2017/02/10 のログ
■アイシャ >
(轟音。
反射的に地面を蹴って、推進装置の出力を上げた。
ジェットエンジンのアフターバーナーのような音を響かせ音の発生源へたどり着けば。)
――まさか、本当に現場にいらっしゃるとは。
(推進装置をアイドリングさせ、右手に構えた対物狙撃銃をそれへと向ける。
その四脚の姿は、昨日情報提供された写真のそれであり。
この件に関する重要参考人――個人的には犯人であると断定している――だった。)
風紀委員会特別攻撃課、アイシャ=アシモフです。
あなたは戦闘機を市街地に向けて墜落させたこの事件の重要参考人として風紀委員から手配されています。
大人しく従うならば危害は加えませんが、抵抗する場合身の安全は保障されません。
(一応の形式上、自身の所属を告げてから更に続ける。
自身の顔はバイザーに隠れて見えないが、その下の顔は睨みつけるような表情である。)
■イチゴウ > 相手が人間ではない事をまず確認した。
風紀の強化兵かはたまたアンドロイドか。
おそらく12.7mm口径であろう対物狙撃銃をこちらに向けている。
イチゴウは相手が自分が理解できる兵装を
しているという事に安堵した。
主力戦車の正面装甲と同等である
自分の装甲が12.7mm程度で貫かれるつもりは
無い。
その風紀員は自分に対して投降を呼びかけてきた。
周りを確認するーーー風紀員は一人か。
イチゴウはそう判断すると
バックステップで距離をとり
その風紀員を直視する。
彼の背中の重機関銃もその風紀員に向けられ
レーザーサイトが点灯している。
「もしボクが投降に応じたとしよう。
その場合ボクはどうなる?」
そう一言だけ呟いた。
元々軍に所属していた身だ
敵対勢力に投降すると
どうなるかくらいわかる。
■アイシャ >
(向けた銃は彼の推測する通りの威力で、その装甲を打ち抜く事は敵わない。
それでも関節部やカメラを狙えば通用するはずだ。
元より破壊が目的ではなく、目的としているのは捕縛なのだ。
通じないとしても、ペイロード限界まで積み込んだ武装のおかげで、選択肢は豊富にある。)
しかるべき場所でしかるべき処罰を受けていただきます。
(短く返答。
彼が重機関銃を向けた事で戦闘の可能性を考慮。
背部の二門の圧縮粒子砲と左腕のガトリング砲を向け、ミサイルポッドのハッチを開いた。)
個人的には大人しく投降される事をお勧めします。
抵抗すればするほど、罪は重くなりますよ。
(更に魔力転換炉の出力を上げ、フィールドアーマーを展開。
いつでも戦闘行動に出られるよう、推進装置の準備も怠らず。)
ご案内:「研究施設群」からアイシャさんが去りました。
ご案内:「研究施設群」にアイシャさんが現れました。
■イチゴウ > しかるべき場所でしかるべき処置ーーー
この島の警察たる風紀に捕まってしまうという事
それはイチゴウが最も恐れていた事だった。
まさか風紀の気をそらすためだった
あの航空機がこんな事を引き起こすとは。
非常に不本意な事であり
想定外の被害を出した事に罪悪感を感じつつ
風紀の防衛能力を信頼していた自分が間違い
だったと後悔する。
しかし捕まる事を恐れているとはいえ
目の前の風紀員に勝てるだろうか。
左腕にはガトリング砲、5.56mmか7.62mmか
それならば大した脅威ではない。
ハッチが開いたポッドを見る
おそらくミサイルランチャーか
もし弾頭がHEAT弾の対戦車ミサイルだったら
ひどく厄介だ。
そして背部に備えつけられているであろう
砲については全くわからない。
「こんな事態を引き起こした事は悪いと思ってるし
罪のない一般人に被害が出た事は非常に不本意だ。
だけれど風紀の投降勧告には従う事は出来ない。」
イチゴウはそう告げた。
■アイシャ >
そうですか。
それは残念です。
(それだけ告げて地面を蹴る。
推進装置の力を借りた急加速で接近しつつミサイルを放つ。
あいにくと近接信菅だが、衝撃に特化した弾頭だ。
まともに食らえばバランスを崩すぐらいは期待できる。
ミサイルを放ったあと、さらに地面を蹴る。
高く、十メートルほど上空へ。
彼は見たところ地上戦闘用の装備だ。
ならば狙うはトップアタック。
銃弾が通るかどうか、確かめる意味も込めて、彼の上部装甲へ対物狙撃銃を放つ。)
■イチゴウ > 「やるか。」
イチゴウへ向けてまずミサイルが飛んでくる
「ECM展開。」
イチゴウはそう告げ電磁波レベルを上げる。
誘導性能を失ったミサイルを
サイドステップで避けるのは難しい事
ではなかった。
ミサイルに対処している間に
風紀員は上空に飛んでいた。
おそらくトップアタック戦法を
狙っているのだろう。
戦車などの装甲目標を狙う際に
脆弱な上部装甲を狙うのは常識の戦術だ。
だが自分はそのような戦術にも
対応して設計されている。
装甲の硬さは360度どこだろうが変わらないし
関節部の防御力も胴体程ではないが
非常に強固だ。
放たれた12.7mm弾を全て装甲で弾いた後に
「次はこっちの番だ。」
バックステップで距離を取り
重機関銃で3発ずつのバースト射撃を
繰り返す。
この機関銃の弾は12.7mm
あの風紀員の対物ライフルと同じだ。
対物用の弾頭がどれほど効くのか?
