2015/08/25 のログ
織一 > 「ああ、知り合いからこれを渡されてな、使い方を覚えに来た」
ナイフを慣れた手つきで回しながら答える。
……河伯になる前の自分が使っていたのだろうか、”何故か”ナイフの使い方が体に染み付いている。
喉の裂き方も、手足の切り落とし方も簡単にシミュレーションできる、一体昔の自分はどんな修羅場をくぐってきたのやら。

「……ああ、これならいけると思う」
一応制御はできたようで、地脈の流れが元に戻ってきた。
僅かに魔力が崩れるような感覚が残るが、影響は無い。
開けた方向へと向き、ナイフを構える。

なにやら他の三人が騒いでいるが、干渉する気は無い。
魔力も安定したし、東雲も脇に退いたようだし、ただ演習場に来た目的を成すつもりだ。
ナイフへと魔力を込める、織一の骨を削って作られた鮮血色の刀身は、手足のように権能と馴染む。
込める魔力は「災害」、チャージ時間は数秒、脳内に顕現する災害のカタチを思い浮かべ__解放する。

「__揺れろ」

刀身から魔力が解き放たれ__空気が揺れる。
例えるならば大蛇の激震、地震と津波を合わせたような揺れと波が叩きつけられる。
威力はただの人間程度なら簡単に捻り潰せるぐらい、衝撃の余波は向こうの三人にも伝わるだろうか。
ナイフを向けた手を下ろすと、軽く息を吐いた。

「……予想以上だな」

魔力の乗りが予想以上に高く、予想より威力が出た。
……支援者がこれを渡したのも納得の性能だ、自衛の為にしては相当なものだ。
よっぽど貴重なサンプルが余所に盗られるのが怖いのだろうか。

迦具楽 >  
「――うん、今度ね。
 まあそうね、トトとは違うし……けど、七生が好きなのは違わないもの」
【意味合いは違うとしても、『好き』は”好き”である。
 ためらいなく照れもなく好きだと連呼できるのは、やはり恋愛感情とは違うからだろうか……いや、恋愛感情だとしても連呼しそうだが。
 頭を撫でられれば、目を細めて心地良さそうにするだろう】
「んふ……そっか、七生の方はおしまいなのね」
【引かれるまま少し距離を離すが、織一のほうへはしっかり視線を向けている】>>東雲


「蒼穹にはちょっと、うん、憂さ晴らしに付き合ってもらったのよ」
【殺されかけたという件に関しては、少し申し訳ない気持ちがあるのか。
 腕に抱きついたまま、僅かに目を伏せる】
「多少抵抗どころか、生き埋めにされて酷いことされたけどね。
 ……あれはもう借り一つって事で話しついたんだからいいでしょ!」
【東雲への説明にさすがに割り込み、”食事”に触れられれば】
「……今のところは、必要ないみたい。
 心配してくれてドーモ」 >>蒼穹


「ふうん、ナイフの……」
【ナイフを扱う手つきを眺めながら、構えにその『災害』の顕現までじっと眺めていたが】
「……凄いのね。
 少しぞっとしたわ」
【その現象よりも、嗅ぎ取った”力の質”に対してだったが。
 衝撃の余波は何てこともなく受けきるが、僅かに身を引かせる。
 七生の腕に両手でしっかりと抱きついたまま、そんな感想を述べた。
 ――しかし、なるほどこの能力の練習だったのか。
 今のが相手じゃあ、自分の練習にはなりそうに無いのが残念ではあったが】>>織一

東雲七生 > 「……ツンデレか。」

ぼそっ。七生にしてはかなり低く小さな声でそう呟かれる。
別に隠すつもりも無く、声量の割に口の動きはしっかりとしていたので容易に何を言ったかは分かるだろう。
どれだけ冷淡な態度を取ろうと周囲の認識を変えさせる魔法の呪文である。

「その辺の事も後でちゃんと本人の口から説明して貰うさ。
 流石に隠し事はないだろうし……というか、ある程度の嘘ならまあ分かるから。
 ……にしても、ホントお前ら剣呑な……。
 もうちょっとこう、平穏無事に過ごしたい友人の事も慮ってくれない?」

溜息が零れ、ややぐったりした顔で蒼穹と迦具楽を交互に見る。
女性不信になってやろうか、と半ば本気で思わなくもない。
多少脚色された内容とはいえ、破壊神を自称する少女のことだ、と話半分で聞いている。

