2015/06/29 のログ
ご案内:「第一演習場」にシン・アルバートさんが現れました。
■シン・アルバート > 何も知らずに、施設にやってくる。
単純に自分の異能を見ておかないとどーも扱いづらいという、それだけの理由だったりするのだが……。
如何せん本人でも知ってる範囲が狭く。
ただ、漠然と、過去に行使された結果だけを見て、こんな感じではなかろうか、とぐらいにしか、把握していなかったりする。
……初めて、自分の異能が原因で魔術が扱えていない、と知った程度には。
施設に入ってきて、まず、辺りを見回す…が。
見たことの有る、先客が居るようで。
「……どうした、ものか、な…」
あの石も結局所在に困ったまま自分が持っている。
返すべきなのだろうか?
■獅南蒼二 > 視線を一瞬だけ向けて、すぐに戻した。
つまり、アルバートの姿に気づきながら、こちらからは声を掛けない。
静かに紫煙を燻らせて、リラックスしている。
演習場には標的用の鋼鉄板が置かれており、そこにはくり抜いたような穴。
勘が良ければ、それはあの時の戦いで獅南が得た魔法だと、分かるだろう。
「………………。」
声を掛けるも、無視するも、近づいてみるも、貴方の自由だ。
■シン・アルバート > 鋼鉄の板が抜かれているのを見る。
……ひょっとして、あの時に撃たれてた魔法……?
だとするのであれば、あれを数日で使える様にしている、という点に驚愕する。
「如何せん休憩中のようだし、己れから、は、どうも……うーん」
考えつつも、そちらへと近づく。
授業的にも、『取り巻き』的にも、ちゃんと会って話をする機会はあまりないのだから、
自分から切り出せば良いのに、それを躊躇っていた。
■獅南蒼二 > アルバートの様子を見て、小さくため息を吐いた。
煙草を携帯灰皿に入れて、視線を向け、
「……優柔不断なオトコは嫌われるぞ?」
そうとだけ言って、苦笑する。
相手が何を考えているのかは分からないが、少なくとも、躊躇しているのは見て取れた。
■シン・アルバート > 「……そりゃあ、その。」
少し躊躇を払ってから、切り出す。
「この間の石を返そうかな、と思ったんですが……」
「……己れの知る範囲で『教室』の人達に居場所を聞こうとしても」
「なんというか、話しかけ辛い、というのが。」
「……昔に良く見た人に近かったりするんで、それも含めて」
もっと言うと、先生自体も、似たような理由で、
あまり話しかけ辛い方ではあるのだけれど……
■獅南蒼二 > そんな事か、と苦笑を浮かべて、
「それは試作品の出来損ないだ。宝石としての価値は残っていないでもないが。
……くれてやる、と言ったはずだろう?」
別に返す必要は無いとばかり、そう言って笑った。
それから、アルバートの言葉に、肩を竦めて、
「ほぉ、そう感じるのなら、努めて近づかん事だ。
お前は“何も感じない”間抜け共より、よほど“分かっている”らしい。」
真っ直ぐにアルバートを見つめ、そう、つぶやくように言う。
■シン・アルバート > 「……いや、管理できる人が持っていた方が、よっぽど…」
「…俺は宝石自体には興味が無いですし」
困った顔でその返答を、受け止める。
「近づかない、のが、早いんでしょうね。それなら、誰も傷つかずに済む。」
「………でも、それで、何も、しないで逃げるのも、違う、とは」
「……思っていたんです。」
考えてから、話を続ける。
「……嫌う理由があるのなら、己れは素直に去らなければいけない。」
「ただ、『それ』だからダメだ、と言うのは差別にしかならないから、理由としては…認めたく、無い。」
「……本当に己れが納得できる理由で、嫌われているのであれば、良かったんです。」
「だから、困って。変に『余地』を見てしまうくらいなら、その理由が欲しかった。」
