2016/02/05 のログ
ご案内:「魔術学部棟隔離実験室」に獅南蒼二さんが現れました。
ご案内:「魔術学部棟隔離実験室」に雪城氷架さんが現れました。
獅南蒼二 > 普段、殆ど人が訪れない実験室。
その中央には床に布テープで正方形が作られており、
可視化されてはいないがその周囲には複雑にして膨大な量の術式が描かれている。

周囲の壁には防魔処理が施されているが、外見だけなら別段、分厚い壁というわけでもない。
とはいえ、この実験室には窓が無く、物々しい雰囲気である事に間違いは無いのだが。

獅南蒼二はとある生徒をこの実験室に、メールで呼び出した。
以前の約束とは異なり、授業の手伝いではなく、魔術学・異能学的な実験に協力してほしい、として。

「さて、そろそろ時間だが…。」

雪城氷架 > 「この教室で良かったっけな……」

そろりと教室の中の様子を覗くように現れる少女

普段こない場所だ、合っているかどうか…と、そんな面持ちで現れる

獅南蒼二 > 「時間通りだ…遅刻でもしてくるのかと思っていたが。」

部屋の中は殺風景で、四隅には魔鉱石の結晶。
そして、壁に寄りかかった白衣の男が静かに煙草を吹かしていた。

まさに、魔術学の実験室、といった具合だろうか。
床の魔法陣が可視化されていれば、もっとそれらしかったに違いない。

雪城氷架 > 「ちゃんとメールで指定されたとおりだろ」

手元にスマホを持って、ひらひらと振って見せて

「なんか物々しいな…何するの?黒魔術?」

率直に感想を述べつつ、部屋へと入ってゆく

獅南蒼二 > 「ははは、黒魔術くらいなら外でも実験できるさ。」

電子機器はそこに入れておくといい、なんて、あからさまな耐火金庫を指差した。
それから、煙草を携帯灰皿に入れて、真っ直ぐ、氷架を見る。
どこか冷たいとも感じる、疲れ果て、窪んだ瞳で。

「私が実験したいのは、この部屋全体に描き込まれた魔力の生成術式。
 ……それから、お前の異能が、いったいどこまで出来るのか、ということだ。
 自分の力が、どれほどのものなのか……興味は無いか?」

雪城氷架 > 「へぇー……なんかそういう部屋にしか見えないけどな…」

実に物々しい
普段足を踏み入れない雰囲気僅かに躊躇しつつ、言われた通りに荷物を倉庫へといれる
実に頑丈そうな倉庫、大体何をさせるかがわかるというものであるが

「私の異能がどこまで…って……うーん」
異能の担当教官に止められている部分もあったが、それも過去のこと
今となっては、教師の監督つきならば…?

「ま、大丈夫か…じゃ、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる

獅南蒼二 > 「実際には、黒魔術よりも高度な…封じられた禁術や、危険を伴う魔導生物の生成実験などに使われる部屋だ。
 ……大袈裟に聞こえるかもしれないが、お前の異能にはこれくらい必要だろうと、私は考えている。」

目の前の少女に関する情報は、断片的にしか入手できていない。
とは言え、例の“炎の巨人”の観測記録が残っていたのは幸いだった。
だが、それらを総合的に判断して単純に“炎”を発生させるだけの異能であるとは考えにくかった。
そして、仮に、獅南の推論が正しいのであるとしたら…

「そうだな…では、始めようか。
 だがその前に、お前がその異能の全てを解放するにあたって、問題となるのはどのような点だ?
 異能は魔力を消費しないが、その分身体に負担をかけやすいとも聞くが…。」

