2016/08/25 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「最後に~ 深呼吸~」

朝の訓練施設。
その片隅でラジオ体操をし終えた七生は、一度大きく背伸びをしてから釣られて出てきた欠伸を噛み殺した。

「んん、良い朝。
 ……今日は何しようかな、海も川も泳いだし。」

残りわずかとなった夏休み。
休み前に立てた予定の達成数を数えながら七生は施設内をぐるっと見て回ろうと歩き出す。
ひとまず、朝食までは他の施設利用者の訓練を眺めさせて貰うつもりだ。

東雲七生 > もしかしたら、目下の課題である物理攻撃の効き辛い相手に対する有効打を見つける糸口を得られるかもしれない。
意気込んで歩き出したは良かったものの。

「やっぱ、ちょっと朝早過ぎたかな~……」

しーん、と静まり返った施設内。
早朝から訓練に励んでいる生徒なんてそう居ない事を思い知る七生である。
早朝ランニングからの牛乳一気飲みが最高なのに、と独り言を零しながら、一部屋一部屋覗いていく。

ご案内:「訓練施設」に滝川 浩一さんが現れました。
滝川 浩一 > 「…すぅ…はぁ……」

訓練施設の部屋の一室で目を瞑り胡坐をかいている。
姿勢は正しくしているが顔は若干下を向いている。
ゆっくりと大きく呼吸をすると周辺に粒子のような青い光が無数に現れ出す。

青い光はそれぞれ意思を持っているかのようにランダムに動き回る。
照明に照らされている故、それほど目立ちはしないが周囲が暗ければ幻想的な雰囲気を醸し出すだろう。

その様子は部屋の外からでも確認できるだろう

東雲七生 > 「……イメージが影響を与えるんだから、なんかもっと出来そうな気がするんだけど。」

移動中は掌をじっと見つめながら歩く。
一年以上この学校に籍を置いておきながら、異能に関する成長は何一つ為されていないと評価されている事も知ってはいるが、
やはり使わずにすむものは使わないでおきたい。
そのため七生はこの一年間我武者羅に身体能力の強化のみ力を入れて来たのだが。

『お前、それなら別にこの島じゃなくても良いだろ』

と、課題の報告ついでに講義の担当教師に言われてしまったのが、昨日のこと。

「……うぅ、確かにそうだけどぉ。」

しょんぼりと肩を落とした視界の端に、蛍光灯の物とは違った灯りが見えて。
なんだろう、と窓から室内を覗いてみれば。見知った姿がその部屋には居た。

「あれー、滝川じゃん。何してるんだろ。
 魔術の訓練か何かかな。」

滝川 浩一 > (意識の集中。生成したいものをより確固たる物に…と言っても、何らかの形で補完されるから別にそこまで身構えなくても…
っと集中集中)

意識を集中しているところに変な想像が入ってしまいそれを振り払う。
すると座っている滝川の3mほど前に青い光が集中しだす。
青い光は大きめのある物体の形を作れば、青い閃光を放つ。

次の瞬間、バイクのようなものがその場に出現する。
ハンドル、メーターは勿論シートやガソリンタンクもある。
しかし、タイヤだけはなく。代わりに円形の装置が二つ、下に面が向く形でタイヤの位置に取り付けられていた。

「おぉぉ~生成成功。割とデカかったけど結構いけるんすね~」

それに跨ると、ハンドルを握り、フットレストに足を乗せる。
メーターの近くにあるボタンを操作すれば円形の装置が起動し、バイクがその場に浮き始めホバリングを始める

東雲七生 > 「へえ……」

魔術というより、異能の訓練だったらしい。
生成されたバイクのような物を見て、以前本物のバイクを見た事を思い出す。
もちろん自分の所有物では無いので本来の使い方などは解らないが、少なくとも浮く物では無かった気がして、

「……へえ、ああいう異能もあるんだなあ。」

性質が近しい異能だけに、感心した様な声を漏らす。

滝川 浩一 > 「うぉぉお!?」

浮いたことに驚きつつ、ハンドルを回す。
生成が想像以上にうまくいき、何故だか興奮し始める。

「これ、こう…あ、こ、うぉぉぉぉおおおお!?」

ハンドルを回し、フットレスを踏む込むと勢いよく発進する。
初速がとてつもなく速く、スピードに乗ると瞬く間に壁へと向かう。
ぶつかりそうなところを回避しようとハンドルを持ち上げると、今度は天井へ向かって上昇しだす。