「昔の俺は、それが貰えませんでした。」
「親切な人に助けてもらうまで。」
「俺を嫌う人達の理由が。」
■獅南蒼二 > 「そうか…なら返してもらおう。
元々、上手く折れなかった紙飛行機を押し付けたようなものだからな。」
小さく肩を竦めてそうとだけ言い…次の煙草を取り出した。
だが、アルバートが言葉をつづければ、火をつけるのを待ち…ふむ、と小さく声を漏らす。
「なるほど、お前は自分が被差別民だということを認めたくないわけだな。
尤も、今の時代では、もはや立場が逆かも知れんがね。」
ククク、と楽しげに笑ってから、煙草に火をつけ…
「…人が嫌い、恐怖を感じるモノとは何か、それを考えればすぐに答えが出るだろう。
暗闇、怪物、幽霊、悪魔、狂人……
…全て、人は理解できないものを、恐れ、嫌い、排斥する。
お前はお前自身の力を理解していないだろう?周囲が見れば、それはより一層、理解できぬものとして映る…そうではないか?」
■シン・アルバート > 「……でしょう。でしょう、ね。」
排斥されている、理由はわかっていたんだ。
けれど、単なる1点だけで、排斥された事が、心に一番痕を残したから。
認めたくなかったんだ。
「己れは、本当に『普通の人間』からはどうしようもなく、言い逃れのない、化け物、でしょう。」
「それは、本当に『力』も、『武器』も、持たない人から、見れば。」
■獅南蒼二 > アルバートの言葉を聞けば、僅かに目を細めた。
排斥され、迫害を受けてきた。そんな過去を、獅南でも想像できる。
アルバートの表情は、それくらいに分かりやすく、己の身に残る傷痕を、示していた。
「……で、そんなお前が、一体、何を言いたいんだ?」
普通の人間、という言葉をつかうアルバートに、まっすぐな瞳で、問う。
■シン・アルバート > 「己れは、化け物である事は、否定しません。」
「ただ、……それで力を傲る事も、その力を無差別な刃に、したくも、無いんです。」
「……確かに、異能でも、魔術でも、そういう使い方をすれば『強引に』人を黙らせられるでしょう」
「…けど、それだけは、嫌です。」
「それが出来たなら、とうに、貴方も、『取り巻き』も。」
……その先は言葉を一旦閉ざした。
「だから、間違えないようにしたい。それだけなんです」
「……本当に、それだけで」
■獅南蒼二 > 獅南は静かにその言葉を聞き、時折、白い煙を吐き出した。
アルバートが話を終えれば、吸い殻を携帯灰皿に入れて、
「嫌だ。ということは、逆を返せば、その気になればできる。ということだ。
お前は気付いていないのかも知れんが……
……自らが怪物であるという事実を盾に、被害者面をしながら、内心では凡人を見下している。
違うな、凡人を憎んでいるのか?」
それは、アルバートの欲しかった言葉ではないはずだ。
獅南は、静かに続ける……
「自分には凡人を蹴散らす力があるが、それは望んだ力ではないから、優しくしてくれ…
…そうしてくれないと、望まない力を使ってしまう。
随分と、都合の良い話ではないかね?」
■シン・アルバート > 一番、聞きたくなかった、思想が、聞こえてきたように、思えた。
期待はしていなかったが、一番期待していない返答が帰ってきたように、思えた。
「……そう、ですかね?」
「…別に己れは優しくしろとは一言も、言ってませんが。」
段々と、冷えた目線へと、変じていく。
「じゃあ、貴方は、してもいいと、認めてることになりませんか。」
「己れは人を殺したくはない、害したくない。それだけです。」
「……だから、その見返りに優しくしろと、求めているつもりは無い。」
「……そういう風に、凡人と、異能者の間があれば、『都合が良い』のは、そっちじゃないか、とも取れるのだが?」
■獅南蒼二 > 「私は、お前を排斥するような輩には努めて近づかんことだ、と言ったつもりだったが、聞こえなかったか?」
