2017/01/23 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「んー……結局どれにしようかな。」

訓練施設の片隅で、七生は眉間にしわを寄せて考え込んでいた。
さほど広くない一室のほぼ中央に陣取り、あぐらをかいて目の前に並べられた物を睨むように眺めている。

向かって右から、テレホンカードほどの大きさのカード、スーパーボールほどの大きさの球、掌に収まるほどの大きさのナイフ、紅い液体の入った小瓶。
全て赤一色で統一された小物たちを睨んだまま、七生は小一時間その状態を続けていた。

東雲七生 > 「かさばらない様にするならカードだよなあ……でも手に馴染んでるのはナイフだし……。
 瓶から出すのは、ひと手間増えるだけだから無しかな、やっぱ……。」

腕組みをして、右に左に首を傾げながらの独り言。
視線は相変わらず、目の前に並んだ小物たちを捉え、周囲に向ける意識は大分散漫だ。

「うーんー……ボールもボールで、ビー玉くらいまで小さくすればかさばりはしないよね……。」

右に左に、背中の中頃まで延びた後ろ髪が揺れ動く。

ご案内:「訓練施設」に深雪さんが現れました。
深雪 > ふらりと現れた少女は,七生の姿を見るなり声をかけることもせずに近付いた。
とくに気配を消しているわけでもないが,七生からは死角になっているだろう。
もしかすると,狙ってその角度から近付いたのかもしれない。

「………………?」

七生の背後からのぞき込むように,並べられた小物を見る。
少女から見れば,七生が何をしようとしているのかはさっぱりわからなかった。

東雲七生 > 「やっぱりカードかなあ、切り札的な意味でも。
 胸ポケットに入れておけば急所を防ぐお守り代わりにもなるし……
 ああいや、でもなあ……トランプで戦うみたいで変じゃないかなー」

考えが煮詰まって来たのか、七生は呻きながらそのまま仰向けに寝転がった。
どうせこの部屋には自分しかいないのだし、少しくらいだらけた姿勢をとっても問題ないだろう。

そう、思っての事だったのだが。

「── 深雪っ!?」

ゆっくりと倒れていく途中に背後の存在に気づき、驚きに目を瞠ったまま、結局そのまま転がった。

深雪 > ごろん,と寝転がる七生と,それをじっと見る深雪。
貴方を見下ろしたまま,

「……何やってるの?」

そうとだけ問いかける。
もう少し七生が後ろに下がっていたか,もしくは深雪が前に出ていたら,見えてしまうところだった。
とは言え,そんなことに気付くような深雪ではないのだが。

東雲七生 > 「えっ、いや、その……異能の事について、ちょっと。
 ほら、いちいち使う度に体を傷つけてたら見た目的によろしくないし……
 だから、あらかじめ何か創っておいて、そこから変形する形で武器とかにしようかなって。」

仰向けに寝転んだまま深雪を見上げて応える。
どうやら並べられた小物は七生の異能によって作られた物であるらしい。

「それより、深雪はどうしてこんなとこに?
 体を鍛えに来たって訳でも無さそうだけど。」

際どい状態に少しだけそわそわしつつ訊ね返す。
特に理由なんて無いのかも知れないけど、と内心で思いつつ。

深雪 > 「確かにそうね。そのほうが賢いと思うわ。」

そうは言ったものの,並べられた小物たちを改めて見ると,

「なんだか,みんな玩具にしか見えないけど大丈夫かしら?」

そんな感想がこぼれ出た。
それから,七生の隣にすっと自然に腰を下ろして,

「理由なんて無いわ。でも,ちょっと退屈だったのよ。
 まさか,七生が居るとは思わなかったわ。」

並べられた小物に手を伸ばし,ひょいと手に取ったのはボール。
これどうやって使うの?と七生に尋ねる。