「うん、そう。……あんま自慢できるもんでもねーぜ?」

女神像を見つめる二人へ、溜息混じりに。
そしてやや距離を置いた織一へと視線を向け、その動きの一部始終を見守る。
そして届いた衝撃波に目を瞠る。生憎魔術に明るくない七生には何が起こったのかさっぱりだった。

「──こうやって抱き着いたりしてる分、トトより厄介だと俺は思うんだけど。」

しかしまあ慣れたもので。
それもこれもやたらと異性の知り合いばかり増えるからなのか、
ある程度の接触くらいなら気にもならなくなってきていた。
その変化には七生自身驚いても居る。

「そ、俺の方はおしまい。
 まあ、まだ残量あるし気が向いた時にでもまたやるけどさ。」

それよりも向こうに場所譲ろうと思って、と織一を示した。

蒼穹 > …ふぅん、にしちゃ大分使い方になれているみたいだけど。
(器用さの所為か、それとも元から覚えているのか。容易くくるくると回している。)

ん、…これは…地震かな?おっ、と。
(何らかの魔力、空気振動。
魔剣の類なのだろうか、赤い刀身から魔力が湧き出る。
中々大きな魔力が、感じ取れた。
どうやら、こちらの異能がこれの発動を邪魔してしまったようだ。
まるで魔剣の扱いにさえも慣れた様な手つきに、魔術の発動。
余波であれば、その激震地たる発動の中央ほど熾烈な威力はないが、
十分に地面が揺れた。彼が"魔力"と言わず、"地脈"と言ったのはこういうことなのだろうか。
揺れる地面を二歩踏みかえて足で留まる。揺れろと言う命令に従い地面が揺れた。
天地を司ったり、災害や気候、そんな大きな力を統べるのは神力ならではの事で、
まぁ、そんな注釈はさておき、彼はあまりわいわい雑談と言う感じではないのが見て取れるが。)
>織一

…憂さ晴らしで人殺しするのかねキミは。
(当の本人は未だに抱きついたままである。
まだ先の案件を引き摺るのは大人げないが、一応肉体を削られた手前、根には持っている様子。)
自業自得でしょうが。
それに助けてあげたし。…あーはいはい。分かりましたー。
さっさと借りは返してよね、そうでなきゃ私もうかうか見殺しにも殺しもできないからさ。
(実に慢心というか、危ない発言。あくまで前助けたのは貸しがあるから…と思いたい。)
そう、なら結構。結構なのかなそれ。…まぁいいか、はいはい、不要ならいいじゃん。
>迦具楽

…はい?
(ツンデレという言葉に対してピクリ。)
…べっ、別に東雲君の事なんか好きじゃないんだからねっ、
こんなちんちくりんな少女にかすめ取られたって、全然悔しくなんかないんだからねっ!
で、満足?
(ふふん、とツンデレを演じきった心算なのか、適当にいなした心算なのか、したり顔で向き直る。)
なに、彼女をもう得たというのに、更に別の彼女が欲しいって?
悪い男だねーキミは。破壊神様呆れてものも言えないよー?
可愛い顔して誘いつつ、そうやって好みの女の子とっかえひっかえしてたらいつか酷い目に合うよ、
なーんちゃって。んで、私ってツンデレなの?…ええと、デレたっけ?
いやまぁ、確かに東雲君には好意はあるけど、御友達だよ。
(ふぁさりと蒼髪をかき上げればしたり顔を続けて。
魔法の呪文を破壊できたかどうかはさておき、その辺りは自分でもよく分からない。
なので、苦しまぎれに切り返してからかっておく。ニヤニヤした顔をまた浮かべる。
彼の恋愛事情など、知らないのだから、無理もないと言うべきか。)
私も平穏に暮らしたいけどさー。
殺しにかかって来られたんじゃしょうがないでしょ。
大丈夫大丈夫。私から殺しにはいってないから。
仕掛けたのも向こうだし、殺しに来たのも向こうだけ、ね?
(ウインクしてみせれば責任転嫁である。)
ま、彼女の責任は彼氏の責任でしょうに、後で叱っておいてよ。
(そしてあろうことかそれを伝播するのであった。色々と腐り過ぎだが、気にしない。)

ああ…そう。んでも、まぁ…便利じゃない?
(それが感想。一体どんな制約があるのかは知らないが、血液で形を作る能力と、
剣の硬度から、そこそこに硬い事を考えれば、不便でもないだろうと。
必ずしも彼が血を流す必要があるとは露も知らず。)
>東雲