アルバートの視線にも、言葉にも、こちらは表情を変えることもない。
どこか楽しげな笑みを浮かべたまま、
「近付かない、という選択肢を取ることはしたくない。
嫌われる理由を納得できる形で知りたい。
……その理由を理解しているにも関わらず、お前の考えは変わらない。」
淡々と、述べていく。
「つまり、お前は、自分を理解し受け入れろと言っているんだ。
それを“優しくしろ”と表現したのだが、違うとしたら、私の国語力不足だったかな?」
ククク、と楽しげに笑って、それから、
「私も、生徒たちも、インディアンを狩るように異能者のコミュニティを襲ってやろうなどとは思っていないよ。
ただ、お前が話しかけづらいと感じた、その感覚は間違っていない。
お前にとっては不幸でしかないのだろうが、中世で魔女が火あぶりにされたのと同じだ。」
「……お前は理解力のある生徒だ、もう一度言う。」
「努めて、近付かん事だ。」
■シン・アルバート > 「……成程。」
ああ、この人は、きっと、何かの事故でもない限り、
川の向こう側に立って暮らして、交わらない人、なんだと。
「……であるなら、一つだけ。」
「…己れからすれば、あくまでお願いの域を過ぎないのだが。」
「…『対抗策』を持ったから、と言ってもそれを『反撃』以外で用いるのだけは、止めさせてくれないか。」
「……命が惜しい以上、殴れば殴り返すしか、無くなるのだから。」
「己れだって別に殴りこみたくは無い。」
「表面上だろうとにこにこ平和的なものが続くのであれば、それが一番なんだ。」
「……その辺りは、先生の方が、一番解っていると思いますが。」
この人と、関わったことが間違いとは、思えないが。
この人が居る事がこの先の自分にとって、重要だったのかも、しれない。
この人と、最終的に殴り合う世界なんで、正直御免だ。
■獅南蒼二 > アルバートの言葉に、肩を竦めて楽しげに笑う。
「ははは、言いたいことは分かる。
だがそれは、専守防衛に徹せよ、ということか…つまり、殴られるまでは殴るなと?
お前は信頼に足る人物だが……異能者全ての行動に、責任を持つというのか?」
信頼に足る、と、その言葉に嘘は無いだろう。
だからこそ、こちらも、守れないような約束を簡単にかわすことは無い。
「お前の言う通り専守防衛に徹し、それで我々のうち誰かが欠けるような事になれば、もう後には引けん。
お前が最も忌避したがっている事態が現実のものとなる。
………私はお前の名も知らんが、異能者の少年、お前にそれだけの覚悟があるのか?」
獅南は、アルバートを真っ直ぐに見つめる。
この島で生きているのなら分かるだろう…魔術師も同様ではあるが、異能者による犯罪が頻発しているのも事実である。
どこかの異能者が、【凡人教室】の凡人を襲わないとも、限らない。
■シン・アルバート > 「だから。…己れからは、手を出しません。」
「……やり返すなら自由にしてくれ。……力を振るって誇示する文字通りの『化け物』だって居るだろうから。」
「誰かの間違いを、己れ一人を捧げて、防戦を張れるなら安いものだ。」
「『化け物』の為に死ぬ事はちっとも嬉しくないけれどな。」
「……まだ、先生や『取り巻き』の人らの考えのために死ぬ方がよっぽど。」
約束が、簡単に成立するとも思ってない。
だから、『お願い』になる。
お願いならば無理だ、と言われればそれまでだろうし。
だから、約束しろ、とは言えなかった。
■獅南蒼二 > 約束、ではなく、お願い、という形をとったのは正解だったかも知れない。
教師と生徒、集団の長と個人、対等に話すには立場が違いすぎる。
そしてそれを理解していると示すことは、この男にも良い感情を抱かせる。
「顔も知らぬ異能者の失態に対して…お前が腹を切ると?