「うっぉおお!?あっ、やばい吐きそう…」

そのまま空間をグルグルと回転すると気分が悪くなり出す。

東雲七生 > 「おおっ、動いた!」

あんな複雑そうな物を動かせるレベルで生成できるとは。
単純な物体しか作れない七生にはとてもマネできる芸当では無いように思える。
だが、創り出したバイクを暴走させる姿を見れば、案外そんなに凄くもないのかな、と考えを改めたり。

「まあ、自分で創った物だし自分で何とかしないとな。」

その為の訓練施設でもあるのだから、とそっと見守る七生。
以前、自分も能力が制御の外に出たのはこの施設だったなあ、なんて他人事のように思い返したりしている。

滝川 浩一 > 「っ!」

咄嗟に手を離し、ローリングしながら地面へと着地する。
我ながらちゃんと着地できたのに驚くが即座に立ち上がる。

「……っ、これ、やばくない?」

バイクは壁や天井にぶつかったあと、真っすぐとこちらへと向かってくる。
その衝撃に酔いが醒め、逆に恐怖が溢れ出してくる。

「ええい、消えろ!」

足を踏む込む、意を決して目の前の物体を消し去ろうと前を見る。
消し去るスピードが速ければ間に合う。

そうしてバイクの先端が彼の体に接触する直前…バイクは瞬く間に青い光へと戻り、その青い光は彼へ向かってバイクの勢いで飛んでいく。
青い光自体は別段物体ではないのでぶつかってもダメージはなかった。

「………っはぁ~~~!!」

ぶつかるのを覚悟していたのか、食いしばった歯を開け、息を吐くとその場に腰を抜かす。

東雲七生 > 「ははーん、なるほどな。
 自立するものを生成すると、ああいう風に暴走する可能性もあるのか……。」

ふんふん、と興味深そうに事の顛末を眺めてから、軽く自分の場合だったら、を考える。
そもそもああいう機械めいたものを生成できることはまずないと思うのだが、それはそれ。


……どう考えても完膚なきまでにぶち壊して終了、だった。
多少の能力の暴走なら筋力で捻じ伏せれば良い、
とても単純な考えだったが元々身体を鍛えはじめた理由から考えれば至極真っ当である。

暴走し、こちらへ突っ込んでくるバイクの壊し方を数通り考えたところで、同居人からの悪影響を自覚して反省した七生だった。

滝川 浩一 > 「全く…でもよかった。怪我なし!」

青い光を振り払い、周囲に散らすと立ち上がってそう言う。
まだ息は荒いがそれを徐々に落ち着けさせ、考察に入る

(自分の作った武器で自分が傷つく…か。
奪われても相手が使う前に消し去れれば上等だが予期せぬ暴走でこちらにダメージが来たら少し厄介だ。
乗り物等を否定する訳じゃないが…もう少し広い場所で練習した方がいいな。)