確認してみる必要がある
■アイシャ >
(やはり銃弾は通じないらしい。
彼からの射撃を、空中で弾かれるように左右へ動いて避けながら、ガトリング砲の銃身を回転させる。
こちらは彼の銃弾が直撃すればダメージを負うだろう。
だがフィールドアーマーで威力を殺された銃弾であれば装甲で弾けるし、瞬発力に優れた推進装置の機動力なら滅多なことでは被弾はしない自信がある。
銃撃に合わせて左右に移動しつつ、ガトリング砲から多数の銃弾を垂れ流しながら落下していく。
千日手になりそうな銃撃戦を避けて近接戦を挑むべく、彼に向けて。)
■イチゴウ > 「・・・!なんつー機動力だ」
イチゴウが音速に近い銃弾を軽々と避ける
その機動力に驚愕していると
風紀員がこちらに向けて高速降下してくる
接近戦を挑んでくるつもりか。
という事は奴は近距離戦に自信があるのだろうか?
とりあえず考えてる暇はない
次の一手を打たねば
イチゴウは重機関銃の弾頭をホローポイント弾に
切り替える。この弾頭は魔力や異能を貫通して
攻撃できる弾頭だ。彼女が魔力を利用した防御を
取っているかは定かではないが威力も通常弾頭と
なんら変わりはないので使用しない手は無い。
イチゴウは風紀員の落下予測地点から距離をとり
相手のガトリング砲の弾を装甲で弾きつつ
今度は重機関銃を完全なフルオートで
銃身がオーバーヒートするまで風紀員に向け
発射し続ける。
ご案内:「研究施設群」にアイシャさんが現れました。
■アイシャ >
(しかし硬い。
機動力はこちらに分があるとは言え、遠距離攻撃では埒が明かない。
接近を試みるのも別に近接戦に自信があるわけではなく、彼にダメージを与えうる可能性がそこにしかない、というだけだ。
異能は魔力転換炉の方であり、フィールドアーマーはそれで発生させた「衝撃が加わると小規模な爆発のような現象を起こす粒子」を展開しているだけだ。
粒子自体に異能性は無く、突破するには物量で粒子を剥ぎ取るか、粒子を貫通しうる威力を持った攻撃かのどちらかだ。
とは言え全く効果がないわけではなく、先ほどまでよりやや威力の残った銃弾を装甲で弾きながら、尚も左右へ振れつつ方向を修正して彼へと近付いていく。)
――!