全く理解し難い発想だが……本心から言っているのか?」
視線を真っ直ぐに向け、僅かに細めた目で、睨むように見た。
この男が口先だけの男なのか、それとも、覚悟をもって語っているのか、見極めようと。
■シン・アルバート > 「止められるだけの力を持っていたのに後手になって、被害を出したのなら、」
「……それは己れの怠慢だろう。だから、己れが腹を切る。」
「……力を持つなら、それを止めることだって、可能な筈だ。」
「手が届かないなら、届く範囲を広げて行くだけだ。」
「………そう、しなければ、本当に怖れる物が見えた時に、向けるべき刃の先を、間違える。」
「………むしろ、やるべき事の形を、今、貰えた気がします。」
「……ありがとう、ございます」
今まで、見えなかった、したい事が、見えたのは事実だった。
だから、見据える。真っ直ぐ。
■獅南蒼二 > 「ふむ………。」
面白い、と、素直に思った。
打算的に考えれば、凡人の被害を僅かでも減らすことができるかも知れない。
だが、そんなことはどうでもいい。
この男に異能者たち全てを抑えることができるとは思っていないが、それでも、この男の考え方は面白い。
そしてそれは、信頼に足る言葉であるように聞こえた。
「………分かった、約束しよう。」
しばしの沈黙の後に、男は自ら、約束という言葉を使った。
「だが1つ条件がある。
睨みつけるような視線を、向けたままに。
「……お前の名前を教えてくれ。」
■シン・アルバート > 真っ直ぐな視線をそのまま、返答する。
「……己れは、シン・アルバート、と言う。」
「……今の今まで、やるべき事を見つけられなかった、単なる愚図でもあるかもしれませんが。」
■獅南蒼二 > 「私は……獅南蒼二だ。
まぁ、それもまた然り、だな。
話しかけるのを躊躇っていた時よりは、随分と良い表情になった。」
自分からも名乗ったのは、この男をみとめての事だろうか。
肩を竦めて笑いつつ、立ち上がる。
「そろそろ次の授業が始まる時間だろう…私は失礼するよ。
…何か気になることがあれば、研究室に来てくれてもいい。」
そうとだけ言い残して、すっと背を向けた。もう振り返ることなく、去っていく。
■シン・アルバート > 「…ありがとうございました。」
「出来れば、『戦うことのない場所』で、お会いしましょう」
「…返す物もありますから意外と直ぐかも、しれませんが」
その背を見送る。
ずっと、真っ直ぐに、見つめていた。
ご案内:「第一演習場」から獅南蒼二さんが去りました。
■シン・アルバート > その背中を見送って、呟く。
「……約束、ひとまずは、果たせるかも、しれません」
「…けれど、己れは、これから、です」
………足元が揺らめいた、気がした。
ご案内:「第一演習場」からシン・アルバートさんが去りました。
ご案内:「第一演習場」に霜月 零さんが現れました。
■霜月 零 > 今日も今日とて訓練である。今日のメニューは「飛んでくる物体を回避する」と言う回避力と周辺視能力を鍛えるための物だ。
「さて、と……」
だが、今回は回避はほぼしない。躱すのではなく……斬る。
「ふっ!」
まずは正面から一つ、これを抜刀で斬り落とす。
その後左から、これは左足を後ろに踏み込む形で間合いを調整し、上段から打ち下ろす。
■霜月 零 > だが、打ち終わりで硬直していては次を処理できない。……今度は後ろ。
「そらっ!」
それを、切り下ろした形から後ろに向き直り、逆風に切り上げる事で対処する。
そして今度は左から二発。数が増えた上に、体勢上対処しづらい所だ。
「なら、こうだ!」
今度は右足を前に踏み出し、身を躱しながら上段からの打ち下し……そして、もう一発は左手首を切り返す事で隙をなくした独特の連撃で斬り落とす。
――霜月流「水燕」
即座に手首を戻して、右からくる三発に備える。
■霜月 零 > その三発に対し、選択したのは突き。
だが、突きは連続攻撃に向かない……突いた後、攻撃力のない「引く」と言う行為を挟まなければ次の攻撃に移れないからだ。
……が、その道理を打ち破る。
「無明三連突き……!」
天然理心流、無明三連突き。
幕末の壬生狼、新撰組の中でも最強と謳われる薄幸の剣士、一番隊組長沖田総司が使ったとされる秘剣。
踏み込みを引きに置換したり、踏み込んだ瞬間の腰の切りを引きに置換する技はあるが……それを一呼吸で一気に行う事で「一呼吸の間に顔面、喉、心臓をほぼ同時に突く」と言う絶技。
本来、零の実力ならばほぼ成功しない技であるが……
「よしっ!」
寸分たがわず、飛んできたボールは刹那の連突きに貫かれた。
■霜月 零 > ビーッ!と言うアラームが鳴る。取り敢えず1メニュークリアのようだ。
これ自体は、刀で対処すると言う限定条件下においても、そこまで難しいトレーニングでもない。
が、零は手ごたえを感じていた。
「(体がキレる)」
動きの質が、自分でもわかるくらいの良くなっているのだ。故に、大胆な選択も出来るようになる。
ご案内:「第一演習場」に鈴成静佳さんが現れました。
■霜月 零 > 今日は、朝から妙に調子がいいのである。
朝食を作っている時に動作の素早さに自分で驚き、学校でも細かい動作が妙にキレるようになっていた。
何というか、気分が高揚して、体が凄く軽く感じるのだ。
「……まさか、なあ」
思い当る節を想像し、軽く首を振る。いや、流石にそりゃあ気分は高揚するが、それだけでキレが良くなるほど、自分はチョロくないと思いたい。
■鈴成静佳 > (試験期間間近なので、演習場で本格的に運動するわけにも行かない)
(帰る前に学園をひとまわりランニング、としゃれこんでいた静佳だったが……)
………おおーっ!
