたつもりなんだが」

と、笑みを浮かべる相手に呆れた様な溜息を一つ。
どうやら、此方に協力してくれるらしい。呉越同舟というものだろうか。何にせよ、今の状況で援軍というのは実に有り難い。

「前回の戦闘で、お前の実力が十二分であることは理解している。そんなお前に、雑魚掃除をさせるのも勿体無い。
――今から全力で砲撃する。近寄るアンデッドの掃除は勿論だが、瓦礫だの何だのから後ろのビルを守ってくれ。お前なら、容易い事だろう?」

近接戦闘においての彼の実力は身を以て知っている。そんな彼に「ゾンビに突っ込んで数を減らせ」等というのは簡単過ぎる任務だろう。
ならば、火力担当である己を全力で支援して貰うとしよう。高火力によって生み出される瓦礫や礫は、それ自体が背後のビルの脅威足り得る。それを【此方に近付くアンデッドを処理しながら】排除せよと高慢にのたまった。

そして、彼の返事を聞く前に異形達は轟音と共に背中から生やした砲塔を轟かせる。
それは、ある意味で彼の実力を信頼しての行動であったが、果たして―