織一 > 「……さあな、何故使えるのかは分からん」
確かにナイフの扱いの上手さは織一にもよくわからない。
織一は武器を使うよりも素手の方が好きなのだが、昔はそうでも無かったらしい。

「これでも__最大出力には及ばない、か」
欠けた魔力を補うために、急速に「再生」してくる魔力。
水場も捧げものも無しにこの威力、一体全力で振るえばどうなることやら。
おそらく、肉体に掛かる負担を無視すれば威力は際限無く膨れ上がるのではないだろうか。
とにかくナイフの練習は終わったので、刃をしまってホルスターに納める。
ついでに銃も練習したいが、何か的はないだろうか。

「東雲、その像、使わないなら貸してくれ」

自動拳銃を取り出しながら、東雲へと声を掛ける。
大きさからして的には丁度良さそうだ、無論無理に借りるつもりは無い。

迦具楽 >  
「それは仕方ないわね。
 ――あ、あまりやりすぎると、トトに嫉妬されちゃうかしら」
【きっとあの知人は、抱きついたりまではしていないだろう、と思い。
 とはいえ、まったくやめるつもりはなかったが】
「ん、残念。それじゃあ、今度見せてね」
【共に邪魔にならないよう下がりながら、織一へと視線を向け観察する】>>東雲

「アナタ、大抵のことじゃ死なないじゃない。
 はいはい。ようやく調子も戻ってきたし、そのうちね」
【蒼穹でなければ、きっとあそこまでのことはやらなかっただろうと思いつつ。
 そして借りは、必ず返すつもりだ。
 コレでも随分と恩を感じているのだ】

「あら大変。やっぱり七生ってモテるのね。
 ――らしいから、七生も借りを返すの手伝って?」
【好意があるというところだけ引っ張りだして茶化しつつ。
 見事な責任転嫁をされれば、巻き込んでしまおうとにっこり笑顔で見上げる】

「そうよね、便利で――応用もたくさん利きそうで私は好きよ。
 その辺の化け物みたいな異能より、ずっと奥行きがあるように思うわ」
【蒼穹に便乗し、異能の感想を告げる。
 それが贔屓目なしの、迦具楽からの評価だった】>>東雲、蒼穹


「……ふうん、まだ上があるのね」
【確かに織一からは、まだまだ余力を感じ取れる。
 それこそ負荷を考えなければ”アイツ”と同程度の力は振るえるんじゃないだろうか。
 そう思えば、その能力を推し量るためにも、しっかりと観察しなければいけない。
 ――何時誰と敵対するかわからない。
 常世学園とは、そういう場所でもあるのだから】>>織一

東雲七生 > 「なぁにそのテンプレ台詞……。」

うわぁ、何かすげぇもん見たって顔で蒼穹を見つめていたが。
まあよく考えてみなくとも吹っ掛けたのは自分の方なので少し申し訳なさすら覚える。

「ていうか俺と迦具楽との間での話くらい聞け。
 彼女じゃねえって言ってんだろ!俺まだフリーなの!
 ていうか彼女作る気もそんなにねえの!聞けよ話を!
 体育着でドヤ顔しても何の見栄えもねえぞ貧……─ふんっ!」

思わず言いかけて口を噤んだ。
何せ今はすぐ傍に正真正銘が居るのだから、流石に禁句過ぎるだろう。
誤魔化す様に鼻を鳴らして、

「お前から行かないのは当たり前だっつの。
 まったく、破壊神を自称する割に変に大人しいよな。何なの、信仰度が足りてねえの?