(少年剣士が飛来するボール3つで串だんごを作る様子を見ると、思わず足を止める)
■霜月 零 > 「ん?」
おおーっ、と言う声が聞こえると、そちらをちらと見やる。
流石に、無明三連突きは目立ったか?と首を傾げながら、そのまま刀を持っているのもアレだと思い、ボールを落として刀を納める。
■鈴成静佳 > アハハ、おじゃましちゃったッスかねー。でも、刀とか剣術とかってフィクションでしか見たことなかったもんで、つい声を……フフッ。
(頭をポリポリと掻きながら、帯刀している青年に警戒心も見せず接近してくる)
1年ッスか? たまーに教室や廊下ですれ違ったことがあるような、ないような……いや、それよりも違う場所でも見たことがあるような……?
(近づくと、目を丸くしてその顔を見上げる。新しくルームメイトとなった子と、面影が近いような、そうでないような)
アタシは1年の鈴成静佳、よろしく!(ニッと歯を見せてご挨拶)
■霜月 零 > 「フィクションって……いやまあ、馴染みがない場合はそうなるか」
冷静に考えれば、退魔師だからと言って学生の身分でありながら帯刀が認められているのが異常なのである。普通は帯刀なんて認められようはずがない。
「鈴成、な……ん?鈴成?」
聞いた覚えがある。確か、妹から……
「ああ、芙蓉と氷架のルームメイト、か?」
■鈴成静佳 > まぁ、アタシ田舎暮らしだったからねー。釘バットやチェーンは見てもカタナは見たことないなー。
(地元のヤンキー連中を思い出しつつ)
まぁでも、アンタは素人目にもすごく巧そうだし……優しそうだから、怖くはないよ。フフッ。
そう、芙蓉ちゃんと氷架ちゃんのルームメイト……って、女子の名前を呼び捨て?
アンタずいぶんと馴れ馴れしいわね……(訝しがるように睨みつける)
■霜月 零 > 「そりゃどーも、まだまだだけどな」
剣術を褒められれば肩を竦める。……流石に、まだ「時間遡行に至る剣技」を修めた化け物どもとは程遠い。
「ん?あ、ああ……」
馴れ馴れしい、と言われれば少し困ったような顔になる。
いや、芙蓉はいいのだ。問題は氷架である。
恋人なのだから馴れ馴れしくて当然なのだが……それを言うのは気恥ずかしい。
「俺は霜月零、っつってな。芙蓉の兄なんだ。氷架とも、まあ……仲良くはしてるから、それでな」
ボカす。微妙なところでチキンなのであった。
■鈴成静佳 > ブーッ!!
(名前を聞いた途端、静佳は吹き出す)
……あ、アンタが霜月零……くん!? そ、それじゃ、アンタが……氷架ちゃんの……その……アレ!?
(指さしながら叫ぶ。初めは驚きを色濃く表情に浮かべるが、すぐにそれは気持ちのいい笑顔に変わり)
……アッハッハッハ! さっすが氷架ちゃん、見る目あるじゃないの! さすがね!
強そうで、背も高くて、それでいて……。
(やや気弱そうで、と言いそうになったが思いとどまる)
……仲良くしてる? ふーん……昨晩会ったんじゃないの?
■霜月 零 > 「ぶっ!」
静佳の反応で合わせる様に噴き出してしまう。まさか、知ってるのか……!
「ま、まあ、会ったよ。会って話したさ」
顔を手で押さえて下を向く。マズい、思い出して少し顔が赤くなってきた。
■鈴成静佳 > ふーん、会ったんだ。会って話した……。
(夜半過ぎ、氷架さんが外に出て行ったことは感づいている)
……まぁ昨日、氷架ちゃんの背中を押したのはアタシだけどね。あの子も悩んでたから。アナタのことで。
(とはいえ、月並みなアドバイスばかりで、背中を押せたかというと実際は自信はない。友人の言葉やサポートはそれ自体が力になったかもしれないが…)
……で、会って、どこまで行ったのさ。零おにいちゃん?