雪城氷架 > 「封じられたキンジュツ…?」

何やら難しいこという
そんな言葉ゲームでしか聞いたことがない

「私の異能、そんなに周りが騒ぐほどのものなのかなって感じもするんだけどな……」

うーんと小首を傾げるも、自分の力についてより知っておくのはよい機会でもある
特に、親しい人間を危険に晒すこともある可能性を考えれば…

「ん…そうだな…あんまり強い力とか、長時間やりすぎるとこう、心臓がばくばくってなって、倒れたりするけど…」

獅南蒼二 > 「それが炎の本質だ…小さな炎であれば便利なだけだが、
 巨大な炎は文明をすら滅ぼしかねない。」

問題は、その炎がどこまで大きくなるのか、という点である。
しかしどうやら、世界を焼くほどの炎を作るには“器”が貧弱であるらしい。

「なるほど、身体への負担が大きいか…なら、治癒魔法で補助してやろう。
 あぁ…だが、倒れるほど無理をする必要は無い。」

そう言いつつ、手のひらを氷架へと向ける。
一瞬だけ、光り輝く術式が氷架の胸元に描かれ、そして溶けるように消えていった。

「さて、まず最初に…この部屋には熱を魔力へと変換し蓄積する術式が張り巡らされている。
 試しに、あの地面の正方形の真ん中に小さな炎をイメージし、生じさせてみてくれ。」

雪城氷架 > 「文明って…大袈裟じゃないか?」

さすがに大仰な表現だろうと肩を竦めて

「治癒魔法…便利だな」

そう言う、ということは本当に可能な限りこの力を高めろ、ということらしい

……正直自分でもどこまでできるのかわかったものではないが…

「ん、わかった。 …………」

正方形の真ん中、イメージしやすいよう配置されたその位置へ力を集中させる

……やがて、そこを中心に熱が高まりはじめる

はじめはゆっくりと、次第に加速して
そして、その加速度は弓なりに上昇してゆく

氷架の頬につ…と汗が伝う頃にはゆうに3000度を超えてゆく

獅南蒼二 > 何の燃料も、化学反応もなく、熱量だけが上昇していく。
2人が立つ場所と、熱源との間には何の遮蔽物も存在していない。
だが、その熱を肌で感じ取る事はできないだろう。

発生した熱は自発的に拡散し、地面に描かれた正方形の外に出た分は即座に魔力へと変換されていく。
ぼんやりと、地面に描かれた魔法陣が光を放ち、その複雑な文様を浮かび上がらせる。
魔力は四隅の魔鉱石へと流れ込んでいるようだ。

「…ほぉ、既にテルミット反応と同等の温度まで上昇している。
 今のところ、別段身体に異変は無いか?」

発生した魔力が氷架の胸の治癒魔法を発動させ、抵抗力を高める。
普段よりは、余程楽に異能を扱えるだろう。

「今の時点で、鋼鉄を溶解させる程度の熱量だ……まだ上げられるか?」

雪城氷架 > 「……いや、多分…そろそろ………」

幾度も練習を重ねた異能の行使
大体そのタイミングは自分で把握している

どくん

胸が跳ねる
きた、いつものやつだ
脈拍が、鼓動が跳ね上がるタイミングはいつもここ
摂氏12000度を超える頃

「っ…」

再び汗が伝う
先ほどの汗とは違う、じわりとにじむような、苦痛の汗

獅南蒼二 > なるほど、と小さく頷いてから、
氷架の胸に刻まれた治癒魔法に、幾つかの要素を書き加える。
沈静、鎮痛、組織の補修、そして強心。
単純に肉体が負担に耐えかねているだけなら、生じる熱から無尽蔵に生成される魔力がそれを治癒し、さらなる温度上昇を可能とするだろう。
もし、要因が別にあるのだとしたら、ここがリミットということだ。

「凄まじいな…人間なら一瞬で灰にできる温度だ。
 随分と辛そうだが…限界なのはお前の“身体”だけかもしれん。
 だとすれば、天井はまだまだはるかに上にある。」

そしてそれは、もしかすると…推論が正しければ、破滅的な結果を招きかねない。
いつの日か、この少女の肉体が何らかの形で強化された場合、もしくは、肉体のダメージを無視してこれを発動した場合。

「お前自身の命も、周囲への影響も、全て私が保証しよう。
 …さぁ、お前の力を見せてみろ。」

己の力を認識していないというのは、非常に、危険なことだ。