 ──不便だよ、この上なく。」

異能に関しては、小さく吐き棄てるように呟くのみで。
その後織一に尋ねられれば、

「ん?……ああ、良いぜ。咄嗟に造ったもんだから強度とか滅茶苦茶だと思うけど。
 んじゃあ、はい。 ほら、終わり終わり。」

織一へ女神像を差し出しながら像を眺めてた二人を促す。
そもそもあれは“失敗作”なのでまじまじと見られるのは、なんだか恥ずかしい。

「それは俺はトトじゃないから分かんねえよ。」

迦具楽の言葉には軽く肩を竦めるのみで。
実際あの友人がどんな反応をするかは全く想像が出来なかった。それもまあ、いつものこと、ではあるが。

「いや待て、モテちゃいねえって。
 今の流れのどこにモテてる要素あったんだよ。
 ていうか何に巻き込もうとしてんの!?こええよ!?」

あくまで自分は限りなく一般人だ、と言わんばかりに。
自称破壊神と自称化け物のごたごたになんて心底巻き込まれたくは無かった。

「……傍からはそう見えるかもしれねえけどな。
 不便なもんだよ、こんな能力なんて。」

使わないならそれに越したことはねえんだ、と。
評価は嬉しいが、その胸中は複雑だった。

蒼穹 > 物騒な世の中だねー。最大出力…かぁ。
(横目に野次馬的感想。
アレに上があると言う迦具楽の言葉も相俟って、やたら強そう。
訓練所とは、元来こうあるべきものなのだろうが、己と言えば野次馬ばかり。
さて、己が最大出力を出したのはどれくらい前の事か。)
>織一


そりゃ私は死なないさ、鬱陶しいくらいにね。
体全部吹き飛んでも生きてるかも。ああでも…熱弾は効いた。
あんな中身まで抉り飛ばす様な攻撃は来島以来喰らったことなかったし。
ま、借りを返してくれるならさっさと。…ああ、ええっと。端末のアドレスでも交換するかい?
(持っているかどうかは知らないが、ごそごそと体操着のポケットから長方形の端末を取り出す。)

…キミら仲良いね。ほんと。
(仲良きことは美しきかな。二人協力して頑張るのか、美しい友情であることよとしみじみ詠嘆するのである。)
>迦具楽


…ん?じゃあ…どうかなぁ、もうちょっと凝ったツンデレの方が良かった?
ま、そういうわけで私はツンでもデレでもありません!
(ぶおん、と豪快に片手を振って否定。)

ん?まぁ、聞こえてるけどスルーしてるって感じかなぁ。
"まだ" だとか "そんなに" だとか言うけども、オトコノコだからね、仕方ない。
それにフリーだと毎日別の女の子と…こほん、まぁ、そういう事じゃないかなぁ。
貧?…ああいや、前も言ったろうけどさ、並はあるよ?何なら揉んでみる?…なーんちゃって。
(但しその気はさらさらない。乙女だもの。遠巻きから胸を張りつつニヤニヤするに留まる。
そこそこ膨らんでいるが大きいとは言えない。
小さい訳でもない。ただまぁ、正真正銘に比べれば、きっと大きい。筈。)
ってか"ソコ"にしか興味ないのね…揃いも揃ってオトコノコってやつは…。
(己の胸をどうこう言っていたニンジャとか、己のスカートの中をどうこう言ってた魔王様とかが彷彿させられる。
呆れ半分の口調。)

んー…何でだろう。信仰?あっはは、御冗談を。
私がこう、大人しくなくなっちゃったら世紀末だよ。なーんてね。
それとも何かい?ぐいぐい信仰して私まで落とし込めようって魂胆かい?やるねー。

…不便、かぁ。
(この上なく、なんて付け足すあたり何かあるのだろう。
誰彼付けて、暗い過去を持って良そうな世の中である。明るい笑みを浮かべるこの少年も、然り…なのだろうか。)
>東雲

織一 > 「海や川で準備に準備を重ねれば、威力は更に跳ね上がるだろうな……」
カグラの言葉通り、まだまだ限界には程遠い。
「蛇」の力は自然の力、条件さえ整えれば戦略級の破格すら行使できる筈だ。
__無論、それほどの破格は負担も凄まじいものになるが。

「ありがとう、有効に使わせてもらう」

受け取った女神像を少し離れた場所に置き、銃を両手で構える。
今回はテストも兼ねて両手撃ちの練習、片手撃ちもそのうち試すつもりだ。
両手でしっかりと狙いを定め、女神像の喉笛を狙い引き金を引く。
BAN、という乾いた音が響き、銃弾は女神像の喉笛でなく顔面に命中した。

「……ずれたな」

当たりはしたが、狙い打ちは出来なかったようだ、まあ狙いの付けにくい拳銃で当てれただけよしとする。
しかし、さすがに銃弾は耐えきれなかったようで像は今にも崩れそうだ。

迦具楽 >  
「残念ながら、そんな便利なもの持ってないわ。
 維持するお金もないし」
【残念ね、と肩を竦めて】
「ええ、仲良しだもの。
 なあに、羨ましいのかしら」
【自慢げに抱きついたまま蒼穹を見上げるが――】

