2016/08/06 のログ
石蒜 > 「いいよ、いいよ。迦具楽は…多分、人間の感情に肯定的なんだね。だから感情のままに動くのは当然だと思ってる。
でもサヤは迦具楽の前では良いかっこしたいんだよね、好きだから、良いところを見てほしいから。」
だからって逃げ出したら意味ないけどね、と嘆息とともに。

「……迦具楽、好きな人居るんでしょ?そりゃ、好かれるのは悪い気はしないだろうけど、サヤがこのまま片想いで良いなんて思ってる?
そしたらいくら石蒜でも怒るよ?今のサヤの好きって友達とかじゃなくて恋人とか結婚相手への好きだよ?」
好きで居るのが構わない、という言葉に眉をひそめる。
石蒜は迦具楽が人間ではないことは知っている、だがその精神構造がどういったものかまでは知らない。
無意識に自分の常識を当てはめてしまっている。

「迦具楽にそのつもりがないなら諦めさせるしかないでしょ。まぁ……とんでもなくうじうじするだろうね……。
その後どうなるかは…石蒜もわかんない……自殺なんかはしないだろうけど…はぁ、気が重いなぁ……。」
体力は回復してきたが、立ち上がろうという気力は失せてしまった。右腕を支えに上体を起こした姿勢のまま天を仰ぐ。

迦具楽 >  
「……それはそうよね。
 私もどうせならいい所を見て欲しいなーとは思うし」

 実際は情けないところの方ばかり見せてる気がするし、年中甘えっぱなしのような気もするけれど。
 ただ、石蒜に言われた事に関してはやはり困ったように頭を掻いて。

「うーん、私自身が未来永劫片思いだろうし、それで良いって思ってるから、その辺りは多分価値観が違うのかな。
 サヤが私を好きなのはそれとして、私がそれに応えるかどうかはまた別問題でしょ?
 ただ、今答えを求められたら、応えられないって言うしかないんだけど」

 その答えだって、いつまでも同じとは限らない。
 移ろうのが気持ちであり心である事を考えれば、この先もずっとありえないとまで言いきることは出来ないだろう。
 そうして気持ちが移ろうまで待つのか、待たずに諦めるのかはただ当人の問題なんじゃないだろうか。
 迦具楽の中での恋愛観というのは、そういうものだった。

「……でもまあ、サヤの事を考えると、下手に期待を持たせるより諦めさせた方がいいのかも知れないわね。
 もし、サヤが思い余って変なことしようとしたら、無理やりにでも入れ替わって止めてあげて。
 直接話した方が良かったら、その時は呼んでくれればちゃんと話をするから」

 なんにせよ、自分の浅はかさのせいで友人が苦しむのは、あまり好ましくない。
 なんとか解決出来るならいいのだけど、と、石蒜と同じように空を仰ぐ。
 空は晴れてるが、すっかり重たい曇り空な心境だった。
 

石蒜 > 「うぅーん……違うねぇ……。うぅぅー、石蒜だっていきなり畝傍と相思相愛になったから、恋愛なんてわかんないのにぃー……。」
わからない、わからない、この会話を、状況をどうすればいいのか。頭から煙が出そうだ。頭痛をこらえるように右手で頭を抱えた。

「とりあえずぅぅ~~~~……。」
顔をしかめながら思考を整理する。目の前にあるやるべきことは何か。
「サヤには!後で!伝える!それで!諦めるかどうかは…サヤに任せる!石蒜は諦めたほうがいいって伝えるけど!」
苛々が募ってきたのか、髪を掻き毟りながら、語気も荒い。
「変なことは!止める!必要なら迦具楽を呼ぶ!よし、これでOK!」
感情のままに立ち上がる。体の節々が痛むがどうでもいい。パンパンと服についた土や砂を叩く。

迦具楽 >  
「うん、それでよし!
 さっすが石蒜、わかりやすい!」

 ぐっと親指を立てて、頼んだ、と伝える。
 そう、人の気持ちなんて考えたところでどう転ぶか予測しきるのは難しいのだ。
 ならばそう、シンプルに要点だけ押さえておけばよいのである。多分。