アタシは氷架ちゃんと芙蓉ちゃんのルームメイトよ、そんなに照れなくてもいいんじゃなぁい?
(首をかしげながら、見上げるように睨む。その口元はニヤついている)
■霜月 零 > 「う、うぐ……」
僅かにあとじさる。これは、若干あの正親町三条楓と同じにおいがする……ゴシップなどで人をいじる系の人間の顔だ。
「そ、それはだな、氷架と二人での事なんだから、俺が言うわけにもだな……」
必死にボカす。まさか、本人の断りなく「キスまでしました」などとは言えようはずもない。
■鈴成静佳 > あによー、アタシは氷架ちゃんのルームメイトよー。言ったっていいじゃーん。
(腰に両手を当てながら、不服そうに鼻息を鳴らす)
進展は正確に把握しといたほうが、アドバイスのしようもあるってもんじゃない。
(ここまでの会話で静佳にはよーく分かる。この零おにいちゃんも、恋愛に関しては完璧にオクテだ)
(サポートしたい、という欲求が沸き上がってくる。もちろん、率直にそう申し出ても要らないお世話と突っぱねられるのがオチだが……)
……ま、でもその様子だと、「仲良くしてる」から一歩くらい進んだ程度、ってところかしらね~。フフッ。
■霜月 零 > 「ぐ……」
読み切られている。こんなに簡単にバレるのか、何故簡単に見抜かれる。
……零自身の挙動が全力でそれを物語っているからなのだが、それを自覚するほどの経験はなかった。
「……まあ、大体そんなとこだよ。お互い、これからもっと知り合って行こうって感じだ」
キスだけは省き、要点だけを伝える形で誤魔化していく。
■鈴成静佳 > うんうん、それでいいと思うッスよ。徐々に徐々に知っていくのが。
ということで、じゃあ、アタシから氷架ちゃんの秘密を幾つか教えてあげる!(少し距離を離す。前のセリフと早速矛盾している)
……とはいっても、気をつけるべきところ、って感じだけどね。
まず、あの子はあんな痩せてるくせに大食らいなんだよね。ウチの部屋の食費も半分はあの子が消費してるくらいに。
だから、食事とか連れて行って、そんなシーンを見てもビックリしないでね。
それと、氷架ちゃんの異能は不安定っぽくて、身体への負担も高いみたい。
心の持ちようで安定するっぽいから、その辺のサポートもお願いね。
(このへんは知っているのかも知れない。むしろ静佳は、零さんが炎の巨人事件に関わっていることは知らない)
■霜月 零 > 「……腕が鳴るな」
大食らいと聞けば、出る言葉がそれである。
なんせこの霜月零、趣味の一つが「料理」である。暇な時に作ってもてあます事もあるくらいだ。
それを食べてくれるであろうという事は実に喜ばしい。まさしく腕が鳴るというものである。
「異能に関しては……ヤバさもわかってるよ。気を付ける」
そちらには真剣な顔で。あの炎の巨人は強大だった。あれを暴走と言う形で生み出させるようなことが、あってはならない。
■鈴成静佳 > へぇー、零くん料理に自信があるんだ!(満面の笑みで、指を合わせ、キラキラとした瞳で見つめてくる)
やばいなー、それはアタシも見習ったり食べに行きたくなっちゃうかもー。でも、氷架ちゃんの彼氏は絶対に寝取らないって約束したしー……。
(とても当人の前で言うようなセリフではない)
……まぁ、せいぜいいい料理を作って太らせることね! 頼んだわよ!(親指を立てる)
うん、異能の方の世話もお願いね。
アタシと一緒に異能の勉強するって約束してたけど、彼氏がこうも気遣いと生活力に長けてるのなら、もうアタシの出る幕はないかなー……アハハ。
(両手をひらひらとして、お手上げのポーズ)
……あと、一つ。(腰に挿した大小を眺めながら、にわかに目を伏せ)
危険なところには、絶対に連れて行かないでね。もう、あんなことはゴメンだから……。
■霜月 零 > 「ま、趣味なもんでな。下手な店よりは美味いっつー自信もある」
なんせ、下手な店どころか多少上等な店よりも美味い料理を用意してくる母親の味に慣れてしまい、他人ならともかく自分で用意する分には妥協が許せなくなったから始めた料理である。
腕前で言えばかなりのものなのだ。
「いやまあ、俺はあまり異能に明るくねぇ。出来れば、氷架の異能に関しては、一緒に面倒を見てやってほしい。
……危険な場所には、連れて行かねぇさ。氷架は被害者になるべき奴じゃない。危険を冒す必要なんて、ない」
最後の言葉はまさしく真剣。揺るぎない決意と意志を込めて口にした。
■鈴成静佳 > やだ、すっごい興味湧くじゃない、零くんの料理……。もしかして芙蓉ちゃんも上手かったりするのかなぁ。今度聞いてみなくちゃ。
じゃあさ、もし家に招いたりして、氷架ちゃんに料理を振る舞うようなことがあったらさ、多めに作っておみやげに持たせてよ。
「静佳と芙蓉と空子にも食べさせろ」ってさ。ね?(野暮な依頼である)
その時が来るのを楽しみに待ってるからさ!