「……身体的特徴を言うのは良くないわよね」
【耳に入ってしまったのだから仕方ない。
 少しばかり力強く腕を掴まれるかもしれないが、ソウイウコトもある。
 並みらしい蒼穹を見れば……ああだめだ、今度こそ殺してしまいたくなりそう】
「七生が大きいのが好きなのはわかるけど……」
【むくれつつも、どこか悲しそうに俯く。
 もし、もしも。自分が人間だったら成長もするのだろうか?
 そんな事を考えていたが、すぐに顔色が切り替わり――】
「――そ。
 七生はその力がキライなのね」
【いわゆる、コンプレックスというものなんだろうか。
 自分が身体的特徴を言われるのを嫌うように、この少年は異能について言われるのが嫌なのだろう。
 なら触れないに越したことは無い――のだろうけれど】>>東雲、蒼穹


「へえ、銃も使うのね」
【思ったよりも器用だ。
 あの大きな力を持っていても、力任せというわけでもなさそうである。
 その動作一つ一つを、しっかりと記憶して、名前と顔と匂いと。
 面倒なときに接触しないよう気をつけるとしよう、と決めた】>>織一

東雲七生 > 「……いやまあ、うん、俺が悪かった。」

あんな痛々しい蒼穹見たくなかった、とそっと目を伏せて謝罪する。
思いの外深手を負わせたようだ!やったね!

「……ってんなことねえよ!?
 いつ迦具楽とかが奇襲をかけて来るか分からねえから戦々恐々としてるよ!?
 ホント油断するとすぐ嗅ぎつけて来るんだこいつら!」

まるで犬であるかの様な言い草だが事実は事実なので。
それからみるみる顔を赤らめていく。

「ばっ!……誰がお前のなんか!そんな気もねえくせに!
 “そこ”にしか興味が無いわけじゃないですー!他のところは恥ずかしくて言えないだけですー!!」

ていうか完全に勢いで口走っただけなので改めて口にするのは凄い恥かしい。
うー、と自分自身を呪いながら顔の火照りが冷めるのを待って。

「ふんっ、俺一人で頑張ったところでどうにかなるもんでもないだろ。
 ていうか自分ちの掃除くらいしろよな、まったく。」

たまに行って草むしりくらいはしているのだが。
一向に改善される気配が無い。せめて他に信仰者が欲しいと切に思う。

──そして銃声。
音の出元──織一を見て、そして顔面が弾けた女神像を見る。
自分で差し出しておいてなんだかうわー、である。うわー。
そして崩れた顔から僅かに錆びた鉄の──血の臭いが流れ出た。
それを気にするより今は──腕が痛い。

「……痛い痛い痛い。ごめん、ごめんて。ていうか言い切ってないよな俺。
 蒼穹がそうやって解釈しただけで、言ってないよな俺。
 いや何で俺が大きい方が好きだって知って──じゃない、ノーカン。今のノーカン。」

慌てて首を振りながらもどんどん深く穴を掘っていく。無論自分が埋まる墓穴だ。
しかし蒼穹だけでなく、迦具楽の口からも異能の事を続けられれば表情も多少真面目な物に。

「嫌いというか、まあ──どうなの、かな。」

一概に好きだ嫌いだと言いきれない所があるのもまた事実。
特に最近は一方的に毛嫌いするのも何だか違うのでは、と思う様になってきていたので少し考え込んでしまう。

蒼穹 > ちょっともったいない様な…?
(折角見事な彫像だったのだが。
相変わらず第三者視点。
衝撃でひび割れて崩れ去りそうな血液の塊をちらり。
といっても、この女神像を貰ったところであまり嬉しくはないが。
銃とは、意外と使いにくいらしい。ちゃんと当たったように見えたが、
ズレたと本人が言っていたのだからそうなのだろう。)
>織一


そう、残念。
んじゃあまぁ、また会ったらって所かなぁ。
(ささっと体操着に端末を片づける。)
ん?
べつに。ってかかんちがいしないでよね、
べつにしののめくんとわたしはそういうかんけいじゃなんだからね。
(くやしそうなおかお。)

(―――いや、何だか悔しくはないのに勝ち誇られると悔しくなってきた。
まあ、でも良いか。そういうお年頃なのだろう。程々参った参ったと苦笑いで受け流す。)

…貧乳っ。
(ピリっとした殺気に臆する事もない。悪戯にニヤニヤしながら小さく溢した。
彼女が未だに熱を統べるなら、色んな意味で火遊びである。)
>迦具楽


…二人纏めてこの世から消し去って良いですか?
(何故だ。何故此方がダメージを受けている?!連邦の東雲は化け物か?!
いや、化け物はこちらだった。苦し紛れの八つ当たりにイチャイチャしている二人に理不尽な怒りの矛先。)

