2017/01/26 のログ
三谷 彰 > 「目的……まぁ、そうですね。そこを目指してがんばります。って先生なんですからどんどん言ってくださいよ」

 悩んでる後輩?の為というのは少し恥ずかしくて言い出せないが一応目標の一つといえるだろう。
 少し相手の先生らしくない言動などに少しだけ笑みを浮かべながら。

「……え、先生一人の? なんというか……凄いですね」

 これがタメなら食いすぎだ!とか言えるだろうし先輩でもある程度は言えたかも知れない。だが相手は先生。凄いという表現以外にすることも出来なかった。 

「え、あぁ……それならひとつだけお願いしたいことがあるんですが。動きでどっか問題があったら教えてもらえませんか?」

 見学するということならと練習を再開しようとしたが思いついたことをやってもらえるか先生に聞いてみる。
 自分では見えないことでも他人から見れば色々とわかる時もある。それが先生であるなら尚更だ。

「あ、勿論迷惑でしたら構いませんよ。先生もお仕事あるでしょうし」

高梨由佳 >  
「うふふ、そうでしたわね、ではお言葉に甘えてもう一つ……」

そう前置いてから、いつも浮かべてる笑みがさらに優しく慈母のような笑みになる。

「目的というものは、立てることより、目指すことよりも、目指し続けるほうが大変なことです。
 教師は、少なくともわたくしは、そのお手伝いをしてますから……頼ってくださいね」

すごい…という表現に、少し困った笑顔に変わる。

「わたくし、甘いものには目がなくて、いくらでも食べれてしまうんです。その結果、また一つ出入り禁止のスイーツビュッフェのお店を作ってしまいました……」

といってから、はた、と気づくと、再び相手を見て穏やかな笑みに戻る。

「まさかとは思いますが、『太る』などと思ったりしてませんか? そっちはきちんと対策してありますわ」

まさか、魔法をダイエット目的に使用していると口にできるはずもなく、うふふと笑いながら煙に巻く。
だったら、その話をしなければいいのに、素直すぎる相手を少しからかってみたかったようで…

そのあとに申し出られたお願いに、笑顔で頷くと

「いいえ、今日は講義もこのあとありませんし、研究室でクッキーを食べつつ明日でも良い報告書を書いたあと数少ない出入り禁止にされていないビュッフェでおやつをと思ってたくらいですから、おつきあいさせていただきましょう」

このクッキーを食べたあとまだ食うのか…… 地味にとんでもない事を言いつつも

「私は棒術は専門外なのですが……わたくしの、勝手な感想で申し訳ないのですが『目』に頼りすぎているふしがあるのではないかと感じました。」

そう言いつつ、トートバッグから断熱マグカップを取り出して蓋を開け、熱々のコーヒーを飲みつつクッキーをつまみ、その後感想を述べ始める。
どうやら本格的に居座る気になったようだ。

三谷 彰 > 「目指し続けること、ですか……たしかに、それは大変かもしれませんね」

 今までの自分の考えとすこしだけ違う意見を貰い、助けになってくれると聞くと”ありがとうございます”とお礼を言う。
 今までではどうしても目標に向かっていくばかりで何処かでゴールを作ってしまっていたがそれでは上が決まってしまう。しかし続けようとすれば必然的に上を知らずに走り続けないといけなくなるのだ。
 それに例えゴールを決めていたとしても諦めたくなる時というのは誰にでもおとずれてしまうのである。
 
「い、いえ、そうは思っていませんよ」

 太ってしまうとか思っているのではないか。というまさに図星とも言える考えを言い当てられ目をそらす。
 だが普通に考えてそう思ってしまうのは仕方が無い事といえるのではないだろうか。なにせこれだけのクッキーを一人で食べるとなれば真っ先に思い浮かぶのはそれだ。
 その後の相手のとんでもない一言にツッコミを入れようとしたものの直後に言われた手痛い一言に思わず固まった。

「目に……ですか」

 思い当たる節がありすぎる。といった顔を露骨に浮かべる。実際に彼の戦い方は棒術の変幻自在さに彼の異能である目を合わせたことによる独自の方法。いわば全方位全距離をmm単位で把握してこその戦術だ。
 しかしそれは目にその大部分をおいているということの裏返しともなっており……