(が、数度目の被弾でバランスを崩す。
彼から数メートル離れた地面へ落下しながら、ガトリング砲での銃撃を止めて貫通してくる銃弾を左腕の盾装甲で受ける。
右手の対物狙撃銃での攻撃は続けているが、弾幕は目に見えて薄くなっているだろう。)
■イチゴウ > 「やはり銃弾ではほぼ意味が無いか。」
イチゴウがそう悟ると重機関銃による射撃を止める。
だが連続した射撃であの風紀員のバランスが
崩れたようだ。
「仕掛けるなら今か。」
イチゴウは前両足から不穏な金属音と共に
装甲カッターを出す。
これこそがイチゴウ固有の武装であり
最も強力なものである。
「このカッターは装甲車をも軽く切断するぞ。」
イチゴウはカッターを甲高い金属音が混じった
けたたましい音と共に回転させながら
風紀員に飛び掛かり切りかかる。
■アイシャ >
(こちらに飛び掛ってくる彼を目にした瞬間、口の端が吊りあがる。
同時にミサイルを撃ち出し、全ての兵装をパージ。
白銀の髪――放熱用のヒートシンクを赤熱させながら、推進装置を全開にした。
そう、自身は被弾などしていない。
油断の一つでもしてくれれば、と言う程度のものだったが、狙い以上の結果だ。
爆発的な加速で横へとすっ飛んでカッターを回避。
ターンしつつ更に推進力の方向を変えて。
右手に取り出した収束粒子刀を振りかぶり、ターンの速度のまま、彼の関節部めがけて思い切り振るう。
上手く斬れば、その四肢を斬り飛ばすとまでは行かずとも、何らかのダメージは与えられるはずだ。)
■イチゴウ > 「ちぃ!バランスを崩したのは演技だったか。」
被弾した動きが自然すぎてわからなかった。
恐らく人間には出来ないだろう
機械だからこそあんな精巧な動きができる。
その時に粒子刀を関節部に受けた影響で
バランサーに異常が発生。
右前足が動かせない上に
バランサーの復旧に数秒かかる。
つまり数秒間全く動けず無防備という事だ。
■アイシャ >
――さて。
(一刀両断とは行かなかったが、動きを封じる事には成功した。
彼の左前脚関節部を踏み付け、自由に動けないように。
重機関銃は、銃口に手ごろな大きさの瓦礫を突っ込んでおいた。)
どうされますか。
まだ抵抗すると言うのであれば、その四肢全てを切り落としてでも連行しますが。
(一撃で破壊と言うわけには行かなかったが、それでも何度か斬りつければ切断出来るだろう。
同時に風紀委員会本部へ応援を要請。
数分もしない内に増援が駆けつけるだろう。)
――もう一度言いますが、抵抗はお勧めしません。
今ならまだ捕縛で済ませられますが、流石にこれ以上になると捕縛ではなく排除せねばならなくなります。
■イチゴウ > バランサー復旧完了。
イチゴウは笑った。
もう一度パワーを出してバックステップを
すれば拘束を引きはがして抵抗し
戦闘を続けられるだろう。
今のところダメージも無いうえ
まだ全力などこれっぽっちも
出していない。
だが自分が今無様に拘束されているのは何故か?
それは戦闘ロボットであるはずの自分が
軍に所属していなかったブランク期間のせいか
その存在意義である戦闘が
ふぬけたものになっているからだ。
そもそもあのつまらないトリックにかかった時点で
自分の負けだったのだ。
「ボクの負けだ、連れていけ。」
イチゴウは諦めた口調でそう呟く。
そして重機関銃の給弾機構から弾を抜き
銃身を上に向ける所謂武装解除だ。
■アイシャ >
賢明な判断、感謝します。
私としてもこれ以上の戦闘は望ましくありませんでした。
(正直、打つ手は無かった。
打ち負かされるつもりも無かったが、打ち負かせる自信もない。
無駄に被害が拡大するだけだし、それは避けたかったから。)
一応形式上公務執行妨害で拘束と言う形を取らせていただきます。
先日の事件の詳しい話は後ほど本部の方で。
結構な被害が出ましたからね、それなりの処罰は覚悟していただきますが――まぁ、司法取引と言う手段も無くは無い、とだけお伝えしておきます。
(つまり風紀への協力を条件に、処罰を保留する可能性。
これだけの戦闘力をもったロボットだ、留置所にぶち込んで終わり、と言うのはあまりにももったいないと思う。
勿論自分一人で決められるような事ではないし、その場合はたとえば「首輪」のような制約が付くだろうけれど。
そんな事を話していれば増援が到着。
簡単な報告と、先ほどパージした装備の回収を頼んで、自身は彼を風紀委員本部へ連行する――。)
ご案内:「研究施設群」からアイシャさんが去りました。
ご案内:「研究施設群」からイチゴウさんが去りました。