あれ?違うの。
やれやれ、東雲君の事だからてっきり。
んでも、私がツンデレ、ねぇ。…何?もしかしてそういうの好き?
ツンツンデレデレされたい?
(ニヤニヤと赤くなる顔を見遣りつつ。…ただし、何故かしらたまにこちらも初心さを見せちゃったりするのだが。
この少年は手玉にとれる。というか取ってる。)

あはは、バレたか。
え?何、もしかして本気で揉みたかったり?とか。
いやまぁ、そうだね、実際他のところ言ったらもう笑えないなぁ。
でも他のところにも興味あるんだ、…オトコノコだね。

え?あはは、暫く行ってないからね。
一応拠点だったけど、今はもう帰ってないし。
(そういう事だったらしい。彼の気遣いは気付かれぬままに。)
ま…でも、仲良くしてくれるのは嬉しいさ。
信仰云々置いておいて、ね。
はいはい、その内お掃除するさ。生来掃除には慣れてるからね。
(ひらひらっと手を振って頷く。)
>東雲

織一 > 「……銃はあまり使わんがな、素手で殴る方が速いし楽だ」
今回使ってみたが、正直そこまで好きな武器ではない。
__まあ、「特別製」の赤い銃弾も貰っている以上、使う機会は間違い無く来るのだろう。
あの支援者が無駄なものを渡すとは思えない、戦場で十分に使えるようになるまで鍛えるつもりだ。

女神像はなんとか形を保ってはいたが、数秒してべちゃっと液体に戻った。
女神像の体積と比べて血量が妙に少ないが、そういう能力なのだろうか。

とにかく、今日やりたかったことは全部やれた。
三人の会話を邪魔しちゃ悪いし、さっさと帰ろう。

「……やりたいことはやったから、私は帰る」

ひらひらといちゃつく三人に向けて手を振りながら、演習場から立ち去った。

ご案内:「第一演習場」から織一さんが去りました。
迦具楽 >  
「――ふふんっ」
【貧乳、なんていわれればキレそうなものだが。
 悔しそうな顔を見ていたので、余裕の表情を見せつつ抱きついているところを見せ付ける。
 こちらは勝ち誇った顔だ】
「消し去れるものならどーぞー!
 その時は七生が守ってくれるもん」
【なんていいながらさりげなく盾にするあたり、抜け目ないのだ。
 とはいえ実際、何かあったときは自分が盾になって守るのだろうけれど】>>蒼穹


「言い切られなくてもわかるもん。わかるもん。
 私に反応しないんだから大きいほうがすきなんでしょ」
【急激に子供っぽくなれば、ノーカンといわれても引かないのだ。
 確かに好みは仕方ないけれど、仕方ないけれど】

「……ふうん。
 もし悩んだり考え込んでることがあるなら、いつでも聞くからね?」
【複雑な感情があるのだろう事は、容易に察せられた。
 けれど今、強引に聞き出すようなことじゃないだろうと、つきなみな言葉をかけるだけに留めた】>>東雲


「――ほんとに、器用な人」
【ナイフに銃に、素手でもとくれば。
 それは十分すぎるほどに器用であり、厄介だ。
 きっとそれ以上の手札も持っているのだろう、と心の内で評価をさらに一つ上げて】
「もう帰っちゃうのね。
 おつかれさま。……縁が合ったらまたいましょ」
【去っていく背中にそう声を掛けて。
 立ち去る少年を見送った】>>織一

東雲七生 > 「だから何で俺まで巻き込む!?」

一緒くたに消されてしまっては堪らない。
絶対面倒臭い事になる。絶対だ。それだけは分かる。
そしてイチャイチャしてるつもりもないのだ。腕にコアラ着けてるだけなんだから。

「やめて。ごめんて。ツンデレなんて言って。
 思ったよりキツかったからやめて。」

真顔である。ツンもデレもどっちも勘弁してほしい。割と本気で。
でもまあ、ツンデレ自体は嫌いではない。
事ある毎に可愛がられる身の上としては多少素っ気無くされるのも、って考えて首を振った。