……うん、零くんの心意気はしっかり受け取ったよ。
(武士の決意ともいえる語気と眼差しに、静佳の顔も真剣になる)
あの子の幸せと、零くんの幸せを、応援してる奴がここに居るってこと。わすれないでね。
(とん、と握りこぶしを自らの胸に当て、ニッと笑顔を取り戻す)
(恋なんて忘れた身だ。他人の恋に的確なアドバイスなどできなくとも、愛を育む手助けはできるはずだ)
(静佳は、この二人の間で、その立場に徹することを誓った)
■霜月 零 > 「やめておけ」
真顔だ。
「芙蓉に料理はさせるな、見た目だけそれなりなのに中身が奇跡的に壊滅的な料理モドキが出来上がるぞ」
兄の零と違い、妹の芙蓉は圧倒的メシマズなのである。まず見た目から整えようとするせいで、要らん調整を繰り返し壊滅的な味を生み出してしまうのだ。
「……ありがとうな。しっかりと、まあ……上手くやる、さ」
幸せになる、と言う言葉は少し恥ずかしくて使えなかったが、意味するところはそれだ。
二人で幸せになる。それこそが、二人を見守ってくれる全員への報恩だと思うから。
■鈴成静佳 > おおっと、これは貴重な情報をありがとさん。しばらくはウチの部屋のキッチンはアタシが受け持つしかなさそうね……。
そういえば……。
(……口どもる。妹との関係はどうするのかが気になった。あのブラコンっぷりだ、この恋の進展は互いに何かしら影響はあるだろうが……)
(しかし、水を指してはいけないと思い、とどまる)
……ん、なんでもない。
ええ、せいぜい上手くやりなさいよね。零おにいちゃん?
たまにはお話聞かせてね? アタシたちは友達ってことで、ね? いいでしょ?
(無邪気な笑顔で、ウインクを飛ばす)
それじゃ、練習の邪魔して悪かったわね、アタシはこれで。頑張ってね!
(走り去っていく静佳)
■霜月 零 > 「すまんな……妹が、世話になる」
頭を下げる。流石にちょっと迷惑になってないか不安である。
「……ま、しっかりとやるさ。じゃあな」
肩を竦め、決意を述べて別れとする。そのまま見送った。
■鈴成静佳 > (……零くんの、照れくさそうに氷架ちゃんとのコトを話す仕草。守るという決意)
(……恋って、いいな)
(……羨ましい。憧れる。取り戻したい。こんな気持ち)
(……でも、しばらくは傍観者のままでいいや。楽しいから。充実してるから)
ご案内:「第一演習場」から鈴成静佳さんが去りました。
■霜月 零 > 「……」
さて見送ったわけだが……若干気にかかる。
いや、女性として気にかかるという事ではなく、何というか……
「(なんだ、アレは?)」
悪意じゃない。だが、プラスではない。そんな感情をわずかに感じたのだ。
「……気にしても仕方ないか」
今は「そんな気がした」と言う段階だ。友達だという事だし、これから話す機会もあるだろう。その時に、確認すればいい。
■霜月 零 > 「……帰るかね」
肩を竦めて家路につく。
さて。次に氷架と話せるのはいつごろかな……などと、浮ついたことを考えながらだったが。
ご案内:「第一演習場」から霜月 零さんが去りました。