訓練施設の部屋の壁や天井を見て、そのように考える。
ここは乗り物を使って訓練するにはいささか狭すぎる。
となると、転移荒野で…か。

「はぁ~…またあそ」

ため息をつき、『またあそこに行くことになるのか』と言ったセリフを吐こうとしたところで
窓からこちらを見ている男性に気付く。

東雲七生 > 「あっ」

向こうがこちらに気付いた様だ、と小さく声を上げる。
ついでに小さく手を振って存在をアピール。

「やっほー、滝川。何してたの。
 いや、一部始終見てたけどさ。」

あれが滝川の異能?と訊ねながら、見つかったらこそこそする必要もない、とばかりに。
出入り口の方から堂々と入ってくる。

滝川 浩一 > 「どうもどうも、いやーお恥ずかしいところを…」

出入り口から入ってきた少年を見ると頭をぺこぺこ下げてそのように挨拶する。
一部始終を見られていたということに少し恥ずかしさを感じる。

「えぇ、物体を生成するってのが自分の異能らしいです。結構便利ですよ」

異能について聞かれるとそのように返答する。
別に隠しているつもりじゃないが異能を他人の前で堂々と使う機会が無いために少し新鮮な気持ちであった。

「東雲さんも訓練ですか?朝っぱらから元気ですね~」

自分と同じく朝から訓練をしてるであろう少年にそのように声をかける。

東雲七生 > 「うん、訓練というか、ラジオ体操しに来た感じで。
 後は大体“見取り”に来たんだ。最近遊び回っててそっちの方はさっぱりだったからさ。」

にぱ、と幼い顔にマッチした笑みを浮かべる。
たまたま通りかかったとはいえ、盗み見たいなことをしてしまった事に対して罪悪感が無い訳でもないが、
謝っても余計に気を使わせそうだったので、笑顔で誤魔化そうとする目的もある。

「それで、まだやってくの?」

滝川 浩一 > 「ラジオ体操?これまた昭和の小学生のやるような…いえ、失敬。
見取り、ということは異能の訓練でもお考えですか?

水を差す訳じゃありまsねんけど…自分の異能を見ても役に立たないかと」

少年の言葉にそのように返して頭をかく。
実際、自分のような無から何かを作るっというのは中々珍しいものらしい。
創造系というのだろうか。異能を使う者を多く見たことはないが異能に関する書籍を目に通した限りではそう多くないと聞く。

「えぇ、少し体を動かしたいと思ってますが…東雲さんは異能を使う予定はないのですか?」

次は何を作ろうか。そう考えつつ少年へ問いかける。

東雲七生 > 「ほっとけし。
 ……ええと、まあ、そんなとこ。
 別に異能そのものを見るというより、どんな異能をどんな使い方をしてるか見たいだけだからさ。

 全く同じ異能でも無い限り、そりゃ見ただけで役に立ったりはしないよ。
 その異能や働きを見て、そこに自分を投影してどう立ち回るかを考えるのが目的。」

自分ならどうするか、を突き詰めていくこと。
そして何時か同じ状況に陥った時に想像通りに動けるようになること。
七生にとって、想像することは未来視にも等しい事なのである。

「ええと、うん。今のところ使う気はないかな。」

あくまでこの時間は「見るだけ」に集中したいから、と。

滝川 浩一 > 「ははは、いえ、健康的でいいと思いますよ。

ふむ。使い方を見て…ですか。
確かに、他者の異能を傍観することで得られることはあるかもですね…。
今度から自分も……」

笑顔でラジオ体操を肯定すると腕を組んだ後に右手を顎に添える。
他者の異能を視るだけでも得られることはある。あまり周囲の人間の異能に関心はなかったがそういえばそうだ。と唸る。

「そうですか。残念。東雲さんの異能を見てみたかったものですが…」

見ることに集中したいという彼に少し残念がると同時にかっこいいところを見せようという気力が沸く。

では何を作ろうか。腕を組んで考える。
考える…が良いアイデアが浮かばない。

東雲七生 > 「同じ異能でなくとも、同じ人間がとる行動だからね。
 異能の真似は性質上出来る出来ない分かれるけど、人間の真似はそうそう不可能な物は無い筈だよ。
 だって殆ど同じ構造の物を使ってるんだから。」

流石に腕や足の数が多かったりしたらその限りでもないけど、と肩を竦める。
この少年にとっては、異能よりもそれを使う人間個人に着眼点がを置いているようだ。

「俺のはあんまり人目に晒して気持ちの良いような物じゃ無いしさ。」

幾度となく言われ、幾度となく答えてきたフレーズ。
もう慣れっこだと言わんばかりに、困った様な笑みを浮かべて答える。
何が楽しくて自傷行為を見せつけなければならないのか、と。
流石にそこまで口にはしないけれど。

滝川 浩一 > 「ほうほう。確かにごもっともですね。
しかし、人の動きなど見て真似できるモノなんですか?」

彼の言葉に納得すると同時にそのように問いかける。
確かに同じ人間である以上真似するのは可能だが、実際のところ見ただけで真似できるのだろうか?
例えば、体操選手の動きを見て、はい真似してください。と言われても無理がある。

