2016/10/05 のログ
ご案内:「訓練施設」にルベールさんが現れました。
ルベール > 「しかし、すげー技術だよな。
 摸擬戦が一人で出来るって、どういうことよ。」
 
 ぜー、ぜーと肩で息をしながら、その場に座り込む。
 何でって、そりゃあ簡単。摸擬戦で相手を呼び出せると知った彼女が、ウキウキで大勢を呼び出してしまったからに他ならない。
 三対一でしこたま殴られた。
 
「幻覚か何かかと思ったけど、マジで痛ーし……」

 頬を抑えてため息をつく。
 思い切りぽこすかに殴られながら、順番に殴り飛ばしてようやく終わったところだ。
 ごろん、と大の字になる。

ルベール >  金髪の異邦人は女性にしては大柄にして、女性らしい体のラインを隠すことなく投げ出して。
 先ほどの戦闘も、炎から生み出した小手で、ひたすら拳を固めてぶん殴るという乱暴な手法。
 防具をまるで身に着けていないまま殴り倒したのは、圧倒的覚悟のなせる業。
 殴られるのは織り込み済みで、ひたすら我慢。
 ため込んだ怒りのエネルギーを思い切り拳に載せての攻撃は、強いか弱いかはともかく、ひたすらに派手だった。
 
「………あー、ってぇ………
 次はちょっと休憩してから……。」
 
 まだやる気らしい。
 大の字に転がったまま、ふわぁ、と大あくびをする女。

ルベール > 「……こーいうのがあれば、うちの部隊でも本番慣れできそーなもんだけどな。
 魔法でこういうの作れないもんかな。」
 
 魔法を扱う戦士ではあるが、そのほとんどを感情の揺れ幅や気合のノリで扱っている彼女からすると、魔法は不思議なことをできるようにするスーパー技術であるとしか認識していない。
 きっと本当の魔法使いが聞いたら怒りそうなことを呟きながら、んっしょ、と上体を起こして。
 
「おっし、休憩おしまい!」

 しこたまぽこすか殴られたにもかかわらず、まだまだ元気である。

ご案内:「訓練施設」にシング・ダングルベールさんが現れました。
シング・ダングルベール > 「やってるなあ、同級生。」

大柄な影が入ってくる。俺だ。
こりゃあまた大暴れしたもんだと笑いながら、部屋の隅に座り込んだ。
巻き込まれなければいいけども。まあ大丈夫だろう。きっと。おそらくは。

「いつからやってるんだい? 結構楽しんでるみたいだけど。」

ルベール > 「お……? あー、何? 次は対人?
 いーぜ、私はいつでもさ。」
 
 やってきた相手ににしし、っと笑いながら拳を握って構えて見せる。
 紅に染まり、金の意匠が凝らされた小手は、見るからに重厚そうだ。
 
「……んー? 二時間くらい前かな。
 間違えて三対一になっちゃってさ、いやー、ボコられた。」
 
 からから、と大声で笑う女はクラスでもどこでも豪快なもの。
 ぺたん、と座ったまま、勝ったけどな、とウィンク一つ。

シング・ダングルベール > 「血気盛んだなあ……俺はやらないよ。明かりがついていたから、どんなもんかなとね。
 まさか3体相手にしてるとは思わなかったけどさ。
 それでノされてたら笑い事で終わったろうに、しっかりやり遂げてるから恐れ入るよ。」

彼女の明るさは嫌いじゃない。ガサツではあるが、生命力に満ち溢れてる感じ、とてもイエスだ。

「俺と同じでこっちに流れ着いて間もないって話なはずだけど、随分と馴染んでいるよなあ。
 元の生活がまるで浮かばないよ。こっちと同じような暮らしぶりだったのかい?」

