2015/07/31 のログ
ご案内:「第一演習場」に相楽 満さんが現れました。
■相楽 満 > さて、本日の相楽満は。
前回とほぼ同じ設定、ただし今回は岩の柱をさらに多く。
動きにくい場所を組み、両手をだらりと垂らす。
「すぅ……」
大きく息を吸い込む。
■相楽 満 > 「……はぁぁぁぁぁ……」
息を吐き出す。
胸の中の空気を吐ききり、極限まで腹筋に。
そして全身に力を。
丹田から力をみなぎらせる。
さぁ。
■相楽 満 >
『破壊欲との戦いだ』
■相楽 満 >
アウェイクン・ ン ル
《覚醒・ を し 》
■相楽 満 > 「っぐ……!!!」
ビキリ、全身がこわばる。
限界を超えた力が満ちる。
それを、維持。
全身の筋肉を限界まで張りつめさせた状態で動くことがかなわないのは周知のとおり。
よって格闘においては何より『脱力』が重要なのだが。
脱力、出来ないほどに力が満ちる。
そのまま、体を動かす。
■相楽 満 > ぎしり、軋む腕を引く。
掌打の構え、腰だめに引いた右の手を。
「ッッ……!!!」
声を絞り出すような咆哮に近い掛け声。
同時にその右の掌打を近場の岩の柱に叩きつける。
岩が吹き飛ぶ。
粉々に。
インパクトの瞬間、物理的な衝撃を伴う波紋が空気中を駆け抜け、周囲の岩の柱が満を中心に吹き飛ぶ。
■相楽 満 > 瞬間、岩が砕け、吹き飛ぶ音が響く。
音の世界を超えた打撃、そして衝撃波。
それを受けられる体が、今ここにある。
一歩も揺るがず、攻撃を終え。
するりと、流れるような動作で残心。
足をそろえ、両手を下ろして吐息を吐き出す。
■相楽 満 >
ぐらりと体が揺らいだ。
左肩のあたりから倒れ、後頭部を地面に打ち付ける。
「っはァ……っ!!
っは……っはぁ……!」
動かせた。
その達成感より、全身を襲う痛みと疲労感が強い。
目が回る。
仰向けのまま胃液が上ってくる。
「ま、ズ……!!!」
必死でうつぶせになり、胃液をまき散らす。
仰向けのままだったら、これが気管に流れ込んでとんでもないことになっていた。
■相楽 満 > 目がぐるぐる回る。
胃液を吐きながら、苦痛を逃すために地面を握る。
演習場の岩でできた地面が指の形に抉れた。
「げっほ……がっ、あ……!!
げほっ、ぜっ……はっ……!」
呼吸が出来ない、痛みを逃がすために地面を掴もうとしても、破壊してしまって逃がせない。
だけど。
何故だろう。
■相楽 満 >
『たのしいなぁ』
■相楽 満 > ずるりと、口からあふれた胃液を舐めとり、飲み込む。
狂気的な笑みを浮かべ、再び喉を通すと酸っぱく、焼けつくような胃液すら楽しんでいる。
痛みが、苦しみが。
なんて、心地いい。
■相楽 満 > ゆらりと立ち上がる。
心地いい痛みが、苦しみが、この体を動かす。
岩の塊を拾う。
口に入れ、かみ砕く。
それを吐き出す。
踏み砕く。
笑う。
■相楽 満 > 「あぁ……」
周囲を見渡す。
こんなにも、世界は輝いていたのか。
■相楽 満 > ぐらり、揺らぐ。
あれ、今。
「っ……ぅ……!」
頭痛がする。
何か、あるべきではないものが見えた気がする。
「今、俺……」
何をしていたのだろう。
■相楽 満 > ぞっとする。
あの人の言ったとおりだ。
この異能は、肉体の強化なんかじゃない。
もっともっと、恐ろしいものだ。
それが身に染みてわかった。
■相楽 満 > やはり知るべきだ、この力は。
もっともっと、恐ろしい何かを見定めなければいけない。
もし自分の力が、自分の精神をも歪めれば。
「……こう、なっちまうんだよなぁ」
周囲を見渡す。
大量に設置した岩の柱が、防御膜で固めたものが残さず吹き飛んで、瓦礫の山を作り上げている。
これがもし、街中で起きてしまったら。
考えたくもない。
■相楽 満 > 「……ふぅ……」
ようやく落ち着いた。
というより、落ち着いていた。
いつからだろうか、落ち着いていたのは。
いつの間にか立っていられるほどに回復していた。
それならば幸いだ、このまま帰ろう。
少し、今の自分は危険な気がする。
誰も居ないうちに、何度も練習をしよう。
この力を律するために。