「ほんとごめんね、面倒かけちゃって」

 正直、サヤを引っ張り出して話を付けたい気持ちがある迦具楽だったが、形としてはサヤをフる形のなるのだ。
 冗談でその気にさせて、わざわざ引っ張りだしてフって諦めさせて、挙句に慰めるなんていうえげつないコンボをしようとまでは思い切れなかった。
 石蒜が立ち上がると、迦具楽の足は自然と演習場の出口に向かっていく。
 

石蒜 > 「よし、よし、ではその通りにやるとしよう。」
迦具楽も親指を立ててくれたし多分大丈夫だろう。大丈夫じゃなかったら知らない。知るもんか、自分はサヤの母親ではないのだ。

「じゃあさぁ、また面倒事片付いたら遊んでよ。今度はさぁ、ご飯食べたりとかでいいよ。」
謝罪を拒否するのは簡単だが、それでは貸しを作ってしまう。適当な条件を出して受け入れるのが良いだろう。
ああ、なんでこんな気遣いをしているんだろう。自分と畝傍以外は何がどうなろうと知ったことじゃないはずなのに。

迦具楽の後をついて、自分も出口へ向かうが、気持ちが沈んでいるせいか、痛みのせいか歩く速度は随分と遅い。
「はぁ~~。」
最後にもう1つため息。

迦具楽 >  
「おっけーおっけー。
 それじゃあ今度、私の手料理を食べさせてあげるわね」

 これでも料理は得意な迦具楽である。
 伊達に自給自足生活をしていない。
 和洋中なんでもござれだった。

「あはは……はぁ……」

 そんなため息を吐いて沈んでる石蒜を見て苦笑……からのため息。
 二人揃って重たい気分のまま、演習場を後にするのでした。
 

ご案内:「演習施設」から石蒜さんが去りました。
ご案内:「演習施設」から迦具楽さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
「は、っ、ッ、シャアアアアアアlaaaaaッ!」

 演習場に響き渡る咆哮めいた叫び声。
 吠える様に粗ぶりながら長布をだんぴらの如く振りまわし、苛烈なダミーらしきモデルを責め立てる。

 どうして布切れでそれほどの威力を叩き出せるのか。布が出してはならないような衝撃音が叫び声に混じる。
 
 

ご案内:「演習施設」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > こっそりこっそり。手にはコンビニの袋。
演習場隅っこのベンチにちょこんと座る。

「ほへー……」

ごそごそととりあえずペットボトルのお茶取り出して一口。
和み。大事。
そうしつつ視線は演習場の中央へ。

場内で凄く荒れてるエニィさんが居る気がするけど、落ち着くの待ちです。
触らぬ神に祟りなし。

水月エニィ >  飛んで跳んで飛んで飛んで蹴って。
 数十分後、ダミーの左右側面に布に因る打撃を叩き込む。
 その後、ようやく動きを止めた。

「ふう……無駄、とは思わないけれど。」
 

柴木 香 > 「ほへー……」

ぽかんと口開けたまま見学。
聞こえる打撃音はちょっとどころではなく痛そうです。
あれで叩かれたら死んじゃいそうだなぁ、などと。

そして大体エニィさんが機嫌悪いのは落第街帰りです。
前に危ないからやめよう、って言ったら随分と怖かったし。
そろそろ大丈夫かな、でも話振ると怖いな、と相変わらずの様子見。

とりあえずお茶飲んで落ち着こう。

水月エニィ >  両手には包帯が巻かれている。
 機嫌が悪そうなのも相まって、推察を固める材料にはなるだろう。
 
 

「……あら。」

 振り向いて、柴木を見る。
 何時から居たのだろうか。そんな風に不思議がるように、首を傾げた。
 
 