ほらよとスポーツドリンクを投げ渡す。これがまたうまいんだよな、こういうときは。
この世界に来て感動したもののひとつだ。

ルベール > 「気持ちの一つも入ってないパンチなんて……いやまあ、何発でも、とは言わないけどさ。
 そんなに効きやしないさ。」
 
 気合至上主義の女にとっては、意志の籠らぬ拳は取るに足らないもの。
 本当はわりかし痛かったし、事実ここから先、適当に出すことは二度なかったのであるが。
 意地っ張りな彼女のことだ。どんなもんよ、とばかりにノーダメージを装う。
 確かに、生命力の塊のような女である。
 
「そんなことないっての。無神経で図太いみたいじゃんか、事実だけどさ。
 あー、まー近いは近いけどさ。
 もっともっと乱暴だったかな……。ほら、戦士だったしさ。」
 
 スポーツドリンクを受け取りながら、さんきゅー、と言葉を返す。
 汗だくのままだけれど、そのままぐい、っと思い切り傾けて。
 ちょっと大きく出過ぎて顔にかぶってせき込む。鼻に入る大失態。

シング・ダングルベール > 「ハハ。粗相は関心しませんな、レディ。何も顔から浴びなくてもいいだろうさ。
 千年の恋も冷めるって言葉をこの島の本で知ったけど、まさにこのことだろう。
 ひどい有様だ。コンテンツ力を感じる。」

壁に背を預けながら、俺はけたけたと笑った。
何をするわけでない、足を運んだだけではあるけど、彼女は面白いからそれだけで満たされる。

「今よりも乱暴な戦士ってのはどんなだい? 猪を駆って石斧を振り畑を荒らす……?」

ルベール > 「うっせー、別に浴びたくて浴びたんじゃねーし。
 ………クラスでしゃべったら怒るかんな。」
 
 ジトっと一睨みしながらも、本当に怒っている素振りは全くない。
 喉を鳴らして飲みながら、ぷはぁ、っと吐息をついて。
 笑ってんなー、とブーイングをとばしながら、よっこいしょ、と立ち上がって。
 
「……んー、そこまでじゃねーけど、荒らすことはしたことあるな。
 まあ、あんまり口にするとアレだからここまでだけどさ。」

 ウィンクを一つ。

シング・ダングルベール > 「うわあ、かわいくない。」

ウインクを前にひとつ。
ちびりと自分の分のドリンクを飲みながら。
返しの冗談。悪意なし。

「生粋のウォーモンガーであったとして、蛮族であったとして、今ここのいる君しか知らない俺からしたら、それだけが全てだ。
 愉快で残念な人って評価が、今後も悪い印象にならないように祈ってるよ。
 ……あー。こっちでは、仏ってのに祈るんだっけ?」

たくさん種類がいてよくわかんないんだよな。

ルベール > 「うるせーや。
 こう見えて可愛いってよく言われるんだけどなー? ほら、魅力的だろ?」

 返しの冗談にからからと笑って返す。ついでにウィンクももう一つ。
 恥ずかしいからかいかたをされたり、お世辞を言われる経験が多い彼女にとってすれば、すっぱりとそういう言われ方をした方が笑顔で返せる。
 
「蛮族じゃねーし、宮仕えだっての。
 あとなんだその愉快で残念な人って!?
 大人のレディだっての。 頭叩くぞ。」
 
 こんにゃろー、と小手同士をがしがしとぶつけながら、ふん、と唸り。
 
「……だったっけ? 私も全然わからん。」

 堂々と言う。頭は確かに相当に残念だった。

シング・ダングルベール > 「まあ大人のレディに対して、無用な詮索は紳士的ではないな。
 俺だって心はいつだって正しくありたいし、余計な勘ぐりは人として質が落ちると聞く。
 青あざができる前に退散するよ。」

ローブの端をはたきながら、むくりと立つ。
談笑を続けたいところではあるけど、邪魔になっては本末転倒。
いい加減腹減ったしね。夜食でも用意してあれば言うことないんだけどな。ここ。

「……ああ、そうだ。いつか剣の手ほどきをしてくれないかな?
 暇な時で良いからさ。」

ルベール > 「そーそ。 私が正しくあるかどうかはともかくとして、だけどさ。
 別に詮索しても殴りやしねーけどな。」
 
 立ち上がるのをみれば、ドリンクさんきゅ、と柔らかく声をかける。
 にひひ、と笑う姿は、ある程度クラスメイトとして気楽な付き合いをしている証。
 
「……ん? いーよ、こう見えても剣だって使えるからさ。
 いつでも?
 ただ、私の手ほどきは厳しいぞぉー……なんてね。」
 
 指を擦って炎を生み出せば、そこからしゅるりと。
 まるで鞘から引き抜くように紅の剣を生み出す。
 細身のそれを得意げにひゅん、っと手の中で回して。
 ぺろ、と舌を出して片目を閉じる女。

シング・ダングルベール > 「わあ、いいね。助かる。」

実際彼女は間違いなく腕が立つ。
お座敷剣術特有の素人臭さもなく、衝動に訴えるばかりの粗暴さもない。
炎の型は恐らく魔術由来のものだとは思うけど、それだけ見ても相性は悪くないと思えた。
大半は勝手な想像で、彼女が過去を話したがらない以上裏付けのしようもないけども。

「身体壊さないうちに適度に切り上げなよ。」

俺はお返しとばかりに片目をつぶり、一人訓練室を後にした。

ご案内:「訓練施設」からシング・ダングルベールさんが去りました。
ルベール > 「任せな。」

 恰好つけて言い放った。言い放ったはいいが、少しだけ悩む。
 確かに腕は立つ方だ。それは間違いない。
 それは間違いないが、えり好みせずに武器を使っていたせいか、この武器が得意、というものはそんなにない。

「………じょーだん。
 何時間やってもこのくらいじゃ壊れたりしないさ。」
 
 言いながらも、せっせと今度は敵の情報を入力する。
 剣で戦う相手を用意して、ちょっと練習しとこっかな。

ご案内:「訓練施設」からルベールさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
セシル > 「さて…と」

放課後、セシルは訓練施設を訪れていた。
大規模討伐での貢献があったため、今週は落第街の警邏からは外れていて時間と体力(と魔力)に余裕があるのだ。

(…まあ、「外されている」の方が正しいのだろうがな)

大規模討伐作戦は、浄化の技術の希少性からかセシルの想像以上に大事となった。
その結果、落第街の街も、物理的な被害を被ってしまっている。

一部の強力な力の持ち主はともかく、そう飛び抜けていない実力の委員はすぐに落第街に送るわけにはいかないのだろう。
…それは、セシルも例外ではない。

セシル > (別に、飛び抜けたいわけではないが…出来ることは増やしておきたいな。
…この二本の足と腕だけでは、届く範囲も限りがある)

そんな思いを抱きながら、訓練スペースに入って端末の操作を始めるセシル。
設定は、術式と魔力の観測用だ。

「………よし」

少し手間取りながらも設定を完了させたセシルは、訓練スペースの中央に移動し、レイピアを抜いた。

セシル > 「………」

一旦目を閉じ、深呼吸。それから静かに目を開いて…こう、唱えた。

「風よ、我が身体を宙に誘え…浮遊(フロート)」

すると、セシルの足元から風が立ちのぼり…セシルの身体を、静かに上に持ち上げた。
セシルは、空中に身体を浮かせながらも、身体のバランスを保っている。

セシル > 「………」

改めて強く息を吐き出しながら、魔力をコントロールする。
セシルの身体が、訓練スペース内の空間を上下移動し始めた。
規則的に見えて時折揺らいだりテンポがずれたりするあたり、制御は自動ではないらしい。

身体を上下移動させるように術式を制御しながら、レイピアの素振りを始めるセシル。
レイピアの素振りの規則性は揺るがず、剣まで意識が伝わっている緊張感があるのに比べると、上下移動はかなり不規則だ。
その情景を見れば、セシルがよりどちらに熟達しているのかは明らかだろう。