「揉まねえよ!頼まれても揉まねえ!!だったらまだ迦具楽のがマシ!
 ていうかどこの想像してんだよ!顔とか!髪とか!そういうとこの話なの!!」

ぎゃーぎゃー喚いた後に軽く息を吐く。
何だかかなり疲れた気がする。

「まあ、信仰以前に蒼穹はダチだからなあ。」

掃除ちゃんとしろよ、と念を押して頷いた。
と、同時に像が血液へと戻ったのを感じ取って。

「ああ、織一。もう帰るのか。
 お疲れさん!またな!」

手を振られれば手を振り返して。
満面の笑みで立ち去るのを見送ったのだった。

──その一方で。

「守……いや、守るけどさあ!!
 そもそも巻き込むの止めてくんねえかな!俺何した!?」

半分存在してるだけでダウトな気がしなくもないが。
流石にそれを主張するにはちょっと心当たりというかそういうのが割とあって。

「いや、だから、その……
 ──その判断基準は何なんだ!?」

迦具楽に反応しなければ、というのは流石に無理があるんじゃないだろうか。
非情に理不尽な物を感じつつも、取り敢えず今はこの掘り過ぎた墓穴をどうするか、だ。

「あはは、気を使わせたみたいで悪いな。
 まあ悩みってほどでもないし、悩むときはちゃんと話すよ。」

サンキューな、と礼を言って再び迦具楽の頭を撫でようとする。
これでイチャイチャしてないと言われたら世の男子は怒るだろう。
しかし七生からしてみれば、やっぱり手のかかる妹、くらいの認識なのだ。

蒼穹 > お疲れ様ー。
(グラウンドから立ち去って行く赤毛の少年の一人を見送る。
イチャイチャしているのだろうか。
いや、片方はイチャイチャしているがこちらは毛頭…との否定はさておく。
どうにも、愛想はあまりよろしいとは言えない少年だったが、
そもそも演習場なんだし当然だろうか。
それはさておくが、そもそもここにきている半数以上が演習目的ではないとは忌々しき自体…かもしれない。)
>織一


ちぇっ。
まぁいいさ。そうやってか弱い女の子面して彼氏に守ってもらうと良いよ。
どんな防御力だろうと、どんな大きさだろうと纏めて一瞬で消し飛ばしてやる。
…ま、今はしないけど。
(何故か煽られている。こんな子供に。どうやら口八丁ではどうにもならない様子。
ふー、と握った拳に一息。何故か盾にされた東雲が押し出されているが気にしない。
握りを解けば広げた手をぱっぱと振って。
しかし理由もなく勝手に負けたことにされているのが頂けない。
適度に舌打ちして負け惜しみしてから引き下がった。)
>迦具楽


いやまぁ、保護者みたいなもんでしょ?
それに私もあんまり器用に手加減できないからそうやって一緒になってたら纏めて吹き飛ばすしかないかなって!
(過激思考は、破壊神故である。)

キツかったって何さ!!酷くない?!
ああもう、許さない。今度会ったらド突いてやるー。
(ふーふー、とまた拳に息を掛けるのである。
折角人が演じてやったと言うのに、酷い言いようではないか。
いや確かにあれはキツかったと自分でも思うけど。)

迦具楽の揉むのね…。
頼まれても揉まないってそれは病気だと思うな。まぁ頼まないし揉まれたくもないけど。
いやまぁ、その…恥ずかしい所って言ったら…ま、そういう事じゃないかな。
はいはい、顔に髪ね。ふーん、で?黒い髪が好き、と。
(コアラめいた少女をちらり。
いや、べつに好きとかそういうのじゃないと言いそうだが。)

ん、そういう事。
んじゃたまにはお掃除しよっか。
(程々に返事を切り返す。)
>東雲

さて、それじゃ、後は二人でイチャイチャしてな、着替えてくる。
ばいばーい!今度会ったら二人とも覚えてろー。
(恨みごとを一つ残して、更衣室へと向かって行った。
―――が、一旦切り返して。)

…あ、それと。
イチャイチャするのは程々に。いやまぁ、グラウンドだし、公共施設だしね。
別の場所でいちゃつきなよー、それじゃーね。
(謎の忠告めいた言葉を残して。それから再び切り返して、向かって行った。)

ご案内:「第一演習場」から蒼穹さんが去りました。
迦具楽 >  
「……私のがマシ、なんだ」
【ソレがどういう意図だかは、まあ九分九厘アレと比較してという悲しい結果なのだろうけれど。
 それにしたって、流石にそんな宣言されれば少しは顔を赤らめもしてしまう】
「ま、まあ。七生になら別に、何されてもいいけど……」
【なんて余計なことまで口走ってしまうのは、やっぱり動揺したからなのかもしれない】

「あっ、守ってはくれるんだ」
【多少抗議があったものの。
 守ってくれるなんて言われれば、嬉しくなるのは避けられない。
 当たり前のようにそう言ってもらえるのが、きっとこうして――心底好きになってしまった原因なんだろう】
「だってそうじゃない?
 ――そうでしょ?」
【何か今、比較、対比にすらならない、みたいな事を思われた気がする。
 語調が強まるのもしかたない】

「……ん、じゃあその時を待ってる」
【頭を撫でられたら目を細め。
 少しの間その手を、体温を感じ取ってから、名残惜しそうにゆっくりと手を放す】
「それじゃ、私も帰るね。
 蒼穹に言われたからじゃないけど、あんまりこうしてたら、ほんとに嫉妬されちゃいそうだもの」
【欲を言えばもっともっと、それこそ何時までだって甘えていたいけれど。
 まさかそういうわけにも行かないのだ。残念だけども、仕方ないことだ】
「あ、私は今神社にいるの。
 普段は大体あそこにいるから、いつでも会いに来てね。
 ――蒼穹っ、ちょっと待って私も帰るー!」
【一歩二歩と後ろ向きに歩きながら、今の寝床を少年に伝えると振り返り。
 一度戻っては切り返していく蒼穹を追いかけて、グランドから去っていくのでした】

東雲七生 > 「保護者……かなぁ。
 それにしちゃ歳が近すぎるとも思うんだけどさ……。
 って、だからって消し飛ばそうとするな!まとめるな!個別で!」

どうにも適切な表現が七生自身には思いつかない。
兄妹、というのが一番近いとは思ってるが、それも適切かと言われればそうでもなく。
やたら物騒な友人へと反論だけするに留める。今考えてもしょうがない。

「えっと、その……ごめん。」

素直に謝った。でもキツかったものはキツかったんだもの。
一体どのようにしてド突かれるのか若干の不安も残ってしまった。

「それは物の喩えであってだなー!!
 ホントに頼まれたらちょっと考えるかもしれないしー!
 ……もう分かんねえよー!!うわーん!!」

とりあえずこれにて墓穴には蓋をする。
後はもうどうにでもなれ、である。もう墓の中だ。怖くないぞ。
そういえば胸以外の自分の好みとか考えたことも無かった、と思い至る。暇な時にでも考えてみよう、と。

「イチャイチャしてねえし!!イチャイチャしねえよ!?
 ずっと腕に迦具楽着けてただけでイチャイチャって言うな!?
 ああもう、じゃあな蒼穹!!またなー!」

半ば自棄気味に蒼穹へと手を振って。
結局どうしてあいつは体育着だったのだろう、という疑問だけ抱えて見送るだろう。
──心穏やかに見送りたかったのだが。


「だから物の喩えだって言ってんだろー!?
 お前ら揃いも揃ってなんなの!?人類の言語力に追い付けてないのか!?」

迦具楽の動揺したセリフに、こちらにまで動揺が伝播する。
少なくとも、それは、異性の口から聞かされるには刺激が強過ぎる言葉だった。

「いや、そりゃ守るだろ。

 ……って、あれ?おーい、迦具楽ー。
 やだなー、顔が怖いぞー……いや、はい。」

とりあえず素直に非を認めた方が良さそうだ。
そんな事を確信して、静かに肯いた。

「ああ、神社だな。
 ちょうどランニングの折り返し地点だし、たまに様子見に行くよ。
 別にトトの事なら、あいつも分かってるだろうし、遠慮すんなって。たぶん、あいつもそれは望むところだと思うし。」

ははっ、と何故だか愉快そうに笑った。
一対一よりは混戦の方が面白いだろう、と勝手な考えだが。

「じゃあな迦具楽。風邪ひくなよ!」

そんな風に笑ったまま、大きく手を振って蒼穹を追う背を見送るだろう。

ご案内:「第一演習場」から迦具楽さんが去りました。
東雲七生 > 「……。」

三人がそれぞれ去って一人残ったグラウンドで。
七生は一度息を吐いて、それから大きく伸びをした。

「……いや、大きい方が好きなのはしょうがないじゃん…。」

そんな事を小さく小さく呟いてから、『それ以外』の好みについて考える帰路についたのだった。


グラウンドに残された血の跡は、朝になるまでにはすっかり消えてしまう事だろう

ご案内:「第一演習場」から東雲七生さんが去りました。