誰にも見られないように。
見られたら、我慢できない気がする。
■相楽 満 > 演習場を綺麗に設定し直し、その場を去る。
汗一つかかず。
先ほど倒れるほどに疲弊していたにも関わらず、足早に。
徐々に狂い始めた自分をなんとなく感じながら、逃げるように寮へと帰還した。
ご案内:「第一演習場」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「第一演習場」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > この日、魔術学部第三研究室は、第一演習場の独占使用申請を出していた。
とはいえ、施錠はされておらず、立ち入りや見学に制限は無いようだった。
「………………。」
演習場の床面に描かれているのは、複雑にして巨大な魔法陣。
見たことも無いような文字、象形、数式のような記号の羅列、様々な要素が組み合わされ、構成された術式が描き出されている。
その魔法陣の中央には、火のついた煙草を片手に持ったままの、白衣の男が立っている。
■獅南蒼二 > 術式にはまだ魔力が込められておらず、現時点でこれはただの落書きでしかない。
白衣の男は目を細め、魔法陣全体を見渡す。
これだけ複雑な術式だ・・・・・・男は、その構成を再確認しているようだった。
術式に描き出されているのは魔力を吸収し蓄積する珍しい属性と指向性をもたせた魔術。
そこに異界の理科不能な術式と、それから、非常に感情的で直感的な炎のイメージが描き込まれている。
■獅南蒼二 > しばらくの間、魔法陣を睨むように見ていた。
「よし…問題無いようだ。」
確認を終えれば、獅南は描かれた線を踏まないよう、魔法陣の上から離れる。
演習場の隅にはコンピューターやカメラ、その他様々な計測機器が置かれていた。
エネルギー量、熱量、光量、その他様々な数値を計測し、その推移を記録している。
■獅南蒼二 > コンピュータ上のレコーダーを起動し、音声記録を開始する。
「これより、異界における旧体系魔術を応用した魔力の生成実験を開始する。
まず、第一に、ゼロ環境下での発動実験……60秒後に発動させる。」
そう声に出して宣言し、魔法陣に手を翳す。
手首に装備したルビーのブレスレットが輝きを増し…そこに封じられた魔力を解放する。
獅南がその手を静かに広げれば、解放された魔力が爆発的に広がり、描かれた魔法陣へと吸い込まれていく。
■獅南蒼二 > 「発動まで10秒……3、2、1、発動。」
言葉とともに腕を振るう…魔法陣が光り輝き、魔力の流れが大きく変わる。
だが、関連する事象がゼロである環境下ではその光は安定し、特に変化を見せることは無い。
ただ、計器はこの部屋の気温が僅かに下がったことを記録するだろう。
「120秒間の記録をとった後に、変換実験へと移行する。」
■獅南蒼二 > 計器の記録する数値に変化は無い。
ゼロ環境下での安定性はある程度のレベルで確保できているようだ。
「次に、変換実験を開始する。
変換対象は火炎魔法、化石燃料による燃焼、水素ガスの燃焼、以上3点とする。」
■獅南蒼二 > 静かに手を翳す……その手のひらの中に、自身の持つ魔力で火炎を生じさせた。
そしてそれを、魔法陣の中央へ目掛けて、解き放つ。
まるで蛇のようにうねり、炎が魔法陣に触れた瞬間、炎はまるで最初からその場に無かったかのように失われ、魔法陣は輝きを増した。
熱量、光量が瞬時に失われ、エネルギー量には大きな変化が無い。
多少の損失はあるが、かなりの変換効率を実現しているようだ。
■獅南蒼二 > 生成された魔力は宝石や鉱石に蓄積されるのだが、今回はそのための術式を省略している。
そのため、魔力は空間へ純粋なエネルギーとして開放される。
変換効率を確認するための工夫だが、演習場はやがて、魔力に満ちた空間となる。
一般人なら何も感じない、だが魔術師なら目を輝かすか、眉をひそめるだろう。
■獅南蒼二 > 実験は成功だ。
少なくとも、閉鎖され、管理された環境下においては。
ご案内:「第一演習場」から獅南蒼二さんが去りました。