柴木 香 > 「――ちゃーす?」

気が付かれた、ので釣られるように首をかしげつつ。
ちらりと見えた、両手の包帯がなんとも生々しい。

「……飲みます?」

コンビニの袋からもう一本お茶を取り出したりしながら。
うん、きまずい。

水月エニィ >  
「貰っておくわ。」

 困った風に苦笑しつつ、お茶を受け取って一気飲み。
 ぷぱー、と、ラフにと飲み干す。

「調子はどうかしら?
 私は相変わらず勝てないし、ナンパされたり。
 ……ええ、勝てていないわ。」

 その様な言い回しで、世間話を振った。
 

柴木 香 > ぽーい、とお茶を渡して。
袋の中にはほかにもお菓子やらが見てとれる。

「わふ?
 んー、ぼくはいつもどーりですよ?」

首を再びかしげつつ。特に危ないことをしているわけでもないのです。
ただ、相変わらず勝てない、というあたりまた行ったんだなー、と。
正直危ないので長居も深入りもしちゃいけないと思う。

「……それより、て、大丈夫です?」

でもその話を振るとまた怒られそうなので。
当座の気になる、両手の包帯を気にしてみた。

水月エニィ >  
「そ、なら良かったわ。」

 安堵を浮かべてみて、隣に座る。
 包帯への視線を受ければ。

「ええ、大した事はないわ。
 数日もすれば外せるでしょう。」

 あっさりと答える。
 きっちり病院で診て貰ってある。痛みなどもほぼないらしく、無理をしている素振りはない。
 いや、もともと隠す傾向にあるが、今回は無い。
 

柴木 香 > 「大丈夫そうなのはわかるですけど。」

あれだけ振り回して平気なら治りかけ、というのはなんとなく。
治りかけでああいうことするのはそれはそれで問題なのだけど。
これはその際横に置いとこう、と。お茶啜り。

「――そっちより原因です?
 今度は何をやらかしたです?」

けがをした原因のほうが問題だった。
じーっ、と。並んで座ると、体格差で見上げる形になる。

水月エニィ > 「んー……」

 思案する。色々混ざったような複雑な表情だ。
 考え込んだ素振りの後、口を開く。

「良く分からないものが人を襲っていたから割り込んで、
 食事に必要な血を寄越せば少しの間大人しくすると言ったからそれに従ったわ。
 人外の類、本人曰く道具である妖刀らしかったけれど、わけのわからないものだったわね。
 あれだけ力があるのに、嫌と言ったら直ぐ手を止めるだなんて。」

 迷いながら言葉を発する。
 水月エニィにとってはどうにも理解し難かったものであるらしい。
 答える言葉も曖昧だ。
 

柴木 香 > 「わふー……?」

首をかしげる、三度目。
説明されたところでいまいち要領を得ないというか――

「よーするに、えーと?
 襲ってた人撃退してた、です?
 あんまり危ないのはお勧めしないですけど……うん。」

多分、手だけで済んでよかったね、という類の案件なのだろうと思う。
でも女の子に傷つけるのはよくない。 見つけたらしばこう。

水月エニィ >  
「撃退って言うのかしらね。
 交戦中に、棒立ちされたら劣勢だって殴れないわ。
 だからほんと分からない。」

 大きく溜息を付く。
 勝ちではない と思う。 だが、今までで最も勝ちに近いものだったと思う。
 比較すればそう思うし、少なくとも最も負けから程遠い戦闘であった事には違いない。

「……」
 

柴木 香 > 「むー……?
 まぁ、よくわからないですけど、うん。」

棒立ちで襲ってるとかよくわからないしなぁ、と。
それはともかく――

「でも、やりたいこときちんとやれたならよかったです?
 ……うん、たぶんですけど。」

人を助ける、相手も丸く収まった。
結果だけ見れば上々の成果、なのだと思う。

言いながら、コンビニの袋からピーナッツかりんとうなど取り出しつつ。
ほおばる、ぽりぽり。

水月エニィ >  
「そうね……」

 憂いを帯びた顔でぼうっと遠くを見つめる。
 
 負けやすくなるものが異能に因るものとは聞いている。
 その上で勝てずとも結果は上々。あれでいいのだ。これでいいのか。
 分解してみれば、私の怒りだってただのエゴだ。 
  