そこら辺はやはり練習なのだろうか。

「お、おう…何か、すいません」

異能についてあまり快く思ってない彼に対し、そう謝罪する。
気持ちのいいものじゃない、ということは肉体の変形変性と言った類だろうか。逆にどのような異能か気になる。

そうこうしているうちに次に生成する物体が決まったのか、青い光が一斉に動き出す。
滝川の数m前の地面付近に光が集まり出す。

東雲七生 > 「そりゃあ一発で全く同じには出来ないだろうさ。
 でも、だからってそれが永遠に不可能だとする根拠にはならないでしょ。
 むしろ俺は、出来ないかもしれないと思う方が理解できないかな……。
 そりゃ失敗はするだろうけど、そこで止めてたらそれこそ何にも出来ないだろうし。
 答えが出てる数学と同じでさ、そこに至るまでの式をああでもないこうでもないするのが楽しいんだよ。
 もしかすると、もっと楽な道があるかもしれないし。」

ふぅ、と息を吐いてから「数学の方はからっきしだけどね」と小さく肩を竦める。
彼にとってこの学園に存在する老若男女問わず全ての人間、あるいは異邦人は遍く教本なのだろう。
もしかすると、人の形をしていなくとも、そうなのかもしれない。
体躯で劣り、魔術の素養は無く、異能の制限を自ら課した少年が縋ったのは、「見て」「考えて」「真似る」という原始的なものだったのだろう。

「いーのいーの、気にしないで。」

半分は自分のワガママでもあるから、とあっけらかんと笑う。
それよりも、と滝川が今度は何を作るのかに興味を示して、じいいっと、食い入るように見つめ始めた。

滝川 浩一 > 「はは、全く、言うことが違いますね。主人公」

少年の言葉を聞き、笑顔になるとそのように呼称する。
彼の言ったセリフはそれこそ様々な困難に苦悩し、解決して得たで答えの一つであろう。
自分にはまだ程遠く、その答えにたどり着くには多くの時間を費やさねばならない。

(全く、幼い顔して、小さい身体して…いくつ修羅場を乗り越えてきたのやら)

身体も小さく、服の上からだが筋も細い。吹けば飛ぶようなこの少年がとても大きく見えた。

「俺も負けてられないな…さーって、ではではお望み通り異能を披露してさ」

小声で情熱をたぎらせると気を取り直して異能を披露しようと声を張り上げる。
…がしかし、肝心なところで大きな音で腹の虫が鳴く。

その音は想像以上に大きく、鳴った途端に顔を真っ赤にして俯く。

「披露、する前に飯ですかね…すいません、とりあえず切り上げさせていただきます……また会ったらよろしく。東雲さん」

恥ずかしそうにそういうと部屋に広がる青い光が消え去る。
出入り口へ来ると、振り向いて少年へと笑顔で言い放つと何処かへ食事をしに部屋を去る。

東雲七生 > 「主人公なんかじゃないよ、俺は。」

あはは、と苦笑しつつ頭を掻く。
その言葉にはもっと相応しい誰かが居る筈だ。
少なくとも、こんな、──自分に冠される様な言葉では無い、と。

「朝飯まだだったんだ?そういや俺もまだ食ってないなー。
 後で学食行って何か食おうっと。商店街まで出るよりよっぽど近いし!」

腹の音に釣られて自分もお腹を押さえる。
幸い空腹を感じるにはまだ余裕があったが、それも時間の問題だろう。

「おうっ、まったなー、滝川ー!」

逃げるようにその場を去る姿に苦笑しつつ、手を振って見送った。

ご案内:「訓練施設」から滝川 浩一さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に三谷 彰さんが現れました。
三谷 彰 >  コンクリートに囲まれた殺風景な空間。そこで一人の男が棒を持ちコンクリートの壁を前に棒を構えを取る。
 そのコンクリートの壁は既に3つのダメージがある。ひとつは棒かなにかで殴った程度の小さなものだがその周囲は焦げている。ひとつは小さな爆弾か何かで抉り取った跡。そしてもうひとつが強く棒でたたきつけた程度の普通の打撃跡。
 棒をグルンと振り回しその棒がピカっと光る。

「属性付与・土」

 そう呟くとその棒に変化が現れる。
 魔力がまとわりつくと先端にその魔力が集結。
 それが具現化。穂先が土持ち手は木というなんとも不恰好な槍が完成する。
 それを後ろ手にグルンとまわすと同時に突き出す。
 棒よりはるかに重量と破壊力を持ったそれはコンクリートの壁に突き刺さり貫通する。