「やっぱりそこですよね。今までも目では追えても体が追いつかない……なんてことがかなりあったんですよ。さっきまでのもまさにそれで」

 体だけは普通の人間な物でと少し苦い顔を浮かべる。

高梨由佳 >  
「ええ、なかなか実践できる人間は少ないものです。わたくしを含めまして」

 困ったようにな笑みに一瞬なるも、その目は優しい笑みのままで……。

「うふふ、お姉さんを見縊ってもらっては困ります。 思っていましたでしょう。ふ・と・る・ぞ…と」

 さらにからかうように追撃の言葉をかけるも、その後の相手の反応に、それ以上の追撃は控え……

「ええ、例えばですよ。『目で見て明らかに詰んだ』 状態に対しての対処法を一つでも用意して置くことは大事かと思います。例えば……少しお借りいたしますわね」

 トートバッグから虹色のワンドを取り出すと、立ち上がり………。

 コンソールを操作すると、先程の状況を再現する。

 迫ってくる銀色の円盤に対して、杖を構えると……体ががぼんやり明るくなる。
 笑みをたたえた、だが真剣な表情になると軽く目を閉じ、再び開いた。

 異なる速度と角度で迫りくる円盤を直前で回避したり、銀色のワンドで叩き落としたりする……。
 どうやら、自身に魔力を付与して身体能力を向上させているようだ……。そして、予測も立てているかのような動きで…。
 だが、その直後の円盤の動きは明らかに違った……
 操作ミスか、はたまた意図したものか『目に見て明らかに詰んだ』状況で襲い掛かってくる……。

「ブースト!」

 そう声をはなった瞬間、銀の円盤の速度は彼女には超スローに見えた……。実際は速度など落ちていないが、
自身の魔力をループさせるという暴発一歩手前の中、自身の身体能力と反応速度をを常識外の域までに高めていた……。

 どこまで見えるか……その一瞬ですべての銀の円盤を叩き落とすと、地面に着地をする。
虹色の賢者の石が鉄色にかわり、一時的な魔力切れを起こしていると誰の目からにも分かる……。
そして、説明をしようとするも、なおも襲いかかる円盤に、やばい……という表情へと変わる。
 

「例えばこんな感じで、切り札を……あ……と、止めてくださいまし!!」

もはや一時的には何も役に立たないワンドを投げ捨てると、バック転などを駆使して必死で避け始める。もう下着が見えてしまうなどは考慮に入っていないようだ…。
常人より高い身体能力は残っているとはいえ、身体向上の付与に比べては劣る状態では避けきれるはずもなく、疲労で反応が落ちたところに、円盤が直撃してブザーを鳴らすと同時にバランスを崩し派手に転倒する。
最終的にはボコボコと銀の円盤に袋叩き状態になっていて……

「~~~~~~!!!!」

ブザーがブーブー鳴り続ける状態で地面に突っ伏している。 痛くはないが声にならない悲鳴を上げ…。

三谷 彰 > 「あはは、面目ない正直思っていました」

 完全にバレているから隠す意味も無く思っていたことを素直に認めた。おそらくというが反応的に認めたところで怒りはしないだろうという直感もあったからなのだが。
 それ以降の彼女の動きは結果だけ言えば何をやったかどう動いたか全て見えてはいる。ブーストと声を発した直後の超高速移動ですらもだ。とはいっても体で対応できるレベルではないためそれ以外が異様に遅く見えたが正解だが。
 ゆえに必然として彼女がボコボコとなっているところも見ており。