 苛立ちは収まっているが、心ここにあらず。
 

柴木 香 > 「うん、たぶんです。」

頷きつつ、かりんとうぽりぽり。
ほおばってると犬というよりハムスターだが。

「ん、食べ……うん?」

袋ごと勧めかけて、止まる。
内心の葛藤はいざ知らず。思うところがあるのだろうなー、と。

尻尾ぱたぱた、帰ってくるのをのんびりと待つ。

水月エニィ >  異能が有るから。

 それのせいにするにしろ それを無視するにしろ。
 直ぐに下せるものではなく。
 されど口に出せるものではなく。

「……いえ、何でもないわ。」
 

柴木 香 > 「ん、そーです?
 ただ、えっと。あんまり考えても仕方ないです、たぶん。」

あ、食べます?とかりんとうの袋差し出しつつ。
いろいろなやましいお年頃?らしい。

「聞ける話なら聞きますけど。
 あんまり悩んでると皺になりますです。」

ぽりぽり。余計なお世話です。

水月エニィ >  
「あんまり考えても仕方ない、ね。」

 そうなのか。これでいいのか。
 どうにも煮え切らないものの、かりんとうが差し出されれば意識はそれに紛れる。

「これからどうしよう、と思っていただけよ。
 ……どうしようもないわね。」

 ざっくり答えながらもかりんとうをつまむ。
 やたらと噛んでて中々呑み込まない。

柴木 香 > 「ですです。
 考えるより生むがやすしとか言うですし。」

こくこく。
実際何で悩んでいるのかは知らないけれど。

「どうしようもなくはないです?
 どうにかなるんです?あるいはどうにかするんです。

 思う様に埒を開ければあとは結果がついてきます。」

ぽりぽりとかりんとうをつまみながら。
コンビニのかりんとうは量も味も申し分ないのでよいもの。もう半分くらいなくなってるけど。

水月エニィ >  
「……そうやって続けて来てここまで来たつもりだけれど。」

 言い聞かせるようにそう告げる。
 少なくとも鍛錬と忍耐は怠っていない。つもりだ。
 すくなくともここに来るまでは、つまるところ今の状態になるまでは。
 誰にも言っていないが鏡月ハルナの器に在る水月エニィとなるまでは。

「まぁ、もっとやっていくしかないわね。
 ……ありがと、少し落ち着いたわ。」
 

柴木 香 > 「ぼくはなにもしてないですけど。
 うん、機嫌はなおったようでなによりです?」

こくこく。
実際、エニィさんが強いだけで、自分が何かしたわけじゃないのだけど。
あ、と何か思いついたように。

「――何かあったらお手伝いはしますですよ?
 なにかります?あります?」

尻尾ぶんぶん。

水月エニィ > 「何か、ね。浮かばないわね。
 寧ろ柴木クンの見地が欲しいぐらいだもの。」
 
 正直な所何もかも手詰まりか。
 最近は危機すらやってこない。
 入学以来あれだけ見舞われていたトラブルもめっきり数を減らしている。
 ゼロではないし、気味悪がられている所もあるのだろうが。
 ……まともでないとの自覚もある。

「取りあえず、ご飯でも食べに行こうと思うのだけど。
 柴木クンはどうする?」
 

柴木 香 > 「ぼくの見地?」

かくーん、と首を傾げた、何度目か。
それほど変なことを言った覚えもなければ、特段特殊な思考をしてるつもりもなく。
なんかおかしかったかな、と。

「わふ?ごはん――?
 わふ!いくですいくです!」

ごはんー、と。おやつとは別腹らしい。
尻尾の揺れ幅はどんどん激しく、テンションまっくすです。

水月エニィ >  
「犬の手でも借りたいのよ。
 ……ええ、行きましょう。丁度良い洋食とスイーツのバイキング屋さんがあるの。」

 くすくすと笑って、早めの夕食を提案しつつ。
 そのまま片付けだけ済ませてから向き直る。

「さ、行きましょ。」

 声を掛け、改めて進む。
 その後は美味しい夕食に舌鼓を打った かもしれない。
 
 

柴木 香 > 「バイキング……食べ放題です?やったー!v」

飛び上がらん勢いです。
色気より食い気。典型的なお子さま思考。

ほてほてと後ろについて歩く――ごっはんーごっはんー、と今にも踊りだしそうです。
エニィさんのおすすめならはずれないですし。仕方ないのです。

ご案内:「演習施設」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「演習施設」から柴木 香さんが去りました。