「……堅いやつにはこっちの方がいいな」

 槍と化したそれを引き抜き跡を眺める。
 他のに比べ確かに範囲は狭いものの確実に内部にまで通っているのは確実にこの跡だろう。

三谷 彰 > 「解除」

 そう声を出すと土が四散し塵となって消えていく。
 機械を操作。普通の空間へと戻す。
 棒を袋へ戻そうとしたときにわずかな痛み。見てみれば手のひらに豆があり半分破れかけていた。
 何時もなら絆創膏を貼ってお仕舞いだがどうせ訓練ももう終わった。今はむしろチャンスだと思い立ち懐からメモ帳を取り出す。
 指先に魔力を集め紙の上にルーンを書き写す。
 そして魔力によって浮かび上がったそれを媒体に魔法を発動させる。

「癒しを」

 その紙が炎上。だが灰は落ちず代わりにキラキラとした光を放つ。
 それが腕に触れた途端豆はふさがり跡も残らなかった。

「……豆治すだけでこの消費か。まだ戦闘中にはつかえねぇなこりゃ」

 まだ覚えたての状態で発動できたまではいいがまだまだ実戦に投入できるほどではない。魔力の消費が尋常じゃないのだ。
 ふぅと溜息をつきながら作業を進める。モクモクと棒を袋にしまい口を縛った。

ご案内:「演習施設」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 新たなるポーズの開発そんな家でもどこでも出来そうな訓練を切り上げて帰ろうとする男が行く。
異様に長いタオルを首からたなびかせた男である。
そんな風に帰ろうと歩いていけば同じく訓練を終えたところだろうか一人の男子生徒を見つけた。
…どこかで見た気がする。あれはまだ風紀委員の時だっただろうか?

「おお、君は確か風紀委員の!!…うん!ええと待ってよ僕が風紀にいた時に見たことがある!
 そう思い出した四林く…!……いやごめん違うこれ人だ!ええと確か棒使う子だよね!!」

棒を素振りするような動作を入れながら言う。名前より武器のイメージが強かった!
実際、殆んど会ったことは無いので仕方ないのかもしれない!

「一年以上ぶりかな?元気でやってたかい?えーと…
 うん!元気でやってたかい?」

名前が思い出せないのを誤魔化して無駄にカッコいいポーズを取る!
きっと、相手もあまり覚えていないだろう!なんせ相手が一年の時のことだ!

三谷 彰 > 「ん?」

 声がして振り向く。
 そこにいたのはタオルを首に靡かせる一人の男性。思わず少しだけ笑ってしまう。
 1年生のチラりと見かけただけだがここまでインパクトが多い人を忘れるのはそうは無いだろう。

「三谷彰ですよ真先輩」

 クスリと笑いながら立ち上がり向き直る。

「ええ、元気です。マルトクにもなれましたしね。つい最近大怪我しちゃいましたけど」

 ハハハと頭を軽く掻きながら少し恥ずかしそうに笑う。
 といっても今は治療もしてもらえたので怪我の跡も無く透視であっても見抜くことは出来ないレベルの話だろうが。

「先輩はどうですか? 見たところお元気そうですけれど」

 この人がやめた理由は聞いていないが3年生だしきっと色々とあったのだろう。
 だからそういう意味を込めて元気ではなくどうだと聞く。

真乃 真 > 「そうだ三谷君だ!うん、しっくりくる!」

ピースが嵌った感じがする。
ちゃんと、数字と地形ってとこは合ってたけどこれはやっぱり違う感じだ!

「おお、凄いじゃないかマルトクか!あそこは強くないとなれないからね!」

という事は決戦武装とか持ってるのだろうか!
あれには密かに憧れを抱いている。オーダーメイドってあたりがとてもカッコいい!

「って大怪我!?大丈夫なのかい?確かに魔術とかで簡単に治るけど
 怪我には気をつけなよ!痛いからね!」

そういう真も風紀委員を辞めてから二度の骨折と一度の脱臼を経験している。
まあ、そういう事もあるよね!

「そうかい?僕は見てのとおりだよ!!」

自信ありげな表情で言う。

「見ての通りのスランプさ!!」

無駄にカッコいいポーズをとる。
確かにポーズからは悲しみっぽい感情が読み取れるかもしれない。