「その、大丈夫ですか?」

 痛くは無いだろうが悲鳴を上げている彼女を見てそう心配そうに声をかける。

「それにしても切り札……ですか、今あるのだと破壊力が高すぎるからなぁ」

 と呟く。いくらなんでも能力の訓練に決戦兵装を持ち出すわけにもいかないだろうし。

「……ふむ、んじゃ」

 と彼女に被らない所で立つ。
 そして再び起動。さっきの要領で円盤を回避していき。彼女の言う目で見て明らかに詰んだといった状態に追い込まれる。

「この位の変更なら……対魔術付与。対熱付与。属性付与・炎」

 3回呟き服・棒がそれぞれ光る。と同時にその魔力を先端に込め一気に振り下ろす。
 彼を中心として爆発が起こり迫っていた円盤を根こそぎ吹き飛ばす。が全ては落としきれずいくつかは命中したが……記録は34枚。今までで最高の記録だった。だが。

「ゲホッゲホッ、これ……ホントいざって時しか。ゲホッ!!」

 煙の中からユラリと出てくる。怪我こそはしていないがゲホゲホとむせるし服は汚れているしで中々に大惨事である。

高梨由佳 >  
「な、なんとか………」

停止するとよろよろ立ち上がり、転がっていたワンドを手に取ると、ワンドは再び虹色に輝き始める。
魔力の回復は素早いようで、すぐさま回復力付与を施し呼吸を落ち着かせると、相手のが始めた試行を見守る。

相手のやろうとしていることが同系統の魔術を用いる彼女にはわかり……。

「なるほど………」

そう小さく呟くと次に発生するであろう事象に備え、身構えると起こる爆発……。
爆風から置いてあったクッキーを守ると……ちらりと爆風でスカートがめくるがどうやらクッキーが大事らしい。
煙から出てくる彼に、慈母のような笑みを向けるとむせている相手にワンドを向けると回復力向上の魔力を付与しつつ、
近くの空間に『真空』の空間を付与し、気圧差で生じた風で爆炎を霧散させていく……

「そうですね、必要があればそういう手もありだと思います。自身のポリシーに反しない範囲で、手段を選ぶ必要はありませんわ。敵を知り己を知れば百戦危うからず………自身の能力で何ができるか、何を応用できるかを知って置く事が肝要。さすればわたくしのように、付与魔術を応用して食べても太らない……ふふ」

最後に彼女の秘密の一部を口にしてから、笑って煙に巻こうとする。
そして、クッキーを食べようと振り向いたところで……断熱マグカップが爆風で転がり、褐色色の液体……コーヒーが全部こぼれ出てることに気づき……。

「あらら………」

再び相手に視線を戻すと困ったような笑みを向ける。

三谷 彰 > 「そ、そんなつかいかたはじめて知りましたよ!! てか太らない原因ってそれ!?」

 自分でも知らなかった付与魔術の使い方を聞いて思わず強めにツッコミを入れてしまう。というか自分でもどんな原理を使えばそうなるかなんてわからない。

「ありがとうございました先生。こんな使い方は今まで思いつかなかったもので、切り札という意見をくれた先生のおかげです。こんな応用の方法もあったんですね」

 今までは1撃を高め周囲に極力被害を出さないように爆発を収束させていたがこうやって拡散させるのも場合によってはありだと今回のおかげで学ぶことができた。一瞬これを決戦兵装でやったらどうなるかと思ったが自分もただではすまないのでやらないことにした。
 さて、そうお礼を言うと困った顔で見てくる教師。一瞬どうするべきか考えて。

「ええっと……缶コーヒーか何か買ってきましょうか?」

 先生相手にどうするかと考えたが思いつかずこう意見を出した。

高梨由佳 >  
「ええ、苦心の末編み出した最終奥義です。魔力を用いて体に働きかけて基礎代謝力を向上させて………」

 とてつもなくくだらない最終奥義を口にしてちょっといたずらっぽい笑みを浮かべる。
 ただ、その後に「内緒ですよ?」と付け加える。
 世の中の女性を敵に回しかねないことは自覚しているようだ……。

 そして礼を述べた彼に

「いえ、わたくしはわたくしの経験則をそのままお伝えしているだけに過ぎません、あの応用を編み出したのは紛れもなく貴方です。でも……お役に立てて光栄ですわ」
 
 穏やかで優しい笑顔を向け、
 そう言いつつ転がった断熱マグカップを取り出すと、蓋をしてからトートバッグに入っていたポケットティッシュでマグカップについたコーヒーを拭き取ると、ゴミ箱に投げ入れる。

