2016/05/09 のログ
■陽実 凛 > 「ろれつ、ろれつが大変ですよっ!」
これはいけない、と足を踏ん張り、なんとか短刀を回収してからたどり着こうと足を進めて。
「わかりました、お大事にですっ。
模擬戦、お疲れ様でしたー。」
立ち上がって歩いていく、彼女の様子をみて。ちょっと後から歩けないようになってないか追ってみた方がいいのかも、と足の痛みが引いてから、訓練場を後にするのでした。
ご案内:「訓練施設」から陽実 凛さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
響くような頭痛、体の重さが抜けない。
少しでも精神集中すれば落ち着くかと思い、結局ここにきてしまう。
「これも……剣士の性か……」
刀を握り、振るった方が気楽なのは、もはや職業病か。
静かな演習場に立ち入り、刀を携えたまま精神統一。
静かに静かに、自分と世界を一体化させ、明鏡止水の境地へと至っていく。
ご案内:「訓練施設」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 「(あれ、先客かな…?)」
この時間には珍しいなと、訓練施設の入り口から、少年の姿を見る
刀を構えたその姿に、呑まれるようなものを感じる
「(…凄いな、あの人。私とそんなに年も変わらないっぽいのに)」
先日遭遇した落第街の剣豪とはまるで真逆
精神修行の境地に近い領域、それを感じさせる
なんとなく、その場から動くのも忘れて見入ってしまう
■寄月 秋輝 >
目を開くと、世界が変わって見える。
自分の悩みなど、広大な世界の中では小さなものだと気付かされる。
だが。
「……っ!」
針で刺したような痛みが頭を駆け抜ける。
それで自分自身が納得できるほども、大人にはなれない。
一瞬で集中しきった世界とのつながりは霧散し、頭を抑えてその場に片膝をつく。
入り口から来た少女の気配に気付けないほどに、その集中力はかけていた。
■伊都波 凛霞 > 「えっ…」
張り詰めていた空気が弾けるように、糸が千切れるようにして静寂が破られる
「ちょっとキミ、大丈夫!?」
慌てて膝をついた少年に駆け寄り、その体を支えようとする
一体何があったのか、傍目から見ていただけではわからないが───
■寄月 秋輝 >
「な……!?」
何の抵抗も無く支えられる。
その体は少し弛緩してはいるが、鉄板のように鍛えこまれているだろう。
そこまでの接近に気付かなかった自分の状態に気付き、少々危機感を覚えた。
まさかこんなにも重いトラウマになっているとは。
「は、はい……大丈夫です。
ちょっと頭痛が……」
少しだけ自分より背の高いその女性に応える。
一つだけ調息のための深呼吸、そうしたら今度はちゃんと二の足でその場に立ってみせた。
「すみません、ご心配をおかけしてしまったようで……」
■伊都波 凛霞 > 触れることで、彼の体が"異常"なものであることに気づく
並の鍛え込みでこんな風にならないことは、古武術を修める凛霞ならばよく理解る
先程の構えの姿も然り、こんな年齢で一体どれほどの……
「無理しないで…大丈夫、落ち着くまでちゃんと座って?」
その背を撫でるようにして、その場に座るように促す
応対を見れば、発作的な頭痛であったことがわかる、が…そこはそれ
「いきなり崩れ落ちるからびっくりしちゃった。
私こそごめんねー覗き見しちゃって…体調が悪いなら大人しく休まないとダメだよ?」
そう言って覗きこむ顔つきは、表情と雰囲気にこそ大きな差があれど、少年が公園で出会った少女に酷似している
■寄月 秋輝 >
座るように促され、なんとなくその好意を無碍には出来ず、大人しく座る。
ただし正座で。
「すみません、お見苦しいところを……
体調が悪いわけではないんです……少し、嫌なことを思い出して……」
そこで改めて相手を見て。
くっ、と喉を詰まらせるような音。
呼吸を忘れる程度に、思うところがあったか。
「……っ、ええい!」
ばしん!と大きな音を立てて、両の頬を手で叩く。
ひりひり痛む、頬が少し赤くなる。
少し似ている、程度で彼女に……それにあの時あった少女に見間違うなどと、ずいぶんと気が緩んでしまったものだ、と自嘲する。
■伊都波 凛霞 > 「嫌なこと…?」
個人のことに踏み込むのもどうか、とは思ったけれど
ただ思い出しただけで立っていられないほどの頭痛が起こるなんて
思わずそう口に出してしまってハッとする
「あっ、えっと別に詮索しようとかっていうんじゃなくって、ひゃあ!?」
唐突に自分の頬を張った少年にさすがに驚く
「だ、大丈夫…?落ち着け、落ち着くんだ、どうどう…」
■寄月 秋輝 >
「……失礼しました」
頬の痛みで多少落ち着きを取り戻したか、なんとか声が静かなものに戻った。
「……そんなところです。
昔恋人を失くしてしまったことを強く思い出してしまって……
少し落ち着くためにここに来たんですが……どうもまだ精神修養が足りないようです」
ふー、と音を立てて息を吐き出す。
今はなんとか落ち着いたようだ。
「本当に驚かせてしまってすみません。
もう大丈夫です」
その言葉はしっかりしていた。
■伊都波 凛霞 > 「…っ…そう、なんだ……。辛いね…」
思わず言葉に詰まる
見た目には年もそれほど違わないだろうに、
昔といっても比較的最近なのではないか
そんなもの、精神修行なんかでどうにかなるような感情ではないだろうと思う
否、それはおそらく口実で、
こうやってストイックに何かに打ち込むことで忘れようとしているのかもしれない
…自分の顔がそれを阻害したとは、流石に気づけないが
「良かった、でも無茶はダメだよ?
