2016/05/03 のログ
悠樹臨助 > 「ん?」
誰もいないと思ったが、どうやら先客が既にいたみたいだ。
取り敢えず軽く会釈する。
今声をかけてきた彼女は、向こうにあるシャワー室にでもいたのだろう。遠くからでも目立つ長い髪がやや多めに光を照りかえしてる。運動後のシャワーだろうから、活発な人であろうことが予測される。
……そうだな、この人に訓練の相手を頼んでみようか。
声をかけてみよう。そう思い俺は彼女の方へ歩き出した。

伊都波 凛霞 > 軽い会釈が帰ってきた
多分同じぐらいの年だろうに、真面目な子なのかな?
とかそんなことを思いつつ、自販機でお茶のペットボトルを買って、近くのベンチに腰をかける
髪が汚れないようにくるりとタオルに巻き込んで肩にかけて、
開けたペットボトルに口をつけるとごくごくと喉を鳴らしてお茶を飲む
運動の後のシャワー、そしてシャワーの後の、水分補給

「くはぁー!この一杯のために生きてるよねー!!」

などとのたまいながら心地よさに包まれる
ふと、先ほどの人影のほうに視線をやればこちらに向けて歩いてきていた
やっほー、と言わんばかりに片手をひらひらと振ってみる

悠樹臨助 > 「こんばんは。唐突だけど、あんた今時間空いてるか?」
振られた手のひらに返しながら率直に話を切り出す。
美味しそうに渋いもん飲むんだな、とか、どうでもいいことを思った。
見た目の年齢は、取り敢えず自分と歳はそう変わらなさそうだ。近くでみるとやはり長い黒髪も目立つが…………あれだ、何とは言わないがちょっとアレが目を惹く大きさだ。ありがたいやら残念やら、わかりやすく興奮する事は心中でも無いが。

伊都波 凛霞 > 「ん?私?」

唐突な言葉に首を傾げつつ、自分を指差す
はて、何だろう。と思いつつ

「えっと、まぁ1、2時間くらいなら大丈夫かな?」

備え付けの時計を見ながらそう応える
たぶん妹もまだ学校から帰らないだろうし、夕方の稽古までには余裕があるはずだ

悠樹臨助 > 「そうか。俺は悠木臨助。良かったら俺と実戦訓練をしてくれないか。フルコンタクトじゃなくて寸止めで。異能の訓練がしたい。」
手短に要件と形式、目的を告げる。
長々と突き合せるつもりは無いが、どうも彼女にもいずれ差し迫る時間があるらしいことを覚えておく。

伊都波 凛霞 > 「ほー、それはご丁寧にどうもどうも。
 あ、私は伊都波、伊都波 凛霞、好きなように呼んで♪
 あっ、でも妹も同じ学校だから苗字呼びだと紛らわしいような…まいっか!」

ぱたたたとまくしたてるような言葉の後、よっこら、とベンチから立つ
ぱんぱんとショートパンツのお尻をはたいて、ようやく乾いた髪をタオルから解き放ち、ポニーテールに手早く纏める

「要するに寸止めの組手ってコト?
 女の子に頼むようなコトじゃないね~、それとも私が空手か何かやってるように見えた?」

組手が異能の稽古になるのかなぁ?と思いつつも、
くすっと笑みを浮かべて、臨助の目をまっすぐにじぃっと見る

悠樹臨助 > 「……ああ、言われてみればあんた、軸が全然ブレ無いな。」
なにがしかの武術を身につけてるのだろう。呼吸だって乱れてる気配は無い。
異能だけでなく身体能力も申し分なさそうだ。
「…でも、まぁ。ここで女だとか男だとか、あんまり関係無いと思う。女だって強いのはべらぼうに強い。筋力の強さだけがフィジカルの強さじゃないと思うし、平均的な総合力はあんまり差は無いように思うが…。まぁ、伊都波…上。良かったらでいいんだ。」
伊都波上、姉だから上だ。

伊都波 凛霞 > 「おやお見通し…ちょっと動いただけなのにな~。
 …キミみたいな手練は結構いるのかなー?この学校」

一年生の間は異能の開花を目的としたコースにいたため、
あまり学内での交流が多くなかった
相手の身体能力や染み付いた体の移動…一目で見切るには難しい
もしくはそういう異能でしょう、なんでもありだしね、異能
内心そう思いつつ、運動の後だから体は解れている
まぁ、行ける。という状態だ

「よろしい!少しだけ胸を貸してあげようじゃないか臨助くん!
 あと上っていうの、ちょっとおもしろいね」

ぷすすーっと吹き出すようなアクションをしつつ、どうやら承諾らしかった

悠樹臨助 > 「手練れは多いだろうが、俺がそうってわけじゃない。ただちょっとあんたみたいな強そうな人を見る機会が多かっただけだ。
…それで、承諾してくれるか。悪いな、伊都波上…は、なんだ、変なのか。じゃあ凛霞」

伊都波 凛霞 > 「あっはは、別にいいけどね。ただそんな風に呼ばれたのが初めてだっただけー」

からからとよく笑う、ただまぁ、気は引き締めないといけない
ふぅーっと深呼吸して、耐性を作る

「それじゃえーと、私此処ランニングくらいにしかまだ使ったことないんだよね
 どこか武道場みたいな場所あるのかな。床が固くないトコ」

えーっと、と言いながら壁の案内マップを見る、柔道場が一応あるらしかった
そこならきっと十分だろう

「ん、あるみたい。行こっか」

にこっと微笑んで、先導するように柔道場へ向かう

柔道場につけば、念のためストレッチをして、大きく伸び

「おっけー、いつでもいいよー!」

両手を太腿の前に下げたような、体を横に開いた構え
一部の、古流の柔術に見られる構えであることが"知識があれば"伝わるかもしれない

悠樹臨助 > 「……合気か?」
あるいは柔道かもしれないが、なんにせよよくわからない。特に詳しいわけじゃない。日本の警察とかなら柔道は習うのだろうが俺がいたのは日本のそういう組織じゃないしな。
相手が構えると同時に、こちらも構える。
躰道という、比較的近代の和式軍隊格闘術で、立体的な戦闘を旨としている武道の構えだ。
…と、構えてから、気がつく。
「別に何も問題はないんだが、異能の訓練を頼んだのに、何故体術の構えをとってるんだ?」

伊都波 凛霞 > 「ん?キミがフルコンじゃなくて寸止めでーって言ったんじゃんー。
 その時点で、キミの戦型のベースが直接打撃の何かってことくらい理解るよ」

ふふんっと不敵に微笑んで見せる
それに加えて、先ほどの洞察力もそういった道に通じた人間のそれ
100%というほどではないものの、確信に近いものをもって臨んだ

「あとまぁ、キミの異能の説明みたいなのもなかったしー?
 そうなると大体格闘術系がベースなら、身体能力のブーストか何かなのかな、ってかんじ。
 アタリ?違う?」

当たってたら褒めてよねーっとニコニコ笑顔

悠樹臨助 > 「満点じゃ無いけど当たってるよ。この場合は半分褒めればいいのか…ん、半分褒めるってどうすれば…」
どうすればいいんだ?
どうもしなくていい気がするが。
まぁそれはそれとして
「それと、寸止めって言い方は確かに誤解を招くかもな。まぁなんて言ったらいいかわかんないし」

踵に重心を載せる。
既に、いつだって火蓋は切られる。

「さっそく、答え合わせを始めようぜ」

伊都波 凛霞 > おや、どうやら当たらずともといったところらしい
メジャーな線で予想をしたつもりだっただけに少し意外そうな顔をする

「寸止めは寸止め、当てるフリってトコじゃないの?
 寸止めだー!死ねー!!ってガチで殴ってきたら怒るけどね!」

ふふっと笑みを返して、スッと重心を正中線に据える

「いつでもどうぞ。臨助クン」

悠樹臨助 > 「ああ、挑ませてもらう。」
息を静かに吐いて
「シッ…………!!」
重さを力に。踵を着火点に推進力を爆発させ、踏み込み、間合いを詰めにかかる。

伊都波 凛霞 > 「!」

鋭い
そう感じた踏み込み

「(もしかして、下が畳で良かったかも?)」

地面ほど固くない故に多少の力を吸収する畳
瞬発的、特に地を蹴ってバネを使った移動は僅かだがその切り口が鈍るというもの

まもなく距離が詰まる、そう感じると同時に向かい風に押されるように、音もなく後ろへと退がる
元々たっていた位置、そこからの攻撃では僅かにリーチが足りない
相手の体格から判断した絶妙な距離を取る

これで相手は攻撃のタイミングを外されるか、空振りをするか。
追い縋ったとしても勢いは僅かに落ちる
そんな、防御に重きを置いた戦型の見本のような動きを見せる

悠樹臨助 > 「ーーッシャァアッ!」
俺は跳ねた状態…中空で加速した。足の裏から魔力を放出して。迫る速度を途中で上げ、対応の遅れを誘うのが目的だ。これが異能と呼べるかどうかはわからない。本来これは魔術かもしれないが…魔術として形にすらならない力の塊を打ち出す、それを俺は異能としてる。

俺が加速する前に凛霞は下がっていた。音もなく、気がついたら下がっているように見えた。やはり手練れだ。
この距離ならギリギリで対応される瀬戸際かもしれないと、覚悟しておく。

伊都波 凛霞 > 「──加速ッ!?」

あららそうきたか、と頬に一筋汗が伝う
此処は異能学園都市、常世
超能力・魔術・なんでもありな世界だ
何が来ても対応できるようにとは思っていたが、さすがに不意を突かれる

「(宙空での加速が可能なら間合いをとっても勢いは衰えない…。
  んんん…出たとこ勝負するっきゃないか!)」

寸止めルールということであればそこまで気を張る必要もないのだが、
そこはそれ、根っこ部分の負けず嫌いな気性が災いする

「──せいっ!!」

繰り出したのは、迎撃する水平の手刀
空中で加速がかのうならば方向転換もできるはず。広範囲を牽制できる選択肢は比較的安全牌だ
……変な動きして当たっちゃわないでよ、と思いつつ、左腕を振るう

悠樹臨助 > 「転躰の壱ーー」
世にあるもの、それは出来るだけ、可能な限り無限に落ちようとする。加速しようとその重力には逆らえない。だが自分で跳んだ分には自分で着地すればいい。まもなく体は地に着く。
そしてその時、あるいはその時までに正確無比な手刀が自分を負かすだろう。だからその前にさらに体を低くする。
…足から床に着かず、倒れるように、手で着いた。
そしてその手でそのまま飛び込むように前転する。というか、そう、マット運動の飛び込み前転のそれそのものだ。
低くした体で懐に入り…
「ーー閃突、転!」
回転で勢いをつけた手を、突き出す…!

伊都波 凛霞 > 「(! 落ちたっ)」

更なる加速をしてくると思いきやそのまま更に低い姿勢、そしてそこからの前転
これじゃ勢いが死ぬどころか遠心力までもが乗る

──が、牽制の手刀を振ったのは左腕
自分の体は相手を向いて"開いて"いる

「甘っまぁーいッ!!」

フリーの右腕と、よく慣らされた動体視力はしっかりとその突きを捉え、
まるで銃弾が柳の一葉に軌道を逸らされるが如く

攻撃の勢いをそのままに軌道を反らし、同時に臨助の持つ回転エネルギーを更に加速させるべく、
下のベクトルへ力を転換させる

つまりは…更に回転が加速して別の方向へ吹っ飛ぶ

「(何ら対策を返してこなければ──ねっ!!)」

悠樹臨助 > 「ぐっ………!」
正直決まったと思っていた。ゆえにここから先に弄した策などなく。自分の力で自分をより遠くへ追いやることになってしまった。
受け身をとって立ち上がりすかさず構える。
受け身が完全でなかったのか、やや肘関節が痛み、少しだけ動きにくくなってるのを感じる。
「あんた、この動き予測できてたのか?まさか見てから動いたのか?」

伊都波 凛霞 > 臨助の質問が終わる前に、まるで遮るように凛霞の声が道場に響く

「びっくしたぁ!!あんな隙のつきかた武術じゃまず見ないよ!
 何、アドリブ!?それとももしかして私の行動全部読んでの織り込み済みとか!?
 私の知ってる稽古場じゃあんな動き誰もしないからすっごい驚いた!!!!」

と、まくしたてて…ハッとした表情に戻る

「え、えっと…予測してたわけじゃなくてね。
 一応虚を突かれた時のために気だけ払っておいたから、見てから動いたことになるのかな…?
 完全に不意は突かれちゃったけどね、あはは」

まるでさっきの自分を笑うような、照れ隠し

悠樹臨助 > 「あ、お、…おう…そうだったのか…懐に入れたら用意さえあれば対処できるか…あんた何年何時間鍛錬してきたんだ、その歳で師範代か?」
突然大きな声を出されたから若干びっくりした。
元気と勢いのいいキレのある奴だなこの人。
「……俺もあんたとだいたい同じだよ。まっすぐ突っ込んできた時にどう迎撃するかで多少アドリブするが、打点が高いか低いかで変えただけだ。雑なもんだよ。あんたみたく、綺麗で完成した武じゃない」
卑屈なワケでもなんでもなく、実際使えればそれでいい程度にしか思ってないから、雑だし、綺麗でも完成されてもいない。
さっき勢いよくまくしたてたとは打って変わって照れた顔する凛霞に向かって思った事実を告げた。そんな顔もするのか、本当に元気のある人だ。

伊都波 凛霞 > 「ンン、多分それぐらいの腕はあると自負はしてるつもりですことよ」

師範代と言われ咳払い一つ、偉ぶった雰囲気はないが、自分を過小評価するつもりもないようだ

「なるほど…でも綺麗だけで勝てれば苦労しなかったりするよね。
 逆に私みたいなのに必要なのはキミみたいな発想とラフさなのかもしれないなぁ…。あ」

そこまで言うとすっかり構えを解いて、
道場の隅にあった自分のバッグを抱えに走ると、今度は臨助に走り寄っていく

「腕見せて。私も咄嗟だったから、多分痛めちゃったよね?
 冷やしておけばそこまで長引かないと思うから…」

バッグから冷却スプレーを出しつつ、そう切りだすのだった
一つの攻防だったが、きっと互いに得るものは大きかったかもしれない
これ以上無理をして続けるようなものではないと思っているようだ

悠樹臨助 > 「ま、手段選ばなくてもああ鮮やかに決められたら負けだしどうしようもない。俺は術理がたりないな」
こちらも構えを解いた。

冷却材をもってきて処置しようとする貴女に対し
「あ?いや、大丈夫だから…っつ……」
早速こんな調子では大丈夫に信憑性などない。
「……悪いな。」

伊都波 凛霞 > 「ごめんねー、私も負けず嫌いなもんだから」

精神修行足んないよねー、と苦笑しつつ
臨助の肘の様子を見る
筋が伸びて痛むだけだろうと少しほっとしつつ、スプレーで冷却する

「その場しのぎだから、帰ったらちゃんと氷嚢か何かで冷やすこと、いい?」

簡単といえば簡単な処置である。手早く終えて、ふぅと一息

「実戦のための組打ち、それで怪我しちゃったらどうしようもないしね。
 謝らなきゃいけないのは私の方。
 あっ、でもでもキミの攻撃の鋭さがほんと凄かったからだよ?
 普通あんなに飛ばないんだから!」

状況が1つ間違えば対応できなかっただろうなぁ、と内心思い少しぐぬぬってなる
今後の課題として一つこちらも出来上がったようだ

ふと、バッグの中から軽快なメロディが流れる
慌てて携帯を取り出すと、げっという顔をする凛霞

「わったー、妹からだ!もう学校終わったのねー。
 ごめん臨助くん!今度また付き合うから今日はここまで、またね!」

なんだか慌ただしくばたばたと帰り支度を整え、道場を出そうになる時にパッと振り返って

「また今度付き合うから!ちゃんと腕冷やしなさいよー、じゃあね!!」

そう言ってまるで嵐のように、伊都波凛霞は走り去っていくのだった──

悠樹臨助 > 「俺が頼んだことだ、何も悪くないだろ。」
その上応急処置までしてもらったワケだしな。
「……ああ、冷やしとくよ。今日は付き合ってもらって悪…」
悪かった、と言おうとしたが。
悪かった、というのは、まるで今日の組討ちが悪だったかのようだ。
なんだかそれは、相手にも失礼なような気がして
「……相手してくれて、ありがとう。あぁ
また付き合ってくれ。」
嵐のように去る様は本当、技の静謐さと正反対だなと思いつつ、急ぐ彼女を見送った。

ご案内:「訓練施設」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から悠樹臨助さんが去りました。
ご案内:「演習施設」にメグミさんが現れました。
メグミ >  
 炸裂音。
 閃光。
 静寂。

「……ううん。また、失敗ですか。」

 ……演習施設の一角。
 砂を被った白い魔法陣と、前でため息をつく少女。
 頬に手を当て、憂鬱そうな色を浮かべる。

メグミ >  試しているものは新型の召喚式。
 従来の召喚とは一線を画す予定だが、どうにも難航している。

「このような召喚は分野外でしたけれど……」

 それを加えても上手く行かない。
 今までも難航する事が無かったとは言わないが、ある程度は目途を立てる事が出来た。
 
 今回は、それがない。

メグミ > (召喚のジャンルは、自信があったんですけどね。)
 
 再度、大きなため息。
 とは言え、凹んでいても埒が明かない。休憩室にでも行って、何か飲み物を頂戴することに決めた。

(そういえばミックスオレが夏物に変わる頃ですね……マンゴーやパインです。)

 そうと決まれば、魔法陣等をそのままに足を進める。

メグミ >  ……場面は少し切り替わり、休憩室にて。
 
 湯気の立つ紙カップを両手で支えながら、ちびちびと啜るメグミの姿。
 一口それに口を付けるたび、小首を傾げる。

「……どうしてホットで出てきたのでしょう。」

ご案内:「演習施設」に倉来 灯さんが現れました。
倉来 灯 > 「……まさかの先客」

誰もいないと思っていたから油断した。
やばい、私服でくるんじゃなかった……せめて学校指定のジャージにしておけば!!
などと考えたがいまさらどうしようもなし。
とりあえず、集中力を高める為に何か飲もう。

お金を入れて。
飲みやすそうなドリンクを……

倉来 灯 > 「うっわ……ホットが出てきた」
メグミ >   
 尚、学生ならば装いに風紀委員の意匠を伺う事が出来るかもしれない。
 ……今の所は、思索に耽りながら暖かいミックスオレを飲んでいる。
 
 時折難しそうな表情を浮かべるものの、基本的には気の抜けた表情だ。

「……あらら。やっぱり一部がホットのままなんですね……。」

 漏れ出た私服の少女の言葉に、特に考えず声を掛ける。

倉来 灯 > がっくり来て、声をかけられた時に見てしまった。
……風紀委員。

いや待て、落ち着け。
前科があるわけじゃないし、今のメイクはナチュラルだ。大丈夫。
私服は地味だし。
派手なの高いし。

「故障ですかねえ、困りますよねー もうだいぶ暖かいのに」

メグミ >  
「と言っても暦の上ではまだ春ですから……でしたっけ?」

 のほほん、と、暢気に声を転がす。
 それなりに服装等は視界に入れているのだろうが、今のところは言及する素振りは見えない。

「暖かい設定のまま表示だけ冷たいのに変えてしまったのだと思いますけれど……ほら、急に暑くなりましたし。」
 

倉来 灯 > 「あー 確かにそうかもしれませんね。
 故障じゃないとしたら業者のミスですか……連絡しておいた方がいいのかな」

とりあえず、これ以上の被害者がでないようにメモを貼り付けておこう。

『注意!ホットがでます ☆ミ』

メグミ > 「それが良いかもしれません。
 既に職員か生活委員が手を打っているかもしれませんが……」

 自販機にメモが張られたことを認めた辺りでドリンクを飲み干す。
 空になったカップをごみ箱に転がして入れた。

「貴方も、訓練に?」

倉来 灯 > 「私達だけが、悪戯に引っかかったみたいで少しだけ悔しいですけどね」

笑いながら、そう言って番号を控えておく。
それほど急ぐ必要もないだろうし。
さて、ホットなドリンクをどうしようか悩む。

「ええ、私 異能の使い方がちょっと下手で。
 異能に限らず、手先以外は色々と下手なんですけど」

ポケットから縦縞のハンカチを取り出して見せる。

メグミ > 「そういうこともありますから。仕方がないです。
 逆に、チョコレートの箱の中に飴玉が入ってたような、レアな現象に立ち会えたって喜んでもいいかもしれません」

 くすくすと笑ってみせてから、ハンカチに視線を移す。
 委員柄か、性格柄か、気を払って観察しており、暢気な様子は失せている。 

「縦縞のハンカチですね。」

 目星を付ければ、そう評した。

倉来 灯 > 「ええ、種も仕掛けも無いごく普通のハンカチです」

両手で端をもってヒラヒラとしてみせた。
確認が終わったかな というタイミングで言葉を続ける。

「いきますよー 見逃さないでくださいねー 3・2・1!」

カウントが終わるのと同時に、縦縞のハンカチは横縞のハンカチになった。

メグミ >  
 見逃すな、と言われたので見逃さない様に注意を払う。
 とは言え観察力はあれど動体視力は特筆する程もない。
 
 故に、いつの間にか変わっていた。
 彼女からすればそうであった。

「異能の原理は分かりませんが、形を変える。あるいは色を変えるものでしょうか?
 下手、と評せるようなおかしさは一見すればありませんでしたけれど……」

 頬に手を当てて、考え込む仕草。

倉来 灯 > 「規模がまだまだ小さいですし、長時間は無理なんですよ。ハンカチ程度が精一杯なんです。
 ある意味で色を変える……のかなー?
 光の屈折率を操作できるんです」

ウィンクして、ハンカチから赤いボールを取り出した。
全部で三つ。
お手玉のように弄びながら、手元を通過するたびに玉の色が変化する。

メグミ > 「光の屈折……ええと……」

 理屈は分からなくもない。
 とは言え、先にある知識が霊や神秘的なものである故に、脳内の変換に少々の時間を掛けて再解釈を掛けた。

「限定的に見えて幅の広い権能と申しましょうか。面白い異能ですね。
 ……そう言えば、最近、何よりも黒い黒の塗料が実用化されたとか伺いましたけれど。
 いえ、それそのものの起こりは半世紀前にはあったみたいですが……ああいうのも屈折によるものなんでしたっけ。」

 はてと思案する。屈折だったような、別のものだったような。

倉来 灯 > 「色は光の波長と反射ですから、近いような違うような……微妙なところかもしれないですね。
 もっと練習したらできるのかも。
 今の私は メガネや虫眼鏡のすごい版 程度のことしかできません」

苦笑しながら、弄んでいたボールを消していく。

「あたなもって、事はやっぱり何かの訓練ですか?
 魔術系に見えますけれど」

メグミ > 「なるほど、そうでしたか。色にも色々あるんですね。」

 少し、部屋の温度が下がった気がする。
 色で評せば、青が掛かるような。

「あ、消す事も出来るんですね。いえ、見えなくしただけでしょうか……と、ええ。ちょっと行き詰ってまして。
 こう見えても召喚術全般を取り扱うのですが、新しい召喚術の開発に行き詰ってまして。」

 軽く苦笑を浮かべ、重い調子を取り払って打ち明けた。
 重くするものでもない、と。

倉来 灯 > 「あ、いえ……そっちは手品です。
 動いてるものはまだ無理なんですよー。すぐに範囲から出ちゃって」

消したように見せて握りこんでいた玉を手のひらに転がす。

「召喚術……私、魔術関係の単位とってないんでトンチンカンな事を言うかもしれないですけど。

 新しい事を覚えるのって難しいし、大変なんですよね。
 私、部活動でまったくやったことのない事やってるんですけど教われるような人がいなくて。
 もう何から手をつけていいやらーーーってレベルで」

たはは と苦笑が強くなる。

「基本に立ち返ろうにも基本がわからない状態で。
 ええと、その」

ちょっとだけ思案顔。

「基本から変えようとしてる術なら、いきなり出来る方がおかしいんじゃないかって。
 変な癖がつくような技術じゃないだろうし、焦って結果を求めなくてもいいんじゃないかなぁって」