 缶コーヒーを買ってこようとする相手に軽く首を振ると

「いいえ、お気遣いなく。クッキーが無事だったから大丈夫ですから。」

そう言いながらクッキーとワンドもトートバッグにしまい込む。

「ところで、せっかくですのでお名前を聞かせていただけますか?」

今更のように思い出すとそう相手の名を問うた

三谷 彰 > 「内緒も何も……そんなの出来る人そうは多くないと思いますよ」

 サラっと言ってのけているがかなりとんでもない事をやっている。
 最終奥義太らないと書けばあれだが最終奥義に相応しい難易度ではあると思う。

「まぁ、そうかもですけれど。アドバイスのおかげっていうのも大きいですし。一人だったら切り札なんて思い浮かびませんでしたよ。だからお礼は言わさせてください」

 応用を認められて悪い気はしないが実際のこともちゃんと話した。自分の中で切り札は決戦兵装と思い込んでいた為に今の状態の切り札というのはどうしても考え付かなかった。この状態でもあれだけ出来るというのを気がつかせてくれたのは紛れも無くこの目の前の教師なのだから。

「そ、そうですか、わかりました。2年の風紀委員特別攻撃課所属。三谷彰です」

 相手がコーヒーはいいけど名前をと言えばそれに応じ自己紹介をする。この辺は風紀委員というべきなのだろう。あいさつなどは慣れているのかしっかりと述べる。

高梨由佳 >  
「うふふ、そうそう付与魔術をポンポン応用されても困ってしまいます。それに裏を返せば、その奥義と食い意地のお陰で出入り禁止や、5倍から10倍の『高梨由佳専用料金』などを設定されてしまっていますので……。」

楽しそうに笑いながら、目の前の彼の反応を楽しんでいるようで……。
正直な目の前の彼に目尻を更に下げて優しい表情と口調のままで

「ありがとうございます。わたくしも今日のことは得るものも多かったのでお互い様、ということで……
 三谷くんですね。わたくしは魔導学の講義とお菓子作り担当の高梨由佳と申します。

 父は高梨内記と言いまして……



 うふふ、冗談ですよ」


 父は戦国末期の武将 と口にして相手の反応を見てから笑って冗談と煙に巻こうとする

三谷 彰 > 「どんだけ食べてるんですか貴女」

 もはや教師というのを忘れジト目になってしまう。5倍10倍の特別料金なんて聴いたことが無い、いやでもスイーツは食べ放題で1番お金が掛かる商品と聞いたこともあるし……?
 と考えていると相手の大ボケなのだが。

「高梨先生ですね、わかりました。というかその冗談、実際に太らないなんてのやれてる人が言うと冗談に聞こえませんよ」

 クスっと少しだけ笑いを浮かべる。冗談に聞こえないという言い分の通りほんの少しそれを信じれてしまう辺り恐ろしい人だと思う。
 さっきの爆発や今までの練習で体力も魔力も比較的使ってしまっている。無理をすれば何とかなるかもしれないが……

「すみません、私はそろそろ失礼しますね。流石に色々と使ってしまって」

 こういう訓練の時無理をすれば大怪我に繋がる事は経験で覚えているため無理をせず帰宅という選択を選ぶ。
 荷物を鞄にしまい、棒を袋に入れるとそれぞれを背負いもう一度軽く頭をさげてから演習場を後にした。

ご案内:「演習施設」から三谷 彰さんが去りました。
高梨由佳 >  
「うふふ、女性に聞いてはいけませんわ。知りたいなら実際に見ていただければよろしいかと」

ジト目になった相手の反応を楽しむように笑ってからさらなる反応にうふふと笑ってから

「うふふ、実際のところは乙女の秘密ということで、どうか


 そうですね、無理はよろしくありませんから、ではまたご縁がありましたらお会いしましょう」

そう笑いを浮かべると帰宅する相手を笑顔で見送ると、自身も研究室へと向かうために演習場を後にする。

ご案内:「演習施設」から高梨由佳さんが去りました。