剣士…みたいだし、扱うものがものだから、怪我しちゃう」
■寄月 秋輝 >
「……ってああもう!
本当にすみません、初対面の方にこんな話をしてしまって」
また申し訳なさげに頭を下げる。
他人に話して同情してもらおうとでもいうのだろうか、その感情が甘いのだと自分に言い聞かせる。
そうでなくても初対面の相手に離すようなことではないのだから。
「大丈夫です、人生の大半で触れてきたものですから、これも体の一部のようなものです。
今更これで自分の体を傷付けるようなことはありませんよ」
そう呟いて、鞘と柄を握り、少しだけ刀身を見せる。
美しい白銀の刃は驚くほど澄んでいる。
体の一部という言葉通り、十全な手入れを行っている証拠だろう。
■伊都波 凛霞 > 「ん、私の方こそごめんね。無遠慮に触れちゃった」
苦笑する
こんな短時間に何度も謝られたのは初めてだ
「そうだね。さっきの見てたら、なんとなく理解るよ。
でも余計なお節介かもしれないけど…自分の体だって自分を裏切る時はあるから、ね。
ついさっき、キミに歯向かったココみたくね」
つん、と軽く少年の頭を指でつっつく
「気負いすぎるのも、自分に厳しくするのも程々にしないと、
そういうのって凄く重いから、潰されなくってもすっごく疲れちゃうよ?」
■寄月 秋輝 >
「……そうですね。その通りです。
もっともこっちは、自分に対する戒めのものかもしれませんが」
頭をつつかれ、苦笑しながら答える。
体の一部と言い放った刀が牙を剥く前に、再び鞘に納めた。
「そんなに厳しくしているつもりはないんですけれどね。
いつの間にか、自分を許せないことが増えてしまいました」
首を傾けると、ゴキン、バキンと音が鳴った。
今度こそ立ち上がり、ぐるりと肩を回す。
「ここを使う予定でしたか?
だとしたら邪魔してしまいましたね」
■伊都波 凛霞 > 「自分に対しての戒め~とか言ってる時点で十分自分に厳しいと思うけど~?」
くすくすと笑う
ある意味ではそれは彼が強い人間であることを意味している
人間誰しも、自分以外に責を求めてしまうものだから
「なんかキミを見てると、話を聞かなくても色々あったんだろうな、ってわかるよ。
無関係な私だと何言っても無責任になっちゃうから、難だけど。
あんまり思いつめないほうがいいよ。まだ若いんだから!」
私とそう変わらないでしょ?と笑顔を向けて
どうやらもう大丈夫そうだ
「うん、ちょっと汗でも流そうかなと思って。
別に全然邪魔なんかにはならないから気にしなくていいよ~」
■寄月 秋輝 >
「そんなことはありませんよ。
多くの人々とそう変わらない、いたって普通の人生です。
この世界に飛ばされてきた以外は、ですが。」
苦笑がまだ続く。
こんな見え見えの嘘を吐いたところで、この子にはすぐに気付かれてしまうだろう。
「……少しだけ、見学させてもらっても?」
興味を持った様子で、少し離れる。
そちらをじっと眺めている。
■伊都波 凛霞 > 「ないないそれはナイ!いやー普通の人生でありたい、っていうのはわかるけどね!」
苦笑に対してあははと明るく笑って返す
「でも、ま。大なり小なり…皆何かしらあるもんだよね」
本人にとって、重要なこと。それは大小も軽重も関係ないのかもしれない
「えー?男の子に見られてるとか緊張しちゃうなぁ~」
引き続き、何が楽しいのかあははと笑いながらいそいそ中央へ陣取って
ホントはこの少年が万全なら実戦形式の相手をお願いするのもいいかな、
なんて思っていたのだけど、先程の様子を見ては無理はさせられない
「さて…」
制服の袖口から鋼鉄の棒のようなものが現れる
トンファー、最近護身用に持ち歩くよう父から賜ったものだ
そして踊るような演舞が始まる
見えない仮想敵を置いた、受け、攻めの応酬
長い黒髪が靡くように美しく弧を描き、
しなやかな四肢が流れるように軌跡を残す。それはとても画になるものだった
ただし制服姿故に若干危うい。
スパッツ?そんなものはつけてないよ
■寄月 秋輝 >
「そう、誰でも何かしらの悩みや苦しみがあると思っていますから。
それでいいんですよ」
くす、と小さく笑った。
少女の人柄か、少しだけ感情を引き出される気がする。
そこからの演舞を、やはり静かに見つめる。
あと一歩で明鏡止水へと至るほどに集中し、まっすぐに見つめる。
しなやかに振るわれるそのトンファー、手足。
見惚れるかのように、同時にまるで自分がその技術をどうするかを盗むかのように、恐ろしいほどの集中力と眼光を向ける。
下着が見えたりもするが、ほとんど気にしていない。
後で思い出して悶々とするかもしれないが、今は問題なさそうだ。
■伊都波 凛霞 > 「──ふぅっ」
しっかりと集中して見据えていれば、少女に対峙する姿なき剣士の姿が見えたかもしれない
見えざる剣士の一閃を舞うように掻い潜り、いなし、突きを、蹴りを
時にはトンファーを回転させての打ち上げから鋭い一撃を叩きこむような様
トドメの一蹴、とばかりに繰り出された足先蹴りからのサマーソルトが美しく決まれば、演舞は終了する
「……ま、まぁこんなとこで!」
すっごい真面目な視線を感じていたせいだろう、少しだ照れくさそうな笑顔を少年に向けた
大きな動きを連続して行っていたのもあり、僅かに汗ばんだ肌がきらきらと光る
コンパクトに纏まらない、本来の古流武術の静の佇まいと真逆の、動の演舞
トンファーという武器の特性を大きく活かした内容であった
■寄月 秋輝 >
強い女性は多かった。
自分に刀の応用を叩き込んだのも女性だったし、自分が最後まで勝てなかった同い年の子も女の子だった。
どうもこの世界に来てもそれは変わらないらしい。
自分と歳の変わらないであろう子が、これほどまで見事な乱舞を見せていたのでは、鍛えこんできた自分の立場が無いというものだ。
「……お見事、と申し上げるほかありませんね。
素晴らしい動きでした」
刀を器用に床にまっすぐ立て、ぱちぱちと拍手する。
自分ではあそこまでしなやかに、かつ全身を武器とする動きは難しいだろう。
■伊都波 凛霞 > 「いやー、私も子供の頃から父様とかに毎朝毎晩みっちり鍛え込まれてるから、これくらいはね」
えへへ、と照れ笑い
「ただ演舞と実用の場はまた違うから、難しいよね」
先日の落第街を思い出す
東郷という名の剛剣の使い手
おそらく技術もさることながら、それに異能を合わせるという手法
生半可な理合では叩き潰されてしまいそうなプレッシャーを感じた
「あ!そういえば名前!聞いてなかったよね!!」
■寄月 秋輝 >
「いえ、演舞も大切ですよ。
僕もよく仮想敵を据えた、実戦を見越した演舞をしますから」
ただ、自分の据える仮想敵は今までで最悪の敵だった。
結局のところ、一度も勝てていないのが実情なのだが、そこまでは語らず。
「……失礼しました。
僕は寄月 秋輝と申します」
ぺこりと、それに合わせて礼をする。
■伊都波 凛霞 > 「秋輝クンね。
私は伊都波凛霞(いとわりんか)、苗字でも名前でもどっちで呼んでくれてもいいけど、
今年から妹が学園に入学したから、苗字だと紛らわしい時もあるかな?」
笑顔でこちらも自己紹介を返す
「もし妹にあったら友達になってあげてね」
そういえば何年生なのかな?とも思ったが、この学園ではそこまで学年で違いがあるわけでもないなと自己完結
■寄月 秋輝 >
「伊都波……あぁ、あの成績トップの。
あなたがその伊都波さんでしたか。
……あぁいえ、妹さんが居るなら、凛霞さんとお呼びした方がいいですね」
ちゃんと知ってたらしい。
秋輝自身も一応は上の方の成績の持ち主だけに、名前だけは聞き覚えがあったようだ。
「えぇ、機会があれば。
とはいえ、僕の学年はあなたと同じですけれど」
■伊都波 凛霞 > 「お、私って有名人~?」
冗談ぽく笑って返す
とにかくよく笑顔を見せる、という印象を振りまいている
「秋輝クンも二年生かぁ。
まぁほら、この学園あんまり学年で分けて講義受ける~みたいなのないトコもあるしね」
学校外で合うこともあるかもしれない
「さて、それじゃあ私はシャワーでも浴びてくるね。汗かいちゃったー」
ちゃんと体操服に着替えればよかったものの、今日は体育がなかったので持ってきていなかったらしい
あんまり無理はしちゃだめだよー、と最後に秋輝に言い残して、ぱたぱたと駆けていった
ご案内:「訓練施設」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■寄月 秋輝 >
素早く消えていった少女を見て、小さく息を吐いた。
あの少女を見てから、ずいぶんと心を乱されてしまった。
ちゃんと心を落ち着けねばならない。
ふと気付くと、背中に汗がじっとりと染みている。
そんなに心乱れていたか、と大きなため息を吐き出した。
「……僕もシャワーを浴びておくか」
あまり汗臭いのは好ましくない。
鉢合わせないように気を付けて、シャワールームへと歩いて行った。
ご案内:「訓練施設」から寄月